小沢代表発言報道について
石破 茂 です。
本日、ようやく平成21年度本予算が衆議院を通過し、参院に送られることとなりました。これで年度内成立が確実となり、とりあえずひと山越えたことになります。来週から参議院予算委員会での審議が始まります。野党が多数を占める参院での審議には、衆院にもまして緊張感を持って臨まなくてはなりません。
2月25日、小沢民主党代表が「米国のプレゼンスは必要だが、おおむね横須賀を母港とする第七艦隊の存在で充分だ。日本の防衛に関することは日本が責任を持てばいい」と発言された由。報道からだけではその真意は不明ですが、これは極めて重大な発言です。
そもそも第七艦隊は「在日米軍」ではありませんので、在日米軍の存在は必要ない、といっているのと同じなのですが、こんな発言をするからには、氏なりに日本の周囲の安全保障環境を分析し、陸・海・空自衛隊の現在ある能力を把握し、在日米軍(陸・空・海兵隊)のそれぞれの存在意義(小沢氏は等閑視しているようです)を理解された上でのものなのでしょう。是非とも党首討論で氏の持論を聞いてみなくてはなりません。
日米安保条約をきちんと読まれたことがあれば、米軍駐留の目的は「日本国の安全に寄与する」だけではなく、「極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため」となっており、「日本の防衛」だけのためにあるのではないことをまさかご存じないわけは無いと思うのですが、何故「日本の防衛に関することは・・・」などという発言になるのか、全く理解ができません。「日本さえよければいい」との考えなのでしょうか。
それが氏の「国連絶対主義」、すなわち、「自衛隊は国連に『ご親兵』として差し出す。国連決議がとれれば世界中どこでも行かせるが、決議がとれなければ(いかに日本国の国益に必要であっても)どこにも出さない」との考え方と如何なる関係に立つのでしょう。
そもそもこの「国連絶対主義」なる考え方は「国際連合」を「世界政府」と錯覚した大間違いの考え方なのです。
「民主党に政権を取らせては絶対にならない」その感を更に深くしたことでした。
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