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2016年1月29日 (金)

代表質問など

 石破 茂 です。
 
 甘利大臣の辞任について、多くを語ることは控えたいと思います。
 経済再生やTPPの他に、厚生労働大臣とはまた別の立場で社会保障政策全般についても責を負っておられました。ある意味、最も困難な職務のいくつかを果たしてこられたことに敬意を表し、少しでも休息を取られることを願っています。誠にお疲れ様でした。近くで見ていた者の一人として、心からそう思います。

 衆・参両院の本会議で代表質問が行われましたが、議論があまり噛み合わず、やや残念な思いも致しました。これは答弁する政府側よりも質問する野党側が、論点を網羅的にしたことで議論が拡散してしまったことに大きな問題があるように見受けられました。
 一問一答形式ではない本会議質疑の性格上やむを得ないことかとは思いますが、更なる工夫をお願いしたいものです。
 閣僚席で野党からの質問を聴きながら、私自身、民主党政権下における野党の政調会長時代、質問作りに呻吟したことを思い出しました。自民党政調職員諸兄の手になる原稿をベースとしつつ、それを自分の言葉に置き換え、ストーリー性を持たせて、追及型よりもむしろ演説調にした記憶があります。
 他人様の所作や言動を批判・評論するのは簡単ですが、実際に自分でやってみるととても難しいものです。

 地方創生については、本年、企画立案段階から本格的な実行段階へと移行することもあって、批判的な論調も多く見受けられるようになりました。
 離島問題を専門に取り扱う「しま」という雑誌(財団法人 日本離島センター刊)の今月号に掲載されている、NPO法人ローカル・グランドデザイン理事 坂本 誠氏の「離島創生の方向性」と題する論考は、「拙速かつ中央集権的に進められた地方創生政策」「見過ごされた一部離島や旧町村部」などと政府の政策をかなり辛辣に批判しておられますが、それでもなおとても示唆に富んだものでした。ご批判を謙虚に受け止めながら、真摯に政策を進めていかなくてはなりません。
 ご指摘を全面的に否定はしませんし、改めるべきは改めなくてはなりませんが、24日日曜日に拝見した長久手市の取り組みなどは、政府の方針がどうであれ、地域として独自の哲学に基づいた政策を立案し、市民の理解のもとに進めているという点でとても感銘を受けました。
 今は人口も増え、財政も比較的安定していても、20年先、30年先を見通して敢えて「市民に冷たい市役所を作る」という逆説的とも言える市政を展開している吉田一平市長のお話からは多くの示唆を受けました。
 「何でもやってくれる『温かい市役所』よりも市民に自立を求める『冷たい市役所』の方が、実は温かい市役所なのだ、と強く思ったことでした。

 政府の地方創生政策に批判的な書籍としては、「反骨の市町村 国に頼るからバカを見る」(相川俊英著 講談社刊)も興味深く読みました。どうしてそのように見えるのか、我々が改めるべき点は何処か、常に考えなくてはなりません。

 政策研鑚を大きな目的とする我々「水月会」の第二回勉強会は、鴨下一郎元環境大臣に講師を務めて頂き、とても有意義な時間となりました。
 世界に例を見ないフリーアクセスを最大の特色とする日本の医療制度は、急性疾患が主な対象であった時代に設計されたものであり、慢性疾患・生活習慣病が医療の相当部分を占めるようになった今日、今までの制度設計では医療の質の低下をもたらし、持続可能性を乏しくしてしまうのではないか、というのが私の問題意識なのですが、社会保障改革全般がそうであるように、これを口の端に載せようものなら世の中の総反発を受けることは確実で、どのように提示すればよいのか悩むところです。
 ご関心のある方は鴨下さんの「持続可能な社会保障制度の確立には『インセンティブ改革』が不可欠」と題する論考(金融財政事情 2015年12月7日号)をお読みください。

 水月会次回の勉強会は金融政策について山本有二元金融担当大臣に講師を務めて頂きます。「政策に明るく、真実を語り、なおかつ選挙に強い」という政策集団を目指したいと願っています。

 週末30日土曜日は、朝日新聞西部本社・KBC九州朝日放送共催の「九州元気フェスタ 九州の魅力発信フォーラム」で講演とパネルディスカッション(午後3時・天神イムズ・福岡市中央区天神)、KBC取材、地元財界人との懇談会(以上福岡市)。
 31日日曜日は田所よしのり衆議院議員の国政報告会で講演と懇親会(午後2時半・筑西市ダイヤモンドホール)、という日程です。

 恐ろしく寒い日が続き、週はじめに崩した体調がなかなか元に戻らず、かなり辛い一週間でした。
 医師からは「もう若い時みたいにすぐに回復はしないのだ」と言われて、少し悄気てしまっています。
 早いもので、もう一月も終わりなのですね。皆様ご自愛の上、良い週末をお過ごしくださいませ。

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2016年1月26日 (火)

イシバチャンネル六十二弾

 事務局です。イシバチャンネル六十二弾をアップロードしました。

 新年、SMAP、地方のごはんについて語ります。


 ぜひご覧ください

 追伸:質問は随時受付中です。

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2016年1月22日 (金)

中央省庁移転、SMAPなど

 石破 茂 です。

 平成27年度補正予算は20日の参議院本会議において可決・成立し、26年度予算の決算と28年度本予算の審議に入ります。甘利大臣の週刊誌報道で「政治とカネ」をめぐる議論が展開されることが予想されますが、甘利大臣ほどの練達の政治家ですから誠意ある対応をなさることと思っておりますし、国家財政と社会保障の持続可能性についてさらに深い審議がなされることを期待しております。
「予算についての充実した審議を尽くしたうえでの速やかな成立」と「政治とカネ等の問題の解明」を両立させることが国会の国民に対する責任なのであって、さればこそ国会には様々な組織が工夫されているのではないでしょうか。

 地方創生については、中央省庁の移転について委員会でいくつかの議論がありました。新聞の論調にも微妙な変化が見られますが、消費者庁の危機管理機能は東京でなければ発揮できないのか、文化庁の行政は東京から京都に移ることによってどのような高度化が期待されるのか、是非そのような論点も取り上げて頂きたいものです。

 軽井沢のバス事故は痛ましい限りですが、事故を起こしたバス会社が当局からいくつもの指摘を受けていたという情報は利用者に事前に伝わっていたのでしょうか。所管でない私にはよくわかりませんが、当局から指摘を受けていたという情報が伝わっていればそのバスには乗らなかったはずです。規制緩和を行うに当たっては適切な情報開示が消費者に対してなされなくてはなりません。かつて当選3回の時「規制緩和に関する特別委員長」を務めたことがあるのですが、その頃にもこのような議論があったことを思い出しました。

 SMAPの解散について、3年前に「ビストロSMAP」に出演したこともあってか先週の記者会見で問われた際、「キャンディーズの解散に匹敵する大事件」「一人一人も優れたアーティストだが、五人が揃うことに何とも素敵な味があるので個人的にはこのまま存続してもらいたい」などと発言したところ、あちこちで取り上げられてしまいやや当惑致しました。まさに「社会現象」だったのですね。
 公人やタレントにまつわる話のほとんどすべてがそうであるように、このような騒動の背景には様々な思惑、愛憎、利害打算があり、本当のことは当事者でなければ分からないのですから、あれこれ論評してみても仕方がありません。ファンの方々が「解散しなくて嬉しかった」と喜んでくだされば、それでよいのだと思います。

 週末23日土曜日は今月唯一のオフなので、最近の論説や今国会提出予定法案などに目を通したいと思っております。24日日曜日は京都市長選挙告示日の応援街頭演説の後、2015年東洋経済「住みよさランキング」総合第2位、「快適度」4年連続第1位の愛知県長久手市・吉田一平市長との懇談、現場訪問と住民の方々との懇談、夕刻には愛知県三田会有志の方々との懇談会を予定しています。
「行政が何でもできたのは経済が右肩上がりの時代だけ」と喝破され、市民一人一人の自覚を促し、その活躍と生き甲斐の場を創出する長久手市の吉田市長の取り組みを拝見することをとても楽しみにしています。

 寒さが続く週末となりそうです。お元気でお過ごしくださいませ。

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2016年1月15日 (金)

日本版ベーテル など

 石破 茂です。

 今週も、平成27年度補正予算の衆・参両院の審議でほとんどの時間を費やしましたため、本欄に多くのことを書くことが出来ません。ご容赦くださいませ。

 衆議院での補正予算審議は議論が拡散し、いまひとつ議論が噛みあっていない感じで、やや残念な思いが致しました。主に軽減税率導入とそれに伴う減収分の財源についての質疑を中心に審議が行われたのですが、低所得者対策と所得再配分機能の発現について、本日から始まった参議院でより精緻な議論が展開されることを期待しています。

 野党の皆様の強いご主張である「安全保障法制廃止」については今までを見る限りにおいてほとんど論理を詰めた議論がありません。北朝鮮の核実験、中国の人工島建設とアメリカ駆逐艦の行動、ISの動向、普天間代替施設建設など安全保障関連の議論の素材は多くあり、補正予算との関連で幅広い議論が今後行われるものと思います。

「個別的自衛権は認められるが、集団的自衛権は認められない」という論は一見もっともらしく感じられますが、日本国憲法が制定された時点では個別的自衛権すら認められないとの立場であったはずで、その後個別的自衛権が広く容認されるようになったことも「立憲主義に反する」との論理なのでしょうか。そもそも保安隊創設時に個別的自衛権の保有と行使を認めたことも立憲主義に反していたのだ、とでもしない限り論理は一貫しないように私には思われます。
 以前も申したことではありますが、政府としては「芦田修正」の立場には立たないということになっており、その後も一貫してこれを維持しています。もし仮に芦田修正の立場に立っていたらその後の議論は全く別の展開を辿っていたことでしょう。本来政策論で論じられるべきことに憲法論を持ちこんだことに議論の混乱の発端はあった、との見解もありますが、これは今後憲法改正の際に再び大きなテーマになるのかもしれません。いずれにせよ、憲法はもう一度教科書から精読し、頭をよく整理しなくてはならないと思っていますが、なかなかその時間がとれないのが悩みです。

 10日日曜日に米子市で開催された福祉フォーラムは、いつもながら学ぶことの多い催しでした。中でも、静岡市で計画されている「日本版ベーテル」の原型であるドイツの福祉の街・ベーテルには共感するところ大でした。いつか機会を見て訪問してみたいと思ったことでした。

 中央省庁の地方移転について、動きが徐々に具体化しつつあります。報道は「移転は一部にとどまる見通し」だの「中央省庁の強い抵抗」だの、様々な観測記事を書いていますが本格的な議論はこれからです。地方移転を進めるべきなのか否か、単なる批判や観測・憶測ではなく、各紙の立場を明らかにした上での報道を望みたいものです。

 週末は16日土曜日が大阪鳥取県人会新春講演会で講演(午後2時・大阪ユビキタス協創広場)、17日日曜日は青木一彦参議院議員鳥取後援会設立役員会(午前11時・自民党鳥取県連)、自民党街頭演説会(午後12時15分・鳥取駅前、午後1時10分・トリニティモール前、午後2時・サンマート湖山店前)、八王子市長選挙街頭・個人演説会(午後6時・狭間イトーヨーカ堂前、6時半・長房市民センター、7時・八王子駅北口、7時半・打越公民館)という日程です。

 都心では冬らしい寒さの続いた一週間でした。皆様ご自愛の上ご健勝でお過ごしくださいませ。

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2016年1月 8日 (金)

日韓、北朝鮮など

 石破 茂 です。
 新年明けましておめでとうございます。旧年中賜りましたご厚情に心よりあつく御礼申し上げますとともに、本年が皆様にとって良き年となりますようにお祈り致します。

 昨年末の日韓外相会談により、所謂従軍慰安婦問題に一定の解決が図られました。
 この件については様々なご意見があることを十分に承知しておりますが、私自身はこの解決を正しく認識すべきものと考えております。
 韓国の内政問題の要素も大きく、今後韓国内の世論の動向を注意深く見ていかなくてはなりません。軍事政権下において日韓関係が比較的静穏であったのは、世論がコントロールできる体制であったからであり、民主化後は大きく様相が異なります。
 日韓に緊密な連携を取り戻すことが北東アジアの平和と安定の大きな鍵であることは間違いのない事実であり、それなくして日米同盟も、米韓同盟もその機能を完全に果たすことはできません。日本も、韓国も、国家指導者の大変な懊悩の末に今回の進展があったと私は考えます。

 水爆かどうかは別として、北朝鮮の今回の核実験は、日本国として拒否的抑止力の実効性を更に高める必要性を更に認識させることになったと思います。
 この5月、36年ぶりに開かれる朝鮮労働党大会を控え、金正恩第一書記に対する忠誠心発露や功名争いは一層エスカレートするでしょうし、ソ連、ルーマニア、イラク、リビア等々、専制独裁国家の崩壊の要因を徹底的に研究した上で体制維持を図っている北朝鮮金体制が国際社会の要請にそうすんなりと応じるとは考えにくいのも事実です。
 制裁強化をはじめとする圧力を加えつつも、我が国が報復的・懲罰的抑止力を保持しえない以上、日米同盟の信頼性を高め、ミサイルディフェンスの能力向上や国民保護法制の徹底を図ることは急務です。
 イスラエルのように加盟していない国はどうなるのか、パキスタンやインドのように「やった者勝ち」になるのではないか等、NPT体制も決して完全なものではありませんが、すべての国が核兵器を持つことになりかねないNPT体制の崩壊は悪夢以外の何物でもありません。国際社会としてこの確認には常に万全の注意を払うべきです。

 お正月はあっという間に過ぎ去ってしまい、読みたいと思って用意していた本の三分の一も読めなかったのですが、楡修平氏の「プラチナタウン」(祥伝社文庫)は、今回法案提出を予定している「生涯活躍のまち(CCRC)」構想を具体的に描いたものとして、今まできちんとこれを読んでいなかった不明を恥じつつも、大きな共感を持って読みました。楡氏の筆力と正論にはいつも敬服させられます。御一読をお勧めいたします。

 4日から国会が始まり、衆・参本会議、衆議院予算委員会と審議が続いていますため、十分に紙幅を費やすことが出来ませんことをご容赦ください。

 週末は9日土曜日が「激論!クロスファイア」出演(BS朝日系・午前10時・収録)、「地方創生で守山を元気にする会」(午後2時・守山市民ホール)と「冨士谷近江八幡市長後援会賀詞交歓会」(午後5時・ホテルニューオウミ)で講演。
 10日日曜日は、あいサポートフォーラム「変化する社会・福祉創生で福祉も一役」で対談(午後1時・米子コンベンションセンター)、鳥取県経済同友会創立50周年記念座談会(午後2時半・同)。
 11日月曜日祝日は自民党鳥取県連常任総務会(米子市内)、という日程です。

 お正月気分もすっかり抜けてしまい、何だか寂しいような思いも致しております。
 皆様お元気でお過ごしくださいませ。

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