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2011年2月25日 (金)

予算案への見解、食品ヒット大賞

 石破 茂 です。

 大変遅くなりましたが、自民党本部で去る21日に開催いたしましたセミナーには、このページをご覧いただいている多くの皆様にもご参加いただきました。御礼申し上げるべきところ、公選法上叶いませんことをお詫び申し上げます。
 初めての試みであり、お越しいただいている方々のご関心が那辺にあるかもわかりませんでしたので、総花的で深みに欠けたお話になってしまったのではないかと反省いたしております。
 次回は皆様からもご意見ご希望を募ったうえでテーマを絞り、質疑の時間ももう少しとることが出来ればと思います。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

 昨日、平成23年度予算案に対する自民党の見解を取りまとめ、総裁の記者会見において発表いたしました。
 「自民党案でも税収より公債発行が多いではないか、これではインパクトに欠ける」とのご批判を党内外から多く頂いておりますが、税収を過大に見積もったり、公共事業などいわゆる乗数効果の高いものを削減するなど、数字の上での辻褄合わせなら簡単ですが、そのような不誠実なことはしたくはありません。
 この組み替え案に政府がどのように対応するか、まさしく菅首相の姿勢が問われます。

 今夕五時より、恒例の日本食糧新聞社主催の食品ヒット大賞、新技術・食品開発賞の受賞パーティに出席してきました。
 今年のヒット大賞はサントリー「オールフリー」、日清「ラ王」、桃屋「辛そうで辛くない少し辛いラー油」、その他優秀ヒット賞、ロングセラー賞などがあり、それぞれとても楽しく、面白いものでした。
 各社のコーナーを回って試食して、お土産まで貰えるので、このパーティは大好きです。
 いじきたない、などと言うお叱りも頂きそうですが、たまにはこんな楽しいことでもなければ、とてもやってはいられません。

 週末は、明日土曜日二十六日が、地元で県議会議員候補者や自民党支部の会合・大会、日頃から大変お世話様になっている方の叙勲祝賀パーティ。
 明後日日曜日二十七日が、沖縄・石垣島での西銘前代議士関係の集会(午後二時・ANAインターコンチネンタル石垣リゾート)という日程です。

 少し疲れました。
 一日、いや半日でいいから休みたいな…。
 そんなことを言っている場合ではありませんね、皆様お元気で週末をお過ごしくださいませ。

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2011年2月18日 (金)

会派離脱?

 石破 茂 です。

 完璧な選挙制度などあり得ない。
 しかし「同じ党の候補者同士が相争い、首長や地方議員が本来なすべき『地域の発展』に自分がいかに貢献したかを競い合い、憲法や国防・外交、財政など本来国家にとって必要なことを『地元利益に直結せず票にならないから』との理由でほとんど語らず、投票総数の二割程度を得票すれば議席が得られるために、本来有権者によって葬られるべき議員が生き残り、政権交代の可能性がほとんどない中選挙区制度は誤りである」と信じて、若い頃選挙制度改革に邁進しました。
 が、昨日民主党会派に離脱届を出した16人を見ていると、どう考えてもこのような人たちが国会議員になってしまう現行制度は誤りであったのではないか、と思わざるを得ません。
 「選んだ国民が悪い」と言っても、純粋比例であるあの人たちはそもそも国民が選んだのではない(憲法第43条にいう「選挙された議員」に当たるかどうかも再検討が必要です)。
 あの中で、国会で見るべき活動をした人は寡聞にして知りませんし、何の努力もせず、有権者と直接向き合うこともせず、ただ時の党の実力者によって名簿に登載されただけの人たちなのだとすれば、同じ衆院議員であることは絶対におかしいと断じます。
 昨日の彼らの会見の内容については論評することすら馬鹿馬鹿しい。「恥を知れ。会派離脱も離党もしなくていいから、一刻も早く己の不明を恥じて議員辞職せよ」と言いたくなりました。

 私をはじめ、小選挙区制度を推進してきた者は、これを少しでもまともなものに改める責任があります。
 言い訳のように聞こえたとしたら申し訳ありませんが、細川内閣が誕生して選挙制度改革が審議された委員会において、私は細川総理にこのように申しました。
 「小選挙区制度がうまく機能するためには三つの条件が満たされなくてはならない。
 国会議員が真に国の代表となるための地方分権、政党が国家に対する基本的な政策で国民に選択を仰ぐための政界再編、党執行部に権力が集中することがないよう党運営や意思決定システムを定め、党財政の透明化を義務付ける政党法の制定。
 この三つを欠いたまま小選挙区制度だけを先行させれば、制度の悪い面だけが強調される結果になりかねない」

 このような指摘は、残念ながら、細川総理はじめ、誰にもまともに聞いてはもらえませんでした。
 その時に恐ろしい挫折感を感じ、たとえようもない嫌な予感がしたのですが、それが今的中したようで、残念でなりません。

 彼らの今回の行動の目的が自己保身のみであるにせよ(そうであるに違いないと思われますが)、たとえ予算が成立しても、関連法案の成立はほぼ絶望的となりました。
 政府は「関連法案が成立しないと国民生活が大混乱に陥る」と脅迫めいた宣伝を開始していますが、日本国の統治システムは当然このような事態も予想しているのであり、誠実に対処すればそのような混乱は起こりません。
 四月一日からいきなり資金ショートを起こすようなことはあり得ないのです。
 しかし、菅総理はこのような事態を引き起こした責任を感じるべきであり、速やかに解散して信を問うか、総辞職をして後継首相の下で解散を行うか、いずれかしか道はないでしょう。
 「総理が辞めるから関連法案を通して欲しい」などというのは土台無理な話で、誰に総理が代わろうとこのような亡国的な予算がそのまま執行されてはならないのです。

 昨日谷垣総裁が述べたとおり、民主党は既に政党崩壊過程に入りました。
 これ以上民主党内部の混乱で国家・国民に迷惑をかけるべきではなく、マニフェスト堅持派と見直し派に分かれて、国民に信を問えばよい。
 選挙後、多数を制した党が政権を担えばよいのだし、政策が近似していれば連立もありうるでしょう。
 わが自民党は、党内一致結束し、政策策定作業を着実に進めてまいります。

 本日はこの後、萩生田光一前代議士のセミナーで講演(午後六時半・京王プラザホテル八王子)。
 19日土曜日は、浅野俊雄島根県議の後援会総会にて講演(午後2時・松江市くにびきメッセ)。
 20日日曜日は、NHK日曜討論(午前9時)に出演の後、中私都親交会で講演(午後1時・鳥取県八頭町中私都改善センター)、伊藤美都夫鳥取県議後援会で挨拶(午後三時・倉吉信用金庫打吹支店)、環境セミナーで講演(鳥取市・とりぎん文化会館小ホール)、という日程です。
 皆様、お元気で週末をお過ごしくださいませ。

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2011年2月16日 (水)

建国記念の日、バレンタインデー

 石破 茂 です。
 
 先週金曜日、2月11日は建国記念日(紀元節)。
 例年通り地元鳥取市の聖(ひじり)神社での建国祭に参加してきました。
 国歌斉唱、橿原神宮遥拝、敬神生活の綱領唱和、紀元節唱歌斉唱、聖壽万歳三唱と、寒風の中お社の戸を開け放って行われる式典はいつもながら清々しいものでした。
 ただ、私がこの式典に参加するようになって20年以上になるのですが、何年経っても私が参加者の中で最年少、あと20年も先には一体どうなるのやら。
 紀元節唱歌(明治26年 作詞:高崎正風、作曲:伊沢修二)は、一年に一度歌うわけですが、歌う度に本当に雅でほのぼのとした、いい歌だなあとしみじみ思います。歌詞は以下の通りです。

一、雲に聳(そび)ゆる高千穂の 高根おろしに草も木も なびきふしけん大御代を 仰ぐ今日こそ楽しけれ
二、海原なせる埴安(はにやす)の 池の面(おも)よりなおひろき めぐみの波に浴みし(あみし)世を 仰ぐ今日こそ楽しけれ
三、あまつひつぎの高みくら 千代萬世(ちよよろずよ)に動きなき 基(もとい)定めしそのかみを 仰ぐ今日こそ楽しけれ
四、空に輝く日の本の 萬の国にたぐひなき 國の御柱(みはしら)たてし世を 仰ぐ今日こそ楽しけれ

 この歌は今や相当年輩の方でなくては歌えなくなってしまったようです。
 私は戦前の日本を全面的に肯定する者ではありませんが(このテーマは大議論になりますのでここではこのくらいの記述でご容赦ください)、子供たちがこの歌を楽しく歌っていた時代は、きっとそれなりに皆が日本国に対する思いを共有し、微妙な表現でうまく言えませんが、ある意味において今より美しかったのだろうと思わずにはいられません。

 8年前、初めて国務大臣を拝命した時に、政府後援の「建国記念の日を祝う国民式典」なるものの案内があり、閣僚として当然の責務と思い出席したところ、閣僚の出席は私の他には扇千景国交大臣のみ。
 会場も文科省関係の小さなホールで、国民式典と銘うっているのに一般国民の参加はほとんどなく、各国大使が参列しているのに一体これはどういうことかと、とても奇妙かつ恥ずかしいような気にさせられたものでした。
 この式典も平成17年には廃止となり、以降政府が関与する建国記念関連の式典は一切行われていない状態が続いています。
 職場も学校もお休み、という楽しいことは享受しながら、その日が一体何の日なのかも知らず、国旗も掲げず、という異様な状態は決して良いことではありません。
 西岡武夫参院議長が「政府主催の祝賀式典を行うべきだ」との書簡を政府に送ったのは誠にもっともで、政府はこれを真摯に受け止めるべきですが、まあ望むだけ無理というものでしょうね…。
 平成17年に同式典が廃止となった経緯を私は知りませんが、時の政府は自公連立政権であり、私たちに大きな責任があります。宗教色の全くない式典をも何故廃止しなくてはならなかったのか、よく経緯を調べてみようと思っています。
 来年4月28日はサンフランシスコ講和条約が発効して日本が主権を回復してから丁度60年、この日を「主権回復記念日」として祝日とすべきとの意見も党内にはあり、この議論も前向きに行っていきたいと考えます。

 鳩山前総理が沖縄地元紙のインタビューに答えて、普天間の県外移設を断念した理由について「徳之島案が駄目になったことで辺野古案に戻らざるを得なくなり、その理屈付けが必要だった。(沖縄における米海兵隊の果たしている)抑止力は方便として使った」旨を述べたことには、今更ながら呆然とする他はありません。
 「海兵隊は米国民救出が任務であり、それ自体に抑止力は無い」とも述べたようですが、この程度の認識の人物が日本国内閣総理大臣になってしまい、普天間基地の返還・移設を白紙に戻したばかりか日米関係そのものを危機に陥れたことに、民主党はもっと自責の念を持たねばなりません。
 菅総理は「日米同盟は着実に深化している」などと能天気な発言をしていますが、それは米政府が日本政府をあからさまに批判することを差し控えているだけのことであって、実態は全く異なります。
 そして鳩山氏が「恩返し」と称して支えようとしている小沢氏並びにその周辺も、その程度にしか過ぎないということを、当該選挙区の有権者はよく認識すべきなのです。
 このような人たちは必ず次の選挙で叩き落とさねばなりません。党の再生を果たし、国民に信を問うべく、自民党に課せられた責任は重大です。

 一昨日はバレンタインのチョコレートが飛び交った一日でした。
 西洋の習慣に日本菓子業界の商魂が便乗した不思議な日ですが、そう目くじらを立てるほどのことでもありますまい。好意を寄せていた女の子から何か貰えるかどうか、気になって堪らなかった若い頃を懐かしく思い出します。
 多くの皆様、お気遣い誠に有り難うございました。


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2011年2月10日 (木)

公約作成に向けて

 石破 茂 です。

 自民党の総選挙政権公約作成作業がいよいよ本格化してきました。
 「一人一法案プロジェクト」は締め切り後も提出が相次ぎ、予算措置も含めて五百本を超える提出状況。
 各部会はこれに加えて参議院選挙の際に作成した公約集「Jファイル」の精査作業に入ります。
 これらを政策会議、公約策定委員会、シャドーキャビネット、総務会で議論し、パブリックコメントにかけ、広報本部と協議して誰にもわかりやすい形に整えて出すまでにはまだまだ長い道のりですが、何とかこれを成し遂げなくてはなりません。

 明日から三連休、11日建国記念の日は私の出身地である八頭郡八頭町大御門(おおみかど)の各集落の初寄合に出席の後、鳥取市聖神社での建国祭(午前十時)、建国記念日講話(午前十一時・宇部神社・鳥取市国府町)、自民党東郷支部総会・青年部大志会総会(午後四時・湯梨浜町・河本魚店)、上浅津石破会新年会(午後六時・湯梨浜町上浅津農事集会所)。
 12日土曜日は鳥取県自民党国会議員新春懇談会(午前十時・ホテルニューオータニ鳥取、午後一時半・倉吉シティホテル、午後五時・ホテルサンルート米子)。
 13日日曜日は、自民党武生支部講演会(午後二時・武生商工会議所パレットホール・福井県越前市塚町)、という日程です。

 建国記念の日の聖神社でのお祭りは、毎年の習わしです。自民党議員たる者、この日の行事は欠かすべきではありません。とても清々しく、毎年、厳粛な気分になります。

 寒さが戻る週末、皆様ご自愛くださいませ。

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2011年2月 7日 (月)

若い鳥取県応援団「雪に負けるな!鳥取応援プロジェクト」

 事務局です。

 2月13日(日)13:00~16:30の予定で、「若い鳥取県応援団」主催の「雪に負けるな!鳥取応援プロジェクト」をUstreamにて放送します。

 「若い鳥取県応援団」とは、鳥取にゆかりがあり、首都圏に在住・在勤する20~30代の若者を中心に結成された有志団体です。
 今回の企画は、昨年末からの豪雪被害に対する応援メッセージやチャリティ募金を募りながら、「地域ネットワークの絆」「県内での善意の活動」などを情報発信しようというもので、目標60万tweetだそうです。
 「石破ブログでも告知を」とのご依頼をいただきましたので、ここでご紹介させていただきました。

 詳しくは「若い鳥取県応援団」ブログ
http://d.hatena.ne.jp/waka-tori/
http://wakatori08.blog135.fc2.com/ (こちらはイベント用らしいです。)
 ぜひ、視聴&tweetなど、よろしくお願いいたします!

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2011年2月 4日 (金)

2月4日

 石破 茂 です。

 誕生日に複雑な感慨を抱くようになったのは、50歳からのような気がします。
 私は父親が49歳、建設事務次官在任の時に生まれたのですが、それからの父親の人生と自分とを重ねて考えるようになったからなのかもしれません。
 今日で54歳になったのですが、これは建設省退官後鳥取県知事に転じ、1期目を終えた年齢に当たります。50歳を過ぎてからというもの、父親に比べて自分は何もできていないな、と誕生日が来る度に思い、暗澹たる(大袈裟かな)気分にさせられます。

 今までに何度か知事へ転身のご要請を頂き、そのたびに心動かされたのは、「自分は鳥取県人である。鳥取で生まれ、育ち、鳥取で死ぬのである。小さくても貧しくても鳥取は我が県である」と言って、その通りに生きた父親への憧憬やコンプレックスが根源にあったように思います。
 転身するか否か、迷っていた時にはいつも「何を今更。お前は国政を全うせよ」とのお叱りを頂いて現在に至っていますが、父親に比べて自分は何と駄目なことかとの思いは今年も禁じえません。一生かかっても決して超えられない親を持ったことは幸せだったのか、そうではなかったのか。でも、常に「自分は駄目だなあ」との思いを持つことができるのは幸せなことなのかもしれません。
 私事で失礼致しました。
 多くのお心のこもったお祝いのお手紙、メールなど頂き、本当に有り難うございました。

 あまり報道されていませんが、1月末日で「自民党議員一人一法案提出」の募集を締め切り、衆院議員で65%、参院議員で80%の提出率でした。
 当選期数の比較的少ない若手の提出率が良かったこと、多い方は一人十数本も提案されたことなどに、自民党再生の兆しを感じたことでした。
 「あれをやりたい、これをやりたい」といくら言ってみても、法律案や予算案の形を伴わなければそれは単なる願望でしかありません。与党時代は「こんな法案を書け!」と霞が関の官僚たちに命じればそれでよかったのでしょうが、野党はそうはいきません。野党でいるときこそ、政権に復帰した時に提出する法案を練り、当然財源も含めた実現の可能性を精査し(そうでなければ民主党の二の舞です)、これを「法律カタログ」的な形で総選挙において提示して、国民の審判を仰ぐようにしたいと思っています。
 議員も「自分はこの政策を実現するためにこの法律を作りたい、そのために私を政府に入れて欲しい」というマインドが明確になるでしょうし、組閣の際にも「この法律を実現させるためにこの人を大臣にした」ということが明確になるはずです。
 自民党は単なる年功序列を排して、徹底した実力主義の政党にならなくてはなりません。

 TPPについて、多くのご意見をいただき有り難うございます。
 「参加すればこのようなデメリットがある」というご議論はそれなりによくわかるのですが、「参加しなければどうなるのか」「どのような対策を講じればデメリットがどれほど回避されるのか」についての詳細な検討も必要で、そのための作業を進めなければ軽々に結論は出せません。今後ともご意見お待ちしております。

 先日の予算委員会でキャピタル・フライト(資本の逃避)について言及したことにつきご意見を頂きました。
 日本国債の保有残高シェアのうち、海外の投資家が保有している割合は7%程度で、米国債の50%に比べて著しく低く、海外の資金は「この国の国債は危ないから早めに引き上げよう」といって逃げ足が速いという危険性が低いことが一般に指摘されています。
 しかし日本国民・金融機関とて愛国心から国債を買っているわけではなく(中にはそういう方もおられるでしょうが)、他に有利な投資先がないならなんとなく国債を買っているというのが大多数であり、これが危ないとなったら、やはり集団心理も働いて一斉に売りに出すと考えるべきなのではないでしょうか。
 「海外格付け機関の評価などいちいち気にしない」という姿勢はあってはなりません。

 週末は、5日土曜日が有本純子大阪市議会議員を囲む会(午前11時半・スイスホテル南海大阪・大阪市中央区難波)、谷公一衆議院議員国政報告会(午後5時・日高文化体育館・豊岡市日高町)、内藤兵衛兵庫県議会議員の決起集会(午後8時・西脇市市民会館・西脇市郷瀬町)。
 6日日曜日が自民党真庭市支部主催講演会(勝山文化センター・岡山県真庭市勝山)で講演、という日程です。
 立春を迎え、春も間近です。頑張りましょう!

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2011年2月 2日 (水)

質疑の感想、続き。

 石破 茂 です。
 昨日の予算委員会の質疑で感じたことをもう少し続けて書きます。

 私が「何とも言いようのない徒労感」を感じたのは、総理をはじめとする政府の諸君が「とにかく何とか委員会を乗り切ればいい」としか考えていないことがありありと伝わってきたからです。
 わけの分からない答弁が目立つのは、時間を消化することばかり考えていて、熟議、というスローガンとは裏腹に、議論をしようという気が全くないからなのです。
 
 このようなやり方が罷り通るのは、衆議院予算委員会のルールに問題があるからだと考えます。
 衆議院の予算委員会で「質問者の持ち時間一時間」というのは「質問と答弁を併せた時間が一時間」ということでこれを「往復一時間方式」と言います。
 不覚にも閣僚になって初めて知ったのですが、参議院で「持ち時間一時間」というのは「質問の時間だけで一時間」ということで、これを「片道一時間方式」と言います。つまり、衆議院では極端な話、答弁者がどうでもいい話を延々としていれば、質問者の時間はあっという間に無くなってしまうのに対し、参議院ではこのやり方が通用せず、いくら意味のない答弁を延々としても全体の質疑時間が延びるだけなのです。
 衆議院予算委員会で質問者が「総理はきちんと問いに答えろ!」と苛立ったり、「時間がありませんので次の質問に移ります」などと、なんとなく追及不十分の印象を与えてしまうのはこの所為です。

 国会の質疑で与えられた時間は政府のものでも質問者のものでもなく、主権者である国民のものなのに、今の政府の閣僚たちには全くその意識は無く、本来中立公平であらねばならない委員長はあの有様です。
 私が答弁者であった頃はまず結論を述べ、そのあとその理由を述べるように心がけていたつもりなのですが(もっとも「答弁が長い」とお叱りを時々頂いておりましたが…)。
 政府にとっては有難いことではありませんが、衆議院予算委員会も参議院の片道方式を採用すれば、いかに政府が不誠実でも、もう少し内容のある質疑ができるように思います。

 新聞は「追及が甘い」「審議を止められなかった」などと無責任に批判しますが、政府が逃げの姿勢に徹し、委員長がこれとグルであればどうにもなりません。
 判断は、国会中継やネット録画を見ている方々がすればいいことであり、その数は着実に増えていると確信しています。
 民主党が酷いことはもう多くの人が分かっているのであり、批判よりも「自民党ならこうする」というビジョンを具体的に示すことこそが解散に追い込む近道なのだとつくづく思います。

 与謝野大臣の答弁は、見ていてとても悲しい気持ちになりました。
 自民党を除名になったことでケジメはついている、いい仕事をすることで有権者に責任を取りたい、と答弁されましたが、一昨年の選挙で自民党公認を受ける際「公認を受けた者として、任期中党の移動をしないことを誓約する。これに反した場合は議員を辞職する」との誓約書を提出したことをどう考えておられるのか。
 この誓約書は公認を受けた者すべてが総裁あてに提出しているものですが、「いい仕事をすれば許される」というなら誓約など何の意味も持ちません。
 こんなことは言いたくはありませんが、税金を原資とする政党助成金から支給された公認料も本来自民党に返還すべきものであり、これを与謝野氏が会派入りした民主党の不当利得と言わずして何というのか。
 与謝野氏が直筆でサインし、花押を記されたこの誓約書を大きく拡大してパネルにして示さなかったこと(ご丁寧にも、この誓約書には「この誓約に反した場合はこの誓約書を公表されても構いません」と書かれています)、公認料に言及しなかったことは、自民党の良識、若しくは惻隠の情の発露というべきものでしょう。
 稲田朋美議員がいみじくも指摘した通り、「信なくば立たず。どんなに正しいことを言っても、信用の無い人が言うのなら意味がない」ということです。
 
 与謝野大臣は本当は議員辞職をしてケジメをつけたかったのではないでしょうか。
 甘い、と言われるかもしれませんが私は与謝野氏の人格をまだ信じたいのです。
 しかし、衆議院で三分の二の議席を得て、与野党逆転状態の参議院で否決された法案の再議決の夢を捨てきれない民主党がこれを阻止したのではないかと思っています。そうだとすれば、どこまでも志が低く、情けない人たちです。

 質疑をご覧になってのご意見、ご感想、ご叱正、有り難うございます。
 例によって例の如く、朝日新聞の評価は極めて低かったようですが、むしろ名誉なことだと思うべきなのかもしれません。
 開き直るつもりはないのですが、なにしろ防衛庁長官当時に防衛庁改革として防衛参事官制度廃止を提唱した時、「やはり文官統制が必要だ」という社説を書いた新聞社ですからね…。
 「文民統制」の誤植ではないかと目を疑いましたが、読んでみると本当に官僚が自衛隊を統制することが正しいと信じているらしいことがわかって、愕然としたことをよく覚えています。
 日頃言論の自由や表現の自由を声高に唱えている新聞社が、防衛事務次官通達の違憲性についての議論を詳報しないことこそが彼らの偽善性・欺瞞性を見事に物語っているように思えてなりません。

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2011年2月 1日 (火)

予算委員会質疑を終えて

 石破 茂 です。

 予算委員会質疑を終えてみて、何とも言いようのない徒労感を感じました。
 問いには全く正面から答えようとせず、くどくどとどうでもいい経緯を説明して時間を消化し、明らかに間違っていることを指摘されても「間違っていた」とは決して認めようとしない。一言で言えば、誠意の欠片も感じられない酷い答弁でした。
 予算委員長の不真面目、横暴な委員会運営も目に余るものがありました。

 解散権は総理が持っており、いかに国民が愛想を尽かし、たとえ支持率が一桁に下がろうとも、内閣総辞職か解散・総選挙まで今の内閣が続きます(これは我々自民党も反省しなくてはならない点です)。
 私は民主党内閣には全く賛同しませんが、今の内閣が続く限り、少しでもまともな政策を実行するならばこれを支援する責任があると思ってきました。
 しかし、何を指摘しても全くこれに応えようとしないのなら、もはやどうしようもありません。
 
 あらゆる手段を行使し、一日も早く総選挙に持ち込む、考えてみればこれが本来の野党の姿です。
 新政権を担う際の自民党の方針も、ほとんど固まりつつありますが、この作業を一層加速させてまいります。

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