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2017年4月28日 (金)

言論の自由など

 石破 茂 です。
 経産政務官の辞任・離党に続き、復興大臣の失言・辞任という事態で今週も国会は変則的な運営となりました。
 私自身、閣僚や党役員の時、少なくとも二回、失言・撤回・陳謝という失態を演じており、偉そうに他人様のことを批判できる立場にはおりませんが、同じことを言っても一般人とそれなりの責任ある立場にある者は受け止められ方が全く異なるのであり、マスコミを批判してもどうなるものでもありません。
 全体ではなく片言隻句こそが批判の対象となるのであって、それを十分承知の上で、どこを切り取られて報道されてもいいように注意しなければならないということなのだと思います。どれほど悪意に満ちた報道であっても、報道があってこその民主主義なのだと割り切る他はありません。
 本来は「健全な」報道があってこそ、と言いたくもなりますが、「健全」とは何か、明確な解はありません。立法・司法・行政間のように相互牽制に基づくチェック機能が働かない第四の権力であるマスコミ各位には、それだけの見識と矜持を期待したいものです。

 同様に、誤解や曲解に基づく批判にはきちんと反論すべきであって、黙殺や泣き寝入りはすべきではありませんが、ためにする批判や誹謗中傷、罵詈雑言に対しては対応すればするほど相手の術中に嵌るという面もあります。ゆえに「言論の自由」とはとても困難なテーマですが、報道が権力に迎合することこそが最も恐ろしい結果を招くのだと思っております。国際NGO「国境なき記者団」によれば我が国の報道の自由度は対象180ヶ国中72位、G7の中では最下位なのだそうで、評価の基準についての議論はあるものの、権力側も、報道の側も、これを真摯に受け止める必要がありそうです。

 内閣や党の支持率がそう大きく下がらないのは、その実績もさることながら、北朝鮮の動向などを強く意識した国民の大多数が「やはり野党にこの国の安全を任せるわけにはいかない」と感じていることも一因でしょう。
 民主党政権時代の安全保障体制は、鳩山・菅政権では総理ご自身が門外漢でしたし、野田政権では総理の見識は前二者に比べれば遥かに優れてはいたものの、一川・田中両防衛大臣は目も当てられない有り様でした。閣僚をはじめとする枢要ポストの人選は、当選年次や年齢のみならず、その分野の政策や担当省庁の内情に通暁した人を起用するのも国家・国民のためというものでしょう。

 明日から連休期間に入りますが、28日は自民党長崎県連長崎市第8選挙区支部での講演(午後6時半・ホテルニュー長崎)。
 29日土曜日は「激論!クロスファイア」出演(午前10時・BS朝日・収録)、ユースデモクラシー「デジタル憲法フォーラム」にて講演と質疑。
 30日日曜日は鳥取県調理師連合会「惣和会」発会式(正午・倉吉シティホテル)、自民党三朝町支部総会にて講演(午後1時半・プランナールみささ)。
 3日憲法記念日はテレビ大阪「わざわざ言うテレビ」収録(午後5時・都内)、「プライムニュース」出演(午後8時・BSフジ)。
 7日日曜日は宮城県気仙沼市の漁業に関するヒアリング、「日本と気仙沼の水産を考える会」で講演、その後のレセプション(午後3時半~・南三陸ホテル観洋)、水産実務指導者との懇談会(午後7時半・気仙沼市内)、という日程です。
 
 5月3日憲法記念日の「プライムニュース」では憲法について共産党の小池晃書記局長と討論の予定です。小池議員とは委員会やテレビで何度か議論したことはありますが、このような形で討論するのは初めてです。
 防衛庁長官や防衛大臣在任中、共産党の質問に対しては最も時間を割き、機関誌「前衛」や「しんぶん赤旗」などを丹念に読みました。共産党は我々とは思想や立場が全く異なりますが、理論的には一貫し、精緻なものがあるのでいつも手強い相手でした。良い機会なので、きちんと準備して臨みたいと思っています。

 閣僚でもなく、党三役でもなく、海外出張の予定もない連休は何年振りでしょう。読みたかった本や論文を読み、ここのところ不調が続いた体調管理にも努めたいと思っています。
 この時期の議員の海外出張は物見遊山的と批判されますが、閣僚の時も党三役の時もすべて機中泊、一日の会議や会談が10件近くという超過密スケジュールでした。真面目に務めている議員が多い中、一部の者のためにすべてがそう見られてしまうのは残念なことです。
 まだ当選一・二回生の頃、挨拶廻りや地区の会合に出かける前の早朝に自分で運転して、初夏の山陰海岸の景色を楽しんでいた頃が懐かしく思い出されます。
 
 お休みの方、この期間もお仕事の方、どうか皆様お元気でお過ごしくださいませ。

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2017年4月21日 (金)

引き続き朝鮮半島情勢など

 石破 茂 です。
 半島情勢が緊迫しつつあるため、このテーマでのテレビ出演が増えています。毎回違う話も出来ないので、番組ごとに少しずつ表現を変えているのですが、安全保障問題を少しでもわかりやすく話すのはなかなか難しいものです。
 米国の発するメッセージは、北朝鮮に向けてというより、北朝鮮を緩衝地帯として維持しておきたい中国に対して向けられたものであることは言うまでもありません。
 北朝鮮が戦闘状態になれば、中朝同盟の一方の当事国である中国は関わり合いを持たざるを得ないでしょうし、北朝鮮難民が大量に流入して朝鮮民族独立行動などを起こされてはたまらない。北朝鮮崩壊後、米国の影響下にある統一朝鮮が誕生し、それと直接国境を接する事態になるのも避けたい。そのような思惑で中国が北朝鮮を支えている間に、時間は北朝鮮に有利に働き、とうとう事態はここまで来てしまったのだから、中国が北朝鮮の体制を変更する責任を負うべきであるし、中国がそれをやらないのなら、アメリカが実力を行使してでも体制を変更する。これはそれなりに論理の通ったものであり、北朝鮮を中国の影響下にある「よりましな体制とする」ことをも許容する可能性を含むものと考えるべきでしょう。
 このことは随分と以前からアメリカの当局者たちに対して私が申し上げてきたことではあるのですが、当時彼らはあまり芳しい反応を示しませんでした。
 日本としても、日米同盟の範囲内で圧力をかけるとともに、万が一の事態で被害が及ばないためのミサイル防衛や国民避難・保護、我が国に未だ潜伏していると思われる北朝鮮の工作員による破壊活動の未然防止、難民対策等々を怠りなく講じておくことは当然です。日豪2プラス2で来日中のオーストラリアのビショップ外相、ペイン国防相(どちらも女性)との昨朝の意見交換会でも、この点は意見が一致いたしました。

 先日発売となった拙著「日本列島創生論 地方は国家の希望なり」(新潮新書)はおかげさまで2刷となりました。お買い上げいただいた方、お読み頂いた方、誠に有り難うございます。ご指摘やご批判を頂ければ幸いです。

 週末は、22日土曜日が八頭町立八頭中学校国会見学で挨拶(午前9時・国会内)、富山県総合デザインセンター訪問(午後1時・富山県高岡市)、(株)能作創業100年記念ならびに新社屋竣工式典・工場見学・懇親会(午後1時半・同社・富山県高岡市)、ネット配信番組「みのもんたのよるバズ!」出演(午後9時・テレビ朝日。「朝ズバ!」ではなく「よるバズ!」です)。
 23日日曜日は「時事放談」出演(午前6時・TBS系列・収録)、「ビートたけしのTVタックル」出演(正午・テレビ朝日系列・収録)、鳥取市立鳥取東中学校国会見学(午後3時・国会内)という比較的余裕のある日程で、有り難いことです。
 24日午後11時15分からのテレビ朝日系列「橋下×羽鳥の番組」にも出演予定です。
 
 毎年のことですが、4月・5月の連休前後は、国会見学のシーズンでもあります。私たちが中学生の頃はバスで京阪神方面に行くのが定番でしたが、今は飛行機で東京というのが主流のようです。世の中随分と変わったのですね。
 初当選以来、できるだけ事務所のスタッフや国会職員に任せることなく自分で挨拶するように心がけています。私自身政治家の家に育ちましたが、父親以外の国会議員を直に見ることは極めて稀でした。中学生たちが国会の仕組みや役割、日本や地域の課題などを直接議員本人から聞くことには、政治を身近に感じる観点からも意味があることと思っています。
 
 都心は風の強い日が多かった1週間でした。4月も下旬、皆様お元気でお過ごしくださいませ。
 

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2017年4月18日 (火)

イシバチャンネル第七十四弾

 事務局です。イシバチャンネル第七十四弾をアップロードしました。北朝鮮問題、テロ等準備罪法案など。


74弾 part1


74弾part2

ぜひご覧ください。

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2017年4月14日 (金)

朝鮮半島情勢、東浜駅など

 石破 茂 です。
 朝鮮半島情勢がにわかに緊迫の度を高めています。懲罰的・報復的抑止力が十分に機能しない、想像を絶する独裁体制の国相手なのですから、予想もしない展開となることを覚悟しなくてはなりませんし、想像力の限りを尽くしてあらゆる事態に対応できる体制を構築しておくことが政府の国民に対する責任です。
 ミサイル防衛の実効性向上、在外邦人退避、日本国内におけるテロ対応、武装難民を含むかもしれない流入難民対策等々、法律・装備・人員・運用すべての面にわたって可能な限りの手立てを尽くすことは当然です。
 あらゆる事態を想定し、心配して心配して対応を考え、結果として「ああ何もなくてよかった」と言えることが危機管理の基本であることを改めて痛感しています。

 イオンの岡田元也社長が取扱商品の値下げにあたって「デフレ脱却はイリュージョン(幻想)だった」と述べています。私は必ずしもそうは思いませんが、物価上昇それ自体を政策目標に掲げることにはある程度の違和感があることもまた事実であり、むしろ賃金の上昇を政策目標に掲げるべきではないかと思っています。社会主義国ではないので政府が命じて賃金が上がるものでもありませんし、政府・与党として経済界に賃金の上昇を要請し、それなりの成果は得ていますが、可処分所得の増大、生産性の向上のための諸政策こそが重要であると考えます。

 12日水曜日、2時間だけ地元に帰り、6月17日より運行を開始するJR西日本のクルーズトレイン「トワイライトエキスプレス瑞風」の停車駅となる山陰本線東浜駅のリニューアルオープンと旧保育園を改装したレストラン「アルマーレ(イタリア語で海浜の意)」のお披露目に参加してまいりました。
 サプライズの形で城崎方面から「瑞風」の車両が入ってきて、出席した人は大喜びでしたし、帰京の飛行機の時間が迫っていたので試食会には参加は出来ませんでしたが、イタリア製の石窯を使って新鮮な海山の幸を焼き上げるイタリアンレストランも、日本海の絶景を臨む最高のロケーションと相俟ってとても期待が出来そうに思いました。
 東浜駅は、私にとっての鉄道の原風景の一つであり、幼稚園児から高校生まで、ひと夏を過ごしたこの地域がとても賑やかだった往時が偲ばれて、感慨深いものがありました。一昨年だったか、交通新聞社から依頼されて小型時刻表に載せた雑文の末尾の文章は東浜駅での思い出を記したものです。

 先週もお知らせしましたが、8日土曜日に岐阜県飛騨市で行われた「おくひだ1号」の復活運転と日本ロストライン協議会の設立総会は期待以上に素晴らしいものでした。あいにくの空模様にもかかわらず、のべ5千人を超える参加者が集まり、10年ぶりに列車が走るという感動を共有しました。尽力されたNP0法人神岡・街づくりネットワークの鈴木進悟理事長や都竹飛騨市長をはじめとする皆様に心より敬意を表します。

 明日15日に久しぶりの新著となる「日本列島創生論 地方は国家の希望なり」(新潮新書)が発売になります。2年間の地方創生担当大臣在任中に感じた思いを記したものです。マスコミは「政治の師と仰ぐ田中角栄元首相の『日本列島改造論』にあやかった題名の本を出版することにより総裁選の支持拡大を狙ったもの」というような、相変わらず政局に絡めた取り上げ方しかしていませんが、大臣を退任した際、在任中に学んだことや新たになった自分の考えを明らかにし、世の批判を仰ぐのも政治に携わる者の大切な務めだと思っています。
 自著のことで誠に恐縮ですが、お目をお通し頂ければ幸いです。

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 週末から週明けにかけては、15日土曜日に自民党とちぎ未来塾第8期開講式で講演(正午・ホテルニューイタヤ・栃木県宇都宮市)、自民党愛知県連日進市支部にて講演(午後5時半・日清市民会館)、日進市支部の方々との夕食懇談会(午後6時・日進市内)。
 16日日曜日は自民党鳥取県連常任総務会(午前11時・鳥取県連)、平成29年さつき会(後援会女性部)春の懇親会(午後1時・ホテルニューオータニ鳥取)ならびに鳥取市商工会合併10周年記念講演会(午後4時・同)にて講演、どんどろけの会(勝手連的支援団体)主催「政治生活30年を祝う会」(午後6時・ホテルモナーク鳥取)。
 17日月曜日は「大竹まことゴールデンラジオ」出演(午後2時25分・文化放送)、自民党茨城県連県政懇談パーティ(午後6時・水戸プラザホテル)、という日程です。
 花冷えが続いていた都心にもようやく暖かさが戻ってきました。
 皆様お元気でお過ごしくださいませ。

追記

 今年がJR発足30年ということもあり、最近鉄道に関する取材を多く受けますが、本文で書きました小型時刻表(交通新聞社刊)に載せた雑文は以下のとおりです。
              
 わが思い出の列車
 
 この原稿の依頼を受けた時、真っ先に頭に浮かんだのはかつて山陰線のクイーンであった「特急まつかぜ」と「特急出雲」であった。昭和40年5月号の時刻表を見ると、山陰線を走る特急は「まつかぜ」のみで(浜田・新大阪間の「特急やくも」の運行は同年10月から)、京都・博多間13時間余のロングラン、食堂車を含む堂々13両編成の颯爽たる姿はまさしく「特別な急行」であり、我々子供たちにとっての憧れの存在であった。その姿を見るだけでとても幸せな気持ちになったものだし、数年に一度、乗る機会を得た時は天にも昇る心地であった。
 山陰と東京を直通で結ぶ唯一の列車であった「出雲」は昭和47年春のダイヤ改正で急行から特急に格上げされた。九州路線からの転用ではあったものの、あの優美な20系車両が鳥取駅に滑り込んできたのを見た時、山陰線に本当にブルートレインが走ることがにわかには信じられなかった。あの時の驚きと感動を私は今も忘れない。その年高校進学で上京したものの、東京の雰囲気にどうしても馴染めず故郷が懐かしくてたまらなくなった時、東京駅の東海道線ホームに昇って発車前の「出雲」から聞こえてくる山陰・鳥取の言葉に懸命に耳を傾けたものだった。「ふるさとの訛りなつかし停車場の人ごみの中にそを聴きにゆく」、啄木の歌をまさしく地で行く心境であった。
 昭和61年、衆院議員になって以来、ブルートレイン「出雲」には、平成18年3月のダイヤ改正で廃止されるまで、恐らく最低月に4往復8回、総計1000回以上は乗ったと思う。時には4晩連続で乗ることもあったが、それが少しも苦にならなかった。あの10時間余りの「自分だけの時間」にどれほど救われたことか。好きな本や必要な資料を読み、好みの酒や肴を飲みかつ食し、ウォークマンや個室寝台備え付けのVHS再生機(両者とも今は絶滅状態)で音楽や映画を楽しむひとときは私にとって至福で珠玉の時間であった。「出雲」車中での気分転換がなければ、衆院議員を続けることは出来なかったかもしれないし、今の自分もなかったかもしれない。
 時は流れ、「まつかぜ」は鳥取・益田間を結ぶ「スーパーまつかぜ」として、「出雲」は伯備線経由の「サンライズ出雲」としてその名を残して運行されているが、機能性重視のビジネス列車の性格が強い。私にとっての鉄道は単なる「移動」ではなく非日常性をその本質とする「旅」なのだが、両者とも早くて快適ではあるものの、残念ながらかつての風格や旅情はほとんど感じられない。
 抜けるような青空が拡がり、夏草が生い茂り、蝉の大合唱が聞こえる山陰線の鄙びた無人駅。通過待ちをするSL牽引の普通列車。ホームに降りて待つ私たち子供の前を轟音と共に通過する特急「まつかぜ」。過ぎ去った後にはただ蝉の鳴き声だけが聞こえている・・・あれから半世紀近く。夏が巡ってくるたびにふと思い出されるこの光景が私にとっての鉄道の原風景なのである。


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2017年4月 7日 (金)

北朝鮮ミサイル発射など

 石破 茂 です。
 初の道徳教科書の検定において、東京書籍の小学一年生用教科書にある「にちようびのさんぽみち」と題する読み物に登場する「パン屋さん」が「我が国や郷土の文化と生活に親しみ、愛着を持つという点が足りない」との指摘を受けて「和菓子屋さん」に差し替えられたことが報じられています。なんで和菓子屋さんなら良くてパン屋さんが駄目なのか、どうにも理解が出来ません。
 検定に携わる委員や文科官僚たちがなんらかの意向を「忖度」したのか、彼ら自身もそのような考えを持っているのか不明ですが、違和感を禁じ得ません。戦時中に英語を敵性語として排除し、野球のストライクを「よし」、ボールを「駄目」と言い換えていたことを連想してしまうのは私だけでしょうか。

 東京都議会議員選挙を6月に控え、自民党としては各政策集団(派閥)に対応を指示するなど、党本部として主体的に取り組む体制のようです。まずは各派閥としてそれぞれの所属議員がいる選挙区における都議選候補者の必勝を期すのが順序というものであり、我々水月会としても4人の所属メンバーがいる選挙区での対応を考えたいと思います。
 4年前、幹事長として携わった際も党本部として可能な限り取り組み、民主党に対する大逆風もあって候補者全員当選という成果を得ましたが、今回は昨年の都知事選での敗北に加え、公明党との連携が困難との事情もあって状況が相当に異なります。選挙は追い風でない時にこそ真価が問われるのであり、任期中どれだけ地道な活動をしてきたかが重要です。

 「テロ等準備罪」の審議が昨日から始まりました。
 どうも論点がうまく噛みあっていないような気がしてならないのですが、重大テロから国民を守るとともに、その権利が不当に侵害されないために、捜査機関の恣意を排除し、「何が犯罪となり、何がならないのか」を明確にする罪刑法定主義が機能することを説明するのが最も重要であると考えますし、これこそが民主主義国家における立法府が果たすべき責任です。

 今週もまた北朝鮮によるミサイル発射がありました。北の体制は間もなく崩壊する、と20年以上も前から言われているにも関わらず依然として磐石なのは、皮肉なことに制裁を中途半端に強化するほどに指導者の権威が高まるからだ、とかねてから私は思っています。
 苦しくなるほど「党委員長様の恩寵」の価値は増し、「我々の生活が苦しいのは、米国をはじめとする諸外国が制裁を科しているからであり、制裁をやめさせるためには核とミサイルの開発が必要だ」との身勝手かつ倒錯した理屈がまかり通ることになります。制裁が中途半端なのは北朝鮮を緩衝地帯として維持したい中国の思惑と、民生用と称する物資の移動に抜け穴があるからであり、ここを突き詰めて議論しない限り解はありません。
朝鮮戦争はいまだ、国連軍(実質的には米国)・北朝鮮・中国の間で成立した休戦協定による「停戦状態」なのであって、戦争自体が終結しているわけではありませんし、米国と同盟関係を結んだ我が国も、北朝鮮から見れば明確な敵国として位置づけられているはずです。このリアルな認識を我々日本国民は持つ必要がありますし、それを説明するのが政府・与党の責任です。

 週末から週明けにかけては、8日土曜日が東京大学宇宙線研究所神岡宇宙素粒子研究施設見学(午前11時半・同所・岐阜県飛騨市神岡町)、飛騨市関係者との昼食会(午後1時・同町内)、旧神岡鉄道「おくひだ1号」走行イベント(午後2時・奥飛騨温泉口駅前)、「飛騨市ロストラインフェスティバルin神岡」で講演(午後4時・同町内・同)。
 9日日曜日は、益城復興市場屋台村訪問(午前10時20分・熊本県益城町)、原田五ヶ瀬町長・関係の方々との昼食会(正午・五ヶ瀬町町民センター・宮崎県五ヶ瀬町)、地方創生講演会にて講演(午後1時・同)、政策集団「水月会」宮崎セミナーにて講演・懇親会(午後5時・宮崎観光ホテル・宮崎県宮崎市)、宮崎経済界・宮崎大学の方々との懇談会(午後7時半・同)。
 10日月曜日は宮崎大学地域資源創成学部生との意見交換会(午前9時・宮崎大学)、産学・地域連携センター教員との意見交換会(午前10時半・同)、池ノ上学長・吉田学部長・学生との昼食懇談会(正午・同)という日程です。
 岐阜県神岡町で開催される、保存されていたディーゼルカー「おくひだ1号」が廃線である旧神岡鉄道を10年ぶりに走るという信じられないようなイベントには、鉄道ファンの一人としてワクワクするような思いで参加します。大学における地方創生への取り組みも着実に全国に拡がっており、とても嬉しく思っています。
 
 都心の桜も満開となりましたが、今週いっぱいで見ごろは終わってしまうようです。桜が散る時期には、「ささやかなこの人生」(唄 風 作詞・作曲 伊勢昭三 1976年)が一番似合うように思います。もう40年も前の作品ですが、今も旧さを感じさせない名曲です。
 皆様ご健勝にてお過ごしくださいませ。

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