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2010年9月27日 (月)

尖閣諸島付近での漁船衝突事件

石破 茂 です。
 今回の中国漁船による違法・悪質な行為と中国政府の理不尽極まる態度、そしてこれに対する日本政府の対応の稚拙さは、非難せざるを得ません。かつて予算委員会で「安全保障を弄ぶ者はそれによって報いを受ける」と指摘したのですが、まさしくその通りになりつつあります。
 しかし我々は、単に非難するだけではなく、ではどうするべきだったのか、今後どうするかを明確に示さなくてはなりません。

 「尖閣諸島に領土問題は存在しない」とするのが我が国の一貫した態度ですが、この機に「なぜ領土問題は存在しないのか」を内外にきちんと説明し、国内世論を統一し、中国の無法な主張を退けるべきでしょう。

 今回の政府の対応は、民主党政権に外交・安全保障を任せてはならないということを明らかにしました。
 加えて、本来責任を取るべき立場の人が一切責任をとらないこの無責任体制は一体何なのか。あろうことか、那覇地検の次席検事にすべての責任を負わせるなど、政府として決してあってはならないことです。
 会見した次席検事は、自分の言っていることが法律論から言っても、手続論から言っても、明らかに間違いであると十分に知ったうえで会見に臨んだように思われてなりません。責任を負うべきは検察庁法によって検事総長に対して指揮権を有する法務大臣であり、間接的に権限を有する総理大臣(仙谷臨時代理)であったはずです。

 さらに言えば、小沢前幹事長の系列の人々が菅政権を批判しているようですが、昨年国辱的ともいうべき訪中を大挙して行い、副主席来日の際天皇陛下のご日程まで捻じ曲げたような人たちに批判する資格などありません。

 十月一日から臨時国会、まさしく正念場であり、全力で臨みます。


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追伸:
事務局です。文中の仙谷官房長官のお名前の変換ミスがありました。
お詫びするとともに訂正させていただきます。 9月28日 12:00
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2010年9月17日 (金)

人事

 石破 茂 です。
 
 政務調査会の人事構成でバタバタしていて、なかなかきちんとした文章を書く余裕がありません。

 新内閣も発足しましたが、民主党内に全く異なる意見を持った候補を支援した議員が半数いるとの現実を考えた時、法律案にせよ、予算案にせよ、これらの政策を一本化するのは極めて至難のことと思われます。
 自民党としては、民主党内の動きがたとえ遅くても、政策を法律案や予算案、さらには選挙公約という形で順次明らかにしてまいります。

 人事は以前からどうにも苦手です。皆が満足する人事などあるはずもなく、不平や不満ばかりが残って、多くの人の恨みも買うものなので、何回やっても慣れません。
 私は以前から「手挙げ方式」とでも言うのか、「私は○○大臣をやりたい!」という人が名乗りを上げ、党所属全議員の前でそれぞれの問題意識、それを解決するための方策、必要な法律と財源のイメージを10分以内で演説し、総理(総裁)、官房長官(政調会長)がその中で最も適任と思う人を選ぶ(報道にも公開し、インターネット中継も行う)というやり方を提唱しているのですが、なかなか採用になりません。

 しかし、「年次が来たから」「派閥が推薦しているから」などというだけでの起用は極力避けたいと思っています。
 もちろん派閥の推薦も参考にはしますが、適任でなければどうしようもない。
 政策だけではなく、党には国会対策・議会運営や選挙対策など、多くの重要な仕事があります。
 私のように、ほとんど内閣や党の政策畑だけを歩いてきた人間からすれば、このような任に当たる人たちは本当に偉いなと思います。
 いずれにせよ、来週には政務調査会の「影の内閣」の人事を決定するべく、鋭意作業を進めています。

 週末は土曜日がTBS「時事放談」の収録、その後地元医師会との勉強会。
 日曜は地元でお彼岸の墓参りと挨拶回り、午後二時からTBSラジオの「爆笑問題の日曜サンデー」に電話出演。
 月曜の敬老の日は帰京し、シンポジウムの基調講演の原稿書きをせねばなりません。
 皆様、よい週末をお過ごしください。

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2010年9月 6日 (月)

小沢氏支持とは?

 石破 茂 です。

 鳩山由紀夫氏の発言「小沢氏のお蔭で総理になったのだから支援するのが大義だ」…そんなものは大義でもなんでもない。単なる「鳩の恩返し」でしかないのであって、このような発言をすること自体、民主党という政党を私物化している以外の何物でもありません。
 実際、彼にとって民主党とは彼の私物なのでしょう。資金を出したのは自分だ、との意識がその中核にあるに違いないのですが、その返済が終わっている今でも、このような意識でいるのはどうにも理解しがたい。

 小沢一郎氏の発言「強制起訴になっても私は逃げない」「強制力を持つ捜査当局が不起訴としたことについて一般の素人の人がいいとか悪いとかいう仕組みが果たしていいのか、という議論は出てくる」…総理が裁判所に出廷することの異様さをどう考えているのか、そしてついこの前まで、「国策捜査は許されない」とか「民意が第一だ」と言っていたのは一体どこの誰か。
 「普天間の移設先について具体的な案は無い。三人寄れば文殊の知恵だ」「軍事技術の進歩により米軍は前方展開を減らす傾向にある。だから第七艦隊だけで十分なのだ」…無責任ぶりも、軍事情勢や軍事技術についての知識の欠如も、鳩山氏とたいして変わりません。そう考えると、この二人が組むのは、案外自然な成り行きなのかもしれません。
 
 この小沢一郎氏を支持する民主党議員が多くいることが私にはどうしても信じられない。おそらく彼らも、「自分を国会議員にしてくれた小沢氏を支援することが大義だ」と思っているのでしょう。こんな人たちが日本を動かす議員でいること自体、国にとっての不幸としか言いようがありません。

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