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2016年5月27日 (金)

法案成立など

 石破 茂 です。
 今日の参議院本会議で国家戦略特区法の改正案が可決され、今国会に私が所管している提出法案三本はすべて成立致しました。一応の仕事は果たしたことになり、まずは一息ついたところです。
 昨日の参議院内閣委員会の締めくくり的質疑では、江口克彦議員(今はおおさか維新の会所属)が在任最後の質問に立たれ、道州制や今後の日本の在り方について有意義な示唆を頂きました。このような高い見識を持たれた方が参議院から去って行かれるのはとても残念な気が致します。その後の山本太郎議員との質疑がお互いに言いっぱなしで全然噛み合わず、とても虚しい気がしただけに余計にそう思います。
 
 立場や主義主張の異なる他党の議員にも、立派な方は多く居られます。
 共産党の吉岡吉典参議院議員は、歴史に深い造詣を持たれたとても学究肌の方で、小泉内閣の防衛庁長官時代に外交・防衛委員会で有事法制やイラク派遣を巡って随分と激しい議論を戦わせたものでした。
 2004年に引退される際、市ヶ谷の防衛庁長官室においでになり、「何故共産党の議員がここに来たのか、不思議に思っているだろう?あなたと私は思想も政策も全く違うが、真正面から議論に応じてくれてとても嬉しかった。最後にこれだけは言っておきたくてここに来たのだ」と言って下さったことは大切な思い出であり、ささやかな誇りでもあります。その吉岡議員も09年に急逝され、とても寂しい思いがしたことでした。

 22日日曜日、石﨑徹衆院議員と共に訪れた新潟市農業特区は、極めて有意義で刺激的なものでした。美しい田園風景を眺めながら、その場で採れた新鮮な食材を用いた美味なイタリア料理がいただける田圃の真ん中に位置する農家レストラン、IT技術を駆使して近未来の水田農業を実践するローソン・ファーム、自由に場所を移動して、その時々の新潟の最も美しい風景と料理が同時に味わえるレストランバス等々、すべてが新鮮な驚きでした。篠田新潟市長の先見性と実行力、高い志と強い情熱を持って新しい農業に挑戦する新潟の方々の姿に強い感銘を受けました。

 伊勢志摩サミットも無事に終了し、国会会期末となる来週は、消費税率アップについての総理の最終的な判断と、野党からの不信任案提出の有無、衆議院解散の有無など全く予測不可能な展開となりそうです。

 週末は28日土曜日が千葉県地方議員連絡協議会平成28年度総会で講演(午前11時・オークラ千葉ホテル)、日本青年会議所関東地区フォーラムで講演(午後3時半・立川市民会館)。
 29日日曜日は自民党岩手県連青年局街頭演説会(午前9時・キクコ―ストア石鳥谷店前、午前9時50分・大迫交流センター前、午前10時半・東和総合支所前、以上岩手県花巻市)、岩手町春祭りで挨拶(北緯40度公園野外ステージ)、自民党玉山支部懇談会(12時45分・姫神ホール・盛岡市玉山区)、矢巾町長・岩手医大理事長と面談(午後1時半・ホテル東日本)、高橋ひなこ衆議院議員後援会時局講演会で講演(午後2時・同)、自民党街頭演説会(午後4時・クロステラス盛岡前、午後4時40分・盛岡駅前)、滝沢市長との面談(岩手産業文化センター・岩手県滝沢市)、田中真一参議院立候補予定者滝沢後援会総決起集会で講演(午後6時・同)という日程です。
 土曜日はまだしも、日曜日はかなりきつそうですが、これから参院選に向けて、日程はさらに過密になりそうです。
 自分がまだ新人や当選一回生の頃、後援会の皆様から「とにかく人を呼べる議員を呼んで来い!」と言われて、渡辺美智雄先生をはじめとして、随分と先輩の先生方にお世話になりました。私が人を呼べるかどうかは別として、そんな年次になったのだなと思わされます。
 
 来週はもう6月、皆様お元気でお過ごしくださいませ。

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2016年5月20日 (金)

党首討論、慶大先端生命科学研など

 石破 茂 です。

 沖縄・うるま市での事件は極めて残忍非道の所業で、法に基づき厳正に対処されるべきは当然です。事件・事故が起こる度に綱紀粛正が叫ばれ、地位協定の運用改善が図られてきましたが、根絶に至っていないのは誠に慙愧にたえません。
 現行憲法の解釈の下でも、日本国自身が国家の独立ならびに地域の平和・安定のために可能なことは法的、能力的にまだ多くあるのだと思います。沖縄の悲しみと怒りを真摯に受け止め、負担を減らしていくために何が出来るのか、現実を直視し徹底的に考えて実行に移していかなくてはなりません。

 今週18日に行われた党首討論は彼我の相違が鮮明になり、それなりに有意義なものでした。
 野党共闘を意識してか、民進党・岡田代表の主張は、消費税率引き上げは延期する、不足分は国会議員の歳費の削減と赤字国債で賄う、安保法案は廃止する等々、相当に共産党や小沢一郎氏のそれに近いものでしたが、選挙目当てのポピュリズム的色彩が濃く、民進党の保守系の方々は本当に納得しているのか、他党のことながら極めて訝しく感じられます。
 私がかつて新進党に在籍していた時、解散当日にファックスで送られてきた「消費税は21世紀まで3%に据え置く、集団的自衛権は認めない」との公約の内容を見て、離党を決意し、無所属で立候補した時のことを思い出しました。政党中心の小選挙区制のもと、無所属で立候補することの矛盾は、選挙制度改革を訴えてきた者として一番感じてはいましたが、それ以外に選択の余地はありませんでした。
 あれから20年近くが経過し、未だに日本の政治構造の変革をなしえていないことに、無念の思いがしてなりません。

 舛添東京都知事の問題については、事実関係がいまだ明らかでない以上、軽々な発言は控えなくてはなりませんが、都知事選挙当時、党本部幹事長として有権者に支持を訴えた者として、深刻に受け止めております。新聞の論説にどなたかが書いておられた「牧民官に求められるもの」を我がこととして考えさせられました。

 今週も、京都で開かれた建築板金業の全国大会前夜祭出席など、移動の多い週でした。
 今週の移動の帰途で読んだ本の中では「和の国富論」(藻谷浩介対談集・新潮社)、「この国が戦争に導かれる時・超訳 小説日米戦争」(佐藤優・徳間文庫カレッジ)に共感を覚えましたし、「知性で戦え 昭和史大論争」(文芸春秋スペシャル)に収録されている論考からも啓発されるところ大でした。
 往路の飛行機や新幹線の中では講演やスピーチの準備などでとても本など読んではいられないので、復路の間だけが唯一読書の時間です。

 15日日曜日に訪問した山形県鶴岡市の慶応義塾大学・先端生命科学研究所からも幾多の刺激を受けました。所長の富田勝教授は実に独創的な方で、とても有意義な時間を過ごすことが出来ました。
 地方における学問や研究の在り方について、多くの示唆を受けたことを感謝致しております。これについてもまた改めて論じさせていただきたいと思っておりますが、皆様におかれても是非教授の所論をご覧くださいませ。

 週末は、21日土曜日が徳島新聞社インタビュー(15時・徳島新聞社)、徳島県内市町村長・県議との懇談会(16時20分)、福山守代議士を励ます会・地方創生セミナーで講演(17時)、同懇親会(18時・以上徳島市グランヴィリオホテル)。
 22日日曜日が「時事放談」出演(午前6時・TBS系列・収録)、新潟市(有)高儀農場農家レストラン視察(13時)、ローソンファーム新潟圃場視察(14時20分)、新潟市長・農業特区関係者との意見交換会(15時・新潟卸売市場)、石崎とおる衆議院議員「徹山会」年次総会で講演・その後懇親会(16時・ANAクラウンプラザホテル新潟)、という日程です。

 今週も熊本地震対応の補正予算審議や、会期末を控えての参議院内閣委員会における国家戦略特区法案審議、各種会議などで慌ただしく過ごした一週間でした。
 来週は伊勢志摩サミット、そしていよいよ会期末が近付く緊迫した一週間となりそうです。

 皆様、ご健勝にてお過ごしくださいませ。

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2016年5月15日 (日)

イシバチャンネル第六十五弾

 事務局です。イシバチャンネル六十五弾をアップロードしました。災害対処を考えてみました。


 ぜひご覧ください

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2016年5月13日 (金)

訪米など

 石破 茂 です。
 8日日曜日夜、二泊三日の米国出張から帰国しました。
 DMO、CCRC、FEMAの視察、連邦住宅庁長官との会談、民主・共和両党関係者との夕食会、マディソン・スクエア・ガーデンの視察など、どれも極めて有意義なものでした。

 中でもワシントンDC郊外にあるCCRC、RIDERWOODには強い衝撃を受けました。
 東京ディズニーランドほどの広さにコミュニティが展開し、2千人の高齢者が入居、1200人のスタッフが働いているのですが、そのすべてが心から幸せそう、楽しそうな様子で、残念ながら我が国にはほとんど見られない光景でした。
 日本人の入居女性6名の方と懇談したのですが、そのうちのお一人が、「ここはまさに天国だ。毎日やることが沢山あって、楽しくて、忙しくてたまらない。もし天寿満ちて天国なるところに召されたとしても、必ずここへ戻ってきたい」と述べられ、そこにいた全員が深く頷いておられたのには心から驚きましたし、入居しておられる方にそう言って頂けるスタッフが生き生きとしているのもまた当然なのだと思ったことでした。
 勿論医療・介護のシステムも日本とは異なりますし、恐らく一番違っているのは所有していた住宅の価値が年数を経ても下がらないばかりか、むしろ上がる場合もあるという住宅事情なのだと思います。住宅が恒久材ではなく耐久消費財化していることによる日本人の不幸は、こんなところにも如実に現れているように思われます。

 ニューヨークの駅の真上に建っているマディソン・スクエア・ガーデンもまた大きな驚きでした。スポーツやライブエンターテイメントを一大産業にするというのはまさしくこういうことなのだと圧倒される思いでした。
 一方東京にはこのような施設は皆無に等しく、運営のノウハウも遠く及ばないように思われます。この二つについてはまた日を改めて記したいと思います。

 11日水曜日には政策集団「水月会」の昼食セミナーを開催させて頂き、おかげさまで盛会のうちに終えることが出来ました。誠に有り難うございました。
 当日国会の関係で30分だけ講演をしたのですが、翌日の朝刊各紙には全く違うトーンでの記事が載っており、かなり驚きました。それぞれの社が「このトーンで行こう」と予め決めたうえで書いているのでしょうか。

 本日はこれからパーティでの挨拶が二つあり、その後夜行特急で帰郷いたしますため、中途半端な記載で申し訳なく思います。

 週末は14日土曜日が自民党県連街頭演説会(午前9時半・鳥取駅前)、自民党鳥取県連総務会(午前10時半・白兎会館)、自民党鳥取県連大会記念講演・第61回県連定期大会(12時半・同)。
 15日日曜日は自民党山形県連大会で講演・懇親パーティ(午前11時半・パレスグランデール)、自民党山形県連街頭演説会(午後1時半・山交ビル前)、慶大先端生命科学研究所視察(午後3時半・鶴岡市)、スパイバー(株)視察(午後4時10分・同)、その後YBC山形放送取材、山形県連街頭演説会(午後4時半・ショッピングセンターS-MALL・鶴岡市錦町)、という日程です。

 考えてみれば米国から帰国してまだ五日しか経っていないのですね。
 今週は法案審議や水月会セミナーなどに加えて多数の講演やパーティで忙殺されて誠に慌ただしい一週間で、急に暑くなったせいもあってかあまり体調の良くない日々でした。
 週末は少しだけ余裕のありそうな日程ですので、何とか回復に努めたいと思っています。
 皆様、お元気でお過ごしくださいませ。

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