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2015年2月27日 (金)

政倫審など

 石破 茂 です。
 西川農水相の辞任により審議日程に多少のズレが生じたものの、国会審議は平常の体制に戻りつつあります。日程的には相当に困難になりつつあるのかも知れませんが、何とか予算の年度内成立を目指し、緊張感を持って臨まなくてはなりません。
 
 西川農水相の辞任は個人的にはとても残念です。
 私が幹事長在任中に、党のTPP対策特別委員長として極めてハードな日程で世界中を駆け回り、党内の議論の取り纏めに大変な尽力を頂き、農相就任後も農協改革や農地転用に関する地方分権の実現にも、その見識と力量とをいかんなく発揮して頂いたことに、改めて敬意を表したいと思います。

 「政治とカネの問題」を軽視するつもりは全くありませんが、予算委員会の審議を聞く限り、少なくとも法的な問題がなにか明らかになったとは思われませんでしたし、野党委員が「大罪だ!疑惑だ!」と決めつける様(さま)には正直、違和感を覚えました。そもそも国会は裁判所ではありませんが、国民の代表者たる者の集まりの場で「犯罪だ!」と主張するのなら、法的な構成を緻密になしたうえで立論すべきものでしょう。

 西川前大臣のご心中は私の論ずべきところではありませんが、どんなに国務に精励しても、その評価よりもスキャンダル的な話題にばかり耳目が集まり、極悪非道の如くに言われてしまうとすれば、心が折れてしまうこともあるのかもしれません。
 
 あくまで一議員として思うのですが、「政治とカネ」の問題については、「政治倫理審査会(政倫審)」のあり方を与野党で真剣に討議する必要があるのではないでしょうか。
 政倫審は「政治とカネ」などいわゆる政治倫理に関する問題を集中して審査し、これを法律や予算の審議と絡めることがないようにするために、特に国会法で位置づけられ、審査会長も委員もちゃんとおられるのです。
 子どもの頃、国会中継を見ていて、「なぜ予算委員会で予算以外のことばかり議論しているのだろう」と不思議に思ったことをふと思い出します。
 自民党が野にあったときにもこれを提起したのですが、鳩山由紀夫氏のように政倫審が招致を決めても出席を拒否するような人がいて、形骸化の危機に瀕しているようにも思われます。

 所謂「戦後七十年談話」についての有識者委員会がスタートしました。
 メンバーの方々すべてを存じ上げているわけではありませんが、バランスのとれた人選ではないでしょうか。特に座長になられた日本郵政の西室社長は、筋の通った深い見識をお持ちの方で、当欄コメント常連の方の言われる「広・深・永」の議論が行われることを期待しております。

 先週土曜日に、BSジャパンの取材で、JR九州のクルーズトレイン「ななつ星in九州」に短区間、乗車する機会に恵まれました。
 JR九州の唐池会長とデザイナーの水戸岡鋭治氏の「世界一の列車を作るのだ!」という執念が見事に結実した作品で、短時間ではありましたが驚きと感動の連続でした。いつの日にか、一泊二日のコースでいいから乗ってみたい、と切に思ったことでした。
 単なる鉄道「移動」ではなく「旅」を感じさせてくれる、本当に素敵な乗り物ですね。ご関心のある方は、「ななつ星物語」(一志治夫著・小学館)、「やる!唐池恒二の夢見る力が『気』をつくる」(唐池恒二著・かんき出版)をお読みください。

 週末は28日(土) 1330-地方創生フォーラム関東ブロックにて講演(栃木県庁・宇都宮市)、その後「居酒屋かやぶき」(サルがおしぼりを運んでくる、外国人がお客の大半を占めるという店)、CCRC「ゆいまーる那須」視察。
 1日(日)は東奥日報社で対談の後、津島淳代議士の「新春の集い」にて講演(1030-、ホテル青森・青森市)、その後岩手に移動して岩手日報社で対談の後、田中真一ふるさと振興支部長の「これからの地方創生を考える会in岩手」にて講演(1530-、ホテルメトロポリタン盛岡・盛岡市)、という日程です。

 もう三月なのですね。春も間近です。
 皆様、お元気でお過ごしくださいませ。

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2015年2月20日 (金)

週末日程など

 石破 茂 です。
 今週も、来年度予算に関する質疑として衆参両院の本会議、予算委員会が続き、その僅かの合間に面会やインタビューなどを詰め込みましたため、全く時間的な余裕が無く、本欄を多く記すことが出来ませんことをお詫び申し上げます。
 週末は、21日土曜日が「激論!クロスファイア」出演(BS朝日系・午前10時・金曜収録)、自民党福岡県連大会、西日本新聞社での対談(福岡市)、「ななつ星in九州」内でのBSジャパン「日経プラス10」取材(佐賀・諫早間)。
 22日日曜日が「地方創生における女性の役割」懇談会、自民党滋賀県連政経パーティで講演(大津市)、鳥取県医師連盟医政活動研究会で講演(鳥取市)という日程です。
 四月まではお休みが全く無し、という日々が続きそうで、さて気力と体力がどこまで続くか、やや不安になったりも致します。

 皆様、お元気でお過ごしください。

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2015年2月19日 (木)

イシバチャンネル第五十一弾

 イシバチャンネル第五十一弾をアップロードしました。前回すっかり忘れていた五十回記念バージョン(笑)です。いままでの石破チャンネルや石破ブログを振り返ります。



 ぜひご覧ください

 追伸:質問は随時受付中です。

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2015年2月13日 (金)

中村ブレイス、バレンタイン、寝台特急など

 石破 茂 です。
 今年の建国記念日は、自民党神奈川県連の「チームかながわ」の街頭演説会で神奈川県清川村、愛川町に行っておりましたため、恒例の地元聖神社での建国祭に参加できず、少し残念な思いを致しました。
 「紀元節頌歌」を斉唱し「聖寿万歳」を三唱する年に一度の貴重な機会なので、出来る限り参加したいといつも思うのですが、なかなか思うようにはなりません。

 さる八日日曜日は、島根県大田市の「中村ブレイス」を訪問して参りました。
 鹿屋市の「やねだん(柳谷集落)」も、この「中村ブレイス」も、あまりに立派な話に接すると「現場を観なければ信用できない」と疑ってしまうところが私にはあるのですが、実際行ってみるとどちらもまさしく「本物」でした。
 「交通至便とはとても言えない場所に立地」「公の補助に一切頼らない」「傑出したリーダーがひとりで始めた」「地域づくりにアートの要素がふんだんに加味されている」という四点が共通していて、とても啓発されたことでした。

 来週から衆・参本会議で本格的な論戦が始まります。与野党立場の相違は当然あるのですが「きちんと噛み合った」「聞いている国民が納得できる」議論となることを願っております。
 地方創生関連の提出予定法案も、今のうちに精読して、単に隙が無いだけではなく多くの人々にその意義を理解して頂けるような答弁を心掛けなくてはなりません。

 明日14日は商才に長けた製菓会社が考え付いたとしか思われない、日本独特の日です。
 去年も書いたかも知れませんが、私がこの日の存在を知ったのは中学一年生の時(昭和45年)で、女の子たちがワーキャー騒いでいるのをとても不思議な気持で眺めていたことをよく覚えています。もうあれから45年も経つのですね(!)。還暦近くなっても妙に気になる、どこか甘くて切ない日ではあります。

 春のダイヤ改正でその姿を消す寝台特急「北斗星」と「トワイライトエキスプレス」の最終列車の切符が発売後瞬時に売り切れたとかで、いくつかの取材を受けましたが、「そんなことなら今までにもっと乗ってくれればよかったのに」という気持ちです。
 「トワイライトエキスプレス」にはとうとう一度も乗れずじまいで、残念でなりません。北海道新幹線開業に伴い青函トンネルが新幹線仕様になるため、とても新幹線仕様の寝台特急など作っていては採算に合わない、という理由らしいのですが、だったら青森止めでもいいではないか!と思うのは素人考えなのでしょうね。
 北海道の海岸沿いを昭和テイストの車両が走るのは、これ以上ない風情があって大好きだったので、少しさみしい気がいたします。

 週末14日土曜日は、UHB北海道文化放送の「消えてたまるか北海道」に中継出演(午前11時)、「山口泰明衆院議員新春の集い」で講演(午後3時半・埼玉県坂戸市)。
 15日日曜日は恒例の「鳥取県自民党国会議員合同新春懇談会」(鳥取市 午前10時、倉吉市 午後1時、米子市 午後4時)に出席します。
 中選挙区制で鳥取県全県区の頃は、自民党所属の衆院議員三人と参院議員二人がそれぞれ別々に新春懇談会を開催し、出席者の人数の多寡を競ったものでしたが、小選挙区制に移行後、現在のような形になりました。もう既に私も県内最古参となってしまいましたが、昭和61年、当選後初めての会の人集めにはとても苦労したものでした。

 まだまだ寒い日が続きます。お元気でお過ごしくださいませ。


Photo

(中村ブレイス視察の様子です。)

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2015年2月 6日 (金)

予算委員会など

 石破 茂 です。
 今週も、衆・参両院の予算委員会集中審議、参議院決算委員会の審議でほとんどの時間が費やされました。

 ISILの一連の非道な行為に対して我が国はどう対峙するのか、法律、組織、装備、運用、あらゆる面からこの際徹底的に議論し、対応を鮮明にしていく必要があると考えます。テロ特措法やイラク特措法の際にも問題提起されたことなのですが、いま一つ議論が詰め切れていない面があったのかも知れません。
 テロ集団が国家と同じ規模の大量殺戮行為を為すことが可能となった、というのは従来の国際法の予想しなかったことですが、それが「国家」を名乗り、「領土」「国民」「排他的な統治機構」を有するに至った場合、誰がそれを判断し、「国際紛争」との関係をどう整理するか、相当に難しい問題ですが、これも先送りしてはならないものと思っております。

 一昨日の予算委員会での私と民主党・細野議員とのやり取りの中で、猪瀬直樹氏の著作「昭和16年夏の敗戦」が取り上げられました。ここ何年か、機会あるごとにこの著作を紹介し、ご一読をお勧めしています。戦後70年の節目にあたり、私ももう一度読み直してみたいと思っています。
 私自身、一貫した憲法改正論者ですが、先の戦争についての冷静かつ客観的な視点を欠いてこの議論をしてはならないと自重自戒しています。

 先週土曜日の「田勢康弘のニュース新書」で「まーご」の後任「にゃーにゃ」と初対面致しました。
 相手が人であれ、猫であれ、初対面というのはそれなりに緊張するものですね。なんとなく相性がいいような気もしたのですが、当方の勝手な思い込みかな?動画の再生回数が10万回を超えたとかいう話ですが、「政策より猫」ということなのかな、などと思うと、少し複雑な気分です。

 JA改革は、専ら全中改革に焦点が当たっているようにも見えますが、そもそも議論の出発点として農業協同組合の目的を定めた農協法第一条と現実との乖離をどう考えるか、ということなのだと思います。
 同条は「この法律は、農業者の協同組織の発達を促進することにより、農業生産力の増進及び農業者の経済的社会的地位の向上を図り、もって国民経済の発展に寄与することを目的とする」と定めますが、本当にその法目的にかなった実態となっているのか、そもそも「農業者」とは誰を指すのか、専業農家、第一種兼業農家なのか、准組合員はこの概念に含まれるのか等々、精緻な議論が必要であると思われます。
 「産業組合」「地域組合」の性格を併せ持つからこそ総合農協の体制が相応しいのだ、との議論もありますが、果たしてそうなのか、農政それ自体が産業政策と地域政策を渾然一体に進めてきたこととの関連性も議論されなくてはなりません。

 二月四日で満58歳を迎えました。
 お祝いのメールやお手紙、お花などお心遣いを賜り、誠に有り難うございました。50歳を超えて以来、亡父の人生と重ね合わせて考えることが増えました。あらゆる面においてとても亡父の域には達していないことを思うと暗澹たる気持ちになりますし、享年の73歳まであと残り15年かと思うと焦燥感にもかられますが、一生かかっても越えられない親を持ったことは、ある意味とても幸せなことなのかも知れません。

 週末は、7日土曜日が四国ブロック地方創生フォーラム(高知市)と中川俊直代議士新春セミナー(広島市)で講演。
 8日日曜日は「時事放談」出演(午前6時・TBS系列・収録)、地元でいくつかの会合に出席した後、島根県大田市の「中村ブレイス」を訪問します。
 補助金に一切頼ることなく一人で会社を立ち上げ、全国から就職希望の若者が訪れ、世界から感謝の手紙が届けられる素晴らしい企業と聞いており、以前より一度行ってみたいと思っておりました(中村ブレイスについては新潮文庫「世界から感謝の手紙が届く会社」千葉 望著、日本文芸社「コンビニもない町の義肢メーカーに届く感謝の手紙」中村俊郎社長著をご覧ください)。
 
 都心は快晴ですが、皆様の地域はいかがでしょうか。
 お元気でお過ごしくださいませ。

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