2021年12月 3日 (金)

水月会の組織変更など

 石破 茂 です。
 12月2日の水月会臨時総会において、水月会の組織形態を「派閥」から「グループ」に改め、他派閥との掛け持ちや無派閥からの参加を可能とすることを提案し、了解を頂きました。日本の抱える諸課題につき、更に議論を深め、解を見出すべく今後活動して参りたいと思います。昨日所属議員全員の皆様に申し上げましたことを載せておきますので、ご覧頂ければ幸いです。
 この度の組織変更が今後どのような意味を持つことになるのか、正直に言って今は分かりません。しかし、私の能力と努力の不足から、35年以上も議員を務めていながら多くの分野で確たる見解を持つに至っていないことには恐怖に近い思いを持っております。有権者から衆議院議員という立場を与えられている以上、国として今までずっと先送りしてきた課題の解決に向けて大きな責任を有しており、勉強会等を通じて多くの智慧を学び、議論を重ね、解を見出すべく努力を重ねたいと思っております。

 

 発表後の記者会見において「国民の間には一定の知名度と支持があるのに、自民党内ではそうなっていない理由をどのように考えるか」という趣旨の質問を頂きましたが、各々が支持する動機が異なっているから、とお答えするしかありませんでした。国民には誰を支持するかについて具体的な利害はありませんし、自民党内では選挙の支援や役職等々、様々な関係が当然あるのであって、そこは基準が全く異なる、という実に当たり前のことなのだと思います。

 

 週末12月4日土曜日は、NPO法人「日本に健全な森をつくり直す委員会」(養老孟司委員長)の「これからどうなる?首都直下型地震、富士山噴火、南海トラフ巨大地震、そして日本列島」と題するシンポジウムに参加する予定です(14時~@モンベル品川店)。地震学の権威である尾池和夫・元京大学長と、地方創生の第一人者である藻谷浩介氏との対談も予定されており、この分野での知見を深める有り難い機会だと思っております。この委員会による四次にわたる提言書は、なかなか示唆に富むものです。今年9月に発表された第四次提言書にある藻谷氏の「令和の日本は幕末に似てきた」と題する一文は、なるほど然りと思わされるものでした。

 

 今年もあとひと月足らずとなりました。皆様ご健勝にてお過ごしくださいませ。

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政策集団「水月会」の今後の在り方について、先般私にご一任を頂き、所属議員の皆様と意見交換を重ねて参りましたが、この度、私としての考えを纏めるに至りましたのでご報告を申し上げます。

 

水月会はその組織形態を「派閥」から「グループ」に改め、他の政策集団との掛け持ちなどを可能とする政策集団として活動して参りたいと思います。

 

平成27年9月の発足以来、志を同じくする方々と共に、日本の今後の在り方につき真摯な議論を重ね、研鑽を積んで参りました。

「政策を錬磨し、選挙においては互いに全力で助けあう」集団として一定の成果を挙げたものと思います。

総裁選挙に所属議員の皆様のご推挙を頂き、二回立候補の機会を与えられ、積み上げてきた政策と自民党の在り方を自民党員、ひいては広く国民の皆様に訴えることが出来ましたのは、本当に有り難いことだったと心より深く感謝しております。

所属議員の皆様が、政府・国会・党内・メディアにおいてその力量と見識を存分に発揮され、大きな役割を果たしてこられたことも、水月会の大きな成果であったと思います。

 

この度の総選挙で我が自由民主党は単独で安定過半数を獲得し、国民の信任を得た形となりました。今後は来夏の参院選において勝利すべく、党一丸となって取り組んでいかねばなりません。

一方において、水月会が結成した際に目指した「五十年先、百年先の日本の在り方を考え、解を見出す」ことについては、党内においても、政府においても、未だに模索が続いている状況にあり、これに私は強い危機感を持っております。

 

水月会を結成した際「独立した、持続する(インディペンデントでサステナブルな)日本の在り方を見出したい」と申し上げました。この際、改めて政策集団としての原点に立ち返り、日本の国體の中心である皇室の在り方、憲法、外交、安全保障、新たな資本主義、地方創生、人口減少、エネルギー、公的なインフラとしての医療体制の確立等につき、更に研鑽を重ね、解を見出し、これを広く内外に向けて発信し、多くの皆様の納得と共感を得られるよう努力を重ねて参りたいと思います。

定例的に勉強会を開催し、今までの水月会のメンバーのみならず、参加される方を広く求め、議論を重ねるとともに、選挙においては互いに助け合い、全員が今後とも変わることなく国民の負託を受けることが出来るよう、活動して参ります。

 

今まで賜りましたご厚情に心より厚く御礼申し上げます。

今後とも何卒よろしくお願いを申し上げます。

 

 

 

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2021年11月30日 (火)

イシバチャンネル第百二十弾

イシバチャンネル第百二十弾「衆議院議員総選挙を振り返って」をアップロードしました

「衆議院議員総選挙を振り返って」①


「衆議院議員総選挙を振り返って」②

ぜひご覧ください

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2021年11月26日 (金)

「新しい資本主義実行本部」など

 石破 茂 です。
 自民党の「新しい資本主義実行本部」の初会合が昨日開かれ、今後議論すべき論点についての意見が交わされ、私は以下のような意見を申し述べました。
 第一に、資本主義は人口の増加を含む消費の増大を前提としており、現在1年に約50万人、団塊の世代が現世をリタイアする時期には一年に約100万人減少する我が国の人口減少に歯止めをかける施策は不可欠のはずです。人口の減少には出生数の急減が大きく影響しているのですが、提示された論点にはこの明確な記載がないため、これを論点として明示し、解決策を示す必要があるのではないか。
 第二に、資本主義は金利の存在を駆動力とし、借り入れた資金を利子をつけて返済するために勤勉に努力して経済活動を行うのですが、著しい低金利、もしくはゼロ金利が当面は続くという状態においてどのように新しい資本主義を構想するのか。
 第三に、19世紀のドイツの経済学者ゾンバルトがその著作「恋愛と贅沢と資本主義」で論じているように、資本主義は「贅沢(志向)」をその本質としていると伝統的に捉えられていたところ、このような衒示的(顕示的)消費が減少していることをどのように捉えるべきか。
 第四に、医療、食料、教育、エネルギーなどの、そもそも民間の経済活動に必ずしも馴染まない、宇沢弘文氏流に言えば「社会共通資本」とされるものを今後どのように位置付けていくべきなのか。
 これらについて、私自身もよく突き詰めて考えてみたいと思っています。皆様のご知見もお寄せいただければ幸いです。

 

 今後のアジア・太平洋地域の安全保障のあり方を考えるとき、かつての米ソ冷戦構造と、今の米中関係との比較には意義があるものと思います。
 米ソ間には「資本主義対共産主義」というイデオロギーの対立があり、互いが核ミサイルを多数保有しているという相互確証破壊が成立し、アメリカを中心とする軍事同盟とソ連を中心とする軍事同盟が対峙していました。
 そしてソ連軍はソ連共産党政府が崩壊の兆しを見せた時にも沈黙を守り、経済力という点でソ連はアメリカに遠く及びませんでした。
 しかし、今の米中関係にはそれらのことごとくが欠けているのではないでしょうか。
 これらを前提として考えると、台湾問題であれ、朝鮮半島問題であれ、今までとは全く異なる思考法、異なるアプローチが必要となるはずです。新しい資本主義同様、この課題についても、懊悩・呻吟しながら考えていく他はありません。
 韓国の軍事費は2020年においてドルベースで日本の93%に達し、現政権下では年7~8%の伸びを示しており、近年中に日本を上回ることが予想されています。弾道ミサイルを保有し、ミサイル搭載原潜の保有を視野に入れ、核兵器の保有も白地的に議論される韓国の動向に、日本はもっと関心を持つべきです。
 国家の独立、という意識においても彼我の差は相当に大きいと認識せざるを得ず、我が国の独立と平和を守り抜くためにも、この点について更に真摯な思考が必要だと考えております。故・小室直樹博士や、故・岡崎久彦氏の韓国について論じた著作を読むにつけ、自分の思考の浅さが恥じられてなりません。

 

 街には賑わいが戻りつつあります。黒木登志夫・元岐阜大学学長は新型コロナウイルスの自滅説を唱えておられ、これを山中伸弥教授が紹介しておられます。今後のためにも貴重な参考となるものと思います。

 

 今晩は「日経ニュースプラス9」(BSテレ東・21時54分~)に出演、テーマは日本の防衛能力についてです。
 27日土曜日は全国青年交流会シンポジウムにおいて「地方創生と国防」という演題で講演する予定です(山中湖・ホテル清渓)。

 

 来週はもう12月となるのですね。皆様、ご健勝にてお過ごしくださいませ。

 

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