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2017年6月30日 (金)

各所応援など

 石破 茂 です。
 東京都議会選挙も今日、明日の二日間を残すのみとなりました。
 昨日は千代田区と八丈島、今日は葛飾区、国分寺市、小平市、西東京市、大田区、足立区、北区を廻り、明日の最終日を迎えます。
 あらかじめ告知された街頭演説会場や箱モノでの演説会にはそれなりの数の方々に集まっていただけるのですが、選挙カーに同乗してみると、通行人や対向車の方々の反応は前回全勝した四年前と比べて相当に厳しいと言わざるを得ません。
 都民ファーストに八年前の民主党のような高い支持があるとは感じられないのですが、政策面というより自民党に対する反感のようなものが底流にあるように思われます。その意味では八年前とも四年前とも全く異なる選挙であり、開けてみなければわからないというのが正直なところですが、今更あれこれ言っても始まりません。与えられたミッションを誠心誠意こなす他はないと考えております。

 都議会議員選挙の結果にもよるのでしょうが、選挙後は憲法改正に関する議論が再開されます。今回は詳述する暇(いとま)がありませんが、幹事長時代に森本敏元防衛大臣、西修教授との鼎談を収録した「国防軍とは何か」(幻冬舎ルネッサンス新書)が発刊されています。本のテーマの性格上あまり売れませんでしたが、防衛実務や憲法に精通された方々との議論はとても有意義なものでした。御一読いただければ幸いです。
 
 週末は7月1日土曜日が「激論!クロスファイア」出演(午前10時・BS朝日・収録)、加藤こうじ都議会議員候補応援(午前10時・三鷹市下連雀3-45-15、選挙事務所前から各所選挙カー移動)、鈴木隆道候補応援街頭演説(午前12時・中目黒駅前)、宮本光明富山県議会議員後援会時局講演会にて講演、その後の懇親会(午後4時・八尾コミュニティセンター・富山市八尾町)。
 7月2日日曜日は「長野すけなりの政界キーパーソンに聞く」出演(午前8時45分・ラジオ日本系列・収録)、年に一度の大規模集会である「どうする日本2017(中部会場)」(午前10時・JA鳥取中央本所)、鳥取県隊友会定時総会(午後12時45分・鳥取市内)、鳥取県看護連盟定期総会(午後1時10分・同)、「どうする日本2017(東部会場)」(午後1時半・とりぎん文化会館梨花ホール)、JA鳥取県中央会・JA鳥取いなば・JA鳥取中央幹部との懇談会(午後3時半・鳥取市内)、という日程です。
 明日から7月、早いものです。今年は西日本・東日本の梅雨明けが早いとも予想されています。皆様ご健勝にてお過ごしくださいませ。

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東京都議選の応援の様子です(その5)

 事務局です。
本日(6/30)、東京都議選の応援で各所にお伺いしました。


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足立区・ほっち易隆候補の応援の様子です。


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北区・高木けい候補の応援の様子です。

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東京都議選の応援の様子です(その4)

 事務局です。
本日(6/30)、東京都議選の応援で各所にお伺いしました。

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葛飾区・舟坂ちかお候補の応援の様子です。


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北多摩第二・たかすぎ健一候補の応援で国分寺市にお伺いした時の様子です。


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小平市・高橋のぶひろ候補の応援の様子です。


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西東京市・山田忠昭候補の応援の様子です。


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大田区・神林茂候補の応援の様子です。

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2017年6月27日 (火)

東京都議選の応援の様子です(その3)

 事務局です。
本日(6/27)、東京都議選の応援で各所にお伺いしました。

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北多摩第三・栗山よしゆき候補の応援で調布市にお伺いした時の様子です。


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三鷹市・加藤こうじ候補の応援の様子です。

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東京都議選の応援の様子です(その2)

 事務局です。
6/24(土)、東京都議選の応援で各所にお伺いしました。

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中央区・石島ひでき候補の応援の様子です。


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墨田区・川松真一朗候補の応援の様子です。


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足立区・ほっち易隆候補の応援の様子です。


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豊島区・堀こうどう候補の応援の様子です。


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大田区・鈴木あきまさ候補の応援の様子です。


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2017年6月23日 (金)

東京都議会議員選挙など

 石破 茂 です。
 都議会議員選挙が告示となり、7月1日まで都内各地で選挙戦が展開されます。
 公認候補が全員当選した4年前の前回とは異なり、自民党に対する風当たりは相当に厳しいのですが、このような時にこそ政党や候補者の真価が問われます。地方でも都市部でも選挙の基本は同じであって、任期中どれほどキメ細かな活動をしたかが全てです。
 選挙は告示された時には既に終わっている、とは我々が先輩から戒めとして厳しく教えられてきたことですが、そうは言っても告示後に動く票によって当落が左右されることは当然あります。
 選挙期間中、選挙カーのマイクはウグイスさん任せにせずなるべく自分で持つ、地名は字名まで(都市部では○○町○丁目)まで細かく言う、街頭演説ではその演説場所のご当地ネタを必ずいくつか入れる、握手する時は相手の目線より下から相手の目を見て両手でしっかりと、選挙運動を始める時はスタッフの誰より早く開始地点に行き、夜の個人演説会の最終会場が終わったら後片付けを手伝い、帰宅前に必ず選挙事務所に立ち寄って一日の労を労う、なども候補者の心得のイロハであり、これだけでも票は随分と違ってきます。候補者が誰よりも努力し、辛くて苦しい思いをしなければ誰もついてこない、というのも先輩から教わったことです。
 
 学生時代、東京都狛江(こまえ)市に住んでいたことがあるのですが、共産党の市会議員が雨の日も風の日も毎朝市内の各駅で街頭演説をしていました。演説内容には全く賛同できなかったものの、その熱意と努力には感服したことでしたが、彼はその後全国でも数少ない共産党籍の市長となり、なんと四期も務めました。選挙は努力した者が勝つ、という当たり前の真理を決して忘れてはなりません。

 私の言い方が不十分であったのでしょうが、獣医学部の新設について、内閣として四つの条件を提示して厳しいハードルを設け、既得権を守って、実際には新設出来ないようにしたのでは全くありません。産業用動物を扱う公務員獣医や農業共済獣医が足りないのは事実ですが、それは獣医の数自体が足りないせいなのか、産業用動物獣医の処遇が低いせいなのかをまず明らかにしなくてはならないということです。仮に後者だとすれば、獣医の供給数を増やしてもあまり有効な解決策にはならないからです。

 今週週刊誌で報じられた自民党女性議員の件は、党の教育以前の、人間性の問題でしょう。上の立場の人には平身低頭、下の立場の人には厳しく当たるという人はどこにでも居るもので、何も政治の世界に限ったことではありませんが、秘書諸兄姉などのスタッフが定着しない事務所は議員そのものに問題があるのでは、ということは永田町ではよく聞く話です。
 随分昔、まだ中選挙区制の頃ですが、選挙の当落予想は衆議院公用車のドライバー諸氏のものが一番当たるという話を聞いたことがあります。議員の表と裏の顔を一番知りうる立場におられるのであり、さもありなんと思ったことでした。秘密保持を求められる世界においてそのようなことが実際にあったのか真偽のほどは不明で、一種の都市伝説的なものなのでしょうが、自分自身よく自戒しなくてはなりません。

 21日水曜日に第9条をテーマとした憲法改正推進本部の全体会合があり、約100人の衆参議員(それでも所属議員の約四分の一)が参加したのですが、久々に自民党らしい闊達な議論が交わされ、当初の一時間の予定が二時間近くに及びました。
 かつて自民党ではこれが日常の光景であり、当選期数に関わらず自分の意見を述べ、議員各々の資質もそこで明らかになりました。議論に敗れると悔しくてさらに勉強を重ね、次の機会ではより精緻な議論を展開することが楽しみでもありました。
 自衛隊出身の若い議員が「自衛隊が違憲であるという議論が存在することは自衛隊員に失礼である、という理由だけで憲法に自衛隊を書き加えるなどということをせず、もっと本質を語るべきだ」と発言したことも、総裁に近い立場とされる議員が「交戦権の否認だけはどうしても削るべきだ」と述べたことも、とても印象的でした。
 今後の議論の展開は全く不明ですし、「参議院の合区問題をテーマとすることで石破の取り込みを図る」(党幹部の発言、報道による)、などという話を聞くと歎息したくもなりますが、少しだけ明るい気持ちになりました。
 この件について、本日(6月23日)付産経新聞「正論」欄の佐瀬昌盛・防大名誉教授の論考はまさしくその通りと思いました。

 本日は夕刻に稲城市(小磯明候補)と町田市(吉原修候補)で都議会議員選挙応援演説。
 24日土曜日は中央区(石島ひでき候補・午後1時・月島勝どき東京タワーズ)、墨田区(川松真一朗候補・午後2時・錦糸町駅北口ロータリー)、足立区(ほっち易隆候補・午後3時・北千住駅西口)、豊島区(堀こうどう候補・午後4時・池袋駅西口)、大田区(鈴木あきまさ候補・午後5時半・大森駅東口ロータリー)でそれぞれ街頭演説。
 25日日曜日は「時事放談」出演(午前6時・TBS系列・収録)、北海道立北海道更別農業高校訪問・意見交換(午前9時半・川西郡更別村)、平成28年台風災害復旧状況視察(午前11時・帯広市中島町)、賃貸住宅経営者政治連盟北海道支部役員との懇談会(午前11時40分・グランヴィリオホテル・中川郡幕別町)、自民党衆議院北海道第11区支部役員との昼食会(正午・同)、自民党衆議院北海道第11区支部(支部長・中川郁子代議士)政経セミナーにて講演(午後1時・同)という日程です。

 来週土曜日からはもう7月なのですね。皆様お元気でお過ごしくださいませ。

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東京都議選の応援の様子です

 事務局です。
本日、東京都議選の応援で各所にお伺いしました。


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港区・きたしろ勝彦候補の応援の様子です。

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南多摩・こいそ明候補の応援の様子です。

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町田市・よしわら修候補の応援の様子です。

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2017年6月22日 (木)

イシバチャンネル第七十五弾

 事務局です。イシバチャンネル第七十五弾をアップロードしました。鳥取について、などです。

PART1

PART2

PART3


ぜひご覧ください。

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2017年6月16日 (金)

国会会期末、高知県の集落活動など

 石破 茂 です。
 国会会期末となり、野党は内閣不信任案や閣僚の問責決議案の提出などにより深夜早朝まで最後の抵抗を試みましたが、国民の共感は広がることなく、政府・与党のペースで事は進み、本日で事実上会期を閉じることとなりました。
 国家戦略特区の意義を国民にご理解いただくためにも、「政府・与党は国会を早期に閉じて逃げ切りを図ろうとしている」と言われないよう、更なる努力が必要です。

 しかし一方、このような状況の中で何故野党への支持が全く広がらないのかについて、野党諸氏は猛省すべきです。野党が党内抗争などやっている場合ではありませんし、委員会の質問も、論点を拡散させることなく緻密に行わなければ何の成果も挙げられません。政権担当能力のある健全な野党が存在し、政権交代の可能性が確保されることが政党政治においては必要なのであり、これが無ければ政治に緊張感など生まれません。

 ところで、獣医学部の新設を認めず、獣医の需給を市場原理に委ねないのは、医師や薬剤師と同様、その養成に(結果的、間接的に)多額の公費が投入されており、資格を有している者が過剰となって、その資格を生かした職に就けない状況が生じれば納税者の利益に反する、という理由もあるのではないか、と先日ある方から指摘を受け、一理あると思ったことでした。

 今週開催された自民党憲法改正推進本部において、保岡興治本部長が「憲法改正に当たって現行の憲法解釈は1ミリたりとも動かさない」旨発言されました。
 今から四半世紀以上前の政治改革運動の頃より、保岡本部長の政治に対する真摯な姿勢には変わらない畏敬の念を抱いています。しかしながらこのご発言については、それが現下の我が国が置かれている激変する安全保障環境にいかなる影響を与えるのかなどを明確にして頂かなくてはならないのではないかと思いました。
 安倍総裁は5月3日に発したメッセージで「憲法第9条第1項第2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込むという考え方が国民的な議論に値する」と述べられただけのはずです。

 14日水曜日、日本外国特派員協会における講演後の質疑応答で、「憲法改正より、経済政策や社会保障政策など、優先する課題があるのではないか」との質問がありました。限られた期間内に政治が注げるエネルギーには自ずから限界があるのであって、その優先順位を定めることもまた政権党の重要な責務です。
 もしも「現状追認型・戦後体制固定型の加憲的憲法改正」に過ぎないのであるならば、その優先順位はそれほど高いと私には思われません。それはまた、論理整合性に無理があるのみならず、今後の防衛政策の展開に対するリスクも相当に高いと言わざるを得ません。

 「優先順位」といえば、産経新聞論説委員である河合雅司氏の最新刊「未来の年表 人口減少日本でこれから起こること」(講談社現代新書)は是非お読みいただきたい好著です。
 2020年には女性の半数が50歳を超え、2024年には全国民の3人に1人が65歳以上になり、2027年には輸血用血液が不足し、2033年には3戸に1戸が空き家になる…というのは、このままいけば間もなく確実に我が国に起こる事態であって、このことを直視し、解決策を提示しなくてはなりません。お時間の無い方は、同書末尾の「日本を救う10の処方箋」だけでもお読みくださいませ。
 河合編集委員はこの中で、
「少子化は国家を根底から揺るがす『静かなる有事』だ。その対策は『国家の固い決意』のもとに行うものであり、それがゆえに税財源で取り組むのが王道である。政府はすべての国の事業に優先して予算を確保し、財源が足りなければ無駄な支出を削減したり、国の別の事業を縮小したりしてでも行うべきだ」
「歴代政権は財源不足を理由に中途半端な対策を繰り返してきた。いつ実現するかわからない消費税増税を当て込み、『消費税率が上がらないからできない』と、やらないための言い訳材料のように語り、国債発行や保険料の上乗せという姑息な手段によって財源確保を図ろうとしている」(以上同書192ページ~193ページ)
とした上で、「社会保障循環制度」を提案しておられます。この制度についてはまだ十分に理解、咀嚼できておりませんので、更に研究したいと思っています。

 11日日曜日の高知県土佐町における集落活動センター「いしはらの里」見学、その後の高知県集落支援センター連絡協議会での講演は、私にとりましても多くの示唆を受けた貴重な体験となりました。
 「この集落はどんなに頑張っても残らないかもしれない。しかし何もしないままでいいのか。小さな集落が守れないで、何故国を守ることができるのか」との地域住民の方の言葉には、心からの感動を覚えた次第です。
 「やりっぱなしの行政、頼りっぱなしの民間、全然無関心の市民」(秋田市在住の漫画家・こばやしたけしさんの言葉)が三位一体となれば地方創生は必ず失敗するのですが、高知県各地における取組は、これと全く逆の発想と手法からなる果敢な挑戦です。
 尾崎正直知事の先見性とリーダーシップ、これに共鳴し、実行する県議・職員や市町村長・議員・職員各位、そして各集落の皆様に深く敬意を表します。

 週末は、17日土曜日が内藤兵衛兵庫県会議員県政報告会で講演(午後2時半・西脇ロイヤルホテル・兵庫県西脇市西脇)、北浜みどり兵庫県会議員後援会で講演(午後5時・ANAクラウンプラザホテル・兵庫県神戸市中央区北野町)、兵庫県知事選挙井戸敏三候補応援集会で挨拶(午後7時・兵庫県民会館・神戸市中央区下山手通)という日程です。
 18日日曜日は、体調管理、まだ目を通していない文献の読了、書類整理などに充てたいと思います。

 週半ばには涼しい日もありましたが、木曜日からは暑さの戻った都心でした。
 皆様ご健勝にてお過ごしくださいませ。  

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2017年6月 9日 (金)

憲法改正試案など

 石破 茂 です。
 愛媛県今治市の国家戦略特区に指定された加計学園の獣医学部新設についての議論が続いています。
 「従来の岩盤規制にドリルで穴を開けるものであり、誰も私のドリルから逃れることは出来ない」と安倍総理がその意気込みを語る国家戦略特区なのですから、加計学園についても、その意義が世の中に広く理解されなくてはなりません。これを説明し、国民に納得していただくことが政府の責任であり、「何かやましいところがあるのではないか」などと言われることは国家戦略特区制度の今後の進展のためにもなりません。
 獣医学部・学科の新設は52年間行われてきませんでした。それにはそれなりの理由があったのでしょうが、「既得権を守る岩盤規制」であるとの批判もありました。
 さればこそ「(感染症や生物化学兵器に対する対策など)従来にはない新たなニーズが生じている」「新設を希望する法人にはこれらに対応するに足る教育内容と教授陣・教育施設が用意されている」「全国に16校ある既存の国公立・私立の獣医学部・学科ではこれらに対応できない」「獣医の需要と供給に配慮し(ペットの獣医は充足されているのに対し産業用動物の獣医は著しく不足しているが、これは産業用動物の獣医の処遇が低いことが原因と思われる)、(一部の地域のみが利益を受けるのではなく)全国的見地から必要と認められる」という4つの条件をクリアすれば、大学設置審議会においても開学が認可されるべきものでしょうし(ただ大学設置に関してはそれ以外の一般的な条件もあります)、逆もまた然りです。
 この問題は、何時までも引きずるべきものではありません。政府の明確な対応が望まれる所以です。

 自民党憲法改正推進本部の陣容が強化され、私も顧問として幹部会に出席することとなりました。改正項目を絞り込み、発議案を遅くとも年内を目途に作成する方針が保岡本部長より示されました。そうであるなら、この議論はよほど濃密かつ丁寧に進めなくてはなりませんし、党所属の全議員に発言の機会が保障されなくてはならないと思います。
 第九条の改正については、既に読売新聞(2004年)と産経新聞(2013年)から改正試案が発表されており、これらは両社の社論ともいうべきものなのでしょうから、起草された方々から意見を伺うことは極めて有益なことと思います。現行憲法第9条関係のものを見てみると、次のようにあります。

【読売新聞 憲法改正試案】
第11条(戦争の否認、大量破壊兵器の禁止)
(1) 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
(2) 日本国民は、非人道的な無差別大量破壊兵器が世界から廃絶されることを希求し、自らはこのような兵器を製造及び保有せず、また、使用しない。

第12条(自衛のための軍隊、文民統制、参加強制の否定)
(1) 日本国は、自らの平和と独立を守り、その安全を保つため、自衛のための軍隊を持つことができる。
(2) 前項の軍隊の最高指揮監督権は、内閣総理大臣に属する。
(3) 国民は、第一項の軍隊に参加を強制されない。

第13条(理念)
 日本国は、地球上から、軍事的紛争、国際テロリズム、自然災害、環境破壊、特定地域での経済的欠乏及び地域的な無秩序によって生じる人類の惨禍が除去されることを希求する。

第14条(国際活動への参加)
 前条の理念に基づき、日本国は、確立された国際機構の活動、その他の国際の平和と安全の維持及び回復並びに人道的支援のための国際的な共同活動に、積極的に協力する。必要な場合には、公務員を派遣し、軍隊の一部を国会の承認を得て協力させることができる。

第15条(国際法規の遵守)
 日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守する。

【産経新聞 「国民の憲法」要綱】
第15条(国際平和の希求)
 日本国は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国が締結した条約および確立された国際法規に従って、国際紛争の平和的解決に努める。

第16条(軍の保持、最高指揮権)
 国と独立と安全を守り、国民を保護するとともに、国際平和に寄与するため、軍を保持する。
2 軍の最高指揮権は、内閣総理大臣が行使する。軍に対する政治の優位は確保されなければならない。
3 軍の構成および編成は、法津でこれ定める。

 ニュアンスの違いはあるものの、どちらも「交戦権否認の削除」「国の独立を守るための軍の保持」「条約と確立された国際法規に基づく軍の行動」「総理大臣の最高指揮権の保持」という点においては共通しています。
 起案したメンバーはおそらく従来の伝統的憲法学者ではなく、国際法や防衛に通暁した、現実を直視する方々と思われますが、まともに考えれば、おおむねこのような結論に到達するのではないでしょうか。
 読売の担当記者諸兄姉はまずこれを理解すべきでしょうし、産経新聞も同様です。

 「第3項加憲」という発想は、日本政策研究センターの伊藤哲夫代表が最近の講演の中で「あくまでも目指すのは欠落部の補充であり、3項加憲という奥の手がある」と述べられていることと軌を一にすると思われます。
 「第1項はもちろん、第2項も残します。解釈も一切変えません。自衛隊の存在だけを憲法に書き加えるのだから異論はないでしょう?」ということなのでしょうし、これなら国民も賛成するであろうとの意図かと考えますが、国際環境が激変する今こそ、第9条自体が内包する矛盾を解決すべき時であるのに、わざわざこれを憲法上固定化してしまうという考えのように思われ、私には現在のところ理解できません。

 私もかつては憲法について突き詰めて考えることはなく、漠然と第9条は改正すべきであると考えていた程度に過ぎませんでした。考えが変わったのは、佐瀬昌盛先生(元防衛大教授)や故・小室直樹博士、色摩力夫先生(元駐チリ大使)の一連の著作を読んでからのことで、事の重大性に気付かされるとともに、自分の考えの足らなかったことを深く反省したことでした。
 色摩先生は最新刊「日本の死活問題 国際法・国連・軍隊の真実」(グッドブックス刊)の中でこの問題を簡明に論じておられます。ご一読をお願い致します。

 週末は、10日土曜日が自民党鳥取県連青年局・女性局平成29年度合同大会(午後2時・倉吉シティホテル)、日本柔道整復師会鳥取大会開会式・懇親会(午後7時・ホテルモナーク鳥取)。
 11日日曜日は集落活動センター「いしはらの里」見学(12時半・高知県土佐郡土佐町)、高知県集落活動センター連絡協議会で講演・懇親会(午後3時・三翠園・高知市鷹匠町)、という日程です。
 入っている日程自体は少ないのですが、移動距離や時間が矢鱈と長いようです。

 六月も半ばとなりました。30日は1年の折り返しの行事である夏越の祓の日です。このような日本の風習は大事にしたいと思います。
 皆様お元気でお過ごしくださいませ。

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2017年6月 2日 (金)

国家戦略特区追記など

 石破 茂 です。
 加計学園の今治市への獣医学部新設問題について、少し追記します。
 前回の本欄において、平成27年6月30日閣議決定の「日本再興戦略」改訂2015において示された4条件を転記しました。
 つまり政府としては、、
①感染症対策や生物化学兵器に対する対応などの「新たなニーズ」が明らかであること。
②それが現在存在する国公立・私立の獣医学部や獣医学科では対応が困難であること。
③特区として開設を希望し、提案する主体が「このようにして従来の獣医学科とは異なる教育を行う」というカリキュラム内容や、それを行うに相応しい教授陣などの陣容を具体的に示すこと。
④現在不足が深刻化している牛や馬、豚などの「産業用動物」の治療に従事する獣医の供給の改善に資すること。
以上4点について判断すればよいわけです。
 ①は主に厚生労働省が、②と③は文部科学省が、④は農林水産省がそれぞれの専門的知見から当事者の主張を聞いて意見を述べ、これらをもとに国家戦略特区認定に権限を有する内閣府が、その責任において判断したことなのでしょう。これらについて適正に行われたという説明を、具体的な根拠の提示と共に果たせばよいだけのことです。国家戦略特区は一部の地域のみの利益に資するのではなく、全国的にその利益が及ばなくてはならないのですから、これも当然検証されているものと考えられます。

 現時点では愛媛県今治市への設置が国家戦略特区として認められた段階にしか過ぎず、現在、文部科学省が大学設置審議会にこの開学について諮問中であり、最終的には審議会からの答申を受けて文部科学大臣が判断することになります。
 いわゆる忖度があったとか、なかったとか、前川氏が事務次官を辞めた後に政府の対応を批判するとはけしからんとか、ましてや出会い系バーに行っていたなどということは、重要ではあっても事の本質そのものではありません。竹下亘自民党国対委員長が前川氏の証人喚問について「政治の本質とかかわりがない」と述べたことはそういう意味だと私は理解しています。

 一昨日、若狭勝衆議院議員が自民党に離党届を提出し、水月会を退会致しました。検事出身らしく、正義感に富んだ、法律家としても優れた人であるだけに、とても残念です。
 テロ等準備罪の成立後も、その運用には細心の注意が必要ですし、この法律だけでテロ対策が完璧なわけではなく、今後更なる立法も必要になるのかもしれません。もっと彼の知見を自民党の中で生かしてほしかったと切に思います。
 政治家の行動や決断は、その政治信条、実現したい政策・法律、所属する党の姿勢、選挙区の事情などが複雑に絡み合っており、当然すべての方のご理解を得られるものではありません。しかし、若狭議員が私利私欲や打算を主たる行動原理として動いていないことは確かであり、今後とも政治家として、人として語らいは続けていきたいと思っております。

 週末は、6月3日土曜日が日本青年会議所中国地区鳥取ブロック協議会「鳥取をよくするシンポジウム」でパネルディスカッションと質疑応答(午前10時・夢みなとタワー・鳥取県境港市)、小里泰弘衆議院議員「地方創生を語る国政報告会」で講演とその後の懇親会(午後6時・ホテルオートリ・鹿児島県薩摩川内市)。
 6月4日日曜日は陸上自衛隊部隊新設予定地視察(午前10時40分・鹿児島県奄美市名瀬大熊)、奄美市関係者との昼食懇談会(正午・ホテルビッグマリン奄美)、政策集団水月会鹿児島セミナー第Ⅰ部にて講演(午後6時・城山観光ホテル・鹿児島市)、第2部懇親会(午後7時・同)という日程です。

 今週の都心は真夏のような天候が続きました。皆様ご健勝にてお過ごしくださいませ。

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