イシバチャンネル第四十五弾
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石破 茂 です。
東京都議会における不規則発言(野次)については様々なご意見を頂きました。
昨年の今頃、自民党公認の都議候補が全員当選という結果を得てとても有難く思ったのですが、都民の期待に背く結果となってしまったことに対し、あの選挙でほとんどの候補のところを廻ってお願いした者として、また党全体の責任者として深くお詫び申し上げます。
先週21日土曜日朝のテレビ番組で「本人自ら名乗り出るべき」と申し上げました。発言自体はしてしまった以上どうにもならないのですが、その後の対応に「潔さ」が感じられれば良かったのに、と思うのです。もちろん自分が他人を批判できるほど立派な人間だとは全く思いませんが。
件の女性都議についてもその後あれこれ報道がなされていますが、相手がどうであれ、発言そのものが全く不適切であったのですから、いずれにせよマスコミに取り上げられた以降の展開について、ダメージコントロールのあり方としては不十分であったことを痛感致しております。
滋賀県知事選挙が昨日公示され、終日候補者に同行して遊説を致しました。
中央官僚が政治家に転身する時には、人に接する態度そのものから大きく変えることが求められます。昭和33年、亡父が建設事務次官から鳥取県知事に転ずるときにも相当の苦労があったようで、その後「あの選挙で政治家と役人の違いがよくわかった」と語っていたそうです。私が小学生の頃、「儂に何の義理もない人が何十万人も休みの日に投票所に行って儂の名前を書くことの意味がどんなに大きいことか」と語っていたことを思い出します。
久しぶりに会った滋賀県知事候補の小鑓(こやり)氏は、当選すればきっといい知事になるであろうことを確信いたしました。投票日まで引き続き全力で支援して参ります。
終日選挙カーに乗って遊説したのですが、勘を取り戻すのに苦労しましたし、このところ全国各地への移動が矢鱈と多いせいもあっていささか疲労感を感じます。確実に年齢は重ねているようで、いつまでもこのようなことは続かないなと思いました。
来週に集団的自衛権限定行使容認を含む安保法制協議に結論が出せるようになることを祈っております。
週末は土曜日に久しぶりに地元へ帰り、年に一回の大規模集会を鳥取市と倉吉市で開きます。
日曜日は富山県南砺市での講演を予定しております。皆様お元気でお過ごしくださいませ。
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石破 茂 です。
通常国会は事実上本日閉会となりました。多くの法案が成立し、予算も順調に仕上がり、内閣支持率、自民党・与党支持率ともに高水準で推移しています。国会閉会中も、研鑽を怠ることなく緊張感を持ってすべてのことに臨んでいかなくてはなりません。
安全保障法制、就中集団的自衛権行使容認の閣議決定は閉会後に持ち越されることとなりました。個別事例ごとの検証作業は、問題点の要素を多く包含したものであるだけに、法律的な細部の議論が世の中には解り辛くなっているのかも知れません。「これは必要なことだ」ということを解って頂くために、個別事例の検証は極めて有効なのですが、これを法律論的に整合した形でご理解をいただくためにはさらに工夫が必要であるように思われます。私自身、「自衛権再考」(知識社刊・昭和62年)に収録されている諸論文を理解したいと以前から思いながら、なお果たせずにおります。「他人のためにする正当防衛」と集団的自衛権との関係をうまく繋ぎ合わせることが出来れば、また違った議論が展開出来るような気もしております。これに関して「voice」七月号に収録されている高橋洋一教授の「集団的自衛権は『正当防衛』だ」は興味深い論考でした。
「提示された事例は非現実的」「リアリティに乏しい、ためにする議論」などとの新聞論調が一部にありますが、何かが起こったときに「想定外であった」という弁明は許されません。あらゆる事態を想定して法制面、能力面、運用面の各般にわたって安全保障政策は立案されるものであり、それでもカバーされないリスクは政治が負うべきものです。このような論調が出ること自体、安全保障の本質は未だ理解されていないことを痛感致します。集団的自衛権について国会でもっと議論せよ、と言われても、議論の対象である法律案が出てこない以上、政府からは「これから検討します」という答弁しか返ってこないのではないでしょうか。国会における実質的な議論はまさしくこれからです。
政治家が勉強ばかりしていてどうするのだ、成果を出すのが仕事だろう、というご指摘を時折頂き、ああ、他の方にはそう見えているのだなと反省もするのですが、自分が納得できないことを他の方に説くのはどうにも性分に合わないもので、ご容赦賜りたく思います。
「今国会中に閣議決定」という当初の目標達成は困難となり、休会中も鋭意自公協議を続け、なるべく早い閣議決定に漕ぎ着けるべく努力を重ねなくてはなりません。その後は政府において「現実的な集団的自衛権行使の必要性」を踏まえた法案作成に着手することになるのでしょう。当面全く気の抜けない日々が続きそうです。
環境大臣発言や東京都議会における不規則発言など、ご批判を頂く事態が続いています。真意やその時の状況がどうであったのかはともかくとして、緩み、驕りと受け取られる結果となったとすれば最終的には党の責任者たる私の責任です。対応を誤らないことと、今後さらに自重自戒してゆくことは当然です。
まだ当選1、2回生であった頃、通常国会閉会時というのはすごく開放感が感じられてとても嬉しかった記憶があります。期数が上がり、政府や党でそれなりの役職を持つようになるにつれてその解放感は無くなってしまい、少し味気ない気分ではありますが、きっと私たちの若い頃に先輩方も同じ思いをしておられたのかも知れません。
21日土曜日は「ウェークアップ・ぷらす」(読売テレビ系・午前8時)に出演の後、BS朝日「激論!クロスファイア」(午後10時、収録)、兵庫県加古川市での遊説、22日日曜日はBS―TBS「週刊BS―TBS報道部」(午後9時)に出演)の予定です。
皆様お元気でお過ごしくださいませ。
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石破 茂 です。
農協改革についての党内議論が一段落致しました。取りまとめに当たった関係議員の努力に感謝しております。
「骨抜きか?」などという批判も一部にありますが、この後、農業協同組合法の改正作業の段階で細部まで詰めた制度設計が行われるのであり、実際の改革の成否はその場に委ねられます。
農政における「農業者」とは一体どのような者を指すのか。専業農家なのか、副業的農家、更には「土地持ち非農家」まで含むのか、という問題を15年前に自民党農林部会で私が提起した時、明確な答えを引き出せないまま今日に至ってしまったことが、今日までこの問題を引きずってしまった要因の一つだと考えています。その後、総括政務次官や大臣を務めながら改革を果たせなかった責任を痛感するからこそ、この議論には最後まで関わりたいと思っています。
内容こそ違え、「警察権と自衛権の間隙を埋める法整備」を巡る議論も構図はほとんど同一です。それが問題の核心であるにもかかわらず、組織間の対立のために本質的・徹底的な議論を避けたまま長い時間が経過し、事態の深刻さは極限に近いほどまでに高まっているように私には思われます。
本来の意味での政治主導とは、まさしくこのような場面においてこそ発揮されるべきものであり、私が議員の職にある間に何とか解決を見たいものです。
集団的自衛権に関する大部分のマスコミの関心は「閣議決定はいつか」「自公の対立はどうなるのか」にしかないようで、これで国民的な理解が深まるはずはないな、と嘆息する毎日です。
学校教育において「国家とは何か」「自衛権とは何か」などを全く教えてこなかったツケはこのような形で回ってくるのですね。
先日の党首討論でも海江田代表は「自衛官が他国のために血を流すことがあってよいのか」などという論を展開していましたが、そもそも集団的自衛権とは個別的自衛権と同様に「他国のため」ではなく「自国のため」という概念であること、この行使を認めていないのは日本だけであり国際的には通用しないこと、などを看過した感情論であるという他はなく、とても残念な思いで聞いたことでした。
週末は、本日夕刻が自民党大阪政経懇談会(大阪市)。
14日土曜日が寺田稔衆院議員を励ます会(広島市)。
15日日曜日が自民党福井県連政経文化セミナー(福井市)、山田賢司衆院議員政経セミナー(神戸市)という日程です。来年の統一地方選挙を控えて各地で政経セミナーが開催されています。
今日の東京は梅雨の晴れ間が覗いていますが、まだしばらくは不順な天候が続きそうです。梅雨なのだから当然とはいえ、どうにも気が滅入りがちです。
これが明ければもう真夏、何か楽しいことが一つでもあるように、それを期待しながら日々課題解決のために微力を尽くします。
皆様お元気でお過ごしくださいませ。
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事務局です。
イシバチャンネル特別篇「石破茂君を囲む会 2014」をアップロードしました。
ぜひご覧ください。
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石破 茂 です。
あまり大きく報じられてはいませんが、農業団体の改革をめぐって自民党内では様々な議論の応酬が激しくなっています。
5月14日に政府の規制改革会議のワーキンググループが提示した「農業改革に関する意見」の中に全農の株式会社化、中央会制度の廃止、信用・共済事業の廃止などが盛り込まれていたため、「総合農協の解体である」「実態を無視した急進的な提言だ」などとの批判がJAグループから一斉に挙がり、自民党の地方組織まで動員して大々的な反対要請運動が展開されています。
5年前、麻生内閣で農水大臣を務めていた時、米政策の転換と農業団体組織の改革を掲げ、「史上最低の農林水産大臣だ」「大臣はしばしば交代するが自民党農林族は永遠だ」などと当時の農林関係議員から猛反発を受けた時のことが思い出されます。
様々な意見がありますが、そもそも農協のあり方を規定した農業協同組合法第1条には、「農業者の協同組織の発達を促進することにより、農業生産力の増大を図る」と定められています。この法目的はどこまで達成されたのかと言えば、農協関係者を含めてすべての人が否と答えるでしょう。農地は減り、耕作放棄地は増加の一途を辿り、農業者の高齢化に歯止めはかかることなく、後継者はおらず、農業所得は下がる一方です。農業・農村の持続可能性そのものが失われつつあるときに、手段と目的が整合せず、法目的が達成されていないあり方を見直すのは当然のことであり、今を逃してはなりません。
産業政策としての農政と地域政策としての農政は分離すべきであり、実質的に行政の一翼を担ってきた農協は、それに応じて「専業農家を中心とする農業者を主体とした本来の農協」と「地域の維持発展を目的とした地域組合」に分化するべきだと私は今でも思っております。この議論は全中や中央会の存続の是非などという問題に矮小化されるべきでは決してありません。
このような問題意識から、農水相在任中に「地域マネジメントを目的とする協同組合」を目指した「地域マネジメント法」の立案に着手したのですが、政権交代によってこれが一顧だにされることなく今日を迎えたことは、私にとって大きな痛恨事です。
来週中には結論を出すべく、関係議員が懸命に取り組んでいます。誰でも参加できるいわゆる「平場(ひらば)」の会議では、農協の手による原稿をそのまま読み上げる議員も散見されるようですが、最後は必ず意見の一致をみることが出来ると確信しています。
今日の事態は農協が悪いのではありません。むしろ農政を進めてきた自民党の責任なのであり、これを厳しく自覚するからこそ、改革は自民党の手で成し遂げなければならないのです。
安全保障法制についての与党協議も、ようやく議論が前進してきた感じです。開催の時間を延ばし、頻度を上げて、今国会中の合意を目指して努力を続けなくてはなりません。
「公明党の引き延ばし戦術」などと言う人もありますが、単に引き延ばすだけであれば何の勉強もせずに、ただ絶対反対を唱えているのが一番簡単なはずです。
会議に参加している公明党議員の議論の質の高さには、長年この問題を手掛けてきた私でも大きく頷かざるを得ない場面が多々あり、ここでの納得が得られなければ問題解決に向けた前進はないと思われます。かつて精読した防衛法制のテキストをもう一度読み返さなくてはならない必要性を痛感してはいるのですが、なかなかその時間が取れないのが目下最大の悩みです。
さる一日日曜日、中野駅前における中野区長選挙の応援演説と国分寺駅前での全国一斉街頭演説との間に少しだけ時間がありましたので、以前から行きたかった「中野ブロードウェイ」を覗いて参りました。あちらこちらに店の散らばった秋葉原とはまた違った趣の、昭和の玩具箱ビルのような存在で、とても楽しい一時間を過ごしました。
古いミニカーなどの玩具や子供の頃に夢中で読んだ漫画雑誌、映画やコンサートのポスター、パンフレット、70年代アイドルの写真集などなど、興味津々、大好きなもの満載で、いつの日にかまたゆっくりと行ってみたいと思ったことでした。
東京は昨日から梅雨入り。昨日、今日と冷たい雨が降り続いていますが、これが明ければもう真夏。時の経つ速さに茫然とするとともに、焦燥感がつのります。
週末は8日日曜日に前自民党徳島県連会長・故竹内資治氏の葬儀出席のため徳島市に出張致します。
皆様お元気でお過ごしくださいませ。
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