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2011年7月29日 (金)

案件山積

 石破 茂 です。
 今週は原子力賠償機構法案、再生可能エネルギー法案、子ども手当の見直し、二重ローン対策法案等々、対応しなくてはならない案件が山積していますため、きちんとした更新ができませんことをお詫びいたします。

 菅総理が「個人的見解」などと言ってよく考えもせずに思いつきの発言をし、それに振り回されるのはもういい加減にして貰いたい。真面目に誠実に対応しようとしても、それが悉く覆され裏切られるのでは、とてもやってはいられません。
 日本国も、日本政治も菅直人氏の私物ではありません。一日も早く辞めさせるための手法を、全知全能を振り絞って考えなくては本当に取り返しのつかないことになります。
 我々自民党は菅直人氏に甘い期待を抱くことは禁物であり、そのことをよく認識しなくてはなりません。
 菅総理は特例公債法案が通れば辞める、などとよく言われますが、一体何処にその確証があるのか。これは第一義的に民主党の問題なのであり、菅総理を辞めさせるために、「内容はどうでもいいから、再生可能エネルギー買取法案や、ましてや特例公債法案を通せ、それを邪魔する自民党が菅総理退陣の足を引っ張っているのだ」などというのは、どう考えても本末転倒の議論です。そのようなことを唱える人はよく落ち着いて考えて貰いたい。
 閣僚や党役員が抗議の辞任をしても、全く意に介さないのが菅直人という人物ではないのか。私はどうしてもその思いがしてなりません。巷間伝えられる「脱原発・反核解散」をも視野に入れて対応するのが自民党の危機管理というものです。

 今週月曜日に東京で開催いたしましたパーティには、多くの皆様のご参加を頂き誠に有り難うございました。ご多忙かつ出費の多い中、お時間とご芳志を頂きましたことに心から厚く御礼申し上げます。
 民主主義にはそれなりのコストがかかるものですし、全額公費による政治活動には政治の独立性が束縛されかねないという難点もありますので、このようなパーティの開催はやむを得ないところではありますが、協賛して頂く皆様にはいつも申し訳ない思いが致しております。

 週末は土曜日が、恒例となっている一年に一度の選挙区における大規模集会であります「どうする日本」(中部会場・午前十時・倉吉体育文化会館、東部会場・午後一時半・とりぎん文化会館梨花ホール)で在勤25年の御礼御挨拶と講演。
 日曜日が新報道2001(フジテレビ系列・午前七時半)と日曜討論(NHK・午前九時)に出演した後、宮城県仙台市の災害現場実情調査並びに自民党宮城県連の会合出席のため終日党務出張、という日程になっております。

 本当に信じられない思いですが、もう七月も終わりです。一週間などとは決して言いませんが、せめて二、三日だけでも夏休みが欲しいなーと思ったりしております。
 何人かの方から、最近随分疲れた顔をしているね、とのご指摘を頂きますが、確かに精神的にも肉体的にも疲労が蓄積しているようです。テレビ映りがいつもより更に悪かったら御免なさい。

 そういえば今日は亡父の誕生日です。明治四十一年生まれでしたから生きていれは104歳ということになるのでしょうか。亡くなって今年で三十年になりますが、最近妙に父のことが思い出されます。

 酷暑が続きます。ご自愛くださいませ。

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2011年7月22日 (金)

突如

 石破 茂 です。

 昨日突如として民主党・岡田幹事長から、「一昨年の衆院選マニフェストには見通しの甘いところがあったことをお詫びしたい」との発言がありました。あくまで報道で知る限りでしかありません。事前に自民党幹部にこのような発言をする旨の連絡があった、特例公債法案を通すための布石だとも報ぜられていますが、真偽のほどは定かではありませんし、少なくとも政策責任者の私は一切聞いておりません。

 一昨年の衆院選において、彼らは「マニフェストに必要な財源は無駄遣いをやめればいくらでも出てくる」と豪語したはずです。鳩山由紀夫代表に至っては「消費税など議論する必要もない」と言っていました。それが誤りであることなど、素人ではあるまいし少し真面目に考えればわかることだったはずなのに、選挙に勝ちたい一心で大嘘をついて、今更謝ったからといって一体どうなるというのでしょう。
 更に岡田氏は「今後も埋蔵金や補助金の削減で財源確保に努めたい」などと言っており、どこまでもマニフェストの精神自体は間違っていなかったと強弁していますが、この人たちはどこまで世の中を舐めているのか。

 特例公債法案は一日も早く通さなくてはなりません。民主党がマニフェストの考え方自体を改め、発行額を縮減し、復興の財源を確保するという真摯な姿勢を示すなら、その日のうちに衆・参で成立させます。しかしそれなくして特例公債法案を通すことなど、絶対にあってはなりません。
 マニフェストを撤回するのなら、本来解散して国民の信を問うべきものですが、復興が軌道に乗るまでは敢えてその要求はしないという対応までしようとしているのに、それに甘えようとする態度には看過しがたいものがあります。

 「自民党が反対しているから特例公債法案が通らない。通すために国民の信を問いたい」と言って菅総理が「脱原発」とセットで解散するのなら、堂々と受けて立てばよいのです。今度こそ、国民に対する説得力が問われるはずです。
 少なくとも私は、大嘘のマニフェストの片棒を担ぐような、安易な妥協には賛成することが出来ません。

 世界に消費税を上げて景気が良くなった例は無い、というご指摘を時折頂きますが、それはいかなる前提を置くかによって全く解が異なります。財政状況、少子高齢化の進行度、海外の税構造や産業構造の推移、財政収支、それらの前提を全て捨象して敢えて単純化する議論はとても危ういものであるように思われます。
 中央銀行の国債引き受け、というのは要はインフレによって解決しようとするものであり、税率とは異なりコントロール不能である危険を有するのみならず、通貨の価値下落によって財政状況を改善しようとする、かなりリスクを伴う方策であるように思います。高名な学者の間でも激しい論争があるところですが、冷静に議論を精緻化させる必要性を痛感しています。

 土曜日は高知に党務出張(街頭演説・午後二時・高知市中央公園、自民党政経文化セミナーで講演・午後三時・RKCホール・高知市本町)。
 日曜日は地元で諸行事に出席した後帰京します。
 テレビはどちらも収録もので、土曜日が「激論クロスファイア」(午前10時・BS朝日)、日曜日が「時事放談」(午前6時・TBS系)となっています。

 酷暑の中の涼しさの昨日、今日でした。もう一月も経てば初秋です。今年も夏休みらしい日々は一日もないのかな…被災地のことを思えばそんなことは言ってはいられませんね。
 ご自愛の上、週末をお過ごしくださいませ。

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2011年7月15日 (金)

海の日

 石破 茂 です。

 今週も永田町・霞が関は菅総理の思い付き発言に翻弄されました。
 一国の最高権力者たる宰相が「脱原発(内容不明)」を明言したことに意義がある、と評価する向きもあるようですが、それは違います。菅総理の発言は、市民活動家が「反原発!」と叫んでデモを行う時に叫ぶシュプレヒコールとなんら変わらない。一国の宰相には、原発の依存度(ウエイト)を、どのレベルまで、いつまでに、どのような代替手段の組み合わせで、誰のどれだけの負担で下げるのか、そしてそれが経済、雇用、国際競争力にどのような影響を与えるのか、これを国民に対して示す責任があるのです。菅総理の市民活動家の本質が如実に表れたというべきでしょう。国家・国民にとってこれほど迷惑なことはありません。

 再生可能な自然エネルギーの比率を上げること自体は、自民党も既に昨年の参院選公約で明確に打ち出している方針ですが、震災・津波に伴う原発事故後の状況を踏まえれば、これに詳細な検討を加えるべきは当然です。
 特に太陽光にせよ、風力にせよ、巨大地震や津波には極めて脆弱なエネルギー源であることには注意が必要なのではないでしょうか。女川原発などの比較的新しい原発が、老朽化した福島第一原発とは異なり、「千年に一度」の地震・津波に遭っても停止・冷却の機能は正確に作動した事実は冷静かつ客観的に評価されるべきです。「安全」と「安心」は確かに違う概念ですが、それを近似させる努力が必要であると思っております。

 週末は、16日土曜日が地元に日帰り。
 17日日曜日は在京。
 18日海の日はいわき市の被災地実態調査と自民党「いわき・双葉郡」総支部災害復興対策本部開設式に出席(午前十時半・いわき市平字堂の前)、その後地元に帰り、諸行事に出席の後夜行列車で帰京します。

 もう「海の日」なのですね。小学生や中学生の頃の臨海学校の思い出が蘇ります。本当に楽しかったな…。
 酷暑が続きます。皆様何卒ご自愛くださいませ。

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2011年7月 8日 (金)

一昨日の予算委員会

 石破 茂 です。
 一昨日の予算委員会、総理の確信犯的居座り発言には、ああ、やはりそうだったのだという思いを強くしました。
 委員会でも申し上げたことですが、六月二日の菅総理の「復旧と原発事故対応に一定の目途がついたら若い世代に責任を引き継いでいきたい」という発言がどうして「菅総理、退陣表明」という解釈になるのか、私は不思議でなりませんでした。そんなに高いレベルではなく、普通の日本語の理解力をもってすればこれは続投宣言でしかありません。この発言のどこにも「辞任」「退陣」という言葉は出てこない。
 真っ先にテロップを流したNHKをはじめとする大マスコミはすべて「退陣表明」と報じましたが、日本語の理解力があまりに低いとしか言いようがありません。それとも、辞任への期待が高かったため、願望を込めてそう解釈したのでしょうか。とにかく解散が怖くて、それだけは避けたいという思いが強く、本音では不信任案に反対したかった多くの民主党議員が「これは退陣表明だ」と希望的・自己暗示的解釈を行ったのです。愚かさと自己保身の産物以外の何物でもなく、これはまさしく菅総理の思うツボだったのではないか。

 総理は昨日の答弁で「私は退陣という言葉は一度も使っていない」と明言しました。実際そうなのだし、勝手に退陣と解釈した方が悪いのです。騙された、ペテンにかけられたなどと言うのは、自分がいかに愚かであったか、告白しているようなものです。

 質疑の中で私は「『一事不再議(一度議決した案件については、同じ会期中に重ねて審議しないこと)』はあくまで慣例であって、明文で定められてはいない。菅内閣不信任案は再度提出できるはずだ」と申し上げました。国会会期中に大きな事態の変化があった場合、一度不成立になったから、というだけの理由で審議できないとすれば、国会は新たな事態に全く対応できなくなってしまうことになり、これはどう考えてもおかしなことです。
 何ら事態の変化もないのに否決された案件を何度でも審議することは誠に非効率であり、野党の抵抗手段としてこれが多用されることになれば国会は機能しなくなりますから、原則として認められません。
 従って、例外が認められるのは、二つの条件が具備された場合に限られるのではないでしょうか。すなわち、
①新たな事態が生じ、前回とは状況が大きく変化している
②前回とは別の提案理由が存在する

 今回に即して言えば、まず①については、六月二日に多くの議員が「退陣表明」と受け止めた菅総理の発言は実はそうではなかったことが総理自身の言葉によって明らかになった。民法的に言えば、詐欺、若しくは錯誤による意思表示とも言うべきもので、その法的効果は無効か取消です。
 ②については、六月二日と今では菅内閣そのものが相当に変質しているため、前回とは全く別の不信任理由が存在しますし、任命権者の菅総理自身の責任も新たに問い得ることとなります。復興大臣を新たに任命し、九日で辞任、また新たな大臣が就任、看板政策を担っていた行政刷新大臣は退任し、官房長官が兼務、法務大臣と環境大臣が兼務、原発事故担当大臣の設置。これは明らかに内閣の変質です。

 提出時期はともかくとして、今国会中に緊急に必要な法案や予算を修正を加えて成立させたとして、なお菅総理が居座ったとき、この不信任案再提出は必ず現実味を帯びるはずです。その時こそ民主党議員の真価が問われるのです。
 今度こそ最後の勝負になるでしょう。自民党も、国民の理解が得られるように最善を尽くさなくてはなりません。
 
 週末は、土曜日が自民党神奈川政治大学校にて講演と、地元の中学生の国会見学。
 日曜日はたまった用務の処理に充てたいと思っています。
 暑さの折、ご自愛くださいませ。

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2011年7月 6日 (水)

本日質問&パーティ開催のお知らせ

 事務局です。
 本日(7月6日)10:10~11:10、衆議院予算委員会にて質問に立ちます。

 また、7月25日(月)18:30~ ホテルニューオータニ東京 本館宴会場階「鳳凰の間」にて、「石破茂君を囲む会2011」を開催させて頂きます。本催しは政治資金規正法第8条の2に規定する政治資金パーティです。会費は2万円となっております。
 お問い合わせは下記事務局までお願い申し上げます。
 03-3508-7525(瀬淵、吉村) g00505@shugiin.go.jp

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2011年7月 1日 (金)

悲しい一週間

 石破 茂 です。

 浜田議員の件につき、多くのご意見を頂きました。あれから五日が経過し、何ともやりきれない、残念で悲しくて、口惜しくてたまらない思いで一杯です。 
 あのような行動をしながら一言も詫びることなく、地元に説明することもなく、ひたすら自己正当化を図るような人物が実際にいたということに対する驚きと自分の認識の甘さに対する嫌悪感。そんな人物であることが見抜けなかった己の愚かさ。そしてそのような者を鳥取県の有権者にお願いした申し訳なさ。自民党と私を信じて厳寒の中、酷暑の中、後援会活動や選挙運動をしてくださった後援者の皆様や、連立を組んでもいないのに支援して下さった公明党の皆様に対するすまなさ。それらがないまぜになって、眠れぬ日々が続きます。
 なによりも、被災地に一歩も足を踏み入れていないにも関わらず「復興支援のため」と言えること自体、被災者の方々のみならず国民全体を愚弄するものではないのでしょうか。

 これに関わった菅直人総理をはじめとする人たちに、鉄槌を下さねばなりません。このような人たちは、政治家としても人間としても失格です。世の中はそのような者たちが往々にしてのうのうと生き延びていることもまた事実ですが、諦めてはなりません。
 綺麗事に聞こえるでしょうし、世の中そうは甘くないことも重々承知していますが、少なくとも私は人の心を弄び、善意を踏みにじり、恩義(自民党に対する恩義というよりも、お世話になった人たちに対する恩義という意味で)を忘れるような人たちを絶対に許すつもりはありません。「世の中を舐めている」という言葉はこのような人々のためにあり、必ず思い知らせなくてはなりません。

 こう書いていても、とても虚しい。どうしようもなく、口惜しくて悲しい一週間でした。

 週末は、二日土曜日が読売テレビ系ウェークアップ生出演(午前八時・読売テレビ・大阪)。
 三日日曜日がTBS系時事放談出演(午前六時・収録)、残余の時間は地元の諸行事、浜田氏の件のお詫び挨拶回り、来週国会が動き出せば予算委員会質疑に立ちますため、その準備などに費やします。

 早いものでもう七月、今年も後半に入りました。向暑の折、皆様ご自愛くださいませ。

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