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2010年10月29日 (金)

全面対決へ

石破 茂 です。
 秋らしい日々のないまま、初冬となってしまいました。今の政界も似たようなもので、一気に与野党全面対決の様相となりつつあります。

 野党の要求した小沢・鳩山両氏の説明責任の履行も、尖閣海域事案ビデオ全面公開も、財政健全化責任法案審議入りも、すべてゼロ回答のまま、職権で月曜日の本会議開催、補正予算の財政演説、火曜日の質疑がまたしても菅直人総理外遊中に決められました。
 あまりに不誠実かつ無責任と言う他はありません。菅総理は何の努力もしていない。小沢・鳩山氏に会おうともせず、自分はビデオも見ずに「あれは検察が決めたこと」と責任を回避し、財政規律を無視したままマニフェスト満載の23年度予算を組もうとしている。この一体どこが「先送り一掃内閣」なのか。

 予算委員会の私の質疑をご覧になった方はお気づきになったかもしれませんが、私は菅内閣に一縷の望みを託していました。
 「菅総理、貴方は何を怖れているのか。もし正しいことをやるのであれば、私たちはたとえ野党であっても協力する」と言ったのですが、どうやら全く通じなかったようです。
 結局菅直人という人は「総理からの人」ではなく「総理までの人」であったようです。もはや何のシンパシーも感じません。徹底的に対決あるのみです。国民を馬鹿にするな、と言いたい。

 週末は土曜日に自民党福井県敦賀市支部政経セミナーで講演(午後五時半・敦賀市あいあいプラザ)。
 日曜日は久しぶりに終日地元。
 週が明けて二日火曜日は富山県自民党地方議員連絡協議会で講演(午後五時・名鉄富山ホテル)。
 三日の文化の日は橋本岳前衆議院議員再起動の集いで講演(午後五時・倉敷アイビースクエアフローラルコート)となっています。
 
 本当に、少し休みたい…というより、少し纏まってきちんとものを考える時間が欲しい、と思います。
 何だか新しい知識を仕入れる暇も無いままにさほど多くもない自分の蓄積をどんどん使い果たしつつあるようで、怖くてたまらない思いです。
 その場凌ぎがいつまでも通用しないことは、自分自身が一番よく知っていますので。

 季節の変わり目です。皆様お風邪など召しませんように。

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2010年10月25日 (月)

北海道5区補選勝利など

 石破 茂 です。

 衆議院北海道五区の補欠選挙は自民党町村候補の圧勝となり、まずは一息といったところです。
 私もさる十七日、札幌と千歳に入ってお手伝いしましたが、確かに相当の手応えを感じました。
 民主党は敗北会見に岡田幹事長も現れず、渡辺周選対委員長が会見していましたが、なんで嫌な役を部下にやらせるのか、どうにも潔くありません。「候補者の知名度がなかった」と言いますが、ではなぜ昨年の総選挙で、落選中の元職小林千代美氏が知名度・実績抜群の現職町村氏に勝ったのかうまく説明がつきません。
 町村氏の勝因は、同氏の知名度・実績と共に、民主党があまりに酷いことへの批判と失望感が大きかったのだと思います。

 こともあろうにこのような時に鳩山由紀夫前首相が引退を撤回すると発言したことには心底あきれ返って、開いた口も塞がりません。この人は本当にどうかしている。自分の発言に責任を一切持たない人が金にあかせて民主党を作り、政権をとって内閣総理大臣となり、夢想的な戯言を連発して日本の外交も、安全保障も、経済・財政も滅茶苦茶にしたかと思うと、怒りに震えざるを得ません。
 民主党の中にも確かに真っ当な人はいますが、こんな人を総理にした以上もはや同罪と断ぜざるを得ない。

 民主党・岡田幹事長が「補正予算の成立を優先させ、財政健全化責任法は通常国会に先送る」と発言したことにも大きな失望を感じました。
 菅総理もこの法律には相当前向きの発言をしていましたが、どうせいつもの如く、発言を修正するのでしょう。 
 
 何故本質から目をそらし、正面から議論しようとしないのか。結局、日本国の将来より、自分たちの政権維持が大事なのでしょうか。
 愚か極まる代表選挙を延々とやり、尖閣海域事案でも愚劣な対応に終始し、徒に時間を空費して補正予算の編成を遅らせておきながら、いまさら何が「早期の成立」か。そんなことを言う資格は彼らにはありません。
 負担のツケを将来に先送りするマニフェストの実行がそんなに大事なのか。財政健全化責任法は民主党のマニフェストの修正を不可避とするものであるから、彼らは議論を避けている、ただそれだけのことなのです。

 ここまで不誠実な政権は、一刻も早く打倒せねば国のためになりません。補選の勝利に慢心することなく、一気呵成に国民世論に訴え、行動していかねばならないと決意したことでした。

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2010年10月15日 (金)

週末日程

石破 茂 です。

 あっという間にまた週末です。
 土曜日は自民党とちぎ未来塾(午後一時・宇都宮市陽西町、護国会館)と、福島県双葉郡自民党総支部で講演(午後六時・浪江町ウェデングプラザ如水)。
 日曜日は「時事放談」で藤井元財務相と対談(TBS・午前六時・収録済)、報道2001で玄葉国務相と対談(フジテレビ・午前七時半)、その後札幌で衆議院補欠選挙の応援のため二か所の街頭演説と三か所の個人演説会という日程になっています。
 何だか慌ただしくて、落ち着いてものを考えたり体調を整えたり、気分転換したりする時間がありません。
 人間やはり、きちんとした仕事をするためにも一週間に一日ぐらいの休みは必要ですね…

 皆様、よい週末をお過ごしくださいませ。

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2010年10月14日 (木)

10月12日の予算委員会

 石破 茂 です。

 衆議院予算委員会初日(10月12日)、一時間半の質疑に立ちました。
 鳩山内閣時代の、総理の無内容で冗長かつ不誠実極まる答弁による「単なる時間の無駄遣い状態」よりは遥かにマシでしたが、もう少し正面から議論に臨んで欲しかったとの思いは禁じえません。

 私の質問はよく「質疑というより学校の講義のようだ」と評されますが、単に政府を攻撃するだけではこの国は少しもよくならない。しかし、質問に答える意欲や誠意がいくらあっても知識がなければどうにもなりません。
 知らないのであればきちんと説明して、少しでも改善を見るように促すのも野党の責任と思っています。しかし、これを「お前たち知らないだろう、教えてやる」というような雰囲気にならないようにするのがとても難しい。

 今回の尖閣海域における事案は、日本人が、「中国とはいかなる国なのか、領土とは何か、外交とは、安全保障とは何か」を考えるよい機会になるはずのものでした。
 政府はひたすら「政治介入はなかった」ことを強調しますが、この姿勢は実によくありません。どんなにこちらが正面から本質的な議論をしようと思っても「あれはあくまで検察が独自に判断したことで、政府は一切あずかり知らない」と言われてしまえばもうどうにもなりません。何故政治的責任を明らかにせず、本質的な議論を回避するのか。私はこの点が一番気に入らないのです。これは日本の統治機構そのものにかかわる問題なのですから。

 「面倒な問題は一切仙谷官房長官が答弁する」とのスタイルが定着しつつあるようです。
 弁護士出身ですから当然法律的知識もありますし、なにより「答弁の内容が政治的におかしかろうが法律的に矛盾していようが、はぐらかしであろうが、その泥は一切自分が被る」という強烈な意志が感じられ、これは正直かなり手ごわい。仙谷長官が正面から議論に応じるよう、次回の質疑では、質問の内容やスタイルを相当に変えていかねばならないと思ったことでした。

 一時間半の質問、というのは簡単そうに見えるかもしれませんが、実は準備に相当の時間を費やします。
 刑事訴訟法なんて学生の時に少し触ったくらいで今回改めて読み直してみたのですが、ひととおり理解するのに随分と苦労しました。ましてや検察庁法など読んだこともなく、久しぶりに学生の時のような気分を味わいました。

 ただ、昨日の質疑の最中に、民主党議員から発せられる野次には随分幻滅させられました。
 野次も機転の効いたものや本質を突いたものはそれなりに意味があるのですが、「何故ASEMに中国語通訳を同行させなかったか」と問うと「英語さえ通じればいいんだ!わざと向こうが何を言っているかわからないようにするのが外交だ!」と叫び、「起訴便宜主義の立法趣旨は」と問えば「質問通告がないのに答えられるはずがないだろう!」と野次る輩は一体何か。
 そんなことが外交であるはずもなく、今回の尖閣海域事案の一番のキーワードが起訴便宜主義なのに、そんなこともわからずただ野次っている議員のレベルは相当に低い。なんでこんな人たちを有権者に選ばせてしまったのか、自民党は大いに反省しなくてはなりません。

 初日は、石原、石破、河野の組み合わせでしたが、二日目以降はおもにシャドー・キャビネットのメンバーを並べました。まだそんなにマスコミに売れてはいないけれど、自民党には実力のある議員は少なからず居ます。
 現在の民主党政府の大臣と対峙させ、やはり自民党のほうがよいと有権者に実感していただかなくては自民党に対する支持が回復するはずもありません。
 やたらと威張ってみたり、恫喝してみたり、ただ付き合いの良さや面倒見の良さが売りだったりする議員が幅を利かせているようでは、やはり自民党は変わっていないのだな、と思われても仕方ないのではないでしょうか。

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2010年10月 4日 (月)

AKB48「なるほどハイスクール」


事務局です。

少し前になりますが、

AKB48の仁籐萌乃さんと佐藤すみれさんが

事務所に来られました。


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詳細は、10月9日22:00~
日テレ特番「なるほどハイスクール」をご覧ください。

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2010年10月 3日 (日)

政治の責任

 石破 茂 です。

 臨時国会に先立ち、九月三十日に、尖閣諸島海域における我が国海上保安庁巡視船と中国漁船との衝突事案に関する衆議院予算委員会閉会中審査が行われました。
 閉会中審査を行い、審議に応じた政府の姿勢は正当に評価すべきものと思いますが、一連の答弁は「中国人船長の釈放についてはすべて検察の判断であり、政治介入は一切ない」とのものであり、到底容認できるものではありませんでした。
 おそらく、政府の答弁を額面通りに信用する国民はほとんどいなかったものと思われます。政府の見解と国民の意識がこのように乖離していて、一国の政治が成り立つとは私にはどうしても思われません。

 私は、政治介入が悪いと言っているのではありません。
 どうも政府は「検察の判断に対する政治介入は即ち悪である」と思い込み、何としてもこれを否定しようとしているように思われますが、いかに外務省が関与しようとも、外交判断を検察がしてよいはずがありません。法務省設置法にも検察庁法にもそのような権限は存在していないはずなのです。

 むしろ政治、即ち内閣が責任を持って判断すべき事柄であったにもかかわらず、頑としてそれを否定する姿勢が全く理解できません。
 かつての造船疑獄事件における佐藤栄作自由党幹事長逮捕延期についての犬養法務大臣の指揮権発動事案とはその性格が大きく異なるのではないでしょうか。
 「主権者に対する責任を負う立場の者が判断する」必要があればこそ、検察庁法は法務大臣の指揮権を定めているのであり、濫用は当然慎まねばなりませんが、頭からこれを否定すべきではありません。

 いずれにせよ、これは相当に根の深い、困難な問題です。
 私は街頭演説で「内閣不信任に値する」と申し上げましたが、国家の統治機構、法治国家の在り方そのものにかかわる重大事だという認識を持っています。
 政府が責任の所在をきちんと認め、正々堂々と議論すればいいだけの話なのですが、どうもその覚悟はなさそうです。もう一度、憲法、刑法、刑事訴訟法、検察庁法などをきちんと読み直して、論戦に臨みたいと思っています。

 一日から始まった国会においては、本来もっと建設的な議論がしたいのです。
 力を背景としない外交は所詮無力であり、さればこそ防衛力整備構想の抜本的な転換と日米安全保障体制の強化こそが必要なのです。その覚悟もないままに勇ましい話さえしていればいいというものではありません。

 補正予算も、とにかく規模さえ大きければいいとか、予想以上の税収や剰余金を全て注ぎ込めばそれでいいというものではないでしょう。経済効果に乏しいマニフェストの優先順位を下げるとか、経済成長を阻害している税制の歪みを早急に正すなどという議論こそ必要なはずです。

 与野党の垣根を越えた議論が必要だ、テレビ討論の最後はいつもそんな結論になるのですが、それができないところに最大の問題があります。
 この国難ともいうべき時代には政界再編が望ましいと思いますし、自民党こそがその核にならなくてはなりません。そのためにも、政務調査会として濃密で徹底的な議論をしなくてはならないと痛感しています。

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