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2012年10月26日 (金)

不誠実な政権

 石破 茂 です。

 「『近いうちに信を問う』との約束を誠実に守って、諸懸案を処理した後に速やかに解散せよ」という主張が間違っているという方は、どのような理由でそう思われるのでしょうか。
 「解散については嘘が許される」などというのは、誰が言ったかは知りませんが根拠のない全くの誤りで、そんなことが許されると私は全く思いません。

 「どっちもどっちだ」などということがあるはずがありません。明らかに政府・民主党が間違っているのです。
 政治と裁判を一緒にしてはいけないことは百も承知ですが、もしこれが裁判であったなら、明らかに有罪なのは向こうの側です。
 「消費税は上げない、無駄を省けばカネは出てくる」と大嘘を言って政権を簒奪し、「政権をとってみたらやはり必要なことに気付いた」と言うのなら、本来そこでもう一度民意を問うのが当然です。このことに異論のある方がおられるのでしょうか。

 自民党は参議院選挙において消費税の引き上げを公約として戦い、民主党に勝利しました。
 消費税の引き上げと社会保障の一体改革は極めて急がなくてはならない課題であり、野党でありながらこれに賛成しました。
 野田総理はこれに「政治生命を賭ける」、つまり「成立しなければ解散か総辞職を選ぶ」と言ったのであって、衆議院本会議で民主党から大量の反対票が投ぜられ、もし自民・公明が約束を破って反対に回っていれば、その時点で解散か総辞職になっていたはずです。
 自公はそれでも信義を守って賛成し、今日まで政権が続いているにもかかわらず、自らがした「『近いうちに国民に信を問う』という約束は反故にしてよい」などということは絶対に許されるはずがありません。
 極めて当然のことであるにも拘らず、批判を総理に集中していないために、政治不信が高まるという結果になっているのです。
 この総理の約束は国民に対する約束でもあります。無能の政権がこれ以上国政を担うべきなのか否か、決めるのはただ主権者たる国民なのです。このことにも、異論のある方がおられるのでしょうか。

 解散から投票日までは40日、選挙期間は12日と決まっています。このような短い期間が政治空白であるはずがありません。今の政権が居座ること自体が政治空白なのであり、そのような意識が全くないのは異様なことです。

 今まで多くの政権を見てきましたが、誠実を装いながらこれほど不誠実な政権は無いのではないか。
 鳩山、菅両内閣に比べれば相当にまともな政権なのではないか、と期待していただけに、その失望感は大きいものでした。
 「動かざること山の如し」「ボールは自民党にある」などと輿石幹事長が嘯いているとおり、自分たちは何の努力もせず、自民党にすべての責任を押し付け、ひたすら民主党の延命のためだけに国政が動いていることに強い憤りを感じ、国民世論に更に訴えていく必要性を痛感しています。

 石原新党が発足する由。
 あれこれコメントをするより、自民党が政策をさらに練磨し、日常活動をさらに強めることが求められます。
 国民の審判が下る前に連携など模索することは有権者に失礼というものでしょう。

 今日は新潟、明日は茨城、明後日は鹿児島、そして月曜日からは国会です。
 気力と体力の続く限り、それが私に与えられた使命であると思い、全力を尽くす他はありません。

 幹事長に就任して以来、本欄をいつもお読みいただいていた方々との一体感が薄れたようで、寂しさにも似た思いが致しております。こちらの発信の仕方がよくないのでしょう。
 当欄は、個人の誹謗中傷にあたらない限り、ご批判も選別することなく載せておりますが、あまりに一方的なご見解を拝見すると違和感を覚えてしまうこともあります。これも仕方ないことではありましょうが。

 季節の急激な変化のためか、珍しく体調があまりよくありません。
 皆様、ご自愛の上どうかお元気でお過ごしくださいませ。

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2012年10月19日 (金)

解散時期など

 石破 茂 です。
 
 解散の時期を明示すべき、との我が党の主張に対して、「自民党は大人の対応をすべきだ。国会審議に応じて懸案を処理するほうが先だ」との、いかにももっともらしい主張をされる方が居られます。
 八月の税と社会保障の一体改革に関する三党合意の際の「近いうちに国民の信を問う」との野田総理の発言が無ければ、それはその通りなのでしょう。
 しかし、そもそも公約違反の消費税率引き上げに「政治生命をかける」と発言したのは野田総理です。
 国民・有権者に対して「無駄を省けば消費税引き上げの必要はない」と言い放って政権を獲得したのですから、その時点で解散して信を問うべきところ、「近いうちに国民の信を問う」ということで自民・公明の協力を取り付けておきながら、税と社会保障の一体改革関連法が成立したら、その約束は忘れ果てたような顔をすることが何故許されるのか。

 三党合意後の衆議院本会議において、民主党からは大量の造反がおこり、単独では可決できない状況に陥り、自民・公明の賛成でやっと可決に漕ぎ着けたのです。あの時自民・公明が反対に回れば間違いなく野田内閣は崩壊していたはずなのですが、自民・公明は信義を守って賛成しました。
 自分は約束は守らないでいながら、他党に責任を転嫁するような姿勢は断固として認められません。国会を開く条件を整えるのは政府・与党の責任なのであって、野党にそれを求めること自体非常識の極みです。

 田中法相辞任の報道がなされました。山岡、一川、田中直紀各大臣で懲りたはずなのに、一向に任命責任の重大さを認識していないこの総理は一体何者なのか。
 解散が無ければこの内閣が任期満了まで継続するのです。
 私たちは、今解散すれば有利だから解散を求めているのではありません。民主党は「解散から逃げてはいない」というなら、懸案を処理した後に速やかに信を問う、という国民に対する真摯さを持つべきなのです。

 外国人献金の件は、結果責任を認めるとともに、献金を受ける際に国籍確認を義務付けるなどのシステム整備を行う必要性を強く感じております。一部のご指摘にあるようなシステムはまだ完備されておりませんので、立法化の必要も含めて早急に成案を得たいと思っております。

 今週も、埼玉、高知、徳島、鹿児島、沖縄と廻り、その他都内での講演、テレビ・ラジオ出演、党内での会議等々、実にあわただしい一週間でした。落ち着いて物事を考える暇がなく、気力・体力を回復する暇もなく、やや危機的な状況かな、と思ったりもしています。

 週末は、久しぶりで地元に帰ります。もう当分帰ることもできなくなるのでしょうし、満喫、とまではいかなくとも、少しだけでも故郷の秋を味わいたいと思っております。
 日曜日は、TBS系列「時事放談」で藤井元財務大臣との対談が放映される予定です。ご関心の向きはご覧くださいませ。

 皆様、よい週末をお過ごしください。

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2012年10月12日 (金)

幹事長会談へ?

 石破 茂 です。

 幹事長職を拝命して二週間が経ちました。
 とにかく毎日が息つく暇のない慌ただしさで、落ち着いて物事を考えたり書いたりする時間も、本を読む時間も全く無い状態が続いています。急速に自分の思考が浅くなっていくようで、恐怖心に近い思いが致しております。

 来週初めには自民・民主・公明の三党幹事長会談が開催され、党首会談に向けた調整が行われるのではないかと思っております。
 特例公債法案も、定数是正も当然早急に解決しなければなりませんが、それを審議する国会を開く前提条件は政府・与党側が整えるべきものです。
 「近いうちに国民の信を問う」という総理の発言は税と社会保障の一体改革と不可分・セットのものであったはずです。それをまるで忘れ果てたような顔をして国会を召集することは、国民に対する背信でもあると言わなくてはなりません。これを看過したまま国会の召集に応じれば、そのまま25年度予算編成を行い、解散をずるずると引き延ばされる可能性が極めて高いと思っております。

 25年度中途の来年八月までが現在の衆院議員の任期であり、その後の国家運営に責任を持てない政党が予算を編成することはあってはなりません。我が党が与党時代にもこれはあったことですが、今後の反省、教訓とすべきだと思っております。

 そのようなわけで、今回の当欄もバタバタとした中で書いた短いものとなってしまいました。何卒事情ご賢察のうえご寛容下さいませ。

 週末は、埼玉、高知、徳島と廻り、来週は衆院補選のある鹿児島と、党大会のある沖縄に参ります。テレビは日曜日のNHK「日曜討論」に高知から出演の予定です。

 皆様、お体にお気をつけて週末をお過ごしくださいませ。

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2012年10月10日 (水)

イシバチャンネル第二十五弾

事務局です。

イシバチャンネル第二十五弾をアップロードしました。


是非ご覧ください。

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2012年10月 5日 (金)

幹事長を拝命して一週間

 石破 茂 です。
 総裁選が終わり、幹事長を拝命して一週間が経ちました。
 正直、これほど忙しく慌ただしい職とは思いませんでした。落ち着いて当欄を書く時間も全く無く、いつもお読みいただいている皆様には本当に申し訳なく思っております。

 党人事の決定、党改革の方針策定、衆参全選挙区の情勢把握と個々の対策方針策定、全国各地で開催される党の各種行事への出席、テレビ出演、インタビュー、とてもこなしきれない日程が錯綜して、下手をすると自分を見失い、仕事の質が低下しそうで、よく気をつけなくてはなりません。
 記者会見などで私の考えは述べておりますので、どうかそちらをご覧くださいませ。

 そのようなわけで、総裁選挙でお世話になった皆様へのお礼も全くと言っていいほどにできておらず、これもまた本当に申し訳のないことです。なんとか少しずつでもやっていきたいと思っておりますので何卒ご寛容下さい。

 週末は六日土曜日が読売テレビ「ウェークアップ」出演(午前八時)、BS朝日「激論!クロスファイア」出演(収録・午前十時)、関西方面の鳥取関係の行事出席。
 七日、八日は東京でのいくつかの行事に党を代表して出席します。警備の都合上、詳細が書けませんことをお許しくださいませ。

 季節は秋に移りました。秋晴れのさわやかな日が無いままに、冬になってしまうのは嫌ですね。皆様お元気でお過ごしくださいませ。

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