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2016年2月26日 (金)

ホッピーなど

 石破 茂 です。
 今週月曜日、恒例の日本食糧新聞社主催「食品ヒット大賞授賞式」に顔を出して参りました。三年ぶりのヒット大賞には「プロビオヨーグルトPA3」、優秀ヒット賞には「南アルプスの天然水 ヨーグリーナ」など、ロングセラー賞には「ホッピー」「ミルキー」「おさかなソーセージ」などが選ばれたのですが、この催しには毎年とても楽しく出席させて頂いています。
 食生活においては「こんなものがあったらいいな」と思うことが多々あるのですが、その「思い」を「カタチ」にするのは決して容易ではなく、開発者たちの並々ならぬ努力が感じられて毎回深い感銘を受けます。
 ロングセラー賞も毎年なかなかのもので、新入社員の頃、生ビールを飲むお金がない時に神田のカード下の焼鳥屋で愛飲した「ホッピー」、子供の頃好きだった「ミルキー」、昭和30年代中頃に「赤いタコさんソーセージ」(わかりますか?)が出るまではこれこそがソーセージと思っていた「おさかなソーセージ」など、発売以来半世紀以上を経た現在も、変わらず愛されている食品に何とも言えない懐かしさと嬉しさを感じました。

 昭和54年から58年まで、「ホッピー」を愛飲していた新入社員時代が、人生で一番楽しかった時だったかも知れません。時は安定成長期、初任給は八万円弱、週休二日など無く、千葉県松戸の社員寮を朝6時半に出て、ほとんど終電で帰る日々でしたが、終電前の一時間ほどほとんど毎晩のように先輩に連れられて神田の「一番鶏」なる焼鳥屋で飲んでおりました。
 信じられないような話ですが、日曜日に寮ですることもなくゴロゴロしている時、「早く月曜にならないかな」と思ったのは、仕事よりもこのひとときの飲み会が楽しみであったからのように思います。
 在勤していた三井銀行本町支店も、「一番鶏」も今はもうありません。時は確実に流れ去っていて、無性に寂しくなります。

 今週の永田町の話題は民主党と維新の党の合流の行方が主でしたが、他党のことながら先行きが案じられます。
 野田政権の時に予算委員会で「民主党に綱領はあるか」との議論を野田総理と交わしたことがありましたが、新党を作るなら、まず党綱領の策定が先になくてはなりません。その作業を欠いたままで新党など作ってみても、結果は残念なものに終わるように危惧されます。「党名をどうするか」よりも「綱領をどうするか」こそが議論の本質ではないかと思うのですが、どの報道もそれに触れようとしないのは不思議なことです。
 かつて新進党に在籍していた時、岡田克也・現民主党代表(岡田代表も当時は新進党でした)と集団的自衛権について侃侃諤諤の議論を何度もしたことがあります。当然これを認めるべしと主張する私と、絶対に認められないと譲らない岡田氏の議論は決して交わることがなく、暗澹たる思いにかられたものでした。
 日本において二大政党制がうまく機能しないとすれば、「政権交代可能な二大政党制の確立」を目指した小選挙区制度の導入とは何であったのか、考え込まざるを得ません。
 勿論、中選挙区制度には様々な欠点があり、もう一度中選挙区制に戻すべきとは毫も思いませんが、小選挙区制度の運用には改善の余地が多々あるように思います。

 週末は、27日土曜日が読売新聞主催 地方創生フェス「地方創生フォーラム」で挨拶の後、こばやしたけし氏(「地方活性化は成功するか否か」の著者)との対談(午後1時・渋谷ヒカリエ)、KBCラジオインタビュー、鹿児島県伊仙町 生涯活躍のまちシンポジウムin東京で挨拶(午後2時半・全国町村会館)、武家門会(鳥大付属中学同窓会)。
 28日日曜日は鮮doエブリィ岡南築港店視察、和気町町政10周年記念事業で講演(午前11時・岡山県和気町総合福祉センター)、和気町関係者との昼食懇談会、大芦高原国際交流と休養の村 みんなのモビリティプロジェクト視察(岡山県美作市)、津山市連合町内会創立60周年記念式典で講演(午後3時・津山文化センター)、という日程です。
 秋田市在住の漫画家さんである、こばやしたけし氏の作品はとても面白くて内容の濃いもので、対談を楽しみにしています。
 鹿児島県徳之島に所在する伊仙町は全国第一位の出生率を誇るとともに、長寿の方の多い町としても有名です。医師でもある大久保明町長の取り組みもとても立派なもので、多くの素敵な人に出会える幸せに感謝しています。

 来週はもう三月。季節の変わり目、皆様ご自愛の上、ご健勝にてお過ごしくださいませ。

2016
日本食糧新聞社主催「食品ヒット大賞授賞式」にて株式会社明治の川村和夫社長と


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2016年2月19日 (金)

統幕10周年、八木先生陶芸展など

 石破 茂 です。
 衆議院予算委員会は地方公聴会も終わり、今週も淡々粛々と進みました。年度内の予算案成立に向けて、今後ともひたすら丁寧に審議に臨まなくてはなりません。

 毎週のことですが、週末が近くなると永田町、特に議員会館近くでの街頭宣伝活動が活発になります。憲法に保障された言論の自由に基づく活動は、民主主義の維持発展のためにも望ましいことと思いますが、主義主張の如何を問わず、その情熱と時間を活かして一人でも多くの人を説得し、共感を得、支持を増やしていくためには、さらに内容と手法において工夫の余地があるのではないでしょうか。
 三年半の野党時代、自民党は盛んに街頭活動を行ったものでした。野党転落直後は街の反応も冷たく、聴衆もそれほど集まっては頂けませんでしたが、それでも雨の日も風の日も新橋や有楽町で必死に訴えたものでした。
 自民党の新人議員教育が問われていますが、一番効果的な教育は、街に出て直接市民に訴えることではないかと思うのです。何を、どのように訴えれば人が足を停め、頷いてくれるのか、それを会得することは政治に携わる者にとって大きな財産になるはずです。
 政権復帰後、それが少し疎かになってはいないか、幹事長時代の反省を込めて、そのように思います。

 先週土曜日、福岡市で開催されたジビエサミットで講演して参りました。今週土曜日のベンチャーサミットもそうですが、「○○と地方創生」というタイトルでの講演はその都度大いに悩みます。
 ○○が自分の得意な分野ならいいのですが、あまり知識のない分野で大臣として講演する際には正直、私もスタッフも準備に大変な時間と労力を費やします。地方創生の本質は国民の意識改革であり、国民的な運動にまで高めていかなくては成功することはないのですから、私自身、一層の努力をしなくてはなりません。

 17日水曜日、防衛省で開催された統合幕僚監部創立10周年記念式典で来賓としてスピーチをして参りました。それまで陸・海・空がそれぞれに運用を行っていたものを一元化するという、極めて当然のことが長く行われていなかったこと自体が不思議なことですが、ここまでの道のりは実に多難なものでしたし、これからもそれは続いていくものです。
 「部分最適の総和は決して全体最適ではない」「『内局と制服、陸・海・空、それぞれが互いを非難し合い、防衛省・自衛隊が一致して非難する対象は政治の無知・無理解や予算査定に厳しい財務省』という責任回避体質を改めよ」などと随分と嫌われることを言いながら改革を進めていた頃のことが脳裏に甦りました。
 米国でこのような議論が行われたのは1940年代中・後半のことで、核兵器搭載機を運用可能とする超大型空母「ユナイテッド・ステーツ」の建造を主張する海軍と、これを戦略核の空軍独占の侵害と捉えて建造に反対し、大型爆撃機B-36の開発・生産を主張する空軍との狭間で懊悩した国防長官フォレスタルは、鬱病となり自らの命を絶つのですが、議会での大論議を経て、米軍の統合体制は大きく進化しました。
 旧軍時代、「陸海総力を挙げて戦い、余力を持って英米に当たる」と揶揄されたこともあって、自衛隊の前身である保安隊(警察予備隊ではなく)創設時にも似たような議論はあったようですが、陸・海の制服組(空はまだ存在していなかった)、そして内局の反対により、統合運用も統合的能力整備も実現することはありませんでした(創設時に米軍から何らのサジェッションも無かったとすればそれはそれでとても不思議なことですが)。
 改革の実現に要した時間は半世紀余、「遅きに失した」のではなく、「遅かったが、失してはいない」となるべく、今後とも微力を尽くして参ります。

 今週、中央区京橋で開催されていた八木哲也代議士(比例東海)の陶芸展に行ってきたのですが、3・11の大津波を主なテーマとした作品はどれもとても素晴らしいもので、たまたま会場に来ていた韓国人の女子学生も「日本の政治家には素晴らしい感性の人がいる」としきりに感心しておりました。
 芸術の才能があるということは政治家にとってもとても有益なことなのでしょうね。私も幼少の頃、一応ピアノと絵を習ったのですが、あまりの才能の無さに先生からは呆れ果てられ、長続きすることもなくやめてしまい、全くモノになりませんでした。深く恥じ入るばかりです。

 週末は20日土曜日が三重県知事・福岡市長との懇談、MIE地方創生ベンチャーサミットで講演(午後2時・四日市都ホテル)、鈴鹿市長・市議会議長他との懇談、鈴鹿商工会議所主催の講演会「地方創生を考える~鈴鹿の未来のために~」で講演(午後3時・鈴鹿サーキット・ホスピタリティラウンジ)。
 21日日曜日は地元でいくつかの公務・政務が入っております。

 今週半ば以降、都心は一転、冬の寒さが戻ってきた感じでした。今日は少し暖かですが、まだ春は遠いようですね。
 皆様ご健勝にてお過ごしくださいませ。

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2016年2月17日 (水)

イシバチャンネル六十三弾

 事務局です。イシバチャンネル六十三弾をアップロードしました。父・石破二朗、バレンタインデー、好きな乗り物について語ります。ぜひご覧ください


イシバチャンネル第六十三弾
PART1 「59歳、父・石破二朗など」

PART2「バレンタインデー」

PART3「好きな乗り物:旅客機編」


 追伸:質問は随時受付中です。

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2016年2月16日 (火)

2/29清水国明氏との対談イベント(秋葉原)に登壇します

 事務局です。
2/29(月)19:00~タレントの清水 国明氏との対談イベント(ベルサール秋葉原)に登壇します。

詳しくは、リンクをご覧ください。

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2016年2月12日 (金)

予算委審議、シェア金沢、CCRCなど

 石破 茂 です。
 北朝鮮のミサイル発射があったにも拘らず、予算委員会ではほとんどこの件に関する審議は無いばかりか、集中審議のテーマは「政治とカネ」のみ。
 このような時期に「平和安全法制廃止法案提出で民主党など野党五党一致、19日に国会提出」などとの記事を読むと、慨嘆・歎息を禁じえません。今後この法案の取り扱いがどのようになるのか、国会で決めることなので何とも言えませんが、実際に審議・採決となった時にどのような議論が展開され、その際に民主党議員はどのように対応するのか、見当もつきません。
 「更なる圧力を加える」ことに加えて北朝鮮の冒険的行動に対する拡大抑止力やMD(ミサイル防衛)、国民保護体制などの拒否的抑止力の強化も並行して図らなくてはなりません。この議論が国会でもっと深く行われるべきだと思うのですが、今後の展開を期待します。

 衆議院予算委員会は基本的質疑、一般質疑を終えて集中審議に入っていますが、15日月曜日のテーマは「経済と地方創生」なのだそうです。質問通告が出揃うのは本日金曜日夜、それから事務方が答弁を作成して、私のもとに届くのは土曜日の午後、日曜日に政務の合間に答弁案に目を通して、自分の言葉と論理に置き換える作業をすることになります。大臣は職務柄仕方ないとして、本日遅くまで作業に追われる事務方は、ワークライフ・バランスなどとは最も遠い世界です。

 7日日曜日に「生涯活躍のまち(CCRC)の先行モデルとされる金沢市の「シェア金沢」を地元の馳文科大臣と共に訪問して参りました。
 「高齢者、しょうがい(障害・障碍)者、壮年、学生などが共に暮らす『ごちゃまぜの街』」を経営の基本とする「佛子園」の雄谷理事長の説明や、ここに暮らす方々との対話は、とても参考になりました。
 街にすっかり溶け込んでいるカフェやライブハウス、レストラン、温泉施設などがとても魅力的で、多くの人々に「また行ってみたい」と思わせるような街づくりがCCRCを成功させる大きな鍵であるように思いました。
 アメリカにも約2000か所のCCRCがありますが、居住者が相当にシニアな方々であり、かつ比較的富裕な層が多いと言われています。日本型のCCRCを実現するにあたっては、50代、60代の「第二の人生を地方で拓く」人々をどう呼び込むか、富裕層でなく一般的な国民年金、厚生年金受給者が快適に暮らせる環境づくりをどのようにモデルとして構築するか、が大きなポイントです。

 株式も円相場も不安定な動向となっています。報道では様々な解説がなされていますが、どうにも後追い的な感が否めません。時に実体経済と乖離し、思惑が先行する金融資本主義とは一体何なのか、やや複雑な思いが致します。株主資本主義でも金融資本主義でもない、公益資本主義について、もう一度よく考えてみなくてはならないと思っています。

 週末は13日土曜日が、九州各地市町村長との懇談、地域企業連合会・九州連携機構(AIE)フェスタにて講演(午前9時)、九州経済人との懇談(以上九大箱崎キャンパス)、第2回日本ジビエサミットで講演(午前10時・アクロス福岡)、北九州市長面会、ジビエサミット展示視察、宇佐市まち・ひと・しごと創生特別講演会で講演(午後2時半・大分県宇佐市文化会館)。
 14日日曜日は八頭町西御門地区・殿地区初総会(午前8時・鳥取県八頭町)自民党鳥取県連所属国会議員合同新春懇談会(午前10時・ホテルニューオータニ鳥取、午後1時・倉吉シティホテル、午後4時半・米子全日空ホテル)、という日程です。

 立春も過ぎ、今週の都心は少しだけ春の近いことを感じさせる陽気でした。
 昭和40年代末のスカイラインの宣伝コピーに「春は希望の別名みたいだ」というのがあって、とても素敵に思ったものです(「海の音は一人で聴くには寂しすぎる」とか、「愛されてますか、奥さん」など、あの頃の日産のコピーは名作揃いでした)。
 皆様、お元気でお過ごしくださいませ。

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2016年2月 5日 (金)

英国の政府中央機関移転など

 石破 茂 です。
 甘利大臣の辞任、石原大臣の就任という出来事がありましたが、直後の世論調査で内閣支持率は上昇するという現象に、野党もマスコミも当惑気味のようです。
 予算委員会であれこれ追及される前に辞めたという一種の潔さと、辞任会見の誠実な印象、更にはこれまでの甘利氏の実績がそれなりに評価されたということなのでしょうし、自民党支持層が民主党をはじめとする野党や「支持政党なし」に移行しなかったのも象徴的であるように思います。
 代わって重責を担う石原大臣が良い仕事をされることを期待しています。

 国会は火曜日から正常化し、予算委員会の基本的質疑が始まりました。粛々淡々というのか、今のところは比較的平穏に推移している感じです。
 地方創生に関しては、おおさか維新の会の松浪議員の質疑から、英国における政府中央機関の移転の経緯につき貴重な示唆を受けました。議院内閣制を採り、産業構造も似ている英国において、かなり大胆な移転が成し遂げられた経緯をさらに詳細に調べてみたいと思います。英国の田園回帰についても同様で、いつか時間を作って実際に見てみたいのですが、今年はタイトな政治日程で果たしてそんな機会があるのかどうか。
 いずれにせよ、このような提案型の質疑は本当に有り難いものです。

 北朝鮮のミサイル発射はかなり事態が深刻化しているように思われます。
 中国の空軍力・海軍力の増強に対する対応もそうですが、安全保障について法制面ではかなりの前進が見られているものの、装備面においては状況の急激な変化に適切に対応できているのかどうか、国会における与野党の専門的な議論を期待したいところです。

 私ごとで誠に恐縮ですが、昨日が誕生日でした。お心遣い頂いた方々に心より感謝申し上げます。大変有り難うございました。
 50代もこれで最後かと思うと、何とも言えない複雑な気持ちにかられます。昭和43年、亡父が還暦を迎えた時に、私はまだ小学校6年生だったこともあってか随分と年長のように思えたものですが、私も来年はそうなります。世の中のために、家族のために、一体何をしてきたのか、亡父との比較において暗澹たる思いも致しますが、少しでも精進努力しなくてはなりません。

 週末は6日土曜日が自民党秋田県第一支部合同国政報告会で講演(午前10時・秋田キャッスルホテル)、秋田市長との懇談、秋田県知事、秋田大学長との懇談、「知の拠点大学による地方創生」2015in秋田で講演(午後1時・秋田文化会館)、自民党秋田1区支部合同懇談会(午後2時半・秋田キャッスルホテル)。
 7日日曜日は「シェア金沢」視察(午前10時・金沢市若松町)、地域しごと創生会議(12時半・ホテル金沢)、という日程です。
 秋田から金沢への移動は、同じ日本海側であるにもかかわらずJRを乗り継ぐより一度羽田に戻った方が早くて便利なのですね。
 鳥取・山口間でも同じような現象が生じていますが、新幹線整備や新幹線開通による在来線の地方への経営移譲による影響など、日本海側の交通網整備にはまだまだ課題が山積しています。

 立春を過ぎても寒い日が続きますが、来週は暖かな日もあるとか。皆様ご健勝にてお過ごしくださいませ。


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Photo

誕生日に頂きましたケーキとクッキーです。

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