人工衛星?
石破 茂 です。
1966年9月23日、我が国初の人工衛星打ち上げが試みられました。
当時私は鳥取の小学校4年生でしたが、全国にテレビ中継された打ち上げの模様にクラス中が大興奮したこと、しかし何時間後であったか、結局失敗に終わったことが報ぜられ、落胆したことを鮮明に覚えています。
その後3回続けて打ち上げに失敗、初めて成功したのはその4年後の1970年(大阪万博開催の年)2月11日(建国記念日!ただし、気象条件などにより3ヶ月間打ち上げが延期されたことによる偶然の一致)のことであり、衛星は「おおすみ」と命名されました。
『打ち上げは12時25分。第四段打ち出し後、テレメーター電波がまずグアム島、続いてハワイ、サンチアゴでも受信され、午後2時55分、アメリカ航空宇宙局(NASA)から「コングラチュレーション(おめでとう)」との電話が入り、午後3時56分10秒から40秒までの間に内之浦の宇宙空間観測所、勝浦の追跡ステーション、鹿島の電波研究所でテレメーター電波を受信、我が国初の人工衛星が誕生した』と当時の報道は伝えています。
我が国においても、人工衛星打ち上げは苦難の歴史であったのです。
北朝鮮は、「打ち上げに成功、宇宙から金日成将軍、金正日将軍を称える歌を流している」と言っていますが、誰も聴けません。本当に成功したなら軌道を公表するはずなのですが、それも無いため、高精度の天体望遠鏡でも確認できません。
要は、実にわかりやすい『虚偽発表』なのですが、国内でこれがまかり通るのがあの国家の恐ろしいところです。
明確な国家意思を持って弾道ミサイルの開発を着々と行っている以上、これを阻止することには多大の困難を伴うでしょう。
そしてそれを可能とする国家体制が変革されない限り、脅威は去らないことを我々は知るべきです。
国連決議は見送られ、議長声明程度に落ち着くようです。
それはそれとして、何度も繰り返して言いますが、抑止力の実体について真剣に考えることが、今ほど求められている時はないと考えます。
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コメント
素朴な疑問です…
「飛翔体発射予定日」以前には…
ミサイルとかテポドンという呼び名だったものが…
何故?発射直後に…突然「飛翔体」と言う聞き慣れない名称に変わったのでしょうか?
結局日本政府は正式に「ミサイルであった」と発表しましたが
報道では…発射数日前から国内外の専門機関や有識者の分析の結果を…
「衛星である可能性が高い」と伝えており
発射後も…「衛星打ち上げの失敗」としていますが?
これは…単なる情報収集や分析や見解の違いなのでしょうか?
それとも…本来は「衛星」であったものを…「ミサイルである」と云わざるをえない日本政府の「事情」なのでしょうか?
私も今回の事件で日本に被害がなかった事にほっとしておりますし…北朝鮮を養護するつもりは全くありませんが…
何か釈然としません…
投稿: KIA/POW | 2009年4月10日 (金) 23時14分
今回のミサイル発射は日本に住む者として考えさせられました。
日本に攻撃を仕掛ける可能性のある国家が存在する以上、備えは万全であるべきだと思います。
北朝鮮が今回の事態に味をしめて同様の行為に再び及んだ時に日本の国家としての存在意義が問われると思います
投稿: 猪狩茂雄 | 2009年4月11日 (土) 09時33分
こんにちわ
抑止力の実体ですか。おっしゃる通りですが、その前に、テロにしろ戦争にしろ対日攻撃を仕掛ける勢力は無いと思い込んでいる多くの国民の意識を、何とかしなければならないと思いますが。今の多くの日本人にとっては、リアリティーの無いお話だと思いますよ。
そもそも、対日テロ攻撃は、日本経済と世界経済に甚大な被害をもたらす反面、復興景気という確実に儲けれるビジネスチャンスが付属している。ゆえに、世界には対日攻撃を仕掛ける勢力とそれを支援する勢力が存在しうるという認識を、多くの方々に持って頂かなければならないと、私は考えております。
投稿: ひこ | 2009年4月13日 (月) 14時55分
抑止力の実体とは要するに相手に
「戦争は儲からない、割に合わない」
という認識を持たせることでしょう。
今日本はロシアとは北方領土が、北朝鮮とは拉致問題が、
韓国とは竹島の問題があるわけですが
政府も国民もは戦争しようとは言わないのです。
これはなぜか。相手国の軍事力は自衛隊に比べ強大かつ
その運用は円滑であり装備も貧弱なうえに法整備も不十分な
今の自衛隊のままでは戦争をしてみても必ず負ける。
自衛隊とはあくまでアメリカ軍という鉄筋、つまり
米軍のもつ打撃力、核戦力がなくては
あっという間に倒壊する姉歯物件みたいなもんだと思ってます。
日本は年間約5兆円を防衛に費やしていますが
その5兆円を使っていてもなお「抑止力」として機能してるのは
「叩く力を持つ米軍」であることは否定できません。
要するに日本の防衛政策は今転換の時期を迎えている、
これだけは確かだと思います。
投稿: 推薦人の選挙区住人 | 2009年4月14日 (火) 01時05分
一言抜けたのでもうひとつ、
相手がもつ「抑止力」によって
行動を「抑止されている」のが
他ならぬ日本であり自衛隊なのです。
このことからも自前の抑止力がいかに有効か
皮肉にも証明してると言えましょう。
投稿: 推薦人の選挙区住人 | 2009年4月14日 (火) 01時12分
抑止力の実体ということですが、、、
まずは、石破先生もおっしゃっておられるアメリカの核の傘についての議論。
現行のBMDシステムの命中精度向上に加え、諜報機関による衛星監視体制の確立。そして、場合によっては、核でもなくBCでもない、実戦使用可能な新しい戦略兵器の開発などが必要になるかも知れませんね。しかし、実際は、上記の限りではなく、やるべき事は山積みだと思われます。
東西冷戦構造が終焉して間もない90年代初頭、私は、中国の経済成長と軍拡、そして北朝鮮の軍拡という未来を見据え、日本も段階的に安全保障政策の見直しを図るべきだと考えておった者の一人でした。コードネームは、かのマーシャルプランにあやかりつつ、自分の名前を付け、マーサルプランと命名しておりましたw しかし、残念ながら私が表舞台に立ち、マーサルプランを実行することなく、今に至っております。
どんな計画も計画通り進捗しないものですが、私から見ると、日本の安全保障政策は危機的状況にあると思われますし、これを改善しないと経済や医療福祉の方面へも悪影響が出るのではないかと危惧しております。皆様方には危機感をもって急ピッチで進めて頂かないと。。。
お邪魔しました(最敬礼)
投稿: ひこ | 2009年4月14日 (火) 01時21分
「宇宙から歌を流している」と、ニュースで見た時、悪いけど笑ってしまいましたよ。ホントに石破さんおっしゃる通り、一体何処まで国民を愚弄する国なんでしょうね…お腹を空かせたまま眠らなければならない子供達のことを早くなんとかしなくちゃ…後継者選びが大変なのはこの国も似た部分がありますが…拉致被害者家族の田口さんと金元死刑囚の面会の際、記者会見で金元死刑囚が、北朝鮮のプライドを傷付けずに話を前進させなければならないと話していましたが、プライドを傷付けずに…とは非常に難しい。何か良い方法は無いのでしょうか…
投稿: りさ | 2009年4月14日 (火) 04時36分
言ってる意味がわかりません。あなたは、日本の核武装に反対されていますね。いつまでも日本をアメリカの属国のままにしておきたいんですよね。
ミサイル防衛で国防予算の大半をつぎ込むような事をして、永遠に日本を戦えない国にしようと企んでいるとしか思えません。
投稿: 田母神 | 2009年4月16日 (木) 04時09分
はじめまして。
北朝鮮の行動は、もはや大東亜戦争中の日本と同じように虚偽の報道をし、国民には辛い生活を強いて無理やり「お国の為」的に納得させようしているようにしか見えません。
あの国においては、国益を国民を為のものでなく、国としての国威の発揮をする事しか考えられない未成熟な国なんだと思います。
逆に言えば同じような歴史を辿った日本が出来る事なら新しい方向に導いてあげて欲しいです。
ただ、秋田県出身の自分としては、テポドン1号(2号も)について、のうのうと頭上を飛ばした日本政府への不信感は拭えませんが…
投稿: たかはし | 2009年4月17日 (金) 23時49分