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2018年5月25日 (金)

米朝首脳会談中止など

 石破 茂 です。
 米朝首脳会談が中止となりました。そもそも突如として実現の運びとなった時から懐疑的であった私としては、ああ、やっぱりという思いです。北朝鮮の主張する「朝鮮半島の非核化」とアメリカの主張する「北朝鮮の非核化」は全く異なるのであって、接点を見出すのは相当に困難です。北朝鮮の背後にある中国やロシアの思惑にも強い警戒感を抱いたのでしょう。
 トランプ大統領が「米国本土まで到達するICBMの廃棄」を北朝鮮に約束させることをもって「米国の安全確保にとって大きな成果が得られた」として合意を見るような事態は、我が国の安全保障にとっては悪夢以外の何物でもなかったのであり、振り出しに戻って現状が維持される方が日本にとってはまだましだと思う他はありません。この間にミサイル防衛体制の拡充やシェルターの整備など、拒否的抑止力の向上に努めることが急務です。

 日大のアメリカンフットボール選手の関西学院大との試合中の行為が大きな社会問題となっていますが、当事者の主張も食い違い、疑惑を持たれている側の説明が全く説明になっておらず、記者会見を開いた日大側の取り仕切りも大きく常識と外れていると言わざるを得ません。
 言を左右にして逃れようとする日大前監督の姿も見苦しく思われますし、記者の質問を遮ろうとする日大の広報担当者の姿勢には、真実を伝えようとする誠意の欠片も感じられません。自校の選手が勇気を奮って会見したのに、それに正面から応えないのは、教育に携わる者としてあるまじきことでしょう。
 劣化は随所において見られます。「世の中は所詮こんなものだ」という諦めが蔓延してしまうのが一番恐ろしい。日本国の在り方に最も重い責任を負う国政の責任は極めて大きくかつ重いことを痛感します。

 素朴な疑問として、財務事務次官と国税庁長官の不在には速やかに対処すべきものなのではないか、と思います。財務省の事務方と国税の両トップが不在という異常な事態に対応するためにこそ、内閣人事局の存在もあるのではないでしょうか。内閣人事局本来の役割をぜひとも発揮してもらいたいと願わずにはいられません。

 昨24日、本会議終了後に、高知市で開催された日本左官業組合連合会定時総会後の懇親会に左官業振興議員連盟会長として出席し、全国の左官業の皆様と懇談する機会を得ました。
 左官さんの数はピークの十分の一に激減してしまっているのですが、この技術なくして姫路城の修復もユニバーサルスタジオジャパンのホグワーツ城の建築もありえなかったのであり、何とか振興を図りたいと強く思っております。すべて国産の珪藻土で賄い、シックハウスのアレルギーもなく、調湿、抗菌、消臭、防・遮・吸音の効果も高い漆喰は、壁紙に比べて工期がかかる、高価である、デザイン性に乏しいなどといった難点もほぼ克服されつつあり、民泊にも活用できる古民家の再生や中古住宅の価値向上など、今後の発展の可能性が大いに期待されます。振興議員連盟として更に努力したいものです。
 余談ですが、国歌「君が代」のさざれ石とは、正式には石灰石礫岩のことで、長い年月を経て、小さな石灰石と石灰石が一つになって巌となる、それは国民一人一人が一致協力し、苔のむす長きにわたるまで、日本国を存続させよう、という思いの象徴なのだそうです。世の中には知らないことが多くあるものだと改めて思わされました。

 週末は、27日日曜日に自民党東京都第25区支部女性部「新緑の集い」にて講演、引き続いての昼食懇談会(午前11時・フォレスト・イン昭和館)、という日程です。
 先週木曜日は全国建築板金業者全国大会で仙台に、昨日は前述のように日本左官業組合連合会大会で高知市に、どちらも振興議員連盟会長として出席しましたが、季節の変わり目で寒暖差が大きかったこともあって移動にやや負担を感じるようになりました。週末は体調回復にも努めたいと思っております。
 皆様、体調にご留意の上、ご健勝にてお過ごしくださいませ。

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2018年5月18日 (金)

西部大志会など

 石破 茂 です。

 米朝会談の行方が不透明になりつつありますが、北朝鮮は最初から一貫して「北朝鮮の非核化」ではなく「朝鮮半島の非核化」を主張しているのであって、手のひらを返したわけでも何でもなく、北朝鮮に対する過度の期待や楽観は禁物です。
 北朝鮮問題は米中関係の従属変数との面があり、その体制がいかに暴虐非道の独裁政権であっても、緩衝地帯として北朝鮮という存在を維持したいと望む中国が鍵を握っていると考えます。
 大統領補佐官を務めるボルトン氏がかつて主導したリビアモデルが北朝鮮に適用可能か、という議論も徹底して行われるべきでしょうが、リビアの場合、非核化は実現したものの、その後カダフィ体制は無残な終焉を迎えたのであり、金正恩氏がやすやすとそれを受け入れるとも思われません。
 現在は休戦状態にしか過ぎない北朝鮮と米国(国連軍)との関係が「平和条約の締結」という事態となれば(その前に米朝の国交回復が前提となるでしょう)、在韓米(国連)軍の駐留はその根拠を失うのであって、その場合に日本の安全保障体制はどのように変わるのか、についても今から念頭において対応方針を模索し、あらゆる事態に対応できるような体制を構築しなくてはなりません。

 一県を代表して総理大臣官邸に赴いた愛媛県の関係者と、総理秘書官とが、面会したかどうかの確認は困難であるとする答弁書が本日閣議決定されたとのことですが、本当にそうなのであれば愛媛県の努力は随分と虚しいものであったということにもなるのでしょう。
 国家戦略特区とは、規制の岩盤に強力なドリルで穴を開け、日本の姿を変えていく総理肝いりの大政策なのに、不思議な感じがしないではありません。官僚の劣化、などとまるで他人事のように言ってはならないのであって、政治の劣化こそがそれを招いたのだという強い反省と自覚が我々には求められるのだと痛感しています。

 16日、我々の青春時代に一世を風靡した歌手、西城秀樹さんが63歳の若さで亡くなりました。
 70年代、女性アイドルにしか関心のなかった私にとっても、その存在感は圧倒的であり、強い光彩を放っていたように記憶しています。
 二度の脳梗塞を、大ヒット曲「傷だらけのローラ」をもう一度ステージで歌いたいという強い意志を持って克服した姿には改めて心底感服します。世の中には立派な人がいるのだ、という思いを強くするとともに、御霊の安らかならんことをお祈りいたします。人生長きが故に尊からず。

 週末は、20日日曜日に「西部大志会」との懇談会(午前9時・米子ワシントンホテルプラザ)、自民党鳥取県支部連合会平成30年度総務会、第63回定期大会、昼食懇談会、記念講演会(午前10時より。同)、という日程です。
 西部大志会は私が鳥取に帰った昭和59年に発足した鳥取県西部の後援会青年組織で、小選挙区制の導入により選挙区ではなくなってからもずっと続けて支援してくださっている、とても有り難い方々です。
 米子市や境港市などの鳥取県西部地区は、私の出身地である東部とは最も遠く、親戚も同級生もおらず、ここを主地盤とする他の自民党現職が圧倒的に強い地域で、政財界人の多くがほとんど相手にしてくれない中、新人の私の活動は困難を極めたのですが、その時に中心となって支えてくださったご恩を終生忘れることはありません。小選挙区へ移行後、疎遠になってしまった方の中にはもうすでに物故された方もおられ、大変申し訳なく思っております。
 最下位でやっと当選した初回(昭和61年7月)、西部でも大幅に得票を伸ばした2回目(平成2年2月)、西部地区のほとんどの市町村でもトップとなった、中選挙区最後となった3回目の選挙(平成5年7月)…お互いにまだ20代から40代であった、随分と昔のことが、妙に懐かしく思い出される今日この頃です。

 早いもので5月も後半に入ります。
 皆様ご健勝にてお過ごしくださいませ。


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2018年5月15日 (火)

大阪串カツの会

事務局です。先日(5/11)、「大阪串カツの会」に参加させて頂きました時の様子です。大阪の皆様、お世話になりありがとうございました。


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2018年5月11日 (金)

「富士山会合」など

 石破 茂 です。
 連休前半の訪米は、自分の考えを整理する良い機会となりました。
 日経「富士山会合」主催の、スタンフォード大学フーバー研究所における長時間にわたるディスカッションも有意義なものでしたし、シュルツ元国務長官(レーガン政権)、ペリー元国防長官(クリントン政権)のお話も示唆に富んだもので、お二人とも90歳を超えているとはとても思えない明晰ぶりでした。
 ご一緒した森本敏先生や田中明彦先生から啓発されたことも多くあり、充実した二日間を過ごすことができたことを有り難く思っております。テーマが多岐にわたったため、拡大抑止の強化や地位協定の改定などの各論に深く話が及ばなかったことは少し残念でしたが、またこのような機会を得たいものだと思ったことでした。

 昨日の衆議員予算委員会における参考人質疑は、やや後味の悪いものでした。
 柳瀬元総理秘書官の「官邸にいると世間の感覚とずれてしまうので、面会希望があった人にはすべて会うようにしていた」「東大元教授が滔々と話していたので、愛媛県や今治市の関係者がいたことは認識していなかった」などとする答弁や、「石破四条件」を何度も口にしたことには相当の違和感を覚えましたし(国家戦略特区として認定する際の四つの条件は、平成27年6月30日に日本再興戦略2015改訂版として閣議決定されたもので、「安倍内閣四条件」と言うべきものです。一人の大臣の意向では閣議決定はできません)、八田国家戦略特区ワーキンググループ座長は国家戦略特区の意義について延々と語って質疑時間を消化してしまうなど、相当の混乱ぶりが見られました。真実を解明する、という安倍総理の意向が実現されるべく、さらなる努力が必要です。

 週末は、12日土曜日に自民党鳥取県第一選挙区支部主催街頭演説会(午前11時・鳥取駅前、午後1時半・倉吉駅前)、自民党鳥取市国府町支部通常総会(正午・交流サロン一の宮)。
 13日日曜日は「激論クロスファイア」出演(午後6時・BS朝日・収録)、「賢者の選択」(午後8時・BS12・収録)という日程となっています。残余の時間は資料読み込みと整理に充てたいと思っております。

 雑誌も含めれば一週間に30冊ほどの本が送られてくるのですが、とても読み切れないままに山と積まれる状態が続いております。読むほどに自分の知識不足を痛感しますし、原典に当たらないで引用などすると正確性を欠くことになりますのでこれを取り寄せたりしていると時間がいくらあっても足りません。
 高校生や大学生の諸君を相手にお話しする際に、読めるときにいろいろな角度からの本を読んでおきなさい、とよく申し上げるのですが、私の本音であり、実感です。
 様々な角度からの情報に触れることなく、自分好みの情報にのみ接し、違う考えを持つ人やメディアにレッテル貼りをして口を極めて論難・罵倒する一部の風潮には空恐ろしいものを感じています。いつから日本の言論空間はこのように歪になってしまったのでしょうか。
 かつての論壇誌「諸君!」(文藝春秋刊・現在は休刊中)のような、静かな中にも深みのある保守の思想を体現する活字媒体を懐かしく思い、その登場がより多くあることを渇望しています。

 木曜日までは肌寒さすら感じられる連休明けの都心の一週間でした。
 皆様、ご健勝にてお過ごしくださいませ。

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