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2019年5月31日 (金)

「永田町絵画館」など

 石破 茂 です。

 川崎市登戸で起きた理不尽かつ悲惨極まる殺傷事件のような惨事はどのようにすれば防ぐことが出来るのか、思案に暮れてしまいます。
 自殺した犯人の家庭環境が複雑であったことや、就労せず引きこもり状態にあったことなどが報道され、「疎外感が高まり、歪んだ自己顕示欲があのような形で発現された」と指摘する論者も見られますが、ではどうすればよいのか。学生時代に刑事政策学で習ったロンブローゾやフェリー(19世紀末から20世紀初頭にかけてのイタリアの刑法学者・犯罪学者)の「生来的犯罪人説」や「犯罪者類型論」はすでに過去のものとなりつつありますが、どなたか知見をご教示いただけますと助かります。亡くなられた小山智史さん、栗林華子さんに心より哀悼の誠を捧げます。

 社会風刺コント集団「ザ・ニュースペーパー」のメンバーである福本ヒデさんの新著「永田町絵画館」 がワニブックスより発売されました。有名な西洋画・日本画を題材として永田町の話題人物を風刺化した、近年稀にみる(私見)面白く愉快な作品と思います。中でも、ゴーギャンの「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこに行くのか」をベースに旧民主党の主要メンバーを描いた作品は秀逸の一語に尽きます。私を描いた作品も多く載せられており、光栄なことと思うと共に苦笑を禁じ得ませんでした。風刺画の題材となるのは有り難いことなのでしょう。自分では決してそうは思わないのですが、絵にしやすいキャラクターなのかもしれませんね。

 小学生の頃、親に買ってもらった「スタディ百科事典」(旺文社刊・昭和40年発売。コンパクトな良書でしたが、覚えておられる方は居られますか?)の巻頭にあった世界の名画特集を何度も見て以来、絵画には強い関心を持っており、いつかゆっくりと美術館巡りが出来ることを願っています。

 政府の中にいないので報道でしかわかりませんが、日米首脳間で中台関係や沖縄基地問題、日米地位協定等は話題になったのでしょうか。29日水曜日に日米台関係研究所主催の「日米台安全保障協力の方向性」をテーマとする国際シンポジウムに出席して、改めてこの地域の安全保障について考えさせられたことでした。
 中国が軍拡を続ける意図については諸説ありますが、阿南友亮・東北大学教授の説によれば
 ① 国内の共産党一党支配体制に対する批判を武力で封じ込めるとともに「中華民族の偉大な復興」に取り組む姿を国民にアピールすることに大きく資する。
 ② 米国やその同盟国に対抗する力はないが、周辺国に対する恫喝・牽制・威嚇の手段としては十分有効である。
 ③ 上海を中心とする軍事関連国有企業は共産党の有力な資金源である。
 ④ 米国や日本などの同盟国が中国との強い経済関係を維持しているが故に軍拡は可能となるのであり、経済的共通利益がかえって民主化阻止の大きな力となっている。
ということになり、概ねその通りかと思います(「中国はなぜ軍拡を続けるのか」新潮選書)。
 中国の「経済は資本主義、政治は一党独裁」という体制は構造的矛盾を内包しており、国家運営は困難を極めるものと容易に推測されます。
資本主義は放置すれば富の偏在、格差の拡大、権力と資本の癒着という宿痾を抱え、プロレタリアート独裁の共産主義でこのようなことが起これば、民主主義国のような主権者の手による政権交代という手段がない以上、国民の不満は鬱積するはずです。民衆の不満を抑えるためには、人民解放軍や武装警察による圧力を強化し、言論を統制するだけでは不十分で、国民の経済的利益を実現せねばなりません。
 鄧小平の「先富論」(市場経済の導入により出現する富裕層の存在を容認しつつ、その税負担を重くすることで再配分を図り、社会全体の生活水準の向上と格差是正を実現する)はその目論見とは異なって独裁体制によって裨益する層をブルジョア化させる結果となり、胡耀邦、趙紫陽などの改革派は失脚、矛盾を抱えたまま保守派の江沢民から胡錦涛を経て現在の習近平体制に至っているように思われます。
 民主化し、国民が豊かになった台湾が独立志向を強めることは中国共産党支配の否定に直結するのであって、正邪や勝敗を度外視してでもこれを阻止せねばならないのは、彼らの立場からすれば当然、ということになります。
 等々、論評するのみならず、統計、軍事力の内容、「共産党の軍隊」という他国とは全く異なる性格を持つ人民解放軍の行動原理、運用構想などを可能な限り分析しなくては、この地域における安全保障を確立することは出来ません。

 30日木曜日に開催された自民党憲法改正推進本部の会合では、井上武史関西学院大学教授による講演と質疑が行われました。
 同教授は最近の論説で、
 「自衛隊を国家組織として憲法に登場させれば、憲法にその権限も書かねばならないし、内閣や国会、司法との関係も書き込まねばならなくなる。それは安倍首相が言ってきた『現状を追認する』という範囲を明らかに超えることになり、もはや『現状の自衛隊』ではない」
 「(従来の『必要最小限』ではなく)『(必要な)自衛のための措置』という言葉を用いることは、日本の自衛権や戦力の拡大につながるのではないかという新たな懸念を生む可能性がある」
とされた上で、
 「『今ある自衛隊を書き込むだけです』という為政者の説明が、多くの国民や国会議員にとってとても分かりやすいという点には注意が必要であるが、それが法理論的にいいかどうかは別の問題である」と述べておられます(2018年4月13日・神奈川新聞他)。
 まさしくその通りで、この点についての議論が全く低調なまま、改憲を掲げて国政選挙に臨むことは責任ある政治の姿勢として極めて問題であると考えます。
 井上教授は7条解散についても「条文上の根拠があやふやなままで解散が行われているのはそれこそ立憲主義に反している」(同)とも述べておられます。衆参同時選挙の可能性について今週もあれこれ取り沙汰されましたが、二重の意味で考えさせられたことでした。

 週末は、1日土曜日に富山県砺波市と滋賀県高島市で講演、2日日曜日は大分県竹田市でクアパーク長湯グランドオープン記念式典と地方創生講演会で講演(午後1時・竹田市総合文化ホール)、という日程です。
 早いもので明日からもう6月となるのですね。
 皆様ご健勝にてお過ごしくださいませ。

 

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2019年5月29日 (水)

イシバチャンネル第九十四弾

事務局です。イシバチャンネル第九十四弾をアップロードしました。平成の振り返りその2です。

PART1

PART2

是非ご覧ください

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2019年5月24日 (金)

小選挙区制と中選挙区制など

 石破 茂 です。
 丸山穂高議員の問題は今週もなお尾を引いています。週刊誌に報道された暴言や行動などが仮に事実とすれば、議員以前に社会人としての常識を著しく欠いたものと断ずる他ありませんが、前回も触れたように、社会の指導層(エリート、という語は使いません)たらんとする人材を育てるはずの経済産業省や松下政経塾での教育は一体どのように行われていたのか、疑問に思わざるを得ません。そこに所属する人すべてが優秀、というわけにはなりませんが、どこかの時点で最も基本的な教育が欠落していたのではないでしょうか。

 小選挙区制導入の原点のひとつには、「世襲、高位の官僚、資産家などでなくとも、能力と意欲のある人材を政党が資金と選挙で全面的にバックアップして国会議員にする」ことがありました。私自身、三井銀行で自分より遥かに優秀な同僚や先輩に多く接しましたが、「この人たちは三井銀行で重役になることはあっても議員になることはまずないのに、我々は親の築いた知名度と信用で議員になる道が開けた。これはどこかおかしいのではないか」と思ったものでした(もっとも亡父は「国家を支えているのは議員や官僚ではなく民間人である」とよく口にしておりましたが)。
 世襲を全面的に肯定するつもりは全くありませんが、政治家の倅であったことによって会得したものは多くあります。私の両親は公私の区別に極めて厳格で、父が知事であることを私が少しでも笠に着るようなことがあれば激怒したものでした。幼少の頃、知事公舎に用務で来た県庁職員に私がぞんざいな口をきいたとき、厳寒の戸外に放り出され、泣いて詫びても家に長時間入れてもらえなかったことを今でもよく覚えています。仕事は常に峻烈であり、県民には決して卑屈になることなく真摯に、謙虚に接する。政治に携わる者の在り方の多くは両親から学んだものですが、まだまだその域にはとても達していないことを反省するばかりです。
 小選挙区制度の導入によって、中選挙区制の下では出てこなかった議員が多く登場するようになりました。もちろんその中には優れた人も多くいますが、その優れた人たちは中選挙区制度の下でもいずれは議員となったのかもしれません。中選挙区制は「支持する党を選んだ後、人を選ぶ」という制度でしたが、サービス合戦になって多額の金がかかる、国家の利益よりも地域の利益が優先される等々、短所を強調するあまりに、その長所を看過していたことは否めません。
 小選挙区制下で当選した議員が圧倒的多数となった現在、今回の問題は小、中、両制度を止揚すべく選挙制度をもう一度考え直してみる機会になるように思います。お考えがあればご教示くださいませ。

 今週BS-TBSの番組でご一緒した、比較政治学がご専門の高安健将教授(成蹊大学)の所論からは多くのことを学びました。
 7条解散を明確に憲法違反と断ずることは出来ないが、同条に基づいて衆議院を解散して「国民の声を聞く」からには、国民に対して判断するに足る十分な時間と情報が提供されるべきである、というのは誠にその通りと思いました。解散の意義、国民に判断を仰ぐ争点について国会の予算委員会や本会議で必要な討論がなされ、憲法上解散から投票まで最大40日と定められている期間を最大限に活用するのは、「政権のための解散」ではなく「主権者である国民のための解散」を実現するために必要なことと思います。「解散は総理の専権事項」という常套句を所与のものとして、深く考えてこなかったことを反省しております。

 各種団体の総会シーズンで、振興議員連盟の会長を務める建築板金業や左官業の総会出席のため、先週は高知、今週は京都に行って参りました。高い技能を持ち、現場でひたすら努力しておられる皆様に信頼していただくことは自民党にとって絶対に必要なことと信じます。

 

 週末は、鳥取県人会総会や講演のため、愛知県、鹿児島県に参ります。都心は週半ばから初夏の陽気となりました。
 皆様ご健勝にてお過ごしくださいませ。

 

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2019年5月17日 (金)

丸山議員発言など

 石破 茂 です。
 丸山穂高議員の発言は、「急迫不正の武力攻撃」が発生した時にのみ自衛権の行使としての武力を行使することが出来る、という国際法や自衛隊法の基礎的常識を知らなかったという一点において、ただただ驚き呆れるばかりです。市井の会話において「拉致被害者は自衛隊が取り返すために行動すべきだ」「竹島は武力で奪還せよ」などという勇ましい発言があることは事実ですが、丸山議員は市井の一般人ではありません。このような人が国家公務員として経産省に奉職し、国会議員を務めていたことにも驚きを禁じ得ません。国家公務員は、ただ勉強ができて試験の成績が良い人を採ればよいというものではありません。
 丸山議員の離党の申し出を拒絶して除名処分とした日本維新の会は、同党だけでは決議案の提出に必要な数が足りないため、日頃批判してやまない立憲民主党に衆議院議員辞職勧告決議案の共同提出を要請、これを受けて立憲民主党の議院運営委員会筆頭理事が自民党に共同提出を呼び掛けたと報じられていますが、日本維新の会はまず党の責任において、丸山議員の発言の何処が問題であったのかを明確にし、議員としての基礎的な教育が出来ていなかったことを率直に認めた上で全会派に要請すべきだったと思います。
 結局野党による共同提出となったようですが、丸山議員は辞職勧告決議案が仮に可決されても議員を辞めない旨明言しており、仮に可決されても何ら拘束力のない辞職勧告決議案提出などよりも、むしろ懲罰に値するか否かを検討すべきだったのではないでしょうか。同議員が衆議院議員としての公務としてビザなし渡航をしたのであれば、憲法第58条に規定されている「院内」に当たると解釈することも可能であり(ここに言う院内とは単なる物理的な範囲を指すものではない、とするのが多数説であったと記憶します)、国会法の定める提出期限や、議長の懲罰委員会に対する権限などの諸規定と併せて考える余地があったと思います。議員の発言が不当に制限されることがあってはならず、さればこそ議員は不逮捕特権と共に発言に対する免責特権を与えられているのですが、この点との整合が一番難しいと悩んだことでした。
 一方で、外交青書から「北方領土は日本に帰属する」との表現がなくなり、「ソ連によって不法に占拠されたわが国固有の領土である」との立場を明言しないなどということがあってよいはずがありません。丸山発言も問題ですが、このような姿勢を糺すことも自民党の大きな責務です。

 昨日の水月会勉強会は、伊勢崎賢治東京外国語大学教授をお招きして日米地位協定についての講演を拝聴しました。伊勢崎教授の所論は「主権なき平和国家」(布施祐仁氏との共著・集英社刊)を是非ともお読みいただきたいのですが、憲法、特に第9条の改正にあたってはこのような視点こそ不可欠です。自民党憲法改正推進本部の下村本部長は、党内の政策集団に対して憲法の議論を行うように要請していますが、国政選挙を目前に控えて党内議論の低調振りや会議の運営に強い危惧を覚えています。

 衆参同時選挙の有無や、消費税引き上げ延期についての萩生田幹事長代行の発言が政界に様々な憶測を生んでいます。あれほど経済の好調ぶりや税率引き上げ対策の万全性を喧伝しておきながら今更それはないだろうと考えるのが常識ですが、一方に「選挙は勝てるときにやるものであり、大義名分や理屈は後から貨車でついてくる」とする考えがあることもまた事実です。しかし今までの一連の発言との整合性と共に、消費税率引き上げを見込んで高額な買い物を前倒しした人や、複数税率導入やポイント制、キャッシュレス社会に向けて投資した事業者の立場にはよくよく留意が必要ですし、経済政策や税制も従来型の企業中心型から消費者中心型への転換を真剣に論ずべきです。消費税の今後の在り方についての議論はその一環であり、政府・与党は国民に対する誠実さを決して失ってはなりません。

 週末は自民党鳥取県連大会や公明党の時局講演会に出席のため帰郷いたします。
 皆様ご健勝にてお過ごしくださいませ。

 

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2019年5月10日 (金)

新帝陛下御即位など

 石破 茂 です。
 新帝陛下が即位され、日本は新しい令和の時代を迎えました。新帝陛下、新皇后陛下のもと、日本国が平和で、希望に満ちた国となるように願いますとともに、上皇陛下、上皇后陛下となられた先帝陛下と皇后陛下のご健勝を心より祈念申し上げます。

 平成の時代は、先の戦争を実際に体験された方々がほとんどおられなくなった時代でもありました(もちろん今もお元気な方もいらっしゃいますが)。実質的に「戦後が終わった」時代であったと言えるのかもしれません。
 実際に日中戦争に一兵卒として従軍された田中角栄元総理は「戦争を知っているヤツが世の中の中心である限り日本は安全だ。戦争を知らないヤツが出てきて日本の中核となったとき、怖いなあ」「しかし勉強してもらえばいいやな」と語っておられたそうです。戦争を知らない世代が日本の中核となるのは時の流れとして必然のことではありますが、問題は元総理が後段で述べられた「勉強しているか」という点にこそあります。
 ここ数年、年末年始やゴールデンウィークには、以前NHKで放映された「映像の世紀」をアーカイブスで全編通して観ることを習わしとしているのですが、今回もまた思いを新たにさせられた点が多くありました。新作である「昭和 激動の宰相たち」も秀作でしたし、前回書籍としてご紹介した「日本人はなぜ戦争へと向かったのか」も、2011年に放映されたNHKスペシャルの映像(5回シリーズ)で見てみると新たな感慨を覚えました。
 歴史が「生乾き」状態で、価値観やイデオロギーが対立し、歴史の検証が大きな政治・外交問題に発展する危険性を孕んでいた時代とは異なり、令和となった今こそ我々は歴史を冷静に見つめ直し、徹底的に議論しなくてはなりません。それは過去の過ちを繰り返さないためにも、新しい時代の外交を切り開くためにも、不可欠な礎となるものであり、今が最後の機会と考えます。 

 北朝鮮のここ数日の行動は、それなりに明確なメッセージ性を持ったものです。「飛翔体」とは「高空を(翼で飛ぶ航空機や巡航ミサイルとは異なり)揚力によらずに飛ぶ物体」のことであり、飛行距離や高度とは関わりなく、弾道ミサイルやロケットがこれに該当します。「飛翔体ではあるが弾道ミサイルではない」というカテゴリーは存在せず、トランプ氏の言うように「短距離弾道ミサイル」がその正体なのですが、そう断定的に言ってしまうと国連安保理決議違反となって今までの対話路線を否定してしまうことになるので敢えて「飛翔体」という表現を今日の防衛大臣会見までは使っていたものと思われます。
 一方において総理は先日「私は無条件で金委員長と向き合う」と述べられた後、昨日の内閣委員会で「これは今までの方針をさらに明確に述べたものだ」と説明されたのですが、結局「対話の開始それ自体に条件は付けない」が、「国交正常化には当然条件がある」、ということであるという理解をする他はないのでしょうか。

 改選後の鳥取県議会において、今まで三つの会派に分かれていた自民党県議会議員の一本化が実現する運びとなりました。改選後、自民党鳥取県連会長として、県議会会派一本化の「強いお願い」をしたのですが、その実現は本当に有り難いことでした。今日に至るまでの関係者各位のご努力に心からお礼を申し上げます。

 島根選挙区選出の島田三郎参院議員が8日逝去されました。享年62歳、私と同学年であり、竹下登先生の秘書を務めて居られた頃から存じ上げておりました。あまりに早いご逝去に言葉もありません。御霊の安らかならんことを切にお祈り申し上げます。

 ハーバード大学のスティーブン・レビツキー、ダニエル・ジブラット両教授の共著「民主主義の死に方」(2018年・邦訳は新潮社刊)を読んでみたいと思っていますが、もし既にお読みの方があればご感想をお知らせくださいませ。

 週末は11日土曜日が憲法コクミンテキギロン有志の会にて講演・トークセッション(午後2時・都内)。
 12日日曜日は山陰自動車道 鳥取西道路開通式・祝賀行事(午後1時・鳥取市徳尾)、自民党三朝町支部総会にて講演・懇親会(午後4時・プランナールみささ)という日程です。
 東京都心は初夏の陽気となりました。皆様ご健勝にてお過ごしくださいませ。

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