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2018年12月28日 (金)

天皇陛下記者会見など

 石破 茂 です。
 御在位中最後となる天皇誕生日に際して行われた陛下の記者会見は、陛下の大御心が真に迫って伝わる畏れ多くも感動的なものでした。
 全国民統合の象徴であらせられる陛下が伝えようとされたメッセージを、我々国民も立場の相異を越えて厳粛に受け止めなくてはなりません。御代代わりとなる来年、平和への思い、沖縄への思い、被災地に対する思いを一層強くしていかなくてはならないと、痛切に感じたことでした。

 韓国の海上自衛艦に対するレーダー照射事案について、火器管制レーダーの照射が非常に危険な行為であり、非難されるべきものであることは論を俟ちません。韓国政府による原因の究明と再発防止を求めるのは当然のことです。
 一方で、北朝鮮との関連も含め、詳細な分析も必要でしょう。韓国が矛盾に満ちた主張を繰り返す背景には一体何があるのか、韓国政権中枢ではどのような意思決定がなされているのか、以前の中国による海自機や海自艦に対するレーダー照射事案との対比において、よく考えてみる必要があります。

 今週はバラエティー番組の収録が相次ぎました。BS日テレ「深層NEWS 政界鉄ちゃん旅」、日本テレビ「行列のできる法律相談所SP」、読売テレビ「ダウンタウンDX」などですが、放映はすべて来年一月となります。お時間が合えばご覧ください。
 大晦日31日の朝7時からは毎年恒例のフジテレビ「景気満開テレビ」に生出演いたします。
 
 本年一年、皆様には本当にお世話様になりました。
 来たる年が皆様にとって良い年となりますよう心から祈念致します。

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2018年12月21日 (金)

講演と質疑など

 石破 茂 です。
 さる17日の私のパーティには、年末ご多忙の折にも関わらず多くの皆様にご参加を賜り、おかげさまで賑やかな会となりました。決して安くはない会費と貴重なお時間を拠出してくださった方々のお気持ちに背くことの無いよう、厳しい環境の中にあればこそ一層の努力精進をしなくてはならないと思いを新たにしたことでした。
 本当に有り難うございました。

 三月の党大会以来、憲法の議論はいささか停滞気味ですが、今週送られてきた「吉田茂という反省」(阿羅健一氏と杉原誠四郎氏の対談・自由社刊)は今までの憲法改正論とはいささか趣を異にするものです。
 両氏は「新しい歴史教科書をつくる会」に関わってこられた方々で、私は一面識もないのですが、添付されていた挨拶状を読んだ限りでは、結論において私の従来からの主張とほとんど乖離がないように思われます。
 日本の戦後に吉田茂元総理が果たした役割は決定的に重要であり、保守の立場からこれを批判的に論じたものはいままであまり見かけられませんでした。
 憲法第9条改正について、第1・2項をそのままにして新たに第3項で自衛隊の存在のみを書き込み、9条についての考え方は全く変わらないとする案は、従来の保守の立場からは容認しがたいものなのでしょうが、一瞥した限りではこの不満に対する一つの解決策を示しているようにも思われます。
 お正月に暇を見つけて精読してみたいと思っております。

 今週はいわゆる市民団体系の政治フォーラムや講演会に呼ばれる機会が2回ありました。講演の後での質疑応答では挙手される方が相次ぎ、長時間にわたってエキサイティングな議論が続きました。
 小泉内閣で初めて防衛庁長官に就いた時に私は「極右の軍事オタク」と酷評されたものですが、いまや「サヨクの軍事オタク」と一部で揶揄されるに至っています。私自身の主義主張は一貫して変わっていないのですが、世の中の座標軸が大きく動いているのだと思っています。「真の○○」とか「真正○○」などと自称する勢力もここ数年見られますが、何故自分をそう称し、それと異なる主張を「偽の」と断ずることが出来るのか、いささか理解に苦しみます。

 マティス米国国防長官が来年2月にも辞任するとの報道がありました。国務長官、首席補佐官、国防長官などが相次いで辞任するトランプ政権とは一体何なのでしょうか。
 就任当初「狂犬」とも言われた同長官ですが、ブッシュ(子)政権のパウエル国務長官がそうであったように、軍人出身の米国外務・国防担当閣僚は基本的に戦争を回避し、抑制的に行動してきました。後任はまだ不明ですが、来年のトランプ政権への対応は一層難しくなるように思われてなりません。

 週末は、22日土曜日は地元で小林昌司前若桜町長の叙勲祝賀会(若桜町)、さじ地域協議会創立10周年記念大会で地方創生の講演(鳥取市旧佐治村・現佐治町)、ちんたい関係者との懇談会(倉吉市)、JA中央役職員との忘年会(同)、23日(天皇陛下御生誕の日)は滋賀県で開催されるパーティでスピーチの後に民放テレビ番組の収録、25日振替休日は長野県での年末懇親会に行って参ります。
 今上陛下御在位中の御生誕の日はこれが最後となります。この上なく有り難い陛下を頂いたことの素晴らしさをしみじみと感じます。
 
 皆様、年末ご多忙のことと存じます。どうかご健勝にてお過ごしくださいませ。

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2018年12月14日 (金)

高額チケット転売規制法、ユニバーサル社会推進法など

 石破 茂 です。
 臨時国会も閉幕し、補正予算や本予算編成に向けた諸会議が続きます。
 臨時国会においては、先の通常国会で成立させられなかった、高額チケット転売規制法(特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律)、ユニバーサル社会推進法(ユニバーサル社会の実現に向けた諸施策の総合的かつ一体的な推進に関する法律)の二本の法律が議員立法として可決・成立致しました。いずれも私が議員連盟の会長を務めているものですが、実際にご尽力頂いた山下貴司議員、盛山正仁議員をはじめとする皆様に心より感謝申し上げます。
 高額チケット転売問題は数年前から課題となっていたものですが、保護法益は何か、実効性をどのように確保するのか、主務官庁はどこか、などの議論が続き、今日に至りました。「どんなにおカネを払ってもあのコンサートに行きたい!」という思いは、一種「被害者の承諾」にも似たものではないのか、などと当初は思っておりましたが、悪徳業者が儲けるだけで、アーティストにも興行主にも何の利益もなく、社会的不正や青少年の非行の温床にもなってしまっているのが現状で、法施行後に大きな効果が現れることを期待しています。
 ユニバーサル社会の実現は、当選4回の時、衆議院運輸委員長を務めていた時からかかわっているのですが(当時はバリアフリーと言っていました)、国交省、厚労省、総務省、農水省、内閣府など幾多の官庁が関わっているため、「総合的で一体的」な推進が難しいという問題がありました。省庁横断的な会議体を創設し、法律の名称通り、KPIやPDCAが機能するようにしたい、というのが眼目です。実際、ユニバーサル社会の実現状況は各地域や障がいの種類によってかなりのばらつきがあり、今後予想される大災害などにおいてハンディを持った方が極めて厳しいに立場に置かれかねません。
 どちらの法律も、「法律が出来たからこれでよい」ということには当然なりません。議員連盟としても今後の実施状況を注視してまいります。 

 防衛計画の大綱や中期防衛力整備計画も決定を見る運びになりました。高度化・複雑化し激変する安全保障環境、厳しい財政事情、人口急減や少子化による募集環境の悪化など、日本の課題が集約されたような面があります。シェルター整備を含む国民保護の観点やグレーゾーン事態への対応関連の整備など、なお詰めておきたかった課題はいくつか残りましたが、今後国民に向けたより丁寧な説明が何よりも重要であると考えています。

 先週、「分身ロボット」の「オリィ」「オリヒメ」を使って、頚髄損傷やALSなどで障害のある方が自宅に居ながらにして接客をするカフェを日本財団で見学してまいりました。
 報道でご存じの方も多いと思いますが、やがては自分の介護を自分の分身ロボットがしてくれるようなことも実現可能性があるとのことで、障がい者雇用や介護の世界を劇的に変える技術に深い感銘を受けました。

 週末は鳥取二区で来年の統一地方選に向けたいくつかの集会、自民党鳥取県連学生部での講演、地元経済紙の対談企画、どんどろけの会クリスマスパーティなどの日程が入っております。
 寒さが急に増してまいりました。皆様ご健勝にてお過ごしくださいませ。

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2018年12月 7日 (金)

倉知先生、杉根先生のご逝去など

 石破 茂 です。

 去る3日、元愛知県議会議長 元自民党愛知県連会長 倉知俊彦先生が逝去されました。享年87。
 昨晩のお通夜に参列し、拙い弔辞を述べてまいりました。10年近くにわたって公私ともに本当にお世話様になり、悲しくて残念でなりません。真に立派な方、という存在がこの世にはあるのだ、と心から思える方でした。今も喪失感で一杯で、かけがえのない方を喪った悲しみは今後日が経つにつれて強まるように思います。
 今月の私のパーティに出席されることを楽しみに、枕元に案内状をおいておられたと聞き、何とも言えない有り難くも悲しくて残念な思いが致しました。御霊の安らかならんことを切に希います。
 先月には、これも地元で大変にお世話になった元鳥取県会議員(倉吉市選出)杉根修先生が逝去され、先日弔問に行って参りました。革新系でありながら私をとても応援してくださり、ご自宅の応接間や書斎には私のポスターが貼ってあり、入院加療中も私のことをずっと気にかけておられたとご家族から伺いました。
 そのような方々の思いに十分にお応えできないまま今日に至っていることを本当に申し訳なく思うとともに、逆境や苦境に挫けてはならない、と思いを新たにしております。

 国会も会期延長することなく、会期を終えようとしています。多くの皆様よりご指摘、ご叱正を頂いている通り、法案審議や成立の過程において国民の理解が十分に深まっておらず、一体民主主義とは何なのかという思いが広がっていることに、与党の一員として努力不足を痛感しております。9月の総裁選挙において、党員の45%ものご支持を頂いたことの意義を十分に反映できていないとすれば、偏に私の責任です。

 小選挙区制導入に向けた議論の際、「少数意見が反映されない」「党本部や官邸の意向を気にする議員が増えてしまう」などとの反対意見が強力に展開され、小選挙区制推進派の私は「多数派が少数意見を反映しなければ次の選挙で手痛い報いを受けるのだから、反映しないなどということはありえない」「議員は有権者に対してのみ責任を負うのであり、党本部や官邸に意見するのは当然の責務である」などと述べたものですが、現実は必ずしもそうならなかったのかもしれません。
 先日、竹下亘前総務会長が盛岡市の講演で述べたとおり、自民党員の中でも半数近い非支持層があり、野党支持層や無党派層を入れれば大変危機的な状況のはずなのですが、ただでさえ弱い野党がバラバラで潰しあっている限り、自民党内に危機感も緊張感も生まれようがありません。
 国民の間に無力感や無関心、諦め感がじわじわと広がっているとすれば、そのことに慄然とするような恐怖を感じます。与党の中で果たすべき己の責務を思い起こし、自らを鼓舞し、さらに精進努力していかなくてはなりません。

 今週の水月会勉強会では、日本の防災政策の第一人者である河田恵昭 元関西大学教授・京都大学名誉教授の「防災省を創設して国難に備える」と題する、歯に衣着せぬ講演を拝聴しました。
 「日本水没」(朝日新書 2016年)など一連の著作からは多くの示唆を受けています。

 週末は、8日土曜日は年内の諸講演や年末の訪中に向けた準備に充て、9日日曜日は香川県高松市で講演する予定です。
 寒さ厳しき折、皆様ご健勝にてお過ごしくださいませ。

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