2017年7月21日 (金)

水産庁漁業取締船など

 石破 茂 です。
 永田町の耳目は24日に衆議院で、25日に参議院で行われる予算委員会閉会中審査と8月3日にも予想される内閣改造・党役員人事に集中しています。
 閉会中審査では、質問者の後ろには国民が居るとの認識を強く持って、質問をはぐらかしたり、相手の挑発に乗ったり難詰したりすることなく、誠心誠意の対応を期待したいですし、与党質問者は与党の姿勢そのものも問われているということを忘れてはならないでしょう。
 確かにそのような面があるにせよ、報道を「フェイクニュース」、野党の質問を「印象操作」とするあまり、こちらが同じレベルになってしまうことのないよう、心がけたいものです。

 人事については、能力と経験を公正・公平に判断して行う、という当然のことが行われればよいのではないでしょうか。議員それぞれの、党内や委員会、政府内での経験・発言・実績などは相当程度客観的に判断できるものであり、自民党内の当該分野の会議に出席も発言もせず、省庁の所管事項や政策課題も知らず、委員会での発言も全くないような人が仮にいきなり要職に就いてしまえば、国家国民にとっては勿論のこと、本人にとっても大きなマイナスにしかなりません。ポストは国家国民のためにあるのであって、政権や議員のためにあるのではありません。自民党内にはたとえ派手さはなくても、地道にその分野で努力してきた人材が多くいるのであって、是非ともそのような人々に活躍の機会を与えて頂きたいと願っております。

 17日の海の日に、水産庁漁業取締船「東光丸」「白竜丸」に乗船してまいりました。農林水産政務次官、総括政務次官(現在の副大臣相当)、大臣を務めた経験がありながら、実際に乗船したのは初めてでした。海洋の秩序維持と言えば、海上保安庁と海上自衛隊を想起しますが、我が国の広大な排他的経済水域において、漁業取締官や取締船の乗員の方々が果たしている役割やその任務の困難性を知って、自分の不明を大いに恥じたことでした。関係諸官の昼夜を分かたぬ取り組みに心から敬意を表すとともに、法令や態勢の整備に努めなくてはならないと思います。

 都議会議員選挙後しばらく中断していた憲法についての議論が近々再開される運びとなっています。近刊の「ほんとうの憲法 戦後日本憲法学批判」(篠田英朗著・筑摩書房)、「誰も知らない憲法9条」(潮匡人著・新潮新書)は斜め読みした限り、やや難解かつ従来の思考とはかなり乖離がありますが、頑張って読んでみたいと思います。
 その他では「医学の勝利が国を滅ぼす」(里見清一著・新潮新書・再掲)をもう一度読み返したく思っています。

 週末は、22日土曜日が第32回やしろ五輪まつり(午後4時・倉吉市)、やず納涼祭ふれあいコンサート(やずふれあい市場・八頭町宮谷)、若桜鉄道グルメ企画・因幡船岡駅ビール(午後7時・若桜鉄道因幡船岡駅前)、若桜町納涼花火大会(午後7時40分・若桜駅前)。
 23日日曜日は三重県医師会トップセミナー「人口減少と地方創生」で講演(午後2時・津都ホテル・三重県津市大門)、三重県医師会・三重県幹部との意見交換夕食会(午後5時・津市内)、という日程です。

 期数の若い頃は地元での夏祭りの梯子を随分としたものですが、最近はあまりそういう機会が少なくなってしまいました。疑心暗鬼と権謀術数の渦巻く永田町を離れて、懐かしい方々と共に飲み、地元の言葉で語り合うことのできる時間はこの上なく楽しいひとときです。
 若桜町のジビエ料理は日本有数の美味しさだと思うのですが、これもとても楽しみにしています。

 梅雨が明けた都心は、連日酷暑が続いています。私たちが子供の頃は「涼しい午前中に勉強しなさい!」と言われたものですが、今や午前中どころか早朝から暑い夏になってしまいました。
 皆様お元気でお過ごしくださいませ。

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2017年7月14日 (金)

最大の課題など

 石破 茂 です。
 東京都議会議員選挙から2週間近くが経過しましたが、自民党では東京都連においても、党本部においても総括の会合が開かれないままの状態が続いており、党内で意見を述べる機会が全くありません。
 民主党政権が誕生し、我々が野に下って初めての自民党大会でゲストスピーカーの野村克也氏が「負けに不思議の負けなし」という松浦静山の言葉を引用して「試合で負けた時にきちんと総括・反省・改善をしなければ次の試合も必ず負ける。野球も選挙も同じである」と述べられたことが鮮烈に印象に残っているのですが、今回もそうあらねば次回総選挙がかなり厳しい結果となることを強く危惧しています。

 加計・森友問題は国政最大の問題ではありません。河合雅司氏が「未来の年表」の中で指摘しているように、我が国内政最大の課題は人類がいまだ経験したことのない急速な少子化と高齢化社会への対応であり、その財源の確保です。地方創生はその一環なのであって、「成功する里山ビジネス ダウンシフトという選択」(神山典士著・角川新書)からはいくつかの貴重な示唆を受けました。
 
 外交・安全保障分野の最大の課題は激変する安全保障環境の変化に対応し得る法制と能力の整備であり、「武力なき正義は無力であり、正義なき武力は暴力(圧制)である」(パスカル)という言葉を今一度よく噛みしめなくてはなりません。
 北朝鮮のICBM開発の進展が日本に突き付けているのは、米国の拡大抑止(核の傘)の信頼性に与える影響をどのように考えるかという点です。ICBMはSLBMと異なり、冷戦期の米ソでさえ一度も実験したことのない、考えてみればとても不思議な兵器なのですが、十数年前から既に北朝鮮は米軍基地が所在する岩国・佐世保・沖縄を含む西日本を射程に収めたスカッド・ノドンミサイルを相当数保有していたのであり、ICBMではなくても事態はその時から深刻であったはずです。
 その時と現在の相違は「いつ・どこから・どれだけの数を撃たれるかわからなくなった」という点にあり、飽和攻撃への対応も含め、今の機会に明確な解を出す必要があります。「差し掛けられた傘 米国の核抑止力と日本の安全保障」(佐藤行雄元国連大使著・時事通信社)は今までの経緯を詳細に記した好著です。

 最近必要に迫られて学生時代の法律学の教科書を読み返す機会があるのですが、40年以上を経て読み返してみると、新たな気付きがあったり、忘れていたことを思い出したりとなかなか有意義な時間です。
 憲法改正の国民投票について清宮四郎教授は「(国政)選挙と同時の国民投票では、国民が選挙に気を奪われて、憲法改正の意味をよく意識しないで投票を行うおそれがあり、問題の重要性に照らし、憲法改正問題だけに国民の注意を集中させる『特別の国民投票』の方が望ましい」と述べておられますが(憲法Ⅰ新版 法律学全集第3巻 有斐閣)、然りと思います。
 国民投票はあと1年半以内に迫った衆院選と絡めて報道されることも多いのですが、国政選挙と同時に行った場合、有効投票の過半数は得られたが、発議に賛成した勢力は3分の2を大きく割り込んだ、という一種矛盾した奇妙な事態が起こることも可能性としては十分予想されることであり、この点も併せてよく考えなくてはなりません。

 週末は、16日日曜日が「時事放談」出演(午前6時・TBS系列・収録)出演。
 17日海の日は、水産庁漁業取締船「東光丸」「白竜丸」乗船(午前8時半・晴海埠頭)、茨城県知事候補予定者「大井川かずひこ氏と語る会」にて講演(午後5時・高萩市文化会館・茨城県高萩市高萩)、という日程です。

 都心はまるで梅雨が明けたかのような酷暑の日々が続いています。
 皆様ご健勝にてお過ごしくださいませ。

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2017年7月 7日 (金)

議員生活32年目など

 石破 茂 です。
 都議会議員選挙は予想以上の自民党大敗となりました。前回「今回は今までとは全く異なる雰囲気を感じており、結果は開けてみなければわからない」大意そのように記しましたが、まさにその通りでした。
 一言で言えば「自民党は本当に国民の側を見て政治をしているのか」が問われたのだと思います。勿論そうでなくてはなりませんし、そのように努めている議員も大勢居るのですが、どうしてそのように有権者に思われたのかを分析し、改善しなくてはなりません。選挙区の大半が中選挙区の都議選においてこうなのですから、小選挙区の衆議院選挙においてはもっと鮮明に結果が表れます。対抗する政党など出るはずがないと過大に楽観視するのは禁物です。
 安倍総裁は「政権奪還時の原点に回帰して挙党体制で信頼回復に努める」と述べられましたが、「原点」とは自民党が野に下った時の徹底した総括と真摯な反省であったと思います。共に同じ船に乗っている者同士が責任の押し付け合いや犯人捜しなどしている場合でないことは当然ですが、同様に挙党体制というものが一切の意見や批判を許さないことと同義ではないことも当然だと思います。
  
 閣僚の失言や衆議院当選二回生の一部の言動が選挙結果に影響を及ぼしたのも事実ですが、根はもっと深いように感じられました。日々多忙な有権者は、政策の細部まで子細に比較検討する余裕を持ってはいないにせよ、政党の姿勢を敏感に見抜く目は持っています。マスコミの報道にも言いたいことは多くありますが、どんなに苦しく、悔しく、辛くても、民主主義に必要なインフラとして甘受する他はありません。

 憲法第9条改正の議論にしても、事の本質は決して難しいものではないにもかかわらず、「第二項の削除は国民の理解が得られるはずがない」といった硬直的なものの見方しかしない一部の論調には大いに疑問があります。
 「自衛隊は国の独立を守ることを任務とする『軍隊』である」「交戦権は自衛権と一体の主権国家としての権利であり、これを否定して活動することは本来ありえない」という当たり前のことを、どうして国民の理解が得られるはずがないと決めつけるのか。このように物事の本質から目を逸らしてきたことこそが、国民の精神性を蝕んできたように私には思われます。
 政治が国民に語りかける真摯さを放棄し、「どうせわかるはずがない」と勝手に思い込んでしまう姿勢が私は苦手です。国民を信じない政治家がどうして国民から信じてもらえるのか。

 今日から衆議院議員として32年目に入りました。「政治家の唯一の使命は勇気と真心を持って真実を語ることである」という渡辺美智雄先生の教えと、「たとえ聞いてくれる人がいなくとも、私は辻立ちしてでも説得する」という竹下登先生の姿勢に、少しでも近づきたいと思っています。

 週末は、8日土曜日が「ウェークアップ!ぷらす」出演(午前8時・読売テレビ系列・中継)、日本青年会議所近畿地区尼崎フォーラムにて講演・春香クリスティーン氏とのトークセッション(午後1時・尼崎市総合文化センター)、AbemaTV「みのもんたのよるバズ!」出演(午後8時・テレビ朝日スタジオ)。
 9日日曜日は足助町内視察(正午・愛知県豊田市足助町)、ジビエ加工施設「猪鹿工房」視察(午後1時同市新盛町)、古橋懐古館訪問・古橋理事長との懇談(午後2時・同市稲武町)、自民党豊田市支部稲武地区大会にて講演(午後3時・稲武中学校多目的ホール・同市桑原町)、三江弘海豊田市議会議長就任祝賀会で挨拶(午後4時半・ホテル岡田屋・同市武節町)、という日程です。
 
 九州地方などで梅雨末期の豪雨災害が発生しています。現地の皆様のご苦難に思いを致し、心よりお見舞い申し上げますとともに、全力で対応に当たっておられる自衛隊、消防、警察、自治体の各位に敬意を表します。
 皆様ご健勝にてお過ごしくださいませ。

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