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2017年11月27日 (月)

イシバチャンネル第七十九弾「あまてらす鉄道」 など

 事務局です。イシバチャンネル第七十九弾をアップロードしました。「あまてらす鉄道」 などです。


ぜひご覧ください

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2017年11月25日 (土)

学園祭講演など

 石破 茂 です。
 今週も、出張や講演の多い一週間でした。解散前に設定されていた日程が多く、本会議や委員会出席との調整がなかなか困難です。
 学園祭シーズンで、今年もいくつかの大学で講演する機会があったのですが、前々回にも記したとおり、国家の独立とは何か、国家主権とは何かについて語っても「そのような話は初めて聞いた」との反応が多く、やがてこれらについて考えたこともない世代ばかりになることを思うと暗澹たる気持ちにもさせられます。大切なものの価値を認識しなければ、やがてそれを失うことになることの恐怖を感じています。

 23日勤労感謝の日に「出川哲郎のアイ・アム・スタディ」なる番組の収録で人気タレントの出川氏と「ミサイル防衛と日本の安全保障」というテーマでご一緒したのですが、短時間でわかりやすく、かつ正確に解説することの難しさを改めて思い知らされました。
 「北朝鮮が米国や日本を攻撃することには何のメリットも合理性もない、それほど心配する必要はない」との論を唱える専門家もおられますが、メリットや合理性の有無で考えられるのなら歴史上の戦争の大半は避けられたはずであり、このような論には与し得ません。

 ここのところ世の中は日馬富士の事件でもちきりのようです。選挙区の鳥取市で起きた事件でもあり、人並みの関心は持っているのですが、どうにも不可解至極でよくわかりません。まず相撲協会において真相が解明されるべきだとのご意見も多いようですが、れっきとした傷害事件であるとするなら警察の手に委ねるべきなのではないのでしょうか。歴史と伝統のある世界だけに、牢固たるしきたりや庇い合いの文化が存在しているということもありうるのでしょう。貴乃花親方がそれに挑戦されることにも、大変な困難があるようです。

 週末は、25日土曜日が社会福祉法人関連団体集会にて講演(午後5時・福島市)。
 26日日曜日が「時事放談」出演(午前6時・TBS系列・収録)、立正大学熊谷キャンパス開設50周年記念講座で講演(午後1時半・熊谷キャンパスアカデミックキューブA101教室・熊谷市万吉)、夕刻は27日月曜日に仁川で開催される「次世代のグローバルガバナンスと北東アジア協力」フォーラム出席のため成田から訪韓します。月曜日午後には帰国の予定です。

 皆様良い週末をお過ごしくださいませ。

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2017年11月17日 (金)

自民党憲法改正推進本部の再開など

 石破 茂 です。
 
 小池百合子都知事が希望の党代表を辞して都知事に専念することを表明したことは、極めて当然のことと思います。首都東京の知事と国政政党の代表という二つの激職を兼ねることはいかな超人であってもまず不可能なのであって、結局どちらも中途半端に終わりかねないことでした。

 しかし、民進党という、憲法観も政治に対する価値観も大きく隔たった人々が一つの党を構成しているという状況が解消されたことは、日本政治にとって一つの前進であったように私は評価しています。
 かつて同盟系の労働組合を支持母体として存在していた民社党は、憲法観や安全保障観において自民党よりも優れた面が多々ありましたし、西尾末広氏や春日一幸氏らの所論には大いに共鳴したものでした。
 希望の党の前途はまだまだ多難と思われますが、「働く人の幸せを第一に考える」「健全な国家観に基づき現実的な外交・安全保障政策を採る」という路線を貫いて、旧民社党のように自民党に良い刺激を与える党になって貰いたいと思います。

 昨日、自民党憲法改正推進本部が再開され、第9条、緊急事態条項、教育無償化、合区解消に向けての議論が行われています。昨16日の会合では合区解消について概ね一致を見ましたが、衆・参両院の役割の見直しについての議論は先送りの形となりました。
 そもそも昨年の参議院選挙の際に、合区などという手法を採ったこと自体が間違いだったとの思いが拭えない中、憲法上規定されている「法の下の平等」を超える憲法理論を見出すためには、この議論は避けて通れないように思われます。私自身は、衆議院を「権力を創る院」、参議院を「権力を監視する院」として位置づけ、機能を分化するべきだと考えています。
 もっともこの議論を始めると、自民党対各党、各党内部でも衆議院対参議院、都市対地方、参議院内部でも選挙区選出議員対比例区選出議員等々、様々な思惑や利害が交錯し、果てしない応酬が繰り返されて全く結論が得られないことは必定で、残念ながらとても実現可能性があるとは思えません。

 私は決して一院制論者ではありませんが、議院内閣制の下で二院制を採る以上、ほとんど同じ権能を持った院が二つ存在することは二院制の妙味を欠くもので、三権分立の観点からも、行政権力から独立した第二院の存在が必要であり、そのためにも第一院との権限の分担・調整が必要と考えています。
 類似した選挙制度と権能を持つ院の選挙が毎年のように繰り返されることは、国政の安定性から考えても決して好ましいものではありません。

 今週も「地方創生と我が国の安全保障」と題する講演が多い一週間でした。
 毎回構成はほとんど一緒なのですが、聴衆の方々の反応を見ながら少しずつリニューアルするように心がけています。毎回新たな気付きや出会いがあり、とても有り難く思っていますが、「こんな話は初めて聞いた」との反応が多いことに前途遼遠の感を深くしてもおります。

 13日月曜日に開催させて頂いた「囲む会」には多くの皆様にご参加頂き、誠に有り難うございました。おかげさまで盛会裡に終えることが出来、心より感謝申し上げます。何かと不行き届きの点はどうかご容赦くださいませ。

 週末は、18日土曜日が平成29年度自衛隊音楽まつり(午前10時・日本武道館)、鳥取県立八頭高等学校翠陵会(正午・都内)、成蹊大学文化祭「欅祭」政治学研究会で講演(午後2時・成蹊大学8号館・武蔵野市吉祥寺)、第3回Japan fisherman‘s festival 2017(午後5時・日比谷公園)、伊藤病院創立80周年記念祝賀会(午後6時・都内)、テレビ朝日AbemaTV「みのもんたのよるバズ!」出演(午後八時・テレビ朝日けやき坂スタジオ)という日程です。
 自衛隊音楽まつりに行くのは本当に久しぶりですが、音楽隊員諸官の自衛官としての矜持に満ちた壮大華麗なステージにはいつも感動させられます。自衛隊に関心のおありでない方々にも是非一度ご覧頂きたいステージです。

 街には早くもクリスマスのイルミネーションが輝き、クリスマスソングが流れています。この間まで夏だったのに…まだひと月以上もあるのに…と思ってしまいますが、クリスマス商戦に向けて雰囲気を盛り上げるためなのでしょうね。焦燥感ばかりが募ります。
 皆様良い週末をお過ごしくださいませ。

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2017年11月10日 (金)

法政大学学園祭講演など

 石破 茂 です。
 トランプ大統領訪日や総理外遊のため、国会は事実上開かれない1週間でした。
 トランプ氏訪日の詳細な内容は知る由もありませんが、北朝鮮の核開発とミサイル技術の進捗状況、拡大抑止の実効性向上策、ミサイルディフェンスの信頼性向上などについて認識の共有がなされたものと信じます。物事全てにおいてリスクがあるのは当然であり、これをどこまで国民に伝えるかは難しい判断です。可能な限りの論説には目を通しているつもりですが、識者によって見方が大きく異なっており、やや困惑気味です。
 「同盟とは、共に戦うことはあっても決して運命を共にはしないものである」(シャルル・ドゴール)、「同盟とは、相手国の戦争に巻き込まれる恐怖と、相手国に見捨てられる恐怖の相克の間でマネジメントされるものである」(マイケル・マンデンバーム)、という教訓が思い起こされます。

 さる5日、法政大学学園祭で「安全保障と地方創生」をテーマに講演する機会があり、現役学生、OB、社会人諸兄姉多くにご来会頂いたのですが、「国家主権とは何か」「国家の独立とは何か」「軍隊と警察の相違は何か」などについて、「そんな話は初めて聞いた」という方が大多数でした。
 小学校から大学まで「国民主権」については嫌と言うほど教わるのですが(故・田中美知太郎先生は「日本に本当の意味での国民主権など存在しない」と著書「市民と国家」の中で述べておられますが)、「国家主権」について教わったことは全く無く、従って国の独立も、軍隊と警察との任務の相違についても、意識の片隅にもないという方がほとんどなのが現実です。かく言う私も一応法律学科を卒業しているのですが、この意識を持ったのは議員になってからしばらく経った頃でした。
 「自民党の大勝により、憲法改正の議論が加速する」との見方が報道でなされていますが、基本中の基本について正確な知識と意見を多くの議員が有して議論に臨んでもらいたいと切に願っております。集団的自衛権と憲法の議論も、まさに国家の独立そのものに関わることです。

 国会の論戦が開始されるに当たり、質問時間の配分を巡って与野党間にかなりの意見の隔たりがあるようです。法案にせよ、予算案にせよ、国会に提出される案件についてはそのほとんどが与党の事前審査・承認を要するのが慣例であり、与野党の質疑時間が議席数に純粋に比例すべきものだとは思いません。また、野党の質問に丁寧に答えることによって政府・与党案の正当性を世に知らしめる大きな効果が得られるものと考えます。
 もちろん「与野党比1対9」などと言うのは譲りすぎですが、野党にひたすら誠実に正確に答弁することによって、野党の揚げ足取り的な質問も減少するように思うのは私だけなのでしょうか。質問の価値は単なる時間の長さだけではなく、質問時間と内容との積によって決まるものです。

 週末は、11日土曜日が自民党岐阜県連主催「ぎふ未来塾」で講演(午後1時・自民党岐阜県連・岐阜市藪田)。
 12日日曜日は「衆議院議員赤沢りょうせい君を囲む会」(午前11時・皆生グランドホテル・鳥取県米子市)、自民党関金町支部「石破代議士を囲む国政報告会」(午後1時半・関金町文化センター・倉吉市関金町大鳥居)、自民党三朝町支部小鹿地区「石破代議士を支援する会」(午後3時・バンビセンター・三朝町高橋)、自民党賀露支部総会(午後5時半・賀露神社会館・鳥取市賀露町)、という日程です。

 比較的小春日和の多い都心の1週間でした。皆様お元気でお過ごしくださいませ。

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2017年11月 2日 (木)

改めて憲法改正論議など

 石破 茂 です。
 総選挙も終わり、自民党の憲法改正推進本部も陣容を新たにして再スタートします。検討すべきテーマを再度ひととおり洗い出して、優先順位を定めるべきと考えます。

 当欄をお読みくださっている皆様も、この度の総選挙にあたり、前回の総選挙後に任命された最高裁判所裁判官の国民審査に投票されたことと思いますが、その際にどれほどの方が最高裁裁判官の名前や判決の時の行動をご存じでしたでしょうか?
 最高裁裁判官は内閣の任命によるもので、時の政府の恣意による任命が行われる可能性を排除できないことから、国民審査が置かれているというのが憲法制定時の想定です。この国民審査は、国民の公務員選定・罷免権(憲法第15条)から派生したものとされますが、国際的にもあまり例を見ない制度です。
 もしこの国民審査が形骸化し、十分に機能していないとすれば、憲法改正論議においては、三権分立の観点からも、何らかの形で国会が関与するシステムも考えてしかるべきだと思っております。
 なお、国会に設けられている裁判官弾劾裁判所は、裁判官の罷免事由を「職務上の義務に著しく違反し、又は職務を甚だしく怠ったとき」「裁判官としての威信を著しく失うべき非行があったとき」に限定しており、裁判官の判決内容の当否などは罷免事由となりませんし、弾劾裁判所は国会とは別の独立した常設機関であって国会の機関ではないとされています。

 前回若干提起したところですが、第9条の関連として、「軍」と言う言葉を忌避するあまり、今までほとんど取り上げてこられなかった「政軍関係」という論点があります。
 我が国においては国家行政組織法上、実力(軍事)組織たる防衛省・自衛隊が警察と同様に行政機構にそのまま組み込まれているため、法理的に「文民統制」という概念が生じる余地が無いようになっていますが、これは国際的にはかなり異様な形態です。
 民主主義国家においては、軍事組織に対して、司法・立法・行政の各機能からそれぞれ統制がなされるのが本来あるべき姿なのですが、我が国においては、軍事組織が「行政」であるため、その他の統制機能が特別に設けられていません。その結果、①有事における軍事組織と一般社会とでは法の適用が全く異なるのにもかかわらず「軍事裁判所」が設けられていない、②自衛官(いわゆる制服組)は国会において一切の説明も答弁もしない、③防衛分野に必ずしも通暁していない者が大臣に就き、作戦(運用・軍令)まで握ることがままある、などという現象が起きますが、決して望ましいこととは思えません。
 この政軍関係論から考えれば、戦前の統帥権独立が日本の失敗を招いた、というよりはむしろ、陸海軍大臣の補任資格が「現役の陸海軍大将・中将」であったため、軍の意に沿わない内閣には大臣を出さないことにより、軍が政治に対して多大の影響力を行使できたことの方が、影響は大きかったように思われます。
 自衛隊を憲法上位置づけるにあたっては、交戦権否認の削除のみならず、文民統制を憲法上に定め、政治と自衛隊の関係を明確にする必要があると考えます。

 自民党の憲法改正草案においては、財政の健全化も新しく盛り込まれています。
 異次元の金融緩和により円安が起こり、外国人投資家がお買い得となった日本の株を買い、株価が上昇するのは自然の成り行きですが、日銀が民間銀行の保有している国債を買い、日銀にある民間銀行の当座預金口座に資金を供給することには自ずと限界があり、地方創生や規制緩和によって潜在的な成長力を最大限に引き出すとともに、医療を主体とする社会保障改革は避けては通れません。経済政策は情緒論に堕することなく、すべて数字を基に議論されるべきです。

 このように論点は多岐にわたるのであって、徒に時間をかけるべきではありませんが、憲法改正発議を主導する立場にある自民党においては、新人も含めて党所属議員が論点を正確に理解し、明確な意識を持って論議に臨むべきものと考えます。

 週末は、3日金曜日・文化の日が北海道グラウンドワークフォーラム講演会にて講演・関係の方々との懇談会・夕食会(午後1時半~・札幌プリンスホテル)。
 4日土曜日は(株)セコマ釧路配送センター見学(午前9時20分・釧路市)、猛禽類医学研究所見学(午前10時半・同)、北海道グラウンドワークin釧路にて講演(午後1時・釧路プリンスホテル)、釧路コールマイン(株)見学(午後4時・釧路市興津)、関係の方々との夕食懇談会(午後6時・釧路市内)。
 5日日曜日は、太平洋石炭販売輸送釧路臨港鉄道石炭列車見学(午後4時・釧路市春採)、法政大学自主法政祭・志雄会主催講演会にて講演(午後3時・法政大学市ヶ谷キャンパス)、という日程です。

 カレンダーもあと二枚となってしまいました。ここから年末・お正月まではあっという間です。例年のことながら焦燥感のみが募ります。皆様、ご健勝にてお過ごしくださいませ。

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