« 2016年3月 | トップページ | 2016年5月 »

2016年4月28日 (木)

北海道5区補選、災害対処など

 石破 茂 です。
 28日木曜日の衆議院本会議において、国家戦略特区法改正案が可決され、参議院に送付されました。会期内に本法案が成立するよう、引き続き努力をして参ります。

 衆議院北海道5区補欠選挙は、自民党公認・公明党・新党大地推薦の和田義明氏が当選致しました。
 私は日程の都合上、当別町と新篠津村にしか入れなかったのですが、開票結果を見る限り、農村票と共に、千歳市などを中心とする防衛関係票も手堅く得票出来たように思います。一方において出口調査で無党派層の得票率が民共候補よりも低かったのがやや気がかりで、よく分析して今後の糧としなくてはなりません。

 熊本の震災被災地においては、いまなお物資の滞留や被災者の方々の日常生活の困難が続いています。政府として今までの教訓・反省に基づき、可能な限りの対応をしているのですが、私なりにもう一度、偵察や物資輸送を基本とする自衛隊の能力活用のあり方を研究してみたいと思っています。
 災害は発災以後、時間の経過とともに収束の方向に向かうのが基本です。今般の熊本地震のように余震が続き、なかなか収束しない状況ではどう対応すべきか、ということも考えなければなりません。
 また有事においては自衛隊は敵勢力の排除、つまり防衛出動に総力を挙げるため、災害時において自衛隊が担っている任務は、他の組織が担わなくてはなりません。この議論は所謂有事法制の審議の時からあるものの、完全に詰め切れないままに今日に至っていますが、この際にさらに議論を深めて成案を得る必要があるように思います。

 明日、4月29日金曜日は鳥取市立気高中学校国会見学(9時20分・国会内)、愛知県豊田市長との面談、元愛知県議会議長倉知俊彦氏「感謝の会」記念講演会で講演(15時・JAあいち豊田本店)、倉知俊彦氏「感謝の会」パーティ(17時・名鉄トヨタホテル)。
 30日土曜日は沖縄県国際観光イノベーション特区道路占用事業視察、翁長政俊沖縄県議会議員後援会・同女性部で講演・挨拶(13時・14時・ハーバービューホテル)、うるま市い草生産組合生産施設・畳表製作所視察・懇談(16時・うるま市具志川地区)、島袋大沖縄県議会議員後援会主催「地方創生を語る会」で挨拶・講演(17時50分・豊見城市立中央公民館)。
 5月1日日曜日は沖縄県海洋深層水研究所海洋温度差発電実証設備・化粧品製造施設・海ぶどう養殖施設・牡蠣養殖施設・車海老養殖施設視察(9時20分~・沖縄県島尻郡久米島町)、航空自衛隊久米島分屯基地訪問(11時)、久米島地方創生セミナーで講演(11時半・具志川農村環境改善センター)、久米島町長・議長との面談(13時40分・久米島空港)、沖縄貨物ハブ・沖縄グローバルロジスティックセンター視察(14時45分・那覇空港貨物ターミナル)。
 5月5日より7日まで米国訪問という日程です。
 米国ではワシントンDCとニューヨークで、CCRC施設、DMO(Destination Management Organization)の取り組み、エリアマネジメントの状況、危機管理体制の現状などを、出来るだけ詳しく見たいと考えています。
 6日には笹川USA財団第三回年次安全保障会議で講演の予定です。
 米国は一昨年幹事長在任中に訪問して以来ですが、大統領選挙を控えた現地の雰囲気も感じられるのではないかと思っています。
 一部のマスコミはいつも故意に「物見遊山」的な訪問であるかのように報じますが、だいたいにおいて海外日程はそれとは程遠いもので、前回も4日間で面談・講演が三十数回という恐ろしく厳しい日程であったにも関わらず、某在京テレビ局に「税金で外国漫遊」的な報道をされて極めて心外でした。
 政治を揶揄して視聴率をとりたいのはわからないではありませんが、意図的に事実と反する報道を行い、国民の政治不信を煽るような一部の報道には、残念な思いをさせられます。

 連休中お休みの方も、お働きの方も、どうかご健勝にてお過ごしくださいませ。

| | コメント (69) | トラックバック (0)

2016年4月22日 (金)

熊本地震など

 石破 茂 です。
 熊本、大分をはじめとする九州各地の被災地の皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
 曾祖父(金森通倫)の出身地でもある熊本には今年に入って2回講演や選挙応援に参りましたし、私自身も様々なご縁を頂いて随分と思い入れの深い地であるだけに、胸の塞がれるような思いが致しております。
 余震が続いているため、車の中で寝泊まりしておられる方々や、一度入った避難所を退去せざるを得ない方々も多く居られ、その苦難と困惑はいかばかりかと思います。
 自衛隊の艦船、車両、航空機等も含め、活用できるものはフルに使って、被災者の皆様に少しでも安心して頂くべく、政府の一員として最大限努力を致します。
 自民党熊本県連では、所属地方議員がバラバラに要望を伝えて混乱が生ずることの無いよう、要望を一旦県連に集約し、山本県連会長・前川幹事長の指揮・判断のもとで迅速・的確に担当に伝える、という体制をとっているそうです。各地の自民党の底力と知恵を感じます。
 国会議員が現地入りすることにも大きな意義がありますが、正確な知見を持った者が現地に赴き、権限を持って判断することが、特に発災直後には求められると思います。

 歴史上、17世紀にはまず東北で慶長三陸地震・大津波(1611年)が起き、その8年後(1619年)に八代地震、14年後(1625年)に熊本大地震、22年後(1633年)に小田原を中心とした関東都市直下型地震が起こっています。21世紀の今日と類似性があるとは断言できませんが、いつ、どこで起こってもおかしくはありませんし、それは確実にやってくるのです。
 私の選挙区である鳥取市においても、昭和18(1943)年9月10日にM7・2の大地震が発生し、1210人の死者を出しています。時代が異なるので今回の熊本地震と単純な比較はできませんが、人的な被害という点だけから見れば、さらに大きなものです。それから既に73年が経過しており、記憶も全くと言ってよいほどに風化していますが、鳥取県・鳥取市などにおいてはもう一度これを検証し、今日に相応しい対応策を予め講じなければなりません。

 危機管理体制のあり方には不断の見直しが必要なことは言うまでもなく、その意味で防災省の創設については私なりに研究し、自分なりの考えを纏めたいと思っております。
 復興庁は3・11に対応する、2021年3月末までの時限的な官庁ですし、かつての国土庁防災局を発展的に継承している内閣府防災担当部局は、各省庁からの出向者で多く構成されており、防災担当大臣(今は河野太郎氏。極めて優れた方です)は国家公安委員長、消費者担当相など多くの任務を兼任しています。
 もちろん今の体制の中で、日々最大限の努力をしているには違いないのですが、在任の長い専任の国務大臣を置き、自分の出身官庁や組織に戻ることなく、ただひたすらにあらゆる事態に備える優れた人材を朝野から集め、防災・減災・縮災に努めることは国家にとって必要なことであるように思われてなりません。

 危機管理とは、最悪の時期に、最悪の形で事態が生起することを想定して、法律・組織・装備、人員、運用などを予め構想し、出来る限り実際に近い形で訓練を繰り返す他はありません(訓練は予告なく突然にやるのが良いとも言われていますが、一つ間違えるとパニックを引き起こしかねないのでなかなか困難です)。
 行政版DMATの創設も検討すべきでしょう。危機管理庁(日本版FEMA)構想は何度も浮かんでは消えることを繰り返していますが、今一度、真剣に考えてみたいと思っています。

 支援物資の滞留が指摘されていますが、公平を旨とする行政にとって、これが意外と難しいもののようです。「何故○○避難所には物資が届いているのに我々の××避難所には届かないのか」という批判を危惧するあまり、迅速性が損なわれているという面は否めませんが、「緊急時にあっては公平性にもまして迅速性を重視する」という大原則を樹立するとすれば、それは行政官というより政治に携わる者の責務なのでしょう。

 週末は、23日土曜日が鳥取県連所属国会議員県西部地区合同国政報告会(10時・日野町文化センター・日野町根雨、13時半・天津ふるさと交流センター・南部町福成、15時半・米子食品会館・米子市旗ケ崎)。
 24日日曜日は古民家再生プロジェクト視察(兵庫県篠山市)、ライオンズクラブ国際協会335―A地区第62回年次大会で講演(神戸ポートピアホテル)という日程です。
 先週末に比べれば多少余裕のある日程で、少しほっとしています。

 来週後半はもうゴールデンウィークに入りますが、被災地の方々の苦難に思いを馳せ、政府・与党として可能な限りの対応を続けて参ります。
 皆様、お元気でお過ごしくださいませ。

| | コメント (49) | トラックバック (0)

2016年4月15日 (金)

熊本地震、鶴巻温泉「陣屋」など

 石破 茂 です。
 昨夜の熊本地震は、いまだ余震が続き、被災された方々は大変な思いをされていることと存じます。心よりお見舞い申し上げますとともに、政府として全力を尽くしてまいります。

 国会では会期が少なくなる中、残った法案審議に臨まなくてはなりません。昨日は衆議院本会議で私が担当する地域改革推進整備法・国家戦略特区法の趣旨説明と質疑が行われましたが、所管法案の早期成立に努めたいと思います。

 先週末は、佐賀市と小松市、今週火曜日は千葉県館山市で講演をして参りました。
 佐賀市は鍋島藩の化け猫騒動(「忠犬」ならぬ「忠猫」のお話ですが)、小松市は義経・弁慶の歌舞伎の勧進帳、館山市は滝沢馬琴の南総里見八犬伝(これにも化け猫が登場します)の舞台となったところです。日本中あちらこちらに様々な面白いお話があるもので、とても興味深く思っています。

 月曜日は、国会審議が無かったため、かねてから一度行ってみたかった神奈川県秦野市の鶴巻温泉にある旅館「陣屋」の取り組みを拝見して参りました。
 多くの報道でも紹介されているので、すでにご存じの方もおられると思います。ここは明治時代から続く由緒ある旅館で、一万坪の庭園を有し、将棋や囲碁の棋士が王座を争う場としても有名なのですが、ご多分に漏れずバブル崩壊やリーマンショック後に経営が悪化し、倒産寸前となった時、三代目の主が逝去、急遽ホンダで燃料電池の開発に携わっていた四代目の現社長・宮崎富夫氏が後を継ぐことになり、ITをフルに活用するなど、旅館業界としては革新的な経営により見事に再生した、という事例です。
 詳細はネットなどでご覧いただきたいのですが、「メーカーでは当たり前のことが全く行われていなかった」「旅館業界ではとても考えられなかった週休二日(平日に休業)を実施することにより、平日の稼働率の低さの問題に対応した」「顧客の満足度と従業員の満足度、どちらも追及するのが経営者の務めである」「お客様が何を食べ残したかを分析し、食べ残しを減らして、食の質は上げながらコストを下げる」等々、言葉の一つ一つに大きな共感を覚えました。
 この手法は「陣屋コネクト」として比較的安価で多くの旅館業が利用できるようになっています。もちろんそれぞれの事情や判断がありますが、このような取り組みが広がるようにと願っています。

 上野と札幌を結んでいた名夜行列車「北斗星」に使用された車両が4月末に解体されるそうで、これを保存するプロジェクト「北斗の星に願いをプロジェクト推進委員会」がその資金をクラウドファンディングによって募っています。
→ 詳しくはこちらまで

 週末は、16日土曜日が自民党愛知政治大学院第15期開校式で講演(午前11時・自民党愛知県連)、大山健太郎仙台経済同友会代表幹事との懇談(16時・ホテルメトロポリタン仙台)、仙台経済同友会4月例会で講演(16時半・同)、仙台経済同友会交流会(17時45分・同)。
 17日日曜日は「時事放談」出演(午前6時・TBS系列・収録)、衆議院北海道5区補欠選挙街頭演説会(午前8時・当別町 遊ingファッションよねぐち前、午前8時50分・新篠津村 JA新しのつ前)、兵庫県自民党議員団政務調査会「地方創生会議 兵庫にチカラを!in日本のへそ西脇」で講演(午後2時・西脇市民会館)、兵庫県自民党議員との懇談会(午後5時・西脇市内)という日程です。
 名古屋→仙台→札幌→兵庫・西脇と、随分と移動の多い日程ですね。

 来週後半になると、四月もはや下旬となります。いつも同じことを書いてしまい恐縮ですが、時の流れは歳を重ねるごとに間違いなく加速度的に速くなります。一升瓶でもウイスキーでも、瓶に残された量が半分になると、その後の減り方が随分早くなくなってしまうように感じるのと似たような感じでしょうか(違うだろうなあ・・・)。

 熊本は雨が予想されています。蒲島知事、そして政府も全力を挙げて、まずは今晩中にすべての避難されている方々が屋内に避難できるようにし、激甚指定も可及的速やかになされるよう努力しています。自衛隊も陸海空統合1700名体制で迅速に事に当たっています。
 他の地域も、季節の変わり目、不安定な天気になりそうです。
 皆様、どうかくれぐれもお気をつけてお過ごしください。

| | コメント (50) | トラックバック (0)

2016年4月 8日 (金)

航空自衛隊機事故など

 石破 茂 です。

 鹿屋市での航空自衛隊機の事故はとても悲しく、いたましいものでした。殉職された航空自衛官諸官の祖国に対するこれまでのご功績に心から敬意を表し、御霊の安らかならんことを切に祈ります。
 自衛隊航空機の搭乗員には、華やかな一方で常に死と隣り合わせの一面があります。今回の事故機は入間基地の飛行点検隊に配備されている、U-125飛行点検機という一般にはあまりその存在を知られていない機体ですが、花形とされる戦闘機などを飛ばすだけではなく、多くの隊員たちが裏方として日夜懸命に働いています。杉山隆男氏の「兵士に聞け」「兵士を見よ」などの一連の「兵士シリーズ」は自衛隊や自衛官、そしてその家族の心情を理解するうえでの必読書であると思います。御一読をお勧めいたします。 

 この国会における予算委員会では、待機児童問題とともに奨学金の在り方が大きなテーマとなりました。
 奨学金のほとんどが給付型ではなく貸与型なのは、我が国の他は先進国ではアイスランドだけなのだそうで、とても意外に思ったことでした。貸与型で返済を求める所以は、次の世代の人々が奨学金を受ける原資とするため、ということなのだそうですが、それだけなのでしょうか。国立大学の授業料の決め方も、私立大学との格差是正のみがその本質ではないように思われます。
 母が国語、二人の姉もそれぞれ英語と歴史の教師であったにもかかわらず、私は文教畑にはまったく不案内なのですが、この分野にはどうにもよく理解できないことが多くて自分の不勉強を恥じるばかりです。
 地方創生や新たな日本の国創りは最終的には人づくり、教育問題に帰着するのだろうと思います。国務大臣としてはまったくの所管外ではありますが、基本的な問題について文教関係者の話をよく聞き、関係書籍を通読するなど、この際よく学んでおきたいと思います。

 衆議院の定数是正について、0増6減や「アダムス方式の導入」など議論が進捗しつつあります。
 国務大臣在任中はなかなか党内の議論に参加しにくいのですが、憲法が定める法の下の平等の要請から、一票の格差が二倍以内に収められるべきことに異論はないものの、現実問題として地方の衰退と東京への一極集中は、議員の数と決して無関係ではありません。
 だからこそ地方分権を進めるべきだ、というのはその通りですし、道州制を導入すべきだ、との考えも傾聴に値するものですが(どちらも私が担当大臣です)、いずれにせよ憲法に何らかの規定は必要と思われます。イタリアなどはその例ですが、これもさらに深く研究する必要があると考えております。

 週末は、9日土曜日が福岡資麿参議院議員(内閣府副大臣)講演会「佐賀発!地方創生」で講演(15時・佐賀市文化会館)、佐賀市内における街づくり視察(17時・佐賀市呉服元町)、県内市町村長との夕食懇談会(18時・マリターレ創世)、佐賀県知事・県内首長との地方創生に関する意見交換会(18時45分・同)。
 10日日曜日は小松精練(株)炭素繊維施設ファブリック・ラボラトリー視察・役員との懇談(14時・能美市 同社)、日本自動車博物館視察(15時40分・小松市)、自民党小松支部政経セミナーで講演(17時30分・小松市民センター)、馳文科大臣・石川県知事・小松市長・地元選出議員・県議との夕食懇談会(18時45分・小松市内)という日程です。

 都心の桜は昨日の雨でかなり散ってしまいました。今年もお花見は移動中の車窓からのみで、とても残念でした。
 この時期にはふと、「風」の歌う「ささやかなこの人生」を思い出します。我々の世代は学生時代に伊勢正三さんの歌をよく聴いていたものですが、今も全く古さを感じさせない魅力的な作品が多いように思います。

 皆様、お元気でお過ごしくださいませ。

| | コメント (40) | トラックバック (0)

2016年4月 1日 (金)

領域警備、日米安保など

 石破 茂 です。
 平成28年度予算も年度内に成立させて頂きました。経済対策に資するべく、27年度補正予算と併せて早期執行に努めていかなくてはなりません。
 全般的に静穏な審議が続きましたが、「欧州の各国の消費税率は日本と比べて高いのに、国民の痛税感が低いのは何故か」「消費税率と景気との関係を理論的に分析するとどうなるか」等々、我々政府・与党としても正確に把握しておかなければならない指摘もいくつかありました。
 一方、安全保障系はほとんど見るべきものが無く、議論が深まらなかったのは残念でした。「安全保障法制は憲法違反」と繰り返すだけで、何故論理的にそうなるのかを述べないままに「憲法学者の多くがそう言っているから」では全く自分たちの主張になってはいません。「領域警備法を制定せよ」との主張は今後大いに議論されるべきですが、武器使用権限が警察権を根拠とするのであれば、その実効性をどう担保するのか、あるいは領域をあらかじめ指定することでかえって国際的な緊張を高めることにならないか、など多くの論点があると思います。政府の一員として現在の政府見解を踏まえるのは当然ですが、さればこそ野党の建設的な問題提起を期待したいのです。

 アメリカ共和党大統領候補選びにおいてトップを走るドナルド・トランプ氏の主張は「日本の核兵器保有容認」「日本の財政負担がなければ在日米軍は撤退も」「日米安全保障条約の見直し」などエスカレートの度を強めており、その発言が単なる受け狙いなのか、それともよく考えた末のものなのか、ブレーンはいったい誰なのか、我々はよく分析しておかなくてはなりません。
 日本国憲法は我が国の核保有自体を禁じてはいないが、政策的にこれを保有しない(1982年4月2日・参議院予算委員会角田法制局長官説明)、というのが政府の一貫した立場であり、核拡散阻止、NPT体制の維持という観点から、保有そのものには私も否定的な立場ですが、周辺を核保有国に囲まれた我が国において核兵器不保有を貫くためには、拡大抑止の実効性、MDシステムの信頼性、国民保護法制とその運用の確実性について詳細に点検しなくては無責任というものです。
 故・清水幾太郎氏はその著書「日本よ国家たれ 核の選択」(1980年・文芸春秋)で日本の核保有について詳細に論じておられ、私なりに随分と考えてきたつもりですが、もう一度よく考えてみたいと思っています。
 日米安保体制の見直しは、憲法議論と一体の重要課題です。いつも指摘しているように、同盟の持つ「同盟国の戦争に巻き込まれる恐怖」と「同盟国に見放される恐怖」というジレンマの中にあってこれをマネジメントしていくのは相当高度に知的な作業であり、不断の見直しが必要です。

 先週金曜日にフジテレビ系列で放映された「ダウンタウンの本音でハシゴ酒」に出演したところ、いくつかの反響(?)を頂き恐縮に存じております。たまにはあのような番組に出るのも一興かと思うのですが、立場をよく弁えて今後も対応したいと思います。
 バラエティではないのですが、「田勢康弘の週刊ニュース新書」(テレビ東京系)が先月で終了してしまいました。あのような落ち着いた深みのある番組が少なくなってしまうのはとても残念ですが、田勢康弘氏がまた別の舞台で鋭い批評精神と洞察力を発揮されることを期待します。

 週末は、2日土曜日が元鳥取県議会議長 浜崎芳宏氏お別れの会(午前11時・とりぎん文化会館)、愛真幼稚園創立110周年記念式典(午後1時半・日本基督教団鳥取教会)、自民党鳥取県連街頭演説会(午後2時・JA鳥取いなば岩美支店前)、これからの中野のまちづくりを考える会「第3回まちづくりシンポジウム」で講演(午後5時・東京都中野区 中野サンプラザ・クレセント)。
 3日日曜日は福田俊史鳥取県議会議員県政報告会(午前10時・郡家中央公民館)、平成28年度東部さつき会(後援会女性部)春の懇親会(午後1時・ホテルニューオータニ鳥取)、自民党鳥取県連街頭演説会(午後3時40分・かろいち駐車場、午後4時半・サンマート北園店・ともに鳥取市内)、日の丸グループ佳友倶楽部例会で講演(午後5時半・ホテルニューオータニ鳥取)、という日程です。

 故・浜崎芳宏元鳥取県議会議長は、鳥取県政界の実力者として辣腕を振るわれた方で、中選挙区制の時代には、自民党の競合する先生陣営の総帥として我々と正面から対立する関係でしたが、小選挙区に移行後は親身になって様々な相談にも乗っていただいておりました。
 自民党県連会長として今回のお別れの会の発起人代表を務めることとなりましたが、感慨無量のものがあります。

 都心の桜もほぼ満開となりました。この週末はお花見日和になるとよいですね。
 いつの日か、心ゆくまで花を愛で、気のおけない人々と酒を酌み交わし、語り合える日を夢見つつ、来週も精一杯法案審議などに臨んでまいります。
 皆様、ご健勝にてお過ごしくださいませ。

| | コメント (54) | トラックバック (0)

« 2016年3月 | トップページ | 2016年5月 »