« 2010年10月 | トップページ | 2010年12月 »

2010年11月26日 (金)

臨時国会も終盤

 石破 茂 です。
 臨時国会も最終の局面を迎えました。
 本日参議院で仙谷官房長官、馬淵国交大臣の問責決議案が可決され、会期末の十二月三日まで、衆議院での内閣不信任案、参議院での内閣総理大臣問責決議案などの提出や、党首討論の開催を巡っての攻防が続くことになります。
 コップの中の嵐みたいな争いはやめるべきだ、とのご批判もいただきますが、国会において「この内閣は不適任だ」との意思を明確に表示することは極めて重要なことだと考えます。野党としてその意思を表示しないということは、即ち現内閣を信任したことにもなってしまい、到底容認できるものではありません。

 私個人としては、他の事案に紛れてあまり大きく取り上げられてはいませんが、憲法に反するような事務次官通達を出させた北沢防衛大臣の責任も極めて重大であると考えています。
 自衛隊法第61条やこれを受けた自衛隊法施行令は、憲法に保障された表現の自由を過度に制限しないよう細心の注意を持って運用すべきことは当然であり、ましてや今回のように民間団体等に対してこの適用を拡大するような通達を出すなど、決してあってはならないことです。
 自分たちにとって都合の悪いことは隠蔽し、挙句は民間人に対して規制を加えるなど、いかにも今の民主党らしい発想であり、強く糾弾されなくてはなりません。

 このまま民主政権が続く限り、日に日に我が国の形そのものが破壊されていきます。我々はあらゆる手段を使って早期の解散・総選挙に追い込むべく、政策面も、選挙対策も準備を加速させていかなくてはなりません。

 週末は27日土曜日が日本薬剤師連盟での講演。
28日日曜日が田村憲久代議士のセミナーでの講演(午後三時・松坂市・HANACLUB華王殿)。
という日程です。先週末と比べれば、少しは楽かな…

 まもなく師走です。皆様、寒さに向かう折、何卒ご自愛くださいませ。

| | コメント (123) | トラックバック (0)

2010年11月19日 (金)

週末日程、「暴力装置」発言

 石破 茂 です。
 またまた週末となりました。
 十一月も半ばを過ぎ、あっという間に今年も終わるかと思うと、何とも言えない焦燥感にかられます。

 今日はこれから自民党長野県連の政経パーティで講演(午後五時・長野市県町・ホテル国際21)。
 20日土曜日はアーバンユースネット(自民党系都市若手地方議員の会)勉強会で講演(午後四時・札幌市中央区大通西・札幌後楽園ホテル)。
 21日日曜日は慶応義塾大学三田祭(午前十一時・慶大三田キャンパス西校舎)と東京大学駒場祭(十二時半・東大駒場キャンパスコミュニケーションプラザ)で講演の後、地元鳥取市議会議員の当選祝い挨拶回り。
 22日月曜日は北九州市で講演(午後三時・ステーションホテル小倉)。
 23日火曜日勤労感謝の日は自民党岐阜県連政経パーティで講演(午前十一時・岐阜市六条南・岐阜産業会館)という日程です。
 学園祭は一般の方々もご入場いただけるようですので、お時間がもしあればお越しくださいませ。
 
 日程を少しセーブせよ、と事務所がご注意をいただいておりますが、これでも相当にお断りしているようなのです。お呼びがかかるうちが花なのだ、と思う他はありません。
 ただ、落ち着いて物事を考える暇がないと、仕事の質がどんどん劣化することは私自身がよく承知しており、ご注意をよく受け止めて少しでも質の高い仕事をするべく、心掛けなくてはならないと思っております。                              
 今週月曜日の衆議院本会議における補正予算組み替え動議の提案理由説明の原稿を載せておきます。
 これは委員会でのディベートとは異なり、一方的な演説ですので、論理の組み立てをやや無視した相当怒りモード全開の内容となっております。ご批判、ご叱正を賜りますよう。
(一番最後にリンクがあります)


 「自衛隊という暴力装置」という仙谷長官の発言が問題となっています。
 一部報道にもありますとおり、私自身、昨年三月の朝日新聞でのシンポジウムで「国家の定義というのは警察と軍隊という暴力装置を合法的に所有するというのが国家の一つの定義(原文のまま)」と述べております。
 原典はマックス・ウエーバーの「職業としての政治」なのですが、外国語による著作を引用するときは、原文にあたらないと、訳語のニュアンスで誤解を招きかねないので、これからもっと私も注意しなくてはなりません(ウエーバーの著作には他にも「装置」という訳語が多く出てきます)。

 私の発言はあくまで政治学上の定義を引用したうえで、「何故北朝鮮で、あのようなテロ行為が起こるのか」を論じたものであり、国会において、自衛隊を、名指ししたものではありません。
 しかし、政治の側が、「ことに臨んでは身の危険を顧みず」国を守る責務を黙々と果たす方々に対する敬意を示しつつ、わが国における「自衛隊とは何か」を正面から論じてこなかったこと自体が、大きな問題なのだと思っています。


「last.doc」をダウンロード

| | コメント (139) | トラックバック (0)

2010年11月12日 (金)

尖閣諸島沖事案映像流出について

 石破 茂 です。

 今回の海保の映像流出の問題は多くの論点を含んでおり、よく考えて対応しなくてはなりません。
 そもそも「秘密」とは何なのか、国家公務員法第100条の立法趣旨は何か、刑事訴訟法にいう「公にする」とは何か、などをよく精査しないまま、感情論だけで議論してはなりません。
 
 刑事訴訟法第47条
 訴訟に関する書類は、公判の開廷前には、これを公にしてはならない。但し、公益上の必要その他の事由があつて、相当と認められる場合は、この限りでない。
 
 「撮影された映像は裁判における証拠なのだから当然秘密だ」というのが形式論なのですが、そもそも中国に帰国してしまった船長が公判に出廷することはありえないため、裁判が今後開かれる見通しは全くなく、政府もこれを認めています。もし、まだ公判が開かれる可能性がある、ということを留保するため処分保留の状態を続けているのなら、それはあまりに姑息というべきものでしょう。
 その他に公開しない基準として「被告人のプライバシー」が挙げられますが、今回の中国人船長にこれは考慮すべきか否か。これは否定的に解すべきものではないか。

 予算委員会の理事や質問者は映像の一部を見ています。この時には箝口令も敷かれず、見た者に守秘義務も課されず、見た内容をマスコミに話すことは一切妨げられませんでした。

 国家公務員法第100条第1項
 職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後といえども同様とする。

 そもそも、行政機構内部において本件映像が「秘密」と明確に指定されたのでしょうか。指定されたとすればいつなのでしょうか。

  「映像を公開しないことによって守られる利益」とは何であり、それは公開することによって得られる、例えば「我が国の行動の正当性や中国船の不当性などを内外に明らかにする」というような利益を何故上回るのか。政府からそのあたりの説明も全くありません。
 
  「公務員はいかなる理由に基づくものであっても、政府の方針に反した行動をとるべきではない、それが許されるなら組織は成り立たない」というのはその通りですが、その政府があまりに酷い状態であった場合はどうなのか。
 「政治と行政は責任の取り方が違う」と言ってすべての責任を下部行政機構に押し付ける、などという政府はさすがに今まで存在しなかったため、今回このような問題に初めて逢着したのです。

 もう週末となってしまいました。
 今日はこれから札幌で長谷川岳参院議員のパーティで講演(午後五時・ロイトン札幌)。
 明日土曜日は岩屋毅代議士の政経フォーラムで講演(午後二時・別府市ビーコンプラザ)、福岡市長選挙の応援で天神地区における街頭演説。
 日曜日は鳥取市会議員選挙の告示日のため、同志議員候補の出陣式等における挨拶十数カ所、その後国政報告会(午後六時・鳥取市松原「いなばじ」)、岡山経由夜行列車で月曜日早朝帰京という日程です。

 時事通信の最新の世論調査では内閣支持率は27・8%に急落、政党支持率でも自民党が政権交代後初めて民主党を上回りました。
 もっとも、自民16・5%民主16・2%、という実に低水準で、支持政党なしが57・4%なのですから、この数字自体深刻です。自民党が良いわけではなく、民主が酷いだけ、ということなのでしょう。

 皆様よい週末をお過ごしください。

| | コメント (202) | トラックバック (0)

2010年11月 5日 (金)

尖閣事案のビデオ流出など

 石破 茂 です。

 今週は、2日火曜日の夜に富山市での自民党地方議員連絡協議会(自民党系地方議員・首長の会)で講演し、パーティで挨拶した後に最終便で帰京、水曜日(3日・文化の日)は朝一番の飛行機で地元へ帰り、近く行われる鳥取市議会議員候補の事務所開きで挨拶、その後倉敷市で橋本岳前代議士の街頭演説会3か所と励ます会に出席、最終便で帰京…といった日程で、精神的にも肉体的にもかなりきついな、と思っていたのですが、昨日、月曜日の予算委員会にトップバッターとして1時間15分質問に立て、という党の決定を聞いて、やや天を仰ぎたくなる心境になっています(8日午後1時・NHKテレビ中継あり)。

 明日土曜日は、朝一番の飛行機で帰鳥(5時起きでないと間に合いません)、来春の鳥取県議会議員選挙に立候補する現職県議の会で講演、その後帰京し、神奈川14区の赤間二郎前代議士の会で講演。
 日曜日はTBS時事放談で藤井元財務大臣と対談(収録は本日でした。放送は土曜日午前6時です)、NHK日曜討論で玄葉国務大臣と対談(生放送・午前9時)、その後帰鳥して鳥取市議会議員候補の決起大会で挨拶、兵庫県佐用町の自民党支部大会で講演(午後2時半・佐用町文化情報センター)という日程になっています。

 愚痴は言ってはならないし、職責上やむを得ないとは思いますが、最近あまりにスケジュールが錯綜して、自分の仕事の質がどんどん低下しているようで本当に怖い。
 若手を中心とする有望な人材をどんどんと育てていかなければなりません。

 それにしても、尖閣海域事案のビデオ流出は相当に深刻な事態です。
 「平成の5・15事件」といった人が居ましたが、政府のあまりに酷い対応ぶりに義憤を感じて確信犯的に流出させたのか、愉快犯的にやったのか、どちらにせよ政府部内から出たことは確実であり、現政権はもはや政府としての体をなしていません。
 危機管理能力が決定的に欠けているとしか言い様がありませんし、事ここに至ってもその認識に欠けていることが致命的です。

 倉敷の街頭演説では多くの人が足を止め、車からも沢山手を振ってくださり、自民党に対する期待感は着実に高まりつつあることを実感したのですが、これに浮かれてはなりません。
 その実態は「民主党に対する失望感」なのであり、自民党ならどうするかを示し、これに対する支持が高まらなくては本物ではありません。「自民党、果報は寝て待てばよい」というわけにはいきません。放っておいても民主党政権はやがて自壊しますが、このままではその前に日本が壊れてしまいかねない。

 それにしても、少し疲れました。
 「待て暫し、汝もまたやがて憩わん」その言葉を心のどこかで秘かに信じながら、頑張る他はありません。

 皆様、よい週末を。

| | コメント (321) | トラックバック (0)

« 2010年10月 | トップページ | 2010年12月 »