石破 茂 です。
都議選、参院選が間近に迫り、連日1日何カ所かは応援演説に回る昨今です。
候補者についてある程度の知識を持って応援演説に臨まなくては支援要請に真実味もなく、聞いて下さる方への訴えかけも弱くなってしまうため、事前に候補者のホームページなどを見て、どんな人なのか、何を考えているのかを知るように努めているのですが、候補者によってその内容の濃淡には相当の差があります。
ブログなどを定期的に更新している人はその人の何たるかがわかってとても便利なのですが、残念ながらそう多くはありません。
もっともブログなどは本当に気をつけて書かなくてはならないこともまた事実であり、世の中にはその人と会話した内容が即日全部書かれてしまうような恐ろしいブログもありますが、少なくとも私は「誰々がこう言った」などということは決して書かないように心掛けているつもりです。
自民党公認候補の決定について、或いは公約について様々なご意見を頂いておりますし、週刊誌にもさまざまな批判記事が掲載されています。
ある結論に至るまでには多くの過程があり、それぞれの立場から全く異なる主張がなされます。それこそそれらすべてを明らかにすることなど当然出来ませんし、ああでもない、こうでもないと言って時間だけを無為に費やすことも許されません。
職務上、あらゆる選挙に関する責任は幹事長たる私がとるべきものであり、他人に責任転嫁をすることは致しません。
「汗は自分でかきましょう、手柄は他人にあげましょう、そしてその場で忘れましょう」というのは竹下登先生の遺訓であり、「あらゆる栄誉と賞賛は現場に与えられ、あらゆる責任は政治がとる」というのは自民党に古くから伝わる教えです。
言葉にしてみれば簡単ですが、これを実践するのは容易なことではありません。それをしみじみと実感している最近の日々です。
日々多くの著作や雑誌をお送りいただき、目次にだけはざっと目を通してはいるのですが、とても全部は読めません。これは面白そうだからいつか読もう、と思っているうちにそれがどこへ行ってしまったのかもわからなくなってしまう有り様で、どんどんと知識量や思考の質が希薄になっていく恐怖感を感じております。
選挙が終わるまでは仕方がないな、と諦める他はありませんが、各種討論会などに出る前にはほとんど徹夜状態で最新の資料に目を通して何とかなっている(と勝手に思っておりますが、実は何とかなってはいないのかもしれません)というのが実情です。
「幹事長、今日の○○について見解を!」とか「今日の××氏の発言について感想を!」とか報道諸兄姉にいきなり聞かれても、○○についても××についてもよく知りもしないままに無責任な発言など出来るわけもなく、とっさに当たり触りのない発言をする機会が多くなってしまい、本当に嫌になってしまいます。
沖縄普天間基地のオスプレイの受け入れを大阪府知事・大阪市長が官邸に申し入れた由、「沖縄の負担をできる限り本土で引き受けよう」とのお気持ちは本当にその通りで有難いことなのですが、「維新の会」共同代表・幹事長の立場で申し入れたのか、知事・市長という立場で申し入れたのか、軍事的合理性について、誰のどのような知見に基づいて判断したのかも今の時点では判然としません。
基地問題は地域感情と軍事合理性の両面について深く考えないまま発言や行動をすると結果を誤るケースが多いというのが私の経験です。
政府として適切に今後対応することと思いますが、今回の件については私なりによく考えてみなければならないと思っております。
フランスのオランド大統領が国賓として来日され、本日国会において演説が行われました。
私は当選2回生の頃からフランスに強い関心を持っており、何度か訪仏も致しました。
特に核政策を含む安全保障政策と農業政策には注目すべき点が多く、時間が作れるようになればもう一度ゆっくりと学んでみたいものだと思っています。
ビジネス色の強かったサルコジ前大統領の時代はどこかに違和感を持っていたのですが、社会党出身とはいえ中道右派色の強いオランド大統領の対日姿勢には共感するところが大であり、今日もとてもいい演説であったと思いました。
週末8日土曜日が東京都議選応援5会場、その合間に自民党群馬県連大会で講演。
9日日曜日がTBS系「時事放談」出演(収録)、年一回の地元での大規模国政報告会を鳥取・倉吉の両市で行います(午前10時倉吉シティホテル・午後1時半とりぎん文化会館)。
皆様お元気でお過ごしくださいませ。