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2017年8月25日 (金)

長島忠美先生ご逝去など

 石破 茂 です。
 去る18日、長島忠美衆議院議員(新潟5区選出・元山古志村村長・元復興副大臣)が急逝されました。享年66、数日前の早朝に議員宿舎の食堂で言葉を交わしたばかりでした。あまりに早い突然のご逝去を悼み、心より御霊の安らかならんことをお祈り申し上げます。
 我々が野にあるとき発生した東日本大震災の際、自民党復興本部の中枢として、山古志村での震災に対応された時の経験を活かして素晴らしい働きをしてくださいました。復興特別委員会で質問に立たれた先生は、菅直人総理に「仮設住宅を建設する時の留意点は何か?」と問いかけ、通り一遍の答えしかしない総理に対して「これから暑くなるまでに仮設住宅のすべてが完成するわけではない。避難所の冷房も今から準備しなくては間に合わない。避難所周辺の生活道路に砂利を敷いては絶対に駄目だ。車椅子のお年寄りにあれほど辛いものはない」と具体的に諄々と説かれた時のお姿が印象に強く残っています。この方が自民党に居られて本当に良かった、と当時政調会長であった私は思ったことでした。越後人らしく、寡黙な中にも実直で、誠実で、行動でその思いを体現された方でした。残念でなりません。

 自民党東京都連の新会長選びを「総裁派閥細田派と非主流派石破派の代理戦争」と報ずる向きも多くありますが、相変わらずそのような政局的見方しか出来ない報道をとても残念に思います。
 都議選における惨敗をどのように総括し、何を改めるべきなのかという視点を欠いてはなりません。単なる面子や好き嫌いや利害にとらわれて都民の利益や党の将来を見失ったとき、今度こそ主権者たる都民の鉄槌が下ることを我々は肝に銘ずるべきだと強く思います。誰が選ばれるにせよ、透明性が高く、多くの人が参加する有意義な議論を経て、正しい選択が行われることを切に願います。

 30年度予算の概算要求時期となり、各省からの要求事項の説明、農林水産や防衛をはじめとする自民党の調査会や部会の幹部会、平場(ひらば)の全体会合などの日程が目白押しなのに加え、本日はこれより茨城県知事選挙に立候補している新人、大井川和彦候補応援の街頭演説のため下妻市、桜川市へ参ります。
 明日は大阪府下6か所、来週も北海道や宮崎県での講演や演説が予定されており、その準備もしなくてはならないため、落ちついて物事を考えたり記したりする時間が取れません。前回に引き続いて言い訳ばかりで恐縮ですが、何卒ご容赦くださいませ。

 26日土曜日は、岡下昌平衆議院議員の勉強会で講演(午前11時・ホテルゴーラリージェンシー堺・大阪府堺市堺区)、鳥取県ファンの集いin関西(午後1時・リーガロイヤルホテル大阪)、自民党大阪府連「なにわ塾」で講演、自民党大阪14区支部街頭演説会(午後5時・羽曳野市古市駅前、午後5時半・柏原市河内国分駅東口、午後6時・柏原駅西ロータリー)、という日程です。

 夏風邪がなかなか治らず、体調不良がずっと続いています。皆様におかれましては、どうかご自愛の上ご健勝にてお過ごしくださいませ。

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大井川かずひこ候補の応援の様子です。


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2017年8月10日 (木)

お初盆参りなど

 石破 茂 です。

 この週末は、先週末に引き続いて、地元のお初盆のお宅に伺う予定にしております。
 先週末は鳥取県地方も最高気温が38度という酷暑で、夕方になっても少しも涼しくならず、あちこちの夏祭りのはしごはなかなかに辛かったのですが、久方ぶりの地元の方々との語らいは、やはりとても楽しいものでした。SPさんも県警の警備も付かないカジュアルな雰囲気の中で、じっくりと地元の方々のお話を聞ける機会も多く、とても有難く思いました。
 そんな中で、多くの方々が我々自民党の政治姿勢に対してかなりの違和感を抱いておられることも強く感じました。これを等閑視することなく、政治に反映させ、よりよい自民党をつくらねばなりません。「野に遺賢なし」と言いますが、「野に多くの賢あり」なのだと思ったことでした。

 意見がきちんと述べられることはどの組織にとっても大変重要なことなのですが、メディアのあり方にも今、大きな疑問が投げかけられているのだと思います。いわゆる既存権力の側も細心の注意を払わなければならない一方で、メディアの側も誰に何を伝えなければならないかを常に自問して取材し報道してほしいと思わざるを得ません。

 今週触れた本の中で、「軍法会議のない『軍隊』」(霞信彦著・慶應義塾大学出版会)は、この分野では今まであまり纏まった論考がなかっただけに、とても有益なものだと思いました。感情論に流されない記述はとても示唆に富んでいます。「戦争の大問題」(丹羽宇一郎著・東洋経済新報社)も、是非ともお盆の間に読了したく思っております。

 18日の本欄の更新は、当日朝より茨城県知事選挙の応援(午前9時より坂東市内)や、大阪での関西テレビ出演などがありますため、お休みとさせて頂きますが、何卒ご容赦くださいませ。

 11日金曜日(山の日)に「深層ニュース」(午後10時・BS日テレ・収録)、18日金曜日に「みんなのニュース 報道ランナー」(午後4時半・関西テレビ)、19日土曜日に「胸いっぱいサミット2時間スペシャル」(正午・関西テレビ)、20日日曜日に「時事放談」(午前6時・TBS系列・収録)に出演予定です。

 各地で酷暑が続くようです。皆様、お元気でお過ごしくださいませ。


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「深層ニュース」の収録の様子です。


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2017年8月 4日 (金)

内閣人事局制度など

 石破 茂 です。
 内閣改造・党役員人事も終わり、永田町には悲喜こもごもの中にもつかの間の静けさが訪れています。
 今回の人事を巡って新聞各紙が様々な形でその背景や意図を報じていますが、何が真実なのかは知る由もありません。国家国民のための人事であったと思いますし、昨日の会見や総務会での安倍総裁の言葉通り、自民党が政権に復帰した時の原点に立ち返り、国民の期待や厳しい眼に応えられるよう、一層努力しなくてはなりません。

 福田康夫元総理が共同通信のインタビューに応じられ、内閣人事局の運用について「各省庁の中堅以上の幹部は皆、官邸の顔色を見て仕事をしている。恥ずかしく、国家の破滅に近づいている」「政治家が人事をやってはいけない」「自民党が潰れるときは役所も一緒に潰れる」と厳しく批判しておられます。
 実際のご発言すべてが報じられているわけではないと思いますが、あの冷静沈着・公平公正な福田元総理がここまで言われるのはよほどのことだと思います(福田康夫元総理についてはイシバチャンネルの最新号で私なりの思いを述べています)。

 各省幹部約600人の人事を取り仕切る内閣人事局制度は「縦割り人事の弊害を一掃する」との理由から、自民党が政権復帰した後の安倍内閣で2014年5月にスタートしたものです。
 この構想は福田政権下で当時の渡辺喜美担当大臣が強力に推し進め、各省の大臣室を廻ってその必要性を説いておられたのですが、当時防衛大臣であった私は「そうなると幹部職員は大臣より官邸の方を見て仕事をするようになり、大臣の権限が行き届かなくなるおそれがある。対象となるすべての人を人事局が多方面から公正に評価することも困難で、人事局に気に入られたいばかりに甘言を弄する者も出てくる結果となるのではないか」と難色を示した記憶があります。

 どんな制度も人間がつくる以上完璧なものはありませんが、今回の内閣改造にあわせて、内閣人事局長は政治家ではなく事務の官房副長官が務めることとなりました。改善に向けた第一歩であると思いますが、己の利益を超えて国家のために正論を唱えた者が不当に処遇されることのないよう、また既に退官した者も活躍できるような方策はないのか、さらに改善できるといいと思います。

 週末は、5日土曜日に倉吉打吹まつり、鳥取市鹿野町夏祭り、八頭町観光協会ぷらっとフェスタ、八頭町市場地区納涼祭などの催しに顔を出す他は、例年通り、お初盆を迎えられるお宅を廻る予定にしております。長くお世話になっていながらお通夜にもご葬儀にも伺えなかった方も多く、そのお詫びも兼ねて誠心誠意お参りしたいと思っております。

 今週末の都心は最高気温が30度を下回る比較的しのぎやすい日々でした。齢を重ねたせいか、浦富海岸の民宿に10日あまり泊まって朝から夕方まで海水浴に興じていた子供の頃や、漱石や鴎外の全集をひたすら読んだり、法律サークルの夏合宿で法律論議に明けくれていた学生時代の夏の日々がたまらなく懐かしく思い出されます。

 皆様ご健勝にてお過ごしくださいませ。

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