2019年1月11日 (金)

年末年始など

 石破 茂 です。
 明けましておめでとうございます。旧年中は何かとお世話様になり、誠に有り難うございました。本年も何卒よろしくお願い申し上げます。
 平成の御代も最後の年となります。よく心してあらゆる事柄に臨んでまいります。

 年末年始は大晦日早朝の民放番組生出演から始まり、地元での番記者有志との忘年会、元旦午前零時から「どんどろけの会」メンバーとの新春事務所前挨拶、午前5時から実践倫理宏正会元朝式、午前8時から宇部神社初詣、自民党国府町支部新年祝賀会と例年通りのスケジュールをこなしました。

 熊本を中心とする震災で被害を受けられた方々に心からお見舞い申し上げます。
 最近のニュース番組において「・・・であることが関係者への取材によりわかりました」との報道が多いことに違和感を覚えているのは私だけなのでしょうか。このほとんどは「関係者」によるリークに基づくものなのでしょうが、取材源は秘匿しなければならない、という大原則に守られた「関係者」は何ら責任を負うことなく一方的に情報を流し、もう一方の当事者の立場や主張は同列には扱われない。もし仮に「関係者」が国家権力に近い側でありせば、それとメディアが一緒になって世論や心証が形成されていくのはかなり危険なことのように思われます。

 日産の一連の問題についても、基本的なところで疑問が多々あります。
 金融証券取引法の有価証券報告書虚偽記載に関する罪は「重要な事項につき虚偽の記載をし、それを提出すること」が構成要件として定められており、これは投資家保護が主な保護法益であると承知しています。では何が重要な事項であり、政府や取引所に対して提出すべき者は誰なのか、これによって侵害された法益は何なのか、日産はどのような損害を蒙ったのか。
 そして圧倒的な国家権力と対峙せねばならないが、確定判決が出るまでは推定無罪とされるはずの被疑者の人権はどうなるのか等々、基本的なことについて見解は多岐に分かれており、いまなお十分に納得できる解説に接しておりません。自分なりに努力して渉猟し理解する必要性を痛感しております。
 ルノーの連結子会社である日産の持つ技術、フランス政府が筆頭株主としてルノーに対して持つ影響力、フランスと中国との関係、アメリカの有する安全保障上の懸念、それらすべてが絡み合う複雑な構図であるようにも思われ、「強欲ゴーンの暴走」あるいは「日産社内のクーデター」的な、ある種分かりやすい絵解きや勧善懲悪的な見方は本質を見誤るものではないのでしょうか。細心な注意が必要だと感じます。

 昭和40年代から50年代にかけて、日産はトヨタと業界を二分する存在で、私が小学校から高校生くらいの頃、新聞や雑誌、テレビに大々的に打たれるコマーシャルにはその都度ワクワクしたものでした。
 日産の作品にはなかなか優れたものがあって、中でも「箱スカ(箱形のスカイライン)」「ケンメリ(ケンとメリー)スカイライン」の一連の広告はとても美しく印象的で大好きでした。
 当時から川又社長、塩路労組委員長を軸とする日産の企業体質は問題視されていましたが、いいクルマと素敵な広告があった頃の日産を懐かしく思い出します。牧歌的で夢のあった昭和のいい時代だったのかもしれません。

 韓国駆逐艦による海自哨戒機に対する射撃管制レーダー照射事案については、そもそもあの駆逐艦はあの海域で一体どのようなオペレーションを行っていたのかが事の本質であると考えております。
 韓国駆逐艦の行動は国際ルールに明白に反するものですが、「遭難した」とされる北朝鮮の「漁船」の正体は何なのか。そして、何故救難信号を韓国だけがキャッチしたとされているのか。
 かつての中国艦による同種の事案の際も、民主主義国とは異なる中国において文民統制はどのように機能しているのかが問題となりましたが、今回の一連の不可解極まる韓国側の対応についても、その視点を持って見ていかなくてはなりません。

 尾崎行雄記念財団が、2018年「咢堂ブックオブザイヤー」の中の一冊に拙著「政策至上主義」(新潮新書)を選んでくださいました。有り難いことです。
 著書や論文は未来永劫にわたって厳しい評価に晒されますので、書くことにはいささかの躊躇いもあるのですが、文章にして自分の考え方を世に明らかにするのも政治に携わる者の責務ではないかと考えております。

 週末は札幌、倉吉、米子、薩摩川内、鹿児島での講演、座談会、選挙応援日程が入り、来週17日にはシンガポールにおいて開催される日経フォーラム「イノベーティブ・アジア」でパネルディスカッションに参加した後、講演する予定です。
 大寒に向かって寒さが厳しくなる折、皆様ご健勝にてお過ごしくださいませ。

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2018年12月28日 (金)

天皇陛下記者会見など

 石破 茂 です。
 御在位中最後となる天皇誕生日に際して行われた陛下の記者会見は、陛下の大御心が真に迫って伝わる畏れ多くも感動的なものでした。
 全国民統合の象徴であらせられる陛下が伝えようとされたメッセージを、我々国民も立場の相異を越えて厳粛に受け止めなくてはなりません。御代代わりとなる来年、平和への思い、沖縄への思い、被災地に対する思いを一層強くしていかなくてはならないと、痛切に感じたことでした。

 韓国の海上自衛艦に対するレーダー照射事案について、火器管制レーダーの照射が非常に危険な行為であり、非難されるべきものであることは論を俟ちません。韓国政府による原因の究明と再発防止を求めるのは当然のことです。
 一方で、北朝鮮との関連も含め、詳細な分析も必要でしょう。韓国が矛盾に満ちた主張を繰り返す背景には一体何があるのか、韓国政権中枢ではどのような意思決定がなされているのか、以前の中国による海自機や海自艦に対するレーダー照射事案との対比において、よく考えてみる必要があります。

 今週はバラエティー番組の収録が相次ぎました。BS日テレ「深層NEWS 政界鉄ちゃん旅」、日本テレビ「行列のできる法律相談所SP」、読売テレビ「ダウンタウンDX」などですが、放映はすべて来年一月となります。お時間が合えばご覧ください。
 大晦日31日の朝7時からは毎年恒例のフジテレビ「景気満開テレビ」に生出演いたします。
 
 本年一年、皆様には本当にお世話様になりました。
 来たる年が皆様にとって良い年となりますよう心から祈念致します。

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2018年12月21日 (金)

講演と質疑など

 石破 茂 です。
 さる17日の私のパーティには、年末ご多忙の折にも関わらず多くの皆様にご参加を賜り、おかげさまで賑やかな会となりました。決して安くはない会費と貴重なお時間を拠出してくださった方々のお気持ちに背くことの無いよう、厳しい環境の中にあればこそ一層の努力精進をしなくてはならないと思いを新たにしたことでした。
 本当に有り難うございました。

 三月の党大会以来、憲法の議論はいささか停滞気味ですが、今週送られてきた「吉田茂という反省」(阿羅健一氏と杉原誠四郎氏の対談・自由社刊)は今までの憲法改正論とはいささか趣を異にするものです。
 両氏は「新しい歴史教科書をつくる会」に関わってこられた方々で、私は一面識もないのですが、添付されていた挨拶状を読んだ限りでは、結論において私の従来からの主張とほとんど乖離がないように思われます。
 日本の戦後に吉田茂元総理が果たした役割は決定的に重要であり、保守の立場からこれを批判的に論じたものはいままであまり見かけられませんでした。
 憲法第9条改正について、第1・2項をそのままにして新たに第3項で自衛隊の存在のみを書き込み、9条についての考え方は全く変わらないとする案は、従来の保守の立場からは容認しがたいものなのでしょうが、一瞥した限りではこの不満に対する一つの解決策を示しているようにも思われます。
 お正月に暇を見つけて精読してみたいと思っております。

 今週はいわゆる市民団体系の政治フォーラムや講演会に呼ばれる機会が2回ありました。講演の後での質疑応答では挙手される方が相次ぎ、長時間にわたってエキサイティングな議論が続きました。
 小泉内閣で初めて防衛庁長官に就いた時に私は「極右の軍事オタク」と酷評されたものですが、いまや「サヨクの軍事オタク」と一部で揶揄されるに至っています。私自身の主義主張は一貫して変わっていないのですが、世の中の座標軸が大きく動いているのだと思っています。「真の○○」とか「真正○○」などと自称する勢力もここ数年見られますが、何故自分をそう称し、それと異なる主張を「偽の」と断ずることが出来るのか、いささか理解に苦しみます。

 マティス米国国防長官が来年2月にも辞任するとの報道がありました。国務長官、首席補佐官、国防長官などが相次いで辞任するトランプ政権とは一体何なのでしょうか。
 就任当初「狂犬」とも言われた同長官ですが、ブッシュ(子)政権のパウエル国務長官がそうであったように、軍人出身の米国外務・国防担当閣僚は基本的に戦争を回避し、抑制的に行動してきました。後任はまだ不明ですが、来年のトランプ政権への対応は一層難しくなるように思われてなりません。

 週末は、22日土曜日は地元で小林昌司前若桜町長の叙勲祝賀会(若桜町)、さじ地域協議会創立10周年記念大会で地方創生の講演(鳥取市旧佐治村・現佐治町)、ちんたい関係者との懇談会(倉吉市)、JA中央役職員との忘年会(同)、23日(天皇陛下御生誕の日)は滋賀県で開催されるパーティでスピーチの後に民放テレビ番組の収録、25日振替休日は長野県での年末懇親会に行って参ります。
 今上陛下御在位中の御生誕の日はこれが最後となります。この上なく有り難い陛下を頂いたことの素晴らしさをしみじみと感じます。
 
 皆様、年末ご多忙のことと存じます。どうかご健勝にてお過ごしくださいませ。

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