不誠実な政権
石破 茂 です。
「『近いうちに信を問う』との約束を誠実に守って、諸懸案を処理した後に速やかに解散せよ」という主張が間違っているという方は、どのような理由でそう思われるのでしょうか。
「解散については嘘が許される」などというのは、誰が言ったかは知りませんが根拠のない全くの誤りで、そんなことが許されると私は全く思いません。
「どっちもどっちだ」などということがあるはずがありません。明らかに政府・民主党が間違っているのです。
政治と裁判を一緒にしてはいけないことは百も承知ですが、もしこれが裁判であったなら、明らかに有罪なのは向こうの側です。
「消費税は上げない、無駄を省けばカネは出てくる」と大嘘を言って政権を簒奪し、「政権をとってみたらやはり必要なことに気付いた」と言うのなら、本来そこでもう一度民意を問うのが当然です。このことに異論のある方がおられるのでしょうか。
自民党は参議院選挙において消費税の引き上げを公約として戦い、民主党に勝利しました。
消費税の引き上げと社会保障の一体改革は極めて急がなくてはならない課題であり、野党でありながらこれに賛成しました。
野田総理はこれに「政治生命を賭ける」、つまり「成立しなければ解散か総辞職を選ぶ」と言ったのであって、衆議院本会議で民主党から大量の反対票が投ぜられ、もし自民・公明が約束を破って反対に回っていれば、その時点で解散か総辞職になっていたはずです。
自公はそれでも信義を守って賛成し、今日まで政権が続いているにもかかわらず、自らがした「『近いうちに国民に信を問う』という約束は反故にしてよい」などということは絶対に許されるはずがありません。
極めて当然のことであるにも拘らず、批判を総理に集中していないために、政治不信が高まるという結果になっているのです。
この総理の約束は国民に対する約束でもあります。無能の政権がこれ以上国政を担うべきなのか否か、決めるのはただ主権者たる国民なのです。このことにも、異論のある方がおられるのでしょうか。
解散から投票日までは40日、選挙期間は12日と決まっています。このような短い期間が政治空白であるはずがありません。今の政権が居座ること自体が政治空白なのであり、そのような意識が全くないのは異様なことです。
今まで多くの政権を見てきましたが、誠実を装いながらこれほど不誠実な政権は無いのではないか。
鳩山、菅両内閣に比べれば相当にまともな政権なのではないか、と期待していただけに、その失望感は大きいものでした。
「動かざること山の如し」「ボールは自民党にある」などと輿石幹事長が嘯いているとおり、自分たちは何の努力もせず、自民党にすべての責任を押し付け、ひたすら民主党の延命のためだけに国政が動いていることに強い憤りを感じ、国民世論に更に訴えていく必要性を痛感しています。
石原新党が発足する由。
あれこれコメントをするより、自民党が政策をさらに練磨し、日常活動をさらに強めることが求められます。
国民の審判が下る前に連携など模索することは有権者に失礼というものでしょう。
今日は新潟、明日は茨城、明後日は鹿児島、そして月曜日からは国会です。
気力と体力の続く限り、それが私に与えられた使命であると思い、全力を尽くす他はありません。
幹事長に就任して以来、本欄をいつもお読みいただいていた方々との一体感が薄れたようで、寂しさにも似た思いが致しております。こちらの発信の仕方がよくないのでしょう。
当欄は、個人の誹謗中傷にあたらない限り、ご批判も選別することなく載せておりますが、あまりに一方的なご見解を拝見すると違和感を覚えてしまうこともあります。これも仕方ないことではありましょうが。
季節の急激な変化のためか、珍しく体調があまりよくありません。
皆様、ご自愛の上どうかお元気でお過ごしくださいませ。
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