石破 茂 です。すっかりご無沙汰してしまいました。
民主党小沢代表の辞任表明には、正直言って「ああ、またか」との思いを禁じ得ません。
西松建設からの献金問題について、小沢氏は説明責任を果たしていないと国民の七割が思っているにもかかわらず、「全て適法で、何らやましいことはない」の一言だけで片付けてしまうあの感覚が全く理解できません。とにかく政権交代を、の一点張りで、これこそまさしく「政策より政局」の極致と言うべきものでしょう。
しかし、政権交代をして如何なる国づくりを行うのか、その内容はほとんど明確ではない、若しくは実現可能性に乏しい(安全保障政策や農家戸別所得補償政策など、その最たるものです)にもかかわらず、この「とにかく政権交代を」との主張に一定の期待と支持があることは確かな事実であり、我々としては「政権の交代がなくても政治は変わった」との思いを国民に実感していただくべく、最大の努力をしなくてはなりません。
衆議院任期満了までもう四ヶ月を切っており、民主党の悪口を言う暇があるのなら、自民党の政策をより精緻にする努力をすべきなのです。
現時点では、鳩山氏と岡田氏の一騎打ちの様相です。何故このように急ぐのか、そして国会議員のみしか投票権が与えられないのか、他党のことなのでよくわかりませんが、時間をかけ、投票権を拡大すれば小沢氏の意中の人である鳩山氏が不利になるから、というのが本当のところかもしれません。
かつて新進党の代表選挙でも似たようなことがありました。
鳩山氏は私と同期の昭和六十一年当選、岡田氏は一期下の平成二年当選で、自民党時代は政治改革の同志でした。
鳩山氏の政策はよくわかりませんが(そもそも「友愛」とのスローガンの他に政策というものがあるのかも含めて)、岡田氏とはたまたま先月、朝日新聞主催の討論会で議論する機会がありました。
新進党時代、安全保障政策や憲法観で随分と議論し、結局一致を見なかった経緯がありますが、今もその思いは変わりません。もしご関心があれば
http://www.asahi.com/international/aan/hatsu/hatsu090414a.html
をご参照ください。