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2021年11月30日 (火)

イシバチャンネル第百二十弾

イシバチャンネル第百二十弾「衆議院議員総選挙を振り返って」をアップロードしました

「衆議院議員総選挙を振り返って」①


「衆議院議員総選挙を振り返って」②

ぜひご覧ください

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2021年11月26日 (金)

「新しい資本主義実行本部」など

 石破 茂 です。
 自民党の「新しい資本主義実行本部」の初会合が昨日開かれ、今後議論すべき論点についての意見が交わされ、私は以下のような意見を申し述べました。
 第一に、資本主義は人口の増加を含む消費の増大を前提としており、現在1年に約50万人、団塊の世代が現世をリタイアする時期には一年に約100万人減少する我が国の人口減少に歯止めをかける施策は不可欠のはずです。人口の減少には出生数の急減が大きく影響しているのですが、提示された論点にはこの明確な記載がないため、これを論点として明示し、解決策を示す必要があるのではないか。
 第二に、資本主義は金利の存在を駆動力とし、借り入れた資金を利子をつけて返済するために勤勉に努力して経済活動を行うのですが、著しい低金利、もしくはゼロ金利が当面は続くという状態においてどのように新しい資本主義を構想するのか。
 第三に、19世紀のドイツの経済学者ゾンバルトがその著作「恋愛と贅沢と資本主義」で論じているように、資本主義は「贅沢(志向)」をその本質としていると伝統的に捉えられていたところ、このような衒示的(顕示的)消費が減少していることをどのように捉えるべきか。
 第四に、医療、食料、教育、エネルギーなどの、そもそも民間の経済活動に必ずしも馴染まない、宇沢弘文氏流に言えば「社会共通資本」とされるものを今後どのように位置付けていくべきなのか。
 これらについて、私自身もよく突き詰めて考えてみたいと思っています。皆様のご知見もお寄せいただければ幸いです。

 

 今後のアジア・太平洋地域の安全保障のあり方を考えるとき、かつての米ソ冷戦構造と、今の米中関係との比較には意義があるものと思います。
 米ソ間には「資本主義対共産主義」というイデオロギーの対立があり、互いが核ミサイルを多数保有しているという相互確証破壊が成立し、アメリカを中心とする軍事同盟とソ連を中心とする軍事同盟が対峙していました。
 そしてソ連軍はソ連共産党政府が崩壊の兆しを見せた時にも沈黙を守り、経済力という点でソ連はアメリカに遠く及びませんでした。
 しかし、今の米中関係にはそれらのことごとくが欠けているのではないでしょうか。
 これらを前提として考えると、台湾問題であれ、朝鮮半島問題であれ、今までとは全く異なる思考法、異なるアプローチが必要となるはずです。新しい資本主義同様、この課題についても、懊悩・呻吟しながら考えていく他はありません。
 韓国の軍事費は2020年においてドルベースで日本の93%に達し、現政権下では年7~8%の伸びを示しており、近年中に日本を上回ることが予想されています。弾道ミサイルを保有し、ミサイル搭載原潜の保有を視野に入れ、核兵器の保有も白地的に議論される韓国の動向に、日本はもっと関心を持つべきです。
 国家の独立、という意識においても彼我の差は相当に大きいと認識せざるを得ず、我が国の独立と平和を守り抜くためにも、この点について更に真摯な思考が必要だと考えております。故・小室直樹博士や、故・岡崎久彦氏の韓国について論じた著作を読むにつけ、自分の思考の浅さが恥じられてなりません。

 

 街には賑わいが戻りつつあります。黒木登志夫・元岐阜大学学長は新型コロナウイルスの自滅説を唱えておられ、これを山中伸弥教授が紹介しておられます。今後のためにも貴重な参考となるものと思います。

 

 今晩は「日経ニュースプラス9」(BSテレ東・21時54分~)に出演、テーマは日本の防衛能力についてです。
 27日土曜日は全国青年交流会シンポジウムにおいて「地方創生と国防」という演題で講演する予定です(山中湖・ホテル清渓)。

 

 来週はもう12月となるのですね。皆様、ご健勝にてお過ごしくださいませ。

 

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2021年11月19日 (金)

(新しい)資本主義など

 石破 茂 です。
 前回、総選挙での立憲民主党の敗北は、国民に拒否感の強い共産党との選挙協力が無党派層の比較的「保守寄り」の有権者の離反を招いたことによるのではないかと書いたのですが、それでは同党が共産党と協力した小選挙区で議席を伸ばしたことの説明がつかないように思い、認識を改める必要があると考えております。
 小選挙区では必ずしも全幅の信頼を寄せているわけではない自民党候補に投票するが、比例区はバランス感覚を働かせて野党に投票する、という投票行動をとる有権者が一定数居られるのが今までのパターンだったのですが、今回は選挙区によって差はあるものの、それとは逆のことが起こっているようです。これは一体どういうことなのか、にわかには理解し難いのですが、「共産党と組むような政党は怖れるに足らず」と単純に考えてしまうことは危険なように思います。
 小選挙区制の投票では候補者個人への評価のウエイトが高く、それに共産党支持者の票が上乗せされていたプラスの面が有効に働いたのに対し、比例区では候補者個人の要素はほとんどなく、党や党首のイメージが前面に出るため、今回マイナス面が大きく出たのだとすれば、党首選で立憲民主党のイメージが一新され、共産党との協力の在り方が天皇制や安保政策など国家の基本政策を中心に、国民に理解できるように平易かつ明確にした上で選挙協力が行われた場合には、また異なる展開になるような気が致します。ゆめゆめ(努々、と書くのですね)気を抜くようなことがあってはなりません。

 新しい資本主義、とは一体何なのか、そもそも資本主義とは何であり、それを何故、どのように変えるのか、よく考えてみなければなりません。資本主義、とは本来、生産手段を所有する資本家が、それを持たない賃金労働者を雇うという、支配階級と被支配階級とに明確に分化する構造になっているもので、格差と分断は当然の帰結として生ずるものだと言われています。この格差が拡大することが経済的にマイナスの面が大きくなってきたことが資本主義の見直しの要点なのかもしれませんし、労働者のQuality of Lifeの確保という面からも相当の論点があるように思われます。経済学的な面はもとより、このような社会学的観点からの見直しもまた必要なのだと思っていますが、更に突き詰めた精緻な思考をしなくてはならないことを今更ながらに痛感しています。故・堺屋太一氏が最後の著書「三度目の日本」で指摘されていたことですが、かつての日本が目指した「強さ」や「豊かさ」に代わる「幸せ」という価値観をどのようにして実現するか、これもまた深くて難しい問題です。

 先週末も選挙区のご挨拶回りを行ったのですが、二十数年ぶりに訪れたような集落もいくつかあり、当選期数が増えるに従って選挙区がよく見えなくなってきていたことを深く反省させられました。若い頃のように、後援会活動として集落のほとんどの方々にご挨拶する、などということは難しいのかもしれませんが、あの頃の気持ちを決して忘れてはならないと改めて思います。

 コロナ禍がひとまずの落ち着きを見せているため、昨年はほとんど見られなかった年末の予算陳情風景がかなり復活し、今週は相当に慌ただしい一週間でした。
 週末、20日土曜日はスカパーYouTube緊急討論でモーリー・ロバートソン氏、プチ鹿島氏との鼎談(15時より生配信)。
 21日日曜日は地元で自民党鳥取市賀露支部の総会に出席。
 22日月曜日はプライムニュース(BSフジ・20時~)で先崎彰容・日大危機管理学部教授と対談の予定です。
 皆様、ご健勝にてお過ごしくださいませ。

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2021年11月12日 (金)

改憲論議、三原朝彦先生など

 石破 茂 です。
 総選挙から二週間近くが経過しました。衆議院総選挙はその性質上、「政権選択選挙」となりますが、今回は「自民・公明の現政権か、共産党が閣外協力で政権に関与する立憲民主党中心の政権か」ということが争点となり、具体的な政策の選択肢を国民に問う、という総選挙のもう一つの機能があまり果たされないものとなってしまいました。
 人口急減対策、地域分散型経済への移行、医療を公的なインフラとして位置付ける法改正を中心とする医療体制の抜本的な見直し、安全保障法制の整備と防衛装備体系の刷新、対中・対韓外交の在り方など、喫緊の課題は数多くあるのであり、次期国政選挙である参議院選挙においてはこれらに対する与党の解決策を明示して有権者に問うべきものと思っております。

 投票日まで結果予測も揺れ続け、非常に見通しづらい選挙でもありました。自公の絶対過半数維持や立民の惨敗を予測した報道はほとんどありませんでしたが、応援に行った先でも自民党への積極的支持の雰囲気はあまり感じられなかったのも事実でした。
 「今の自民党のあり方には必ずしも賛同できないが、共産党の関与する政権は更に嫌だ」という有権者の多くが自民党候補に投票し、自民批判票が維新に流れた、という結果なのでしょう。
 大阪では維新が躍進し、自民党は小選挙区では全敗を喫しましたが、これは単なる一過性のブームではないのではないかと思わされました。知事や市長などの首長や地方議員の多くを輩出し、団体からの支持も取り付けるというやり方は本来の自民党の手法そのものであり、吉村大阪府知事の人気も高い。総選挙中に行われた参議院静岡選挙区補欠選挙で立憲民主党の候補が勝利しましたが、これも川勝静岡県知事が全面的に野党候補を支援したことの効果が大きく、基本的には大阪と同じ構図であったように思います。

 立憲民主党の敗因は、未だに国民の間でアレルギーの強い共産党と共闘したことで保守寄りの無党派層が離れた分の影響が読みきれなかったことと、「立憲民主党にはかつての民主党政権で大臣などの政権の中枢を担った人材が多くいる」とのアピールが逆効果になったことによるのではないかと思っております。しかし選挙前は、「巨大与党に対抗するには野党がバラバラであってはならない」という論が大勢だったのであり、「では一体どうすればよかったのだ」というのが立憲民主党幹部の心境かもしれないとも思います。選挙区ごとの状況を子細に見れば、共産党との共闘が一定の効果をあげたところもあり、自民党としてさらに精緻な分析をして来年に臨むべきと考えます。「勝ちに不思議の勝ちあり、敗けに不思議の敗けなし」という、野党時代に噛みしめた言葉を今、改めて思い出しております。

 総選挙では憲法改正について、各党の是非のみが報じられた程度でしたが、選挙直後から維新が「来夏の参議院選挙において憲法改正の国民投票を同時に行うべき」との論を展開しており、国民民主党もこれに同調するかもしれません。これを一つの好機と捉えるのであれば、まずは自民党として憲法改正草案で決定した中から、野党の多くの賛同が得られるような条文を内容として先出しすべきと考えます。例えば、「臨時国会の開会要求があった場合の期限設定」については、反対する党派があるとは思われず、相当に改憲議論のハードルは低くなるのではないでしょうか。
 本来、改憲論議そのものと、憲法第9条の改正とは、分けて進める方が国民にも分かりやすいのではないかと思います。9条改正について、私のような本質的改正を主張すると改憲自体が後退する、と主張される向きもありますが、これは最初から改憲論議そのものをいったん9条から切り離して行えば解決することです。
 9条改正は、むしろわが国の独立と平和を保持するために何が必要か、という根本的な問題として広く深く議論する方が、結果的に理解を得る早道となると考えています。日本が独立国家として生きていくために、今後の激変する安全保障環境に対応するために、何が必要か、という議論には、折角多くの議席を得た今こそ取り組むべきものだと思います。
 本質論としては、①自衛隊は国の独立を守る組織である、②最強の実力集団であるが故に司法・立法・行政による厳格な統制を受けるべきものである、③その行動は国際法と国際慣習に従うものである、ということが議論の大前提です。その意味では、難解な現行憲法9条を出発点とするよりも、「そもそもわが国の独立と平和のために何が必要か」という白紙的議論の方が近道なのかもしれません。私はこのような広く深い議論を経たうえで、これに対する衆参両院議員の三分の二と有権者の二分の一の理解が得られないとは全く思っておりませんし、自民党はそのために誠心誠意、全力を尽くして努力をするべきです。

 先人の営々たる努力の甲斐あって、敗戦以来75年、我が国は一度も戦争に巻き込まれることなく今日に至っており、国民の中で実際に戦争を体験した方々もごく僅かとなっています。それはとても素晴らしいことなのですが、これが同時に、勿論私も含めて、戦争や軍隊の本質を突き詰めて考える機会を決定的に失わせる事態を招いてしまったことも事実だと思っています。本来、平和であることと、「戦争について考えない」ことは全く別であるはずなのですが、これは私自身も含めた政治の怠慢と痛烈に反省しています。
 民主主義国家において、あらゆる政策が国民の理解と支持を得て行われなければならないのは当然のことですが、国家の存立が懸かるからこそ、安全保障政策についてはより広い議論と深い理解を得られるよう、政治の側が努力しなければなりません。
 たとえば、「文民統制(シビリアン・コントロール)」という概念も頻繁に語られますが、わが国における「文民統制」が非常に原型からかけ離れている、という認識を持っている方はそう多くはないのではないでしょうか。
 「統制」というからには理論的に「統制する側の主体」と「統制される側の客体」が存在していなければならないのですが、国家行政組織法上、わが国の「防衛省・自衛隊」は警察組織と同じく完全に行政組織の中に組み込まれており、「行政権による防衛省・自衛隊の統制」というのは概念矛盾となります。そうすると現状では、立法権と司法権による「統制」しか考えられず、かなりユニークな形とならざるを得ません。
 これは、「軍は国家に隷属し、警察は政府に隷属する」という国際法的な概念から、わが国の防衛省・自衛隊のあり方がかなり離れていることによるものです。
 「政府に隷属」している自衛隊に対する統制は、究極的には個々の自衛官が持っている高い使命感と責任感に依存する形となります。しかしそこに、制度的な担保もまた必要なのではないか。防衛庁や防衛省で仕事をしていた当時以来、ずっと悩み続けているのですが、今度の任期中にこそ一定の解を見出さなければならないという思いです。

 今回の選挙により、衆議院議員の中では9番目、自民党の中では6番目という長い議歴となりました。29歳で初当選した昭和61年当時のことが昨日のように思えますが、実際には恐ろしく長い時間が経過していたのです。長きが故に尊からず。何を為し得たのか、よく自問自答して更に研鑽努力を重ねたいと思います。
 当選同期生は自民党だけで46人いたのですが、今や逢沢一郎議員、村上誠一郎議員、渡海紀三朗議員と私の4人だけになってしまいました。
 今回の選挙で、人柄、見識、あらゆる面において尊敬し信頼していた三原朝彦議員が議席を失ったことが残念でなりません。選挙区の北九州市にまる一日応援に行き、雰囲気も良かったのですが、惜しくも届かず、比例重複も定年制を理由にありませんでした。かけがえのない友であった三原さんが国会からおられなくなってしまったことのたとえようもない喪失感は、日に日に強くなっています。

 この週末も選挙区へ帰り、ご挨拶回りを出来る限り丁寧に行う予定です。自分が議員である所以はあくまで選挙区の有権者なのであり、この原点を大事にしたいと思っております。
 皆様、ご健勝にてお過ごしくださいませ。

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2021年11月 5日 (金)

葛飾区議会議員選挙

事務局です。

葛飾区議会議員選挙、舟坂とも候補の応援で葛飾区にお伺いしています。

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2021年11月 1日 (月)

総選挙お礼

 石破 茂 です。
 総選挙では大変なお世話様になり、誠に有り難うございました。
 おかげさまで鳥取一区におきましては84.07%という、おそらく全国一の得票率で12期目の任期を与えられましたことに、ただただ感謝の他はありません。
 全国一の得票率は2012年、幹事長在任中の政権奪還選挙の時以来ですが、あの時とは異なり無役の立場でありながら、選挙期間中に選挙区にもほとんど帰れないという厳しい状況の中でこの結果を得させて頂けたのは、偏に選挙対策本部の皆様、後援会の皆様、どんどろけの会の皆様、スタッフの皆様、有権者の皆様のお力の賜物です。
 選挙は終わった瞬間から次の選挙、というのは永遠の真理であり、出来る限り丁寧にご挨拶をしたいと思っております。

 また、全国応援に回った先の代議士を支持して下さった皆様にも改めて御礼申し上げます。

 今回で12回目の選挙を戦ったわけですが、全国的に今回ほどよくわからない選挙は初めてでした。単なる獲得議席数だけ見ていては、有権者の本当の気持ちがどこにあるかはわからないのだろうと思っています。有権者は何を選択したのか、数日かけてよく分析したいと思います。
 取り急ぎ、心からの御礼まで。

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