メディア報道など
石破 茂 です。
大阪府知事選挙、大阪市長選挙はおおさか維新の圧勝に終わりました。
橋下氏の「私の至らなかったところは新市長が改めてくれる」「大阪都構想をリニューアルして他党と話し合う」という訴えが大阪府民、市民の共感を呼んだのが勝因の一つかと思います。
民主党や共産党が自民推薦候補を支援したことが一部保守層の離反を招いたとの指摘もあり、今後の反省点として対応を考える必要があります。
なんだか評論家的な書き方で自分でも全くすっきりしないのですが、敗北の現実を真摯に受け止める他はありません。
「移民」政策について、一部報道がなされました。まずは「難民」ではなく、日本で労働することを目的とする「移民」についてのやりとりでありました。
外国人記者クラブにおける会見では、
「日本人が嫌がることを外国人にやらせるようなことがあってはならない。単純な労働力の不足対策として『移民』を受け入れるような発想ではうまくいかない」
「予め日本語を教育する、訓練するなども含めて、外国人が日本の文化や習慣に適合できるための状況を作ることは、日本人・外国人がともに負わねばならない責任であり、それなくしては双方ともに不幸な形にしかならない」
とも強調したはずなのですが、そこは一切捨象されて「首相との相違」に意図的に絞った報道となっていたものも見受けられました。
これは、この春に「自民党は国民から『嫌な感じ』と思わるようなことがあってはならない」と発言したものを、「自民党は嫌な感じと思われている」と発言したように報道された時と同様の反応だな、と改めて感じたことでした。今後も切り取りや意図的な報道がなされることを念頭におきつつ、努めていかなくてはなりません。
一方においていわゆる「共謀罪」についても発言したのですが、そちらはほとんど反応がありませんでした。移民についての強い反応と比べると、若干違和感がありました。私としては共謀罪の導入は先週も述べたとおり、テロ対策として有効性が高いと思っているのですが、そこに多くの共感をいただいたものとも思えず、不思議な感じが致しました。
「一億総活躍」についての政府の考えが昨日公表されました。
これもまた、大方のマスコミの反応は「財源をどうするのかが問われている」というものでしたが、ではあなた方はどのように考えているのか、それを述べないで問題提起ばかりしていても始まりません。
医療・年金・介護に本来の「保険」としてのメカニズムを取り戻さない限り、将来世代へのツケ回しは止まることはなく、消費税率はこの先も上げざるを得ない状況が続くと考えております。
社会保障制度が創設された時に対象とされた明治・大正・昭和の戦前生まれの方々の多くは、戦争によって財産を形成する機会も奪われ、あるいは財産の多くを失った、いわゆるリスクを回避できなかった方々でした。
このように、不幸にしてリスクを回避できなかった方々に対して手厚い手当を行うのが本来の保険の姿であり、その議論を避けたままで税金の投入のみに頼るとするなら、それはもはや「贈与」の領域に入るのではないでしょうか。
これは侃侃諤々の議論を呼ぶでしょうし、「弱者苛め」のレッテルを貼られて非難の嵐に晒されるのかもしれませんが、それでもなお、突き詰めて考えたいと私は思っています。
週末は11月28日土曜日が西部大志会昼食懇談会、赤沢衆議院議員在職10周年記念の「励ます会」(以上米子市内)、日本海新聞「地方創生を考える」取材、建設工業新聞社の対談、前田八寿彦県議の県政報告会、竜友会〇B会懇談会(以上鳥取市内)。
29日日曜日が物産館みかど創立20周年記念式典(八頭町)、第62回鳥取県婦人大会で講演(鳥取市内)、自民党結党60年記念式典(東京都内)、北日本放送インタビュー、富山チューリップテレビインタビュー(東京都内)、という日程です。
珍しく、かつての若かりし頃のような地元中心の日程です。晩秋の今頃は週末ごとに各地で開かれる収穫のお祭りを朝から晩まで梯子していたものでしたし、それはそれでとてもきつかった一方、温かい語らいや新しい気付きも多くあって楽しかったことを懐かしく思い出します。
少し先になりますが、12月8日、日本経済大学東京渋谷キャンパス 大学院「246ホール」(東京都渋谷区桜丘町24−5)にて、財団法人・日本文明研究所のシンポジウム「日本文明と地方創生」が開催されます。
登壇者は針原寿朗・前農林水産審議官、デービッド・アトキンソン・小西美術工藝社社長、私、司会は猪瀬直樹氏です。
詳しくはこちらをご覧ください。
http://synapse.am/contents/s/event-1208_nihonbunmei
もう来週は師走です。皆様お元気でお過ごしくださいませ。
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