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2016年12月30日 (金)

イシバチャンネル第七十一弾

 事務局です。イシバチャンネル第七十一弾をアップロードしました。今年1年を振り返りました。

​イシバチャンネル第七十一弾 PART1

​イシバチャンネル第七十一弾 PART2


 ぜひご覧ください

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2016年12月28日 (水)

日露など

 石破 茂 です。
 今年も余すところあと三日となりました。今年は予算編成や税制改正などの作業が早く終わったため、永田町は例年にもまして静かな年末となっています。以前は御用納めの直前まで、復活折衝だなんだとお祭り的に賑やかであったものですが、隔世の感があります。
 
 先日の日露首脳会談についてはその後あまりフォローされていないようですが、何故一時期あれほど期待値が上がってしまったのでしょうか。朝日新聞がプーチン大統領の「引き分け」「はじめ」発言を報じたことが端緒でもないでしょうし(同大統領の会見録を全部読むと、領土について甘いことは一言も言っていないようです)、一時期低迷していた大統領支持率が急回復したのはクリミアを併合し「強いロシア」を国民に見せつけたからであって、2018年に大統領選を控えた同大統領が領土で譲歩するなどとは普通は考えられないことです。
 会談が近くなった時点で報道も期待値を下げるものが多くなったようにも感じられましたが、見ていて違和感を覚えたのは私だけではなかったと思います。
 もう一点、1945年8月9日、旧ソビエト連邦が日ソ中立条約に反して対日参戦して多くの日本国民を殺害し、領土を不法占拠したという事実が少なくとも報道で知る限りあまり取り上げられていないように感じられるのはどういうことなのでしょう。報道されていないだけで、我が国の立場は微動だにしていないはずですが、今後の未来を語る場で取り上げるべきではないとの配慮もあったのでしょうか。
 「一平方マイルの領土を奪われて膺懲(ようちょう。征伐してこらすこと。広辞苑第6版)しない国民は、明日はその倍の土地を奪われ、やがて国家を失うことになる。こんな国民はそのような運命にしか値しない」とはイエリングの「権利のための闘争」の中にある言葉ですが、「膺懲」という言葉はともかくとして、我々はこの精神を胸に刻んで領土問題に当たってきたはずです。
 
 日露間で防衛・外務担当閣僚が話し合う2プラス2も、同盟国であるアメリカや、アンザス条約により間接的に協力関係にあるオーストラリアとは全く異なるロシアと、どのようなテーマで何を目指すのかが重要です。
 ロシアの軍事的意図については「正論」2月号に潮匡人氏が論じている通りと思われます。かつて防衛庁長官在任時の2003年、2月に私が訪露し、直後の5月にロシアのセルゲイ・イワノフ国防相が訪日するという大変異例の往来がありました(出身や経歴がプーチン大統領とそっくりで「プーチンよりプーチンらしい」と呼ばれ、その後長く大統領府長官を務めたイワノフ氏は、大統領候補にもその名がしばしば挙がっていましたが、この夏、職を解かれたことが様々な憶測を呼んでいます)。会談自体は内容の濃い有意義なものでしたが、ロシアの底知れぬ恐ろしさを痛感したことをよく覚えています。
 
 安倍総理のハワイ・アリゾナ記念館でのスピーチは、戦後に区切りをつけるとともに、日米の同盟関係を更に強化する狙いがあったものと思われ、英訳されることを念頭においてよく推敲された文章であったと思います。
 区切りをつけることは素晴らしいことですが、それとともに現代を生きる我々は、日本にとっての真珠湾攻撃とは何であったのか、山本五十六連合艦隊司令長官は何故投機的とも思われる真珠湾攻撃を計画・実行したのかをよく学び、今後の戒めや糧とすることが極めて重要です。
 武官として米国にも在勤し、圧倒的な日米の国力の差を誰よりも認識していた山本長官は、早期講和に持ち込むためにはこれ以外に手段はないと考えたのであり、米空母を撃ち漏らしたことに強い危機感を抱いて再びリスクの高いミッドウェー作戦を決行し、これに惨敗した日本はその後敗戦への道を辿ることになります。
 国民が真珠湾攻撃の勝利に酔い熱狂していた時、山本長官は広島湾桂島泊地に帰ってきた南雲忠一第一航空艦隊司令長官をはじめとする艦隊幹部を前に「諸士は凱旋したのではない。次の戦に備えるため一時帰投したのである。一層の戒心を望む」と訓示し、後日親しい桑原虎雄少将に「今が戦争のやめどきだ。それには今まで手に入れたものを捨てねばならない」「しかし中央にはとてもそれだけのハラはない。我々は結局斬り死にするほかはなかろう」と語ったと伝えられます(「大和と武蔵」吉田敏雄著 PHP刊)。
 政治が軍事をよく理解することによってのみ機能する文民統制が全く働かなかったことと、統帥権独立の名の下に軍政と軍令が峻別されていなかったことが、日本敗北の決定的な原因であったと私は考えています。来年は我が国を取り巻く環境が激変することも予想されるなか、過去に学ぶことの重要性を改めて痛感しています。

 年末年始は、宿舎の片付けやテレビ出演・講演の準備に充てたいと思っております。
 30日金曜日は「たけしの誰も知らない伝説」出演(午後9時・テレビ東京系列・収録)。
 31日大晦日は、「大みそか列島縦断LIVE 景気満開テレビ2016」出演(午前6時 フジテレビ系列)、担当記者との懇談会(午後9時・鳥取市内)。
 元旦はどんどろけの会 年始お茶配り(午前零時・後援会鳥取事務所前)、実践倫理宏正会元朝式(午前5時・鳥取卸センター)、宇倍神社新年参拝(午前8時・鳥取市国府町)、自民党国府支部新年祝賀会(午前8時半・宇倍神社)、という日程となっています。

 今年はこれで最後の更新となります。1年間、誠に有り難うございました。
 皆様、どうかよい年をお迎えくださいませ。

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2016年12月22日 (木)

オスプレイ不時着など

 石破 茂 です。

 沖縄における米軍輸送機オスプレイの事故については、対応を誤ると極めて困難な状況になることが懸念されます。
「不時着」なのか「墜落」なのかについては、明確な定義があるわけではないのですが、空中給油中に回転翼が給油ホースと接触して損傷し、飛行が不安定になる中で、人家への影響を避けるために普天間基地への帰投を断念して、海岸に意図的にコントロールして降ろした(落とした)とするならば、損傷の状況如何を問わず「不時着」と評価するべきなのでしょう。
 それはともかく、情報不足のせいなのか、日米地位協定の下に設置されている日米合同委員会の中にある事故分科委員会が今後どのように機能するのかについて言及がないように思われます。オスプレイは従来機とは異なり、回転翼(固定翼モードのときはプロペラ)が大きいため、この種の事故発生の確率は高いと思われ、それをいかに回避するかが今後の焦点となるはずです。
 在沖米軍のトップであるニコルソン米軍四軍調整官は沖縄県副知事に対し、人家への墜落を避けて海岸に不時着した兵士を称えたうえで「県民は感謝すべきだ」と述べたと伝えられます。直接聞いたわけでもありませんし前後の脈絡もわかりませんが、この部分だけを聞けば米国と日本、就中沖縄との意識の差は極めて大きいと言わざるを得ません。自衛隊機も過去、人家への影響を避けて不時着し、隊員に死傷者が出た例がいくつかありましたが、隊員の己の生命に代えても国民の命を守るという行為を組織内で称えることは当然あっても、住民に感謝せよなどとは言うべきことではありません。米国との間にある断層のようなものを垣間見たように思いました。
 いずれにせよ、地位協定についての検証は必要です。地位協定が日米安保条約と一体のものである以上、論理的には日米安保体制の非対称性が見直されるべきですし、「対等性」とは本来は在日米軍と「在米日本国自衛隊(今は存在しませんが)」の間において論ぜられるべきものですが、同時に運用の改善で対処することの限界性も感じており、自分として試案を示すべく、さらに努力して参ります。
 今週は年末で日程が分刻みとなってしまい、日露首脳会談については来週に論ずることをご容赦ください。ソ連、現ロシアが北方四島を不法占拠しているという事実から目を背けるようなことがあっては決してならない、というのが私の基本的な立場であることを事前に申し上げておきます。

 週末はいくつかの取材や地元テレビ出演の他は、久々に日程を空けることが出来ました。資料整理や文献に目を通すことで終わりそうですが…。
 12月25日18時57分から、先週ご紹介したビートたけしのTVタックル年末スペシャル放映予定(テレビ朝日系列)です。
 皆様、お元気でお過ごしくださいませ。

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2016年12月16日 (金)

野党の姿勢など

 石破 茂 です。 
 参議院から修正回付された統合リゾート(IR)法案が木曜日未明の衆議院本会議で可決・成立致しました。
 基本法、とはいうものの常習者対策や経済効果など、懸念として指摘された事項についてすべてはこれからという対応には、正直やや疑問なしとしません。2年前シンガポールに出張した際にIRの現場で詳細な説明を受けたのですが、法整備をはじめとする諸対応が完璧に近いほどにとられていることに認識を改めさせられる思いがしたものでした。
 「自国民の扱いはどうなるのか」「親族より利用制限の申告があった者をどう取り扱うのか」「その場合、親族とはどこまでを指すべきか」「違法性阻却はいかにして認められるのか」「財政に対する寄与を『客が損をしたカネ』で賄うことは正しいのか」等につき、もっと国民の理解が容易になるように今後努めるべきなのでしょう。報道各紙が珍しく歩調を揃えて疑問を提起したことを真摯に受け止めなくてはなりません。

 それにしても、会期末の民進党をはじめとする野党の姿勢には絶望的な気分にさせられました。一体何を得ようとしているのかさっぱりわかりませんでしたし、あれでは国民の支持が拡大するはずがありません。
 自民党もそうなのですが、最近、政治が街頭に出て訴える場面がめっきり減ったように感じられます。自民党が野党に転落した時、谷垣総裁を先頭に我々党役員は積極的に新橋や銀座の街頭に出て、罵声を浴びながらも懸命に支持を訴えたものでした。
 国政が永田町・霞が関とメディアの中だけで完結してしまえば、実際の国民感情との乖離が起こるのであり、アメリカ大統領選でこれと似た同じ現象が起こったことを我々は想起すべきなのだと思います。

 天皇陛下のご譲位について、有識者会議は今上陛下ご一代に限る特措法で対応する方針を固めたとの報道がなされています。
 一般法でご譲位を規定すればそれが恒久化し、政治利用に繋がる危険性もなしとしない、今上陛下ご一代の「お気持ち」なのだから特措法が望ましい、との考えのようにも思われますが、本当に「今上陛下ご一代のもの」とすることが国民に対して問いかけられた陛下のお心に適うものなのか、疑問は尽きません。多くのご意見を頂戴し有り難く思っておりますが、前回もご紹介した「文芸春秋SPECIAL 今こそ考える 皇室と日本人の運命」に収録された諸論考は、議論の前提とするに最適と思われます。

 日露首脳会談については、考えを整理の上、来週にでも論じさせて頂こうと思っております。本件につき、木村 汎北大名誉教授、袴田茂樹新潟県立大教授の書かれたものからは、大きな示唆を受けております。

 週末は17日土曜日が「ビートたけしのTVタックル年末SP」収録(午後1時・テレビ朝日)、鳥取県指定自動車学校教習所関係者との面談(午後6時半・ホテルニューオータニ鳥取)、税理士による石破茂後援会総会で講演・懇親会(午後7時・同)。
 18日日曜日が鳥取県理学療法士連盟研修会で講演(午後1時・国際ファミリープラザ・米子市加茂町)、という日程です。
 TVタックルに最後に出たのは今から14年も前のことで、確か小泉内閣で防衛庁長官に任ぜられる3日前の収録だったと思います。「もうじき内閣改造ですが石破さんもそろそろですね?」と聞かれて「同期で一番若い私がなるはずがありません!」と答えたのですが、オンエアされた当日に長官になってしまい、画面下のテロップに「こう言っていたのは3日前のことでした」と流れていたようです。ビートたけし氏の天才的に軽妙な話術に触れるのもたまには良いかなと思い、テーマを絞って短時間出演してみようかと思っております。

 今年もあと2週間、寒さと慌ただしさが増す日々となりそうです。
 皆様、ご健勝にてお過ごしくださいませ。

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2016年12月12日 (月)

12/10よみうりランド視察

 事務局です。
 
 12/10(土)、よみうりランドにお伺いした時の様子です。

 Ufo


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2016年12月 9日 (金)

陛下ご譲位についてなど

 石破 茂です。

 天皇陛下のご譲位の件について、時間のある時に懸命に考えてはみるのですが、当然のことながらなかなか自分なりの解が見いだせないままに呻吟の日々が続いています。有識者会議の意見も一通り目を通していますが、本当にこの問題は難しいですね。

 この件で、ある方と議論をしていて、憲法学の泰斗・宮沢俊義東大教授の「天皇ロボット論」なるものが存在したことを初めて知りました。
 私たちが学生であった頃(1975年~)、スタンダードな憲法の教科書は「憲法Ⅱ新版」(法律学全集4巻 有斐閣 1971年)でしたが、そこにそのような記述はありませんでした。同教授がこの説を唱えたのは逝去する年、1976年の「全訂日本国憲法」(日本評論社)においてなので、知らなかったのも無理はないのですが、「(天皇は)なんらの実質的な権力を持たず、ただ内閣の指示に従って機械的に『めくら判』を押すだけのロボット的存在」(同書74頁)との指摘は「ロボット的」というどぎつい表現が不敬かつ刺激的ではあるものの、立法者(形式的には日本国民であるが、実際はGHQ)の意図は実際そこにあったと思われます。

 「象徴」の本質は、陛下に対する国民の心からの尊敬である、と私は思っています。一切の私心を持たれず、すべての国民にこの上ない慈愛のお心をもって接せられ、お祈り下さっている天皇陛下であられるからこそ、国民は心から尊敬しているのであって、憲法に定められた国事行為のみを機械的に行われる存在であったとしたら誰もこのような念を持たないに相違ありません。誰が「ロボット」を尊敬するというのか。普通の人間には絶対に為し得ないことを陛下はなさっておられるのであり、そのことへの畏れの気持ち無くしてこの問題を語ってはならないのではないでしょうか。

 宮沢教授は退位について「天皇はその志望により国会の承認を経て退位することを認める」とも述べていますが(「皇室典範に関して」1946年7月)、連綿と続いてきた日本国における天皇陛下のご存在を、無理に日本国憲法と整合させてしまったことの限界をつくづくと感じます。
 冒頭申し述べましたように、結論めいたものは未だ見いだせておりませんが、週末何とか時間を作って「いまこそ考える 皇室と日本人の運命」(文芸春秋SPECIAL 2017冬)などを精読し、考えを少しでも整理したいと思っています。皆様のお考えをお聞かせいただければ幸いです。

 6日火曜日は長野市において故・小坂憲次 元文部科学大臣の自民党・小坂憲次後援会・小坂家による合同葬が執り行われ、葬儀委員長を務めました。4千人に近い方々が参列され、小坂先生がいかに多くの方々に敬愛されていたかを改めて認識いたしました。
 御霊の安らかならんことを希いますとともに、ご家族のご平安を心よりお祈り申し上げます。

 週末は、10日土曜日が自民党稲城支部「稲城未来塾」冬季研修会で講演と懇親会(午後2時・東京南農協稲城支店・稲城市東長沼)、よみうりランドの最近の取り組みにつき現地見学(午後3時半・よみうりランド)、TBS「時事放談」収録(午後6時半・TBS)。
 11日日曜日は「時事放談」出演(午前6時・TBS系列・収録)、鳥取市河原町公民館竣工祝賀会(正午・鳥取市河原町)、鳥取大学学長他との昼食会・「2016GGJエキスポ西日本第一ブロック共同シンポジウムで講演(午後1時・鳥取大学鳥取キャンパス)、JA鳥取中央役職員との懇談会・意見交換会(午後3時・倉吉市内)、自民党鳥取県連常任総務会・懇談会(午後6時半・ホテルモナーク鳥取)という日程です。

 今年も余すところあと3週間となりました。今週後半から急に寒さが戻り、体調が今一つ思わしくありません。
 皆様ご健勝にてご多忙な年の瀬をお過ごしくださいませ。


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2016年12月 8日 (木)

イシバチャンネル第七十弾

 事務局です。イシバチャンネル第七十弾をアップロードしました。トランプ候補の米国大統領選勝利の影響など。

イシバチャンネル第七十弾 PART1

イシバチャンネル第七十弾 PART2

イシバチャンネル第七十弾 PART3

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2016年12月 2日 (金)

防災専門組織の創設など

 石破 茂 です。
 今週木曜日の水月会勉強会は外部講師として軍事アナリストの小川和久氏をお招きし、日米同盟についての講演をお聞きしました。観念論や一般論に堕することの無い、実証的な同氏の所論にはいつも大いに啓発されます。
 
 トランプ氏の当選からひと月が経過し、月刊論壇誌に多くの論説が掲載されるようになりました。移動の機内や車中でざっと目を通した限りでは、潮匡人氏(「正論」1月号)、佐伯啓思氏(「月刊日本」12月号)の論考に(全てではありませんが)納得させられるものがありました。
 
 「集団的自衛権の思想史 憲法九条と日米安保は何を論じたのか」(篠田英朗著・風行社刊)は実にクリアな論理が展開されている好著と思います。東京外国語大学教授である篠田氏は「国家主権という思想 国際立憲主義への軌跡」でサントリー学芸賞を受けた気鋭の学者ですが、久しぶりにこういう極めて真っ当な論に接してとても嬉しく思いました。「いちばんよくわかる集団的自衛権」(佐瀬昌盛著・海竜社刊)と併せて是非御一読くださいませ。

 30日水曜日に神戸市で開催された神戸新聞社主催の講演会では、同社が主唱している「防災省の設置」がテーマのひとつとして与えられました。
 熊本震災発災後に私が記者会見でこれをとり上げたところ、政府からは「既に関係副大臣会議において『直ちに設置する必要性はない』との結論が出ている」という誠に素っ気ない反応が返ってきたのですが、改めてこの副大臣会議のレポート(抄)の該当部分を読んでみると、
「日本版FEMA(米国連邦危機管理庁)のような統一的な危機管理官庁の創設など、中央省庁レベルでの抜本的な組織体制の見直しについては、現段階では積極的な必要性は直ちには見出しがたい」
「危機管理対応は不断の見直しと改善が不可欠であり、今後とも取り組みの進捗状況や成果を検証しながら、組織体制の見直しも排除することなく必要な対策の検討と実践を図り、より良い危機管理体制を目指していく」
とありました。まさしく霞が関官僚文学の精華・極致というべき文章で、感心するやら呆れるやら、要は「絶対にやらないわけではないが、当面やるつもりはない」ということが委曲を尽くしてあちらこちらに配意しながら書いてあり、政治家はまずこんな文章を書きません。
 こんな文章が書けるようになることも優秀な官僚の要件なのでしょうが、このような文化を政治が変えていかなければ、我が国は本当の困難に逢着するように思われてなりません。それが積極的であれ、消極的であれ、権限争いが絡んだ途端に機能停止してしまうのが官僚機構の特性で、迷惑するのは国民です。
 米国は連邦国家であるが故に、FEMA自体が強い権限を持っているわけではなく、その高い専門性によって必要な役割を果たしているのであり、「有用な組織であれば権限が弱くとも機能するが、無能な組織が権限を持つほど怖いことはない」ということを考えなくてはなりません。
 日本の危機管理体制は、地域によってその能力にばらつきが大きいのが難点で、担当する各地域の職員を統一して教育し、組織相互に共通性のある通信・救援などの機材を揃えることなどを任務とする組織の創設は、可能かつ必要なのではないでしょうか。

 週末は本日2日金曜日が(株)光和電工創業50周年記念式典(午後6時・ホテルニューオータニ鳥取)、どんどろけの会クリスマスパーティ(午後7時・ホテルモナーク鳥取)。
 3日土曜日は富樫博之衆議院議員女性部「美心倶楽部」で講演(午前11時半・秋田ビューホテル)、自民党秋田1区支部若手経済人の会で講演(午後1時半・秋田キャッスルホテル)、「緊Q国会 世界の名案」出演(午後2時55分~・テレビ朝日系列・収録)。
 4日日曜日が在職30周年「石破茂を囲む会」(午前10時半・米子ワシントンプラザ、午後1時半・倉吉シティホテル、午後4時半・ホテルニューオータニ鳥取)、鳥取商工会議所会頭ら経済人との懇談会(午後7時・鳥取市内)、という日程です。
 
 街にはクリスマスのミネーションが輝き、華やかで楽しそうな雰囲気が溢れているように見えます。
 かつて銀行に勤めていた頃の12月は、ボーナス獲得や年末の資金繰りなどに追われて恐ろしく多忙でしたし、議員になってからは予算案編成や税制改正などで休む暇もありませんでした。楽しい12月などとは全く無縁の日々がずっと続いていますが、同じように過ごしてこられた方々もきっと多いのでしょうね。
 前にも書いたと思うのですが、クリスマスの物語の中ではО・ヘンリーの短編「賢者の贈り物」(О・ヘンリー短編集・新潮文庫)という話が一番好きで、この季節になると無性に読み返したくなります。
 
 先週末に崩した体調がなかなか元に戻りません。ちゃんと休む暇もないまま、風邪薬や栄養剤で誤魔化しつつ、いつの間にかなんとなく治ってしまうというのはあまりよくありませんね。そのようなわけで、思考回路が機能しないままに、ご紹介のみが多い記述になりましたことをご容赦くださいませ。
 皆様ご自愛の上、ご健勝にて師走をお過ごしください。

201602q

「緊Q国会 世界の名案」の収録の様子です。

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