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2009年3月16日 (月)

すべからく

 石破 茂 です。
 3月12日付けで、「人を信じるという行為はすべからくそういうことなのだ」と記したことについてご指摘を頂きました。
 改めて辞書を調べてみると、

すべからく(須く) なすべきこととして。当然。
三宝絵詞「抑説き給ふ経の文についてすこぶるうたがひあり。すべからくあながちおぼつかなさをあきらめむ」。
徒然草「すべからくまづ其の心づかひを修行すべし」。
「学生はすべからく勉強すべきだ」
以上「広辞苑」第五版

とあり、これを「当然」と置き換えてみてもそう誤りだとは思えません(「広辞苑」は岩波書店だから怪しからん、といわれればもうどうしようもありませんが)。
 呉智英氏の「バカにつける薬」にこのようなご指摘があることは承知していますが、別に反文部省的、権威批判的な立場の人が使っているからといって、ストレートに「だから駄目なのだ」という論証にはなっていないように思います。
 余談ですが、呉先生をはじめ、中川八洋先生などのご主張は、相当に難解でなかなか理解しがたいものがあります。碩学、とはこういうものなのかもしれませんし、ゆっくり検証する時間があれば…とは常日頃思っているのですが。

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コメント

私は…無知ですので…
「すべからず」の真の意味はわかりようもありませんが…

「コメント者様」の意見に私は同調します

政治家の方々から見れば…
ちょっとした…「言葉の取り違え」だと…無視してしまう…
たわいもない事なのでしょうが…

「言葉の大切さ」を無視した政治家の方は…

たとえそれが…
御本人の発言の本意や真意とは違っていても…
「失言」となり…
政治生命にかかわる事になっていますからね…

石破さんの今回の記事のコメントは…
それを「十分理解」された上での事と思っております…

支持しております

余計な事ですが…
今より…「活発な意見交換」が出来るブログの開設をお願い致します…

投稿: KIA/POW | 2009年3月16日 (月) 20時04分

私の揚げ足を取るようなコメントに直接答えていただき有り難うございます。
言葉狩りのようなまねをして申し訳ございません。
ご自身できちんと認識された上で文章のリズムやバランスを考えて選択されたのであれば、
麻生総理が気遣いを旧字体で記されていたようなことも含めて、全く問題はないと思います。


先週、イシダム饅頭を購入しました。
迷彩服を着たシゲダムの缶バッチ、大事に保管させていただきます。

投稿: いっし | 2009年3月17日 (火) 07時20分

大臣、「当然」という意味で使ったというならば、最後に「べき」でシメなきゃ。

重箱の隅をつつくような事やりやがって、と思われるかもしれませんが、「すべからく」の使い方をご存知の上でやったのであれば、それは日本語を大切にする気がないってことでしょ?

農業も、言葉も、自分の国の文化ですから、大事にしてほしいなぁ。
そういう気持ちなんですよ。決して大臣を貶めたいとかじゃないんです。ワタシ、マスコミとは違いますから。
田中角栄信じてもいいけど、
見知らぬ国民の善意も信じてほしかったです。
残念です。

投稿: ふぁんくらぶ一号 | 2009年3月17日 (火) 10時44分

少しでも批判的なコメントは削除もしくは無視されるのがよくある昨今、誠実に対応されている姿には頭が下がります。
お忙しい中きちんと目を通していらっしゃるのですね。
現役閣僚に直で意思表示ができ、それに応えていただける場なんてほとんどありませんから、コメントする側も慎重に、マナーを守って行いたいものです。
これからも応援しております。

投稿: 八郎 | 2009年3月17日 (火) 17時56分

初めまして。

今日はどんなことが書いてあるのか、
ブログの更新をいつも楽しみにしています。

お仕事頑張って下さいね!

投稿: あけみ | 2009年3月17日 (火) 23時35分

 言葉や文字が間違っていても
人や政治家として間違っていなければ
何も問題ないと考えています。

投稿: ck | 2009年3月18日 (水) 08時40分

石破大臣 こんにちは!

石破大臣が言葉を大切にされていらっしゃるご様子は、常日頃のご発言から、良く伝わってまいります。

自民党 麻生政権 がんばってください!!

投稿: かもめ | 2009年3月18日 (水) 11時19分

「すべからく」論について。
この意味は“need to”「する必要がある」であり、「すべての」という意味で用いる誤用が増えているというのは事実のようです。
しかし義務の意を含まない文に応用されて近年、「必然的に」「当然のように」「そうあるべきこととして」という意味用法が派生し、これについては必ずしも誤用とは言えないとの指摘もあるようです。(「はてなキーワード」より)
その意味では、大臣のコメントはかならずしも誤用とは言えないと思われます。

今回、上記サイトだけでなく他でも調べ、私も勉強になりましたが、他人の言葉を公的な場所で批判する際には、思い込みで書かずに、特にもうひと手間かけて調べたり、議論のありそうな内容は断定的に描かないなど、もう少し慎重にされてはいかがでしょうか。「ふぁんくらぶ1号」さんのように影響を受ける方もいらっしゃると思うので。
そうでないと、今回のマスコミ報道の偏向性を指摘する資格を失うように思います。

投稿: Y.Morita | 2009年3月18日 (水) 11時28分

読売新聞3/18(水)の2面に注目。石破先生の名前がない。WHY?
舛添さんが首相にふさわしい人の第2位。事実上の1位。なぜなら1位の小泉さんは引退するから。舛添大臣が大臣になって国民が求めていることを公務員に邪魔されながらも最大限その実現に向かって努力していることが報道されているからです。
3/16(月)の1面にでた石破大臣の記事に拍手。ぜひヤミ専従の善処に努力してください。こういうことはわれわれ庶民は全然知りませんでした。石破大臣ならできるでしょう。尚、その際は極力マスコミを通じてテレビ、新聞、週刊誌で報道させてください。次の首相候補リストには石破大臣が載っている事を期待しております。

投稿: としお | 2009年3月19日 (木) 15時24分

はじめてコメントさせていただきます。

今回の鳥インフルエンザ問題は過去に例のない強引と思える措置で、農家、業界は経済的、精神的に例えようのないダメージを受けております。行政の対応はちぐはぐで私達は心をかき乱されております。
農水は愛知県外の農家の検査はすでに終わったと報告しています、なぜ肝心の震源地の検査は遅々としているのでしょうか?
新たな陽性反応が同時にでた時の手間、混乱を恐れ、遅らせているとさえ疑いたくなります。全貌が速やかに明らかにならなければ、産地の復興の目処もたちません。
事態の収束に農水だけでなく、国全体で支援していただきたくお願いいたします。

投稿: soregashi | 2009年3月19日 (木) 20時51分

追加経済対策として水産業の再生を!平均年齢60を裕に越える現実。
海洋国家としての強みを生かした政策を!
①まずは漁協組織の株式会社会社化を図り、給与による所得の安定化と漁具一括購入による支給制度をしなければリスクばかりの仕事に若者は来ない!そのための補助指導を産業省と連携して推進。
②EEZ海域の漁場造成の前倒しと浮魚礁を利用した立体的漁場造成を推進する。巻き網による幼魚枯渇の防止とリンクした燃費コスト補助拡充。防衛省とも協同で侵入艦船警戒システムの導入。
③沿岸漁場再生交付金で漁業者の自主性で漁場再生
④文部科学省と協同し体験漁業および食育のカリキュラム化と補助制度拡充
観光業とも連携を
⑤離島漁業の更なる拡充
※麻生総理のもと省の垣根を越えた意見の場をつくり、行動に移すべき。創意工夫と努力が報われる社会を!


投稿: 後藤新平 | 2009年3月21日 (土) 00時39分

ブログのコメントとトラックバック機能に関してよくある誤解は両者は世界が違っている点を無視されて論じていらっしゃる方が多いのです。
ブログは基本的には反論の文化であってそれはトラックバックによって、(そのまた反論)と繋がっていくのです。ブログオーナーの意見対する批判は自分のブログに書いてトラックバックするのです。
それと違い、コメント欄は、共鳴の文化です。ブログオーナーが書いたエントリに共鳴される方々の意見のみ掲載すればよいのです。コメント欄だけを見ているとファンクラブのようになるのは当然です。
よくあるブログ炎上なんて、単なるいやがらせですよ。

投稿: メーテル | 2009年3月21日 (土) 06時30分

「須」は高校の漢文でも出てきます。意味は「~する必要がある。」だけしか習っていません。

まぁ、この世の中には誤っていたり、本来はなかったりした日本語はたくさんありますからそんなに落ちこまれなくてもいいですよ(*^-^)。麻生総理の「みぞうゆう」とか「ふしゅう」に比べたらかなりムズいです。

例えば、「仰げば尊し」の「今こそ別れめ」の部分は「今こそ別れ目」と勘違いしている人が多いようですが、正しく現代語訳すると「今、別れよう。」です。なぜそうなるか知ってますけど、えらい長くなってしまうのでやめておきます。

投稿: ネプチューン | 2009年3月21日 (土) 17時27分

はじめまして。私は某畜産関係の大学に勤務しております。
 石破先生がご立派な政治家であることは、以前からお話を拝見して感じておりました。
 さて、おそらく先生がご存じないであろう、国内の畜産における大事な問題を少しだけご提言したいと思います。
 食の安全が騒がれる今日この頃、国内では24か月以上の牛に対してBSEの全頭検査を実施しています。しかし、BSE発症牛を食することで人でも同様の症状を発症することについては、結局のところ未だ証明されておりません。また、現在までのBSEの陽性確認頭数は国内の牛の飼育頭数からいえば、本当に微々たるものです。
 実は、食の安全の観点から考えるに、これより問題になるかもしれない病気があります。当然、発生頭数はBSEよりも多いわけですが、現在のところ法律の壁で如何ともいがたい状況にあります。国民に安心な畜産物を届けるために日夜仕事をする一国民として、是非交通整理を願いたい所です。

投稿: 大塚 | 2009年3月21日 (土) 23時08分

コメ欄解禁してると勘違いするやつがでてくるな。間違っちゃいないんだから、くだらないことで大臣の時間とるなよ。
まぁ秘書がゴーストライターなのかもしれんけど。一国の大臣に物申すなら徹底的に下調べてこいよ、最初から突っつくことしか頭にないからいけないんだよ

投稿: 通りすがり | 2009年3月22日 (日) 15時18分

言葉の使い方を間違える事とマスコミの偏向報道を批判する資格を失う事がなぜ繋がるのか理解出来ません。自らの発言によく注意するのは当たり前の事ですが、今回の語句の認識違いはそういったレベルの話ではないでしょう。些末な事と無下にせず、誠実な対応をされる石破さん。応援してます。

投稿: イタリア人 | 2009年3月23日 (月) 01時44分

石破先生のブログいつも大変楽しみに拝見しています。
視点の独自性、またご発言の揺るがなさ、尊敬しています。

・・

いっしさんwrote
>申し訳ございません。

「申し訳ございません」という用法はございません。
正しくは、「申し訳ないことでございます」です。

阿川弘之先生も、高島秀行先生も何度も指摘していらっしゃいますよ。

・・・ということを書き始めるときりがないです。
だって、いっしさんのご発言の意図というのは通じてるわけですから。
丁寧に言おうとしたこともこちらに伝わります。

それでいいんじゃないですか?
相手に対する敬意が伝わっていれば、少し間違えていようと、失礼にはなりませんから。

たとえば「大根役者」とか、「気の置けない」とか、本来の意味と逆に転用されてしまっている日本語はたくさんあります。

をかし、とか、かなし、の今の用法は
紫式部や藤原の道綱の母からしたら
「ぜんぜん使い方が違うよ!」ってことになるでしょうし。


投稿: masa | 2009年3月23日 (月) 20時55分

言っている事が全く違う意味をもってしまうほどの誤用はともかくとして、
麻生総理もそうですが「漢字間違えた」だのという話は正直言って小学生の意地悪そのものですよ…。
大の大人がこれは由々しき事だなんて喋ってるのは完全にバラエティ番組ですし…。
自分は小学生から成長してませんと騒いで回ってる人の相手しなければならないなんて
本当にお疲れ様ですとしか言えません政治家の皆さん…

投稿: 素人 | 2009年3月26日 (木) 10時54分

すべからく、ですか


主権国家である限り、安全保障政策はすべからく施すべし

北朝鮮は相変らずですね。日本が当たり前の事をやって来ていなかったが為に、今日の混乱があるのだと思います。日本では、票にならないとの理由で、安全保障政策に関心ある政治家の数が少ないとか。日本は、20年前に米国の核の傘の下から肩半分だけはみ出したのではないのですか。俺は、日本って、おかしな国だと憤慨しております。

投稿: ひこ | 2009年3月29日 (日) 22時15分

「すべからく」についてはこちらにわかりやすく、総合的に書かれています。わからない、などとおっしゃらずに、日本の伝統を尊重するためにも、一読されてはいかがでしょうか。

http://www.kotono8.com/wiki/%E3%81%99%E3%81%B9%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%8F

投稿: すべからく閲覧すべし | 2009年3月30日 (月) 10時45分

「信じて裏切られたらどうするのか?」と問われれば、信じた自分を責めるべき、或いは信じた自分が愚かであったと諦めるべきなのであって、人を信じるという行為はすべからくそういうことなのだと思っております。

信じた自分を責めるべき
信じた自分が愚かであったと諦めるべき
人を信じるという行為はすべからくそういうことであるべきなのだと思っております

前でべき2回も使ってるからやわらかくするのに省いただけで用法としては間違ってないですよね

投稿: NG | 2009年7月15日 (水) 18時51分

「すべて」の意味で用いられているのでなく、「当然のこととして」の意味で用いられているのだから、正式とまでは言えないという向きもあるのかもしれませんが、少なくとも意味の誤解から生じた誤用ではないのはわかりますから、問題ないと思います。日本のためにこれからも応援しております。

投稿: のん | 2010年2月14日 (日) 16時25分

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