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2015年11月27日 (金)

メディア報道など

 石破 茂 です。
 
 大阪府知事選挙、大阪市長選挙はおおさか維新の圧勝に終わりました。
 橋下氏の「私の至らなかったところは新市長が改めてくれる」「大阪都構想をリニューアルして他党と話し合う」という訴えが大阪府民、市民の共感を呼んだのが勝因の一つかと思います。
 民主党や共産党が自民推薦候補を支援したことが一部保守層の離反を招いたとの指摘もあり、今後の反省点として対応を考える必要があります。
 なんだか評論家的な書き方で自分でも全くすっきりしないのですが、敗北の現実を真摯に受け止める他はありません。

 「移民」政策について、一部報道がなされました。まずは「難民」ではなく、日本で労働することを目的とする「移民」についてのやりとりでありました。
 外国人記者クラブにおける会見では、
 「日本人が嫌がることを外国人にやらせるようなことがあってはならない。単純な労働力の不足対策として『移民』を受け入れるような発想ではうまくいかない」
 「予め日本語を教育する、訓練するなども含めて、外国人が日本の文化や習慣に適合できるための状況を作ることは、日本人・外国人がともに負わねばならない責任であり、それなくしては双方ともに不幸な形にしかならない」
とも強調したはずなのですが、そこは一切捨象されて「首相との相違」に意図的に絞った報道となっていたものも見受けられました。
 これは、この春に「自民党は国民から『嫌な感じ』と思わるようなことがあってはならない」と発言したものを、「自民党は嫌な感じと思われている」と発言したように報道された時と同様の反応だな、と改めて感じたことでした。今後も切り取りや意図的な報道がなされることを念頭におきつつ、努めていかなくてはなりません。
 
 一方においていわゆる「共謀罪」についても発言したのですが、そちらはほとんど反応がありませんでした。移民についての強い反応と比べると、若干違和感がありました。私としては共謀罪の導入は先週も述べたとおり、テロ対策として有効性が高いと思っているのですが、そこに多くの共感をいただいたものとも思えず、不思議な感じが致しました。

 「一億総活躍」についての政府の考えが昨日公表されました。
 これもまた、大方のマスコミの反応は「財源をどうするのかが問われている」というものでしたが、ではあなた方はどのように考えているのか、それを述べないで問題提起ばかりしていても始まりません。
 医療・年金・介護に本来の「保険」としてのメカニズムを取り戻さない限り、将来世代へのツケ回しは止まることはなく、消費税率はこの先も上げざるを得ない状況が続くと考えております。
 社会保障制度が創設された時に対象とされた明治・大正・昭和の戦前生まれの方々の多くは、戦争によって財産を形成する機会も奪われ、あるいは財産の多くを失った、いわゆるリスクを回避できなかった方々でした。
 このように、不幸にしてリスクを回避できなかった方々に対して手厚い手当を行うのが本来の保険の姿であり、その議論を避けたままで税金の投入のみに頼るとするなら、それはもはや「贈与」の領域に入るのではないでしょうか。
 これは侃侃諤々の議論を呼ぶでしょうし、「弱者苛め」のレッテルを貼られて非難の嵐に晒されるのかもしれませんが、それでもなお、突き詰めて考えたいと私は思っています。

 週末は11月28日土曜日が西部大志会昼食懇談会、赤沢衆議院議員在職10周年記念の「励ます会」(以上米子市内)、日本海新聞「地方創生を考える」取材、建設工業新聞社の対談、前田八寿彦県議の県政報告会、竜友会〇B会懇談会(以上鳥取市内)。
 29日日曜日が物産館みかど創立20周年記念式典(八頭町)、第62回鳥取県婦人大会で講演(鳥取市内)、自民党結党60年記念式典(東京都内)、北日本放送インタビュー、富山チューリップテレビインタビュー(東京都内)、という日程です。
 珍しく、かつての若かりし頃のような地元中心の日程です。晩秋の今頃は週末ごとに各地で開かれる収穫のお祭りを朝から晩まで梯子していたものでしたし、それはそれでとてもきつかった一方、温かい語らいや新しい気付きも多くあって楽しかったことを懐かしく思い出します。

 少し先になりますが、12月8日、日本経済大学東京渋谷キャンパス 大学院「246ホール」(東京都渋谷区桜丘町24−5)にて、財団法人・日本文明研究所のシンポジウム「日本文明と地方創生」が開催されます。
 登壇者は針原寿朗・前農林水産審議官、デービッド・アトキンソン・小西美術工藝社社長、私、司会は猪瀬直樹氏です。
 詳しくはこちらをご覧ください。
http://synapse.am/contents/s/event-1208_nihonbunmei

 もう来週は師走です。皆様お元気でお過ごしくださいませ。

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2015年11月26日 (木)

イシバチャンネル六十弾

 事務局です。イシバチャンネル六十弾をアップロードしました。「副大臣と政務官の紹介」です。


 ぜひご覧ください

 追伸:質問は随時受付中です。

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2015年11月20日 (金)

フランス同時多発テロなど


 石破 茂 です。
 大阪のダブル選挙は明後日投開票となります。
 コメント欄にもいくつかのご意見が寄せられていますが、自民党本部として総裁名で推薦候補を出している以上、府連から党本部を通じて要請があった場合、支援に行くのは党所属国会議員の責務と考えます。
 日本全体から見て、大阪の経済状況が、若者の失業率、小売店の売上高、現金給与所得、貸出金残高など多くの指標で伸びが低い、若しくは低下している現実を、主権者である府民、市民がどのように判断されるかです。
 ともすれば橋下氏に対する好き嫌いで論じられがちですが、双方とも対立感情を煽るのではなく、真摯かつ冷静な議論が交わされた上での投票を期待しております(選挙においてこれはとても難しいことをよくわかっておりますが、最近切にそう思います)。
 今まで愛知県知事選、名古屋市長選、静岡県知事選など、状況が厳しい選挙であってもできるだけ応援に出向いてきました。地方組織が困難な立場にあるときこそ、党本部や政権として最大限の支援が必要だと私は思っています。

 フランス・パリにおけるテロは、一連のISによる攻撃とされています。ISについては様々な見解がありますが、軍隊と警察という実力組織を一元的に掌握できなくなったいくつかの国家の崩壊(マックス・ウェーバーによる国家の定義「正当性を有する、実力を独占する主体」は一面の真実です)と、米国の中東外交方針の転換による力の空白の発生がその主な遠因であり、この二つに対する根本的な対応策を講じることは決して容易ではありません。

 防衛庁長官や防衛大臣在任時に、テロ対策については私なりに突き詰めて考え、論じてきたのですが、その都度「国民生活を不便にすることには反対だ」「国民の権利を抑圧するのか」等の批判が寄せられました。
 9・11後にテロ対策の一環として駅のごみ箱を撤去した時は、安全保障委員会で「国民に迷惑をかけるようなことはやめるべきだ」との指摘がなされたことをよく覚えております。
 過密ダイヤで運行される鉄道において航空と同様の検査を実施すれば、社会生活はたちどころに麻痺してしまうのですが、さりとて今のままでよいとはとても思われません。フランスにおいてはジャンダルムリという軍隊と警察双方の機能を併せ持つ組織が存在しますが、自衛隊の治安出動が極めて下令困難であることに鑑みれば、警察力の強化は急務ですし、自動改札通過時に危険物を瞬時に探知できるシステムの開発の加速化など、今でも可能なことは多くあるものと思われます。
 
 さらには、今まで何度も廃案となってきた「共謀罪」も今一度真剣に考えなくてはなりません。
 「共謀罪」という語感から世論の反発を招くことは必至ですが、現状のままでは各国共通の処罰法整備を目的として二〇〇〇年に国連総会で採択された「国際組織犯罪防止条約」を批准することも出来ず(日本も同年に署名はしています)、重大な国際犯罪に問われて日本に逃げ込んだ犯人を逮捕することも外国に引き渡すこともできないこととなってしまい、日本がテロ組織の活動の抜け穴にもなりかねません。
 既に185の国・地域が批准・締結済みで、未締結なのはイランや北朝鮮などごく僅かです。
 2006年の審議において、与党は適用対象を「組織的犯罪集団」に限定し、共謀しただけでは足らず「犯罪の実行に必要な準備その他の行為」があった場合に限り成立することにすることとし、「日本国憲法の保障する国民の自由と権利を不当に制限してはならない」「労働組合その他の団体の正当な活動を制限することがあってはならない」という文言も追加して提案しましたが、結局与野党協議は決裂となったという経緯があります。
 国際的な常識からかなり乖離した議論が行われているのはこれに限ったことではありませんが、日本さえよければいい、ということにはなりません。担当当局が主体となって政府全体で判断すべきことですが、国民の懸念を払拭するに足る丁寧かつ真摯な説明が何より重要です。
 
 週末は21日土曜日が東京大学駒場祭 第一高等学校・東大弁論部主催講演会で講演(午前11時)、鳥取県立八頭高等学校関東同窓会で講演(午後1時)、JA鳥取中央「ミッキー会」(午後7時・倉吉市)。
 22日日曜日が「時事放談」出演(TBS系列・午前6時・収録)「長野すけなりの政界キーパーソンに聞く」(ラジオ日本系列・午前8時45分・収録)、自民党鳥取県連選挙対策委員会(午前10時半・鳥取市内)。
 23日勤労感謝の日が新嘗祭 神嘉殿の儀(皇居)という日程です。

 11月もはや下旬となりました。皆様お元気でお過ごしくださいませ。

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2015年11月13日 (金)

ユーカリが丘など

 石破 茂 です。
 今週火曜日、水曜日と衆・参で予算委員会が開催されましたが、報道で知る限り、論点がやや拡散気味で、少し残念な気も致しました。
 

 かねてから一度行ってみたかった千葉県佐倉市の住宅地「ユーカリが丘」の「持続可能な街づくり」を視察して参りました。
 1970年代に開発に着手した時から、何十年も先を見越して、その場の短期的な利益に走ることなく着実に街づくりを進めてこられた嶋田哲夫・山万株式会社社長の見識には深い感銘を受けました。
 「ニュータウン」が「オールドタウン」になり、やがて「ゴーストタウン」になっていくところが多い中にあって、このユーカリが丘の取り組みから学び、全国に展開できる点はないか、これを機によく考えてみたいと思います。
 藻谷浩介氏は「(嶋田氏の)断じて一時的な利を追わず、住人の加齢とともに進化するそのビジネスモデルは、氏の経営する非上場会社とその株主にささやかだが安定した利益を、そしてそこに住まう人々には最大限の安心と喜びをもたらしてきた。なぜ同じことを手掛ける企業が出てこないのか。ビジョンの不足?顧客志向の欠落?リーダーの不在?いや根源は、大手上場企業が『配当最大化』という不毛な目標しか持てていないことだ」(対談集「しなやかな日本列島のつくりかた」・新潮社刊)と述べておられますが、まさしく然りと思います。
 先日ご紹介した、原丈人氏の提唱される「公益資本主義」と併せて、今後の日本の進むべき道に大きな示唆を受けたように思いました。

 今週は全国市議会議長会評議員会、全国町村議長会など、この時期恒例の地方団体の全国大会が開催され、出席をして参りました。
 地方創生の意義について、随分とご理解は深まってきたように思いますが、まだまだ道半ばです。今週ご来訪頂いた島根県浜田市や大分県竹田市など、本当に地道な、しかし斬新な取り組みを拝見するにつけ、このような取り組みが全国に広がることを願わずにはいられません。

 テレビ東京系「田勢康弘の週刊ニュース新書」に登場するアイドル猫「にゃーにゃ」の写真集(東京ニュース通信社刊)が発売となりましたが、末尾に何故か私と「にゃーにゃ」とのコーナーがあります。「忙中閑あり」というわけでもありませんが、撮影中は少しだけほのぼのとする時間を過ごしたことでした。

 週末は14日土曜日が大阪府知事選・栗原貴子候補、大阪市長選・柳本顕候補の街頭演説会等(吹田駅前商店街・豊中市豊中駅前・西区九条駅前他)、関西広域連合・関西地域の将来展望シンポジウムで講演・鼎談・意見交換会(午後1時半・ホテル大阪ベイタワー・大阪市港区弁天)、石﨑徹衆院議員の「地方の若者と女性の会」(午後7時・新潟ロココ・新潟市中央区)。
 15日日曜日がアオーレ長岡、子育ての駅「てくてく」、長岡造形大学などの視察、「金子めぐみ衆院議員とふるさとの未来を語る会」にて講演(午後2時・新潟県三条市)、HEAD研究会「『地方創生』の先を作る」(午後6時・東京都渋谷区)、という日程となっております。
 
 もう街にはクリスマスのイルミネーションが輝き始めました。本当に早いものですね。
 以前も書いたのですが、クリスマスが近づくとオー・ヘンリーの短編「賢者の贈り物」を思い出します。とても有名な作品ですので、すでにご承知のことと思いますが、もしまだお読みでない方があれば、是非ご一読をお勧めいたします。
 皆様、お元気でお過ごしくださいませ。

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2015年11月 6日 (金)

マンガ「地方は活性化するか否か」など

 石破 茂 です。
 先週も少しご紹介したのですが、マンガで地域活性化を論じた「地方は活性化するか否か」(こばやしたけし作・学研プラス刊)は、とても内容の深い、それでいて平易に読める優れた作品です。
 作者のこばやし氏を私は存じ上げないのですが、「おわりに」の中で、
「私は学者でも政治家でも地域の有力者でもありません。専門的な知識や社会的な地位など欠片もなく、地方でイラストやマンガを描きながら細々と生計を立てている一般市民です。その一般市民の目線から、難解になりがちな地方の問題に向き合い、専門家とは別の切り口で一冊の本にまとめてみました」
「実際にマンガにしてみて分かったのですが、『地域活性化』『地方創生』というテーマは決して難しいものではありません。むしろ身近すぎるがゆえに問題視しづらいという面が大きいように思います」
と記しておられます。
 地方創生を女子高校生が論じる、という試みはとても面白く、かつ彼女たちの口を借りて語られる「地方創生失敗のパターン」即ち「やりっぱなしの行政、頼りっぱなしの民業、全然関心なしの市民」は、まさしく物事の本質を突いていると得心させられます。御一読をお勧め致します。

 「地方版総合戦略」は、全国の約半数の自治体が先月中に策定し、上乗せ交付金を交付いたしました。
 「カネがない、時間がない、人がいない」という苦情を口にされる自治体もありますが、その中で「産・官・学・金・労・言」の総参加を得て、手作りで内容の充実した素晴らしい計画を立案して頂いた自治体、例えば長野県飯綱町の取り組みなどには本当に心が動かされます。
 「やりっぱなし、頼りっぱなし、関心なし」を克服できるかどうかは、地域の主権者である住民一人一人の意識の変革にかかっており、政府としてはそのような意識を持った地域を可能な限り支援する他はありません。
 「お任せ民主主義」の結末は必ず自分たち自身に返ってくるという、民主主義の厳しい一面を日本人が直視できるかどうかに、この国の将来はかかっているように思われます。

 週末は、7日土曜日が9:15~福島県議会議員選挙・大竹としや候補、佐藤よしのり候補 応援街頭演説会(会津若松市・リオンドール神明通り店前)、自民党新潟県連政経文化セミナーで政府代表挨拶(新潟市)、広島銀行関係者との意見交換会、富永広島県議主催「地方の発展を語る会」で講演(広島市)。
 8日日曜日がJA尾道市「ええじゃん尾道店」視察、石破茂広島後援会で講演(尾道市)、大阪商業振興センター創立30周年記念講演会で講演、同懇親会(大阪市)という日程です。
 岩手、宮城、福島の被災3県については特例として党幹部・閣僚が応援に入ることになっており、岩手、宮城に続いて今回は福島に入ります。
 土曜日の日程は超過密となりますが、今なお困難に直面している被災地で懸命に活動する自民党の同志が一人でも多く当選するべく、微力を尽くしたいと思います。
 
 皆様、お元気でお過ごしくださいませ。

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2015年11月 2日 (月)

「にゃーにゃ photo book from 週刊ニュース新書」撮影の様子です。

 事務局です。

 11月11日より、にゃーにゃ photo book from 週刊ニュース新書が発売されるとのことです。
 
 写真は、photo book撮影の様子です。

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