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2014年11月28日 (金)

解散後など

 石破 茂 です。
 解散から一週間。突然の解散であったため、候補者たちは挨拶回り、事務所探し、ポスター撮影、政見放送制作、スタッフ確保などに忙殺されているようです。
 この週末から動きが本格化し、投票日前日まで全国遊説が続きます。告示を来週火曜日に控え、国会周辺は議事堂も、議員会館も閑散としてきました。前議員たちも、秘書さんたちもほとんどが選挙区入りしているのでしょう、閉めてしまった事務所も多く、食堂もガラガラ状態です。

 ここ何回か、解散後も公務や党務、東京近隣の応援などで在京の時間が多いのですが、なんだかとても妙な気分です。
 期数が少なかったころのように、解散後直ちに選挙区へ帰って、告示までは一軒一軒回って、自らマイクを持って広報車を走らせ、聴衆が誰も居なくても街頭演説を繰り返す。あのような丁寧な運動を本来するべきですし、私自身今もそうしたくてたまらないのですが、なかなかそうもいきません。
 これも留守を預かってくれている家族やスタッフ、「地元のことは私らがちゃんとやるけえ(やるので)、国の仕事や他の人の応援をしっかりやりんさいよ(やりなさいよ)」と言って下さる、有り難い鳥取の後援者の皆様のお蔭です。本当に心から感謝しております。

 一昨年暮れの総選挙、昨年の参院選挙に続く今回の総選挙で、二年の間に三回の国政選挙を国民にお願いすることになりました。
 一昨年に政権交代を果たし、昨年に衆参の捩れを解消して、「今後三年間は国政選挙の無い『黄金の三年間』を安倍首相は手に入れた」とマスコミはこぞって書いていました。そして「今回の解散に大義は無い」と批判しているマスコミの多くは、政府が集団的自衛権の行使を限定的に容認した際に、「このような重大な変更をするなら国民に信を問うべきだ」と主張していたとも記憶します。

 しかしながら世論に疑問の声があるのであればなおさら、解散の意義を有権者に丁寧に説明するのは我々政権与党を構成する一人一人の責任です。
 アベノミクスの重要な要素である「大胆な金融緩和」は「健全な財政の持続可能性」が前提条件なのであり、消費税率引き上げの先送りとこれをどう整合させるのか、社会保障の改革をどのように行うのかを、すべての責任を総裁や党執行部に押し付けることなく、候補者は自分の言葉で述べなくてはなりません。
 社会保障の多くは保険で成り立っており、リスクを回避した人にまで手当てが及ぶのはもはや保険ではなく贈与の世界であって、財政の悪化は避けられません。自民党が野党時代に改定した党綱領で示した「自助・共助・公助のバランスのとれた国を目指す」というのはそういう意味であったと私は思います。
 多くの議論があることはよく承知をしていますが、先日、ある私の講演後の質疑応答で、子沢山で長寿の町である鹿児島県徳之島・伊仙町の町長さんが語っておられた「高齢者対策の費用の一部を子育て対策に廻すことを率直に語り、多くの町民が理解してくれた」との言葉の深さと重さに、深い感銘を受けたことでした。

 国政選挙はあらゆる政策につき国民に信を問うのであり、候補者は外交や安全保障についても、きちんと自分の言葉で語るべきです。その研鑽をこの二年、どれほど積んできたかも問われます。
 前回の総選挙直後から感じていることですが、小選挙区制度の特性により、自民党は小選挙区において、43%の得票率で約8割の議席を得、全国平均の投票率が全国で約60%であったことを勘案すると、全有権者の四分の一の支持しか受けていないというのが実態です。我々はこのことを等閑視すべきではありません。
 いかにして投票率を上げ、我が党の得票率を伸ばすか。困難な状況の中で、この目標に向けて努力を重ねていきたいと思っております。

 今週の週刊文春に漫画家・瀧波ユカリ女史と私との「オヤジかるた発売記念異色対談」なるものが掲載されています。どうもよくわからない世界ですが、「可愛いオヤジ代表」と言われても…なんだかなあ…という感じです。世の中いろいろ、ですね。

 来週火曜日より選挙に入りますので、本欄の更新時期が不定期となりますことをご容赦ください。
 週末は29日土曜日が栃木県と宮城県、30日日曜日は埼玉県各地を回ります。

 師走も間近、急に寒さが増してきました。皆様お元気でお過ごしくださいませ。

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2014年11月25日 (火)

イシバチャンネル第四十九弾

 事務局です。

 イシバチャンネル第四十九弾をアップロードしました。解散総選挙について大いに語ります。



 ぜひご覧ください。

 追伸:質問は随時受付中です。

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イシバチャンネル特別篇「フォーラム「石破さんと話そう!~政権キーマンと語るこの島の行方~」」

 事務局です。

 イシバチャンネル特別篇、2014年11月2日(日)に行われたフォーラム「石破さんと話そう!~政権キーマンと語るこの島の行方~」 対談:石破茂氏(地方創生大臣) VS中村美彦氏(フリージャーナリスト)をアップロードしました。


 ぜひご覧ください。

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イシバチャンネル特別篇「フォーラム「こう進める!地方創生~北海道への提言と課題~」」

 事務局です。

 イシバチャンネル特別篇、2014年11月2日(日)に行われた、フォーラム「こう進める!地方創生~北海道への提言と課題~」の模様をアップロードしました。


 ぜひご覧ください。

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2014年11月21日 (金)

解散など

 石破 茂 です。

 ひと月前には私も含めてほとんどの人が予想もしていなかった解散・総選挙となりました。これにより多くの法案が廃案となってしまいましたが、本日参議院本会議において地方創生法案が成立したのがせめてもの救いです。全国各地において皆様には大変なお世話様になりますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

 解散のタイミングや大義名分について様々な議論がありますが、解散権者である総理が決断されたのですから、我々は誠心誠意有権者と向き合い、審判を受ける以外にはありません。
 幹事長であった前回選挙において、投票終了と共にすべての自民党新人候補者に対して「当選が決まった瞬間から次の選挙は始まっている。一挙手一投足、常に全身全霊をもって有権者に接することを心掛けられたい」とのメールを発信しましたが、まさしくその成果が問われるのだと思います。
 当選すれば皆様のお蔭、落選すれば己の不徳の致すところ、選挙とはそういうものだと思っています。候補者自身が限界まで努めずして、誰も本気になってはくれませんし、応援に行く際も、一人一人の有権者に真剣に訴えなければ行く意味はないと思っています。

 私自身はこの選挙を「日本創生・地方創生」を訴える選挙にしたいと思っております。
 新しい経済政策(いわゆるアベノミクス)の是非を問う選挙と位置付けておりますが、大企業もなく、株を保有している資産家もおらず、賃金上昇が十分ではないような地方においては、消費税率アップや円安によるガソリン・燃油・輸入資材等の高騰が、都市部よりも厳しい形で生活を脅かしていることを我々はよく認識しなくてはなりません。
 「だからアベノミクスは失敗だった」ということではありません。アベノミクスの先に、ローカル経済に適合した全く別の形の「ローカル版アベノミクス」を提示するということについて、信を問わなくてはなりません。
 日本を取り巻く内外の情勢が一変しているのに、従来のシステムを根本的に変えることなく、ここまで改革を先延ばししてきたのは、明らかに我々の責任です。
 円高になれば日本が潰れると大騒ぎし、円安になればなったでまた日本が潰れると大騒ぎするのはどう考えても異様です。食料もエネルギーも、その大半を海外に依存してきたためにこのようになってしまったのであり、今までそれを当然のこと、あるいはやむを得ないこととしてこの解決に正面から向き合ってこなかったことを反省しなくてはなりません。
 食料もエネルギーも、農山漁村にはその資源が無限に存在しています。今まで困難と思われてきたことが、技術の進歩と、熱意と創意工夫に富んだ人材によって可能となるものと私は信じております。

 今回の選挙も、可能な限り自民党・公明党の同志諸兄姉の支援に全国を廻りたいと思っております。お近くに参りました際には、どうかよろしくお願い申し上げます。

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2014年11月14日 (金)

キーワードは「自立」

 石破 茂 です。
 月曜日あたりから急に解散風が吹き始め、日を追うに従ってその風速が強まりつつあるようです。
 総理が何一つ発言しておられないにも拘らず、一部のマスコミ報道によって端を発し、急速にこのような雰囲気が醸成されつつあるのは、正直何とも不思議な気が致します。

 党利党略、との批判を野党から受けますが、政党政治である以上ある程度それは避けがたいことです。しかし「党利」はすべからく「国益」と一致せねばなりませんし、問われるべきは政権党が何を訴えて国民に信を問うかにこそあります。
 「財政再建と経済再生の二兎を追う政権」を標榜する以上、当然その道筋だけは示さなくてはなりませんし、そうであってこそはじめて国民に信を問う意義があるというものでしょう。
 消費税率アップなら消費減退を最小限に留めるとともに低所得者に対する対策を、先送りなら財政再建のための歳出改革の道筋を示すのが当然であって、それを示さないのなら何のための解散なのかわからない、と言われても仕方ないでしょう。
 主権者たる国民に対する畏れを失えば、その時は良くても後で必ず報いを受けるのは必定であり、仮に解散を選択するのであれば、我が政権はそれをよく自覚しているということを国民に示すことが必要ですし、総理はそれを十分にご承知のことと思います。
 常に国家国民に対する最大の責任感と緊張感を持って国政にあたるべし、と幹事長在任時に言い続けてきましたが、まさしくそれが問われるのであり、自分自身もこれをよく戒めとしなければならないと思っております。

 さる日曜日、鹿児島での自民党の政経パーティで講演を致しました。
 講演の際は、その地における「地域再生」の事例を事前に研究しておくのですが、鹿屋市串良町柳谷集落における地域組織「やねだん」の取り組みには本当に深い感銘を受けました。ネット上でも多数紹介されていますので、どうかご覧くださいませ。
 「地域を再生させるのはカネではなく人であり、人を動かすのはカネではなく感動である」と言うと何か美辞麗句みたいですが、実際にそれを実践している地域があることに大きな意義があると思います。
 同じ取り組みは岡山県真庭市や庄原市でも行われており、前回ご紹介した島根県大田市の「中村ブレイス」もそうですが、キーワードはまさしく「自立」に他ならないのだと痛感させられます。

 週末は地元紙である日本海新聞主催の政経懇話会での講演を米子、倉吉、鳥取で行います。
 その他、赤澤亮正代議士のパーティ(米子市)、里山資本主義フォーラム(日南町)、県議会自民党議員との懇談会など、久しぶりに地元に一泊の予定で帰郷致します。

 世の中暮れを控えて慌ただしくなります。来週の週末は一体どのような世の中になっていますことか。
 皆様どうかご自愛くださいませ。

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2014年11月 7日 (金)

地方創生法案など

 石破 茂 です。
 地方創生法案が衆議院で可決され、今日参議院本会議での質疑が行われました。
 野党の大半が反対する中で、次世代の党が賛成して下さったのは有り難いことでした。民主、みんな、維新、次世代とかつて民主党におられた方が幾つにも分かれて、どうしてこの人がこの党に居るのか、政策的な相違は何なのか、戸惑うことの多い衆議院での質疑でしたが、審議が進むに従って有意義な議論が交わされるようになったと思っています。
 「中身が無い法案」とのご批判を浴びましたが、理念法・組織法・プログラム法である以上、性格的に仕方のないことであって、参議院においては、各党からの具体論の提示とそれに関する活発な質疑を期待するところです。
 答弁する私も、質問者の問いに誠実にお答えするよう、より一層心掛けて参ります。

 質疑の中で民主党の渡辺周議員が紹介された、島根県大田市にある「中村ブレイス」の事例は本当に心打たれる良い話だと感銘致しました。
 先日の北海道においても、音威子府村や弟子屈町の事例など、真剣に取り組む好事例を学ばせて頂き、今までの不勉強を恥じたことでした。
 「熱意と創意工夫のある自治体を国は全力で支える」と言うと「格差の拡大だ」との批判を浴びますが、真剣に取り組むところとそうでないところを同じに扱う方がよほどおかしいのではないでしょうか。今から「熱意と創意工夫のないところ」がある、ということを前提とすること自体、不思議なことだと私は思います。

 週末は8日土曜日が「ウェークアップ!ぷらす」(午前8時・読売テレビ系)出演、自民党京都府連青年セミナーで講演・懇親会、引き続いて防衛協会近畿ブロック青年部会で講演・懇親会。
 9日日曜日は自民党鹿児島県友好団体との懇談、自民党鹿児島県連政経パーティで講演の後、熊本市長選挙街頭演説会、個人演説会に出席した後、最終便で帰京の予定です。
 来週からは参議院において地方創生法案の審議が本格化するものと思われます。

 二日間で大阪、京都、鹿児島、熊本と回るのはかなりきつい日程で、新幹線や高速道路、航空路が整備されればされるほどに日程は過密になるようです。
 三十年ほど前、私が当時の田中派で偉い先生方の地方遊説の日程を担当していた頃は、はるかにゆったりした日程を組んでいたように記憶していますが、時代は随分と変わってしまった気が致します。交通網や通信網の発達は必ずしも人を幸せにするばかりではないということでしょうか。

 あっという間に十一月も中旬になろうとしています。
 皆様ご多忙のことかと存じますが、お元気でお過ごしくださいませ。

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2014年11月 5日 (水)

イシバチャンネル第四十八弾

 事務局です。

 イシバチャンネル第四十八弾をアップロードしました。地方創生に向けた意気込みなどをお話させていただきました。鳥取のどんどろけの会のみなさんとのネット中継も!


 ぜひご覧ください。

 追伸:質問は随時受付中です。

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