核抑止など
石破 茂 です。
ロシアとウクライナとの戦闘はいかなる形で停戦となり、そして終戦となるのかについて、我が国においても議論が必要です。
この事態が深刻なのは、侵略国であるロシアが核を保有した国連安全保障理事会の常任理事国であり、プーチン大統領が「ロシアが先制核攻撃を受けた時」「通常兵器によるものであっても、ロシアの存亡に関わる事態となる攻撃を受けた時」は核を使用すると明言しているところにあります。2018年にプーチン大統領はテレビ番組で「ロシアが存在しない世界がなぜ必要なのか」と発言しており(同様の発言をかつて北朝鮮の金正日国防委員長もしていたように記憶します)、これを単なる脅しと片付けるべきではありません。
いかにロシアが国際法に違反した一方的な侵略国であっても、ロシアを決定的に存亡の淵にまで追い詰めた場合、世界的な全面的核戦争になりかねないという恐ろしさがあります。アメリカもこの危険性を十分に認識しているからこそ、現在のような対応に終始しているのでしょう。。一方においてウクライナのゼレンスキー大統領はクリミアの奪還を大きな目標として掲げており、これをプーチン大統領が「ロシアの存亡に関わる事態」と判断した場合に何が起こるのか。
ウクライナが一方的な被害国で、正義はウクライナにあり、ロシアが決定的に悪であるとしたところで、正義だけが平和をもたらすわけではないでしょう。このように考えると、ヒトラーに妥協して結果的に第二次大戦を引き起こす結果となったチェンバレン英国首相を想起してしまいますが、ナチス・ドイツは核兵器ほどの大量破壊兵器は保有していませんでした。核の恐ろしさをまざまざと見せつけられる思いです。
ところで、ロシアの民間軍事組織「ワグネル」の反乱はあっけない幕切れとなりましたが、なぜあの名称がドイツの大作曲家であり、ゲルマン人芸術の精華としてヒトラーが心酔していたリヒャルト・ワーグナーに由来するのか、私にはよくわかりません。どなたかご存じの方があればご教示ください。
ことほど左様に、ウクライナ問題を理解することは恐ろしく困難であると最近痛感しており、不勉強を恥じるばかりです。
ロシアはウクライナを激しく攻撃しても、NATO加盟国に対しては攻撃を仕掛けてこないのは、NATOを敵としてしまえば勝算が全くないからに他なりません。同じことは中国と台湾との関係においても言えるのであって、仮に中国が台湾を攻撃する際に、日本まで攻撃してしまえば直ちに日米同盟を敵に回すことになり、勝利は見込めない。台湾有事となり、米国が在日米軍基地の使用について事前協議を求めた際に、日本としてこれに応諾しない事態はまず考えにくいのですが、その時に中国から「事前協議に応諾すれば日本に対して核兵器を使用する」との脅しを受けた際に、日本は国家の存亡をかける覚悟を持たねばなりません。
朝鮮半島有事の際は、米軍には国連軍地位協定によって事前協議を必要としない「朝鮮国連軍」として在日米軍基地から出撃するというオプションがありますが、北朝鮮がこれを受けて、在日米軍基地や日本の政経中枢に対して弾道ミサイル攻撃を仕掛ければ、それは日本有事以外の何物でもありません。つまり台湾有事は自動的には日本有事とならない可能性もありますが、朝鮮半島有事はそのまま日本有事に直結するとの認識が必要です。
北東アジアの平和と安全を考える際、多くの法的な枠組み、特に国連軍地位協定について今一度再検証する必要があります。日米地位協定についてはある程度までは研究もしてきたつもりなのですが、国連軍地位協定についてはそれほどではありません。「本当に『台湾有事は日本有事』なのか」「台湾有事は極東有事である」「朝鮮半島有事こそ日本有事」「誰も知らない国連軍地位協定」…以上は「ウクライナの教訓 反戦平和主義が日本を滅ぼす」(潮匡人著・育鵬社・2022年)の中の小見出しですが、多くの示唆を与えられるとともに、己の不勉強を痛感させられます。
昨日・今日とソウルでの日韓政治リーダー対話に出席しておりました。明日は故・安倍元総理の一周忌法要、明後日は出雲市で故・青木幹雄先生のお別れの会です。
皆様、ご健勝にてお過ごしくださいませ。
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コメント
石破閣下
ポンコツモデラーのポンコツコメントです。
昨年のFTX破綻により今日の米国凋落の既定ラインは決まっていたのかも知れません。もう既に忘れかけたかたの多いかもしれませんがウクライナに送金された使途不明金はどこに消えたのでしょうか。
米欧は詐欺を働いているのに図々しいものです。核シェアリングは核不拡散条約違反なのにそれを自らは素知らぬ顔をしてロシアには違反を指摘批判します。それらしいことを言いますが同じことをすると批判します。こんなことですので己に帰ってくるのです。米欧はもう立ち行かぬのかも知れません。
今回のロシアには戦略が見当たらないように思えます。プリコジンの傭兵を誰が教育したのか言及されないのですがドイツが伝統的に影響を与えていますから、とある担当者の秘匿コードがワグナーだったからと言う説もありますが、東方軍事課あるいはゲーレン機関との関係があるかも知れません。
現行の人類は100人未満の集団で効率よく組織して戦えます。これがあらゆる面で優れていたネアンデルタール人を滅亡させました。とても弱い人類種でしたが手強かったのです。これを上回る強敵は100人を超える能力を持つものになるでしょう。その様な人類を集めて教育し戦闘部隊を作れば無敵なだけでなく世界を支配することさえ可能でしょう。超人部隊の誕生でありその名は「ワグナー」と秘匿名称がかつてナチスで付けられたという話もあります。しかしワグナーがグリーンメンと同一とは思えないのでこれは別組織でしょう。
内戦とは多くの民間人が犠牲となる物です。今回はこれまでの内戦に比較してその犠牲は多いのでしょうか。本格的な戦争であれば軍人以上に犠牲者がでるもの。何か見落としがあるように思えます。ロシアとの最高幹部にある種のビジネスがあるようと取れる報告が国連でされて注目を浴びたそうです。闇は深い、乱文・乱筆お許しください。
投稿: 野村嘉則 | 2023年7月 7日 (金) 21時24分
石破さん
ロウ戦争、止める方法はあります。
ある意味簡単です。
戦争において、どちらが悪いという論争は全く無為意味です。
戦争にいては、常に、敵こそが極悪非道なのです。
ロシアが、不当な侵略戦争を仕掛けたから極悪非道だという論理は、外形的事実がどうあれ、ウクライナの主張です。
この立場で議論し、ロシアを非難して、ロシアの戦争犯罪を数え上げている限り、この戦争を調停することも停戦に導くことも、絶対にできないのです。
一方で、中途半端な停戦や調停をすれば、ロシアはさらに増長して、限りない虐殺や暴虐を働いてとんでもない犠牲をウクライナに強いることになるから、絶対に認めてはいけないという論理が、テレビでも識者によって主張されています。
これも間違いです。
そんな主張をしていれば、停戦の調停に絶対に成立しないからです。
これも、戦争を継続してロシアを叩き潰すという戦闘継続の主張そのものでしかないのです。
ロシアの戦争犯罪を数え上げて、国際司法裁判所に提訴して断固戦うとウクライナは主張しています。
これも間違いです。戦争において、兵士がする暴虐行為や残虐な行いや略奪などの戦争犯罪は、国家意図とはかかわりなしに制御できないのが歴史的な常だからです。
先の戦争でも、無数に行われた狼藉を具体的に全部取り上げて断罪するなど全くできなかったのです。わずかに東京裁判において、いわば見せしめとしての処断は行われあたのですがそれも、戦勝国の一方的なそれであり、市民を殺害することを目的に行われた東京大空襲も、原爆の投下の問題にすらならなかったのです。
それが戦争です。
戦後賠償も、日本は、多くを免除されました。
理由と原因との如何戦争の犠牲の大きさを考えると、敗戦の上にさらなる賠償の重みを考えての斟酌がそこに作用したからです。
ロシアがなぜ戦争を始めたか。
それを、単に独裁者の郷愁や思い込みや独占欲のためだなどと断じてそれが悪だと決めつけるのも間違いです。
外形的事実がどうあれ、ロシアには戦争を始める明確な理由があったのです。
だから戦争を始めたという原点を確認して理解しなければ、調停も停戦勧告も仲介もできるはずがないのです。
つまり、NATOが数え上げて主張している多くの事柄は、NATOの仮想敵たるロシアを衰退させ敗退させることこそが目的であるからに他ならないのです。
NATOが乗り出して全面戦になれば。当然にして第3次大戦になります。
だから、そうならないようにウクライナを利用して、ゼレンスキーを煽って代理戦争を仕掛けているにすぎないのです。
日本は、NATOとは何の関係も無い部外者です。その当事者がどんな戦略で構想しようと、ウクライナにもロシアにも敵対する理由はないのです。
日ロ条約問題や、北方領土問題を抱えて、親善友好善隣外交を数十年に亘って育ててきた間柄です。
領土問題が解決しないからと言って、敵対して解決するためには、戦争して折り返すしかないのです。
そんな愚かなことはしないというのがこの国の基本戦略でずっとやってきたのです。
それをNATOに加担して壊してしまってどうするのか。
NATOの一因になったところで、そんな軍事同盟がどれほどの信憑性をもって我が国の安全に寄与するか、全く何の担保もないのです。
台湾有事にしても、アメリカが日本の守るために加担して攻撃すれば、それは、米本土への攻撃を受容することであり、日本を守るためにそれを引き受ける覚悟がアメリカにあるかと問われれば、答えは明確です。日米条約を破棄してでも、アメリカは本土を守ることを優先することは間違いないからです。
それが、軍事同盟の現実です。
今ここで日本が調停してこの戦争を止めることが、中国に対しても発信力を持つことができるのです。
台湾問題は、中国問題です。米中問題にすることが間違いです。それをはっきり主張することです。
さて、ロウ停戦案です。
東部4州とクリミアのロシア帰属を認める。
その地域に居住するウクライナ人の選択の自由を認める。
戦時賠償はロシアに求めない。世界が協力して復興を支援する。日本も当然にして応分の負担を共有する。
ウクライナのNATO加盟は、当面認めない。
どちらかといえばロシア寄りの提案になりますが、ウクライナに自力継戦能力がない以上NATOの軍事援助による戦争は停止させるしかないのです。
戦争を止めるために、NATOを説得することです。
ロシアを衰退させてプーチンを失脚させても、絶対にNATOにとって都合のいい体制ができるという保証はないのです。
ノルドストリームなして、石油の輸出なしでロシアが生き残る術はないのです。それこそがロシアの死命を制するポイントです。
制裁もいりません。
ロシアが、国際社会の一員として、経済的自立を可能にする手段が何なのかを気付かせることこそ、ロシアを救う道であり、平和を実現する原理になるのです。
それができるのは日本しかないのです。
全ての問題が解決します。
投稿: かも | 2023年7月 8日 (土) 23時23分
【オランダの連立政権が崩壊したらしい】
欧州ではと云うかフランスが全土で移民の未成年者の集団によって放火の被害に遭っているのはネットの動画で拡散されているのであるが、我が国のメデアは隠蔽する方向に向かっているようなので、一般国民の目に触れる記事が少なかった。おそらく、オランダの連立政権の崩壊もまた、移民政策をめぐる問題があるのだろうと思っていたら、時事に記事があった。
『【ブリュッセル時事】ロイター通信などの報道によると、オランダのルッテ首相は7日、ウィレムアレクサンダー国王に内閣総辞職の意向を伝えると表明した。
移民問題を巡り連立4与党の協議が不調に終わったことが理由だという。オランダ放送協会(NOS)は、11月中旬にも総選挙が実施される見通しを伝えた。
ロイターによると、ルッテ氏は記者会見で、「連立政権は移民政策で合意に達することができなかった」と明らかにした上で、「非常に遺憾だが、これが政治的現実だ」と述べた。』
フランスで起きた暴動は警官が移民の未成年者を道路交通法違反のような容疑で停止を命じたところ逆らう姿勢を見せたので、しかも乗車している自動車を急発進したということがあって、発砲したのだそうだ。それが射殺と云う事態になって、その情報が拡散されたことにより暴動につながり、5000台ぐらいの停車中の自動車が放火され、商店等の略奪とかもあり、オリンピック会場の放火まであって、軍隊が出動する事態になったようだ。我が国では埼玉県でクルド人が暴動を起こしているという話もあるが、なんでかわからないのだがマスゴミはその事件を報道しないようだ。
異文化を受け入れ共に共生できる社会の構築と云うようなお花畑を演出したいので移民の暴動から目を背けたいのだろう。卑怯な脳みそを持った救われない人々がメデアに蔓延しているようだ。NHKのドラマにもそういうお花畑のテーマを描いた番組があるのでニュース報道も連動して移民の暴動は報道する気がないという噂があるのだそうだ。何かおかしい方向に誘う勢力がいるのだろう。
パリの暴動が我が国でも起きるのではないかと云う不安がある。
それはともかく、移民による爆発的な暴動はフランスに起きてドイツでは小さな暴動は起きるが広がることがないという話を聞いたことがある。我が国のメデアは事実に向き合うことがないということもあって、その上腫れ物に触ることが嫌なので、出来るだけ隠蔽したいのだろう、だから、こういう関連の話が記事になることがない。
メルケル政権時代は積極的に移民を受け入れていてドイツ人女性が痴漢の被害や強姦の被害等々の暴力の事件の被害者になる例が急増していたらしい。しかし、全土に拡散するような暴力の嵐に見舞われることはなかったのではないか?
その違いは気になる。移民受け入れ政策は安価な労働力を手に入れるための政策が基本になっているようだ。しかし、長い時間が経過して失敗したという結論があるようだ。オランダの政権崩壊の内容は、このことと深いかかわりがあるように見えるのだが、我が国のメデアは不親切なので隠蔽している。
文化の壁は国境がそれを防いでいたように思う。安価な労働力の為に異なる文化のもとで育った人々が共生できると思うのは錯覚である。手遅れになってから、手遅れだと言い出すのはアホのすることだ。足元を見つめてから覚悟を決めて行動を進める問題だ
無責任が信条の政治家に踊らされたということである。
自業自得だ。
我が国にいるクルド人や中国人フィリピン人ベトナム人韓国人はどれほど日本と日本人を知っているのだろうか?
その方面について責任ある政治家はいるのか?
人手不足を理由に刑事事件を犯すことが目的になっている人を受け入れていないだろうか?
逮捕起訴され刑務所に収監される外国人が増えているのは大きな不安だ。
投稿: 旗 | 2023年7月 9日 (日) 22時49分
石破さん
追補して書き直しました。どちらでもご参考にどうぞ。
ウクライナの大規模反撃は不発だったようですね。
その焦りが、クラスター弾頭結論になっているとすれば、それ以上の支援ができないことの意味でもあるのです。
ヨーロッパも既にブームは去っているし、ウクライナの近隣諸国もかかわりにならないように静観したままだ。
ウクライナが自力では継戦能力を失っていることがあらわになって来た。
他方、プーチンにとっても、敗北はあり得ないし、積極的に戦果を取りに行くのもエネルギーがいる。となると、戦線は膠着し、停戦も終戦も見えないままに時間だけが過ぎていく。
当然それだと一番困るのはウクライナだ。一方、プーチンも、犠牲が増えて戦果が思うままに誇れないとなると選挙に響く。
戦争の責任を追及されれば間違いなく失脚では済まない。
プーチンにとっても命懸けの期限が見えてくる。
多くの諸君は理解できないようだが、戦争は善悪ではない。
プーチンが不当な戦争を仕掛けたというのは、ウクライナの一方的主張だ。
プーチンには、戦争を始めるに相当の理由がまぎれもなく存在したからだ。
現実問題として、戦争犯罪も、戦後賠償も、滝の戦争でも問われることはなかった。日本でも戦後賠償は全部ではないが免責されている。
アメリカの戦争犯罪は全く問われることもなかった。
戦争犯罪や、賠償を要求するのも、戦争のプロパガンダに過ぎないからだ。
ウクライナでロシアが残虐な行為をしたから許さないというのも、所詮ウクライナの主張でしかない。
その視点で考えれば、停戦は簡単に実現できる。
1、NATOが援助を停止すること。
2,停戦ラインは、現状ロシアが占拠しているラインとすること。
3,戦争犯罪、戦後賠償は問わない。
4,ウクライナは、当面NATO荷が参加しない。
5,停戦監視は、国連下決定される国連軍によってなされる。
ロシアはそのことについて拒否権を行使しない。
6,ロシアに対する制裁はすべて解除する。
7,ウクライナの復興は、ロシアを含むすべての国連加盟国が応分の負担をして行う。
8,ロシアによるノルドストリームの復旧を認め、石油禁輸を解除す
る。
ロシアに有利であるように見えたとしても、ウクライナがこの戦争を単独で継続させる力がなくて、ロシアが、この戦争に負けることがない以上ロシアに有利な解決策に見えるのは受容すべき原理だ。
繰り返すが、戦争に善悪はない。勝つか負けるかがあるだけだ。
その勝ち負けをつけないとすれば、それもまた、勝ち負けの判断は許さない。
停戦を受け入れることができる条件を提示するだけだ。
その停戦案を受け入れなければ、停戦は成立しない。
当事者が決めることだ。
投稿: かも | 2023年7月 9日 (日) 23時45分
石破先生
今晩は!!。
連日のように朝、昼、夕方と天候が替わり、特に西日本の地域においては九州北部~中国地方の日本海沿いに線状降水帯が発生し、田舎のある島根県、鳥取県も大変な豪雨のようであり被害も出ているよであります。
当地京都でも昨日9日、本日10日と両日共朝方は曇り、日中には良く晴れ午後の夕方4時頃ともなれば急激な雷雨の到来であります。
そして又5時を過ぎれば、晴れ上がりすっきりとした夏の夕焼けであります。
このような中、先生に於かれましては「日韓政治リーダー会議」への会合にご出席との御由、そして8日は安倍元総理一周忌の法要、そして9日は青木幹雄氏の葬儀へと参列され大変お疲れ様でありました。又機会があればその時の様子や内容などもお報せ下さいませ。
小生は先生と同郷、鳥取県出身の「国の将来を憂う」者であります。
さて本日も、ここ一週間の出来事などによる気付いた事や拙論等を伸べさせて頂きたく、お願い申し上げます。
先ずウクライナ情勢より述べて見たいと存じます。
石破先生も冒頭より述べられておりますが、ウクライナ情勢に於いて本日10日の夕方のニュースではワグネルのプリゴジン氏が名指しで非難しておりましたロシアの「ゲラシモフ、ロシア連邦軍参謀総長が解任されたようだ」とのニュースが飛び込んで来ました。後任には「誰」との発表がまだなく、プーチン政権は混乱を来たしているようであります。
プーチン大統領はこれまでに何人もの軍司令官を解任したり、反対意見の者は抹殺したりして来ましたが、独裁体制の指導者にはつきものの「裸の王様状態」になっているのでは?と想像されます。
プリゴジン氏がワグネルを率いてモスクワに進軍して居た時も、保養先で静養していたとも伝えられ、まさしく裸の王様であります。では何故政権を維持出来て居るか?と問われれば、国民に対しては「極端な情報統制」の体制を敷き、恐怖政治によるもののようであります。
従ってプリゴジン氏がモスクワへ進軍している事も国民には知らされなかったようであり、その後ベラルーシのルカシェンコ大統領とプーチン大統領との電話会談によりワグネルのベラルーシへの引き上げが決められてから、国民には知らされ、そしてプーチンは「流血をさけられたと」国民の間で演説を行いました。
解説によればワグネルは5万人規模ながら、この中にはロシアの5000人にも及ぶ刑事罰犯罪者も居り残酷な行動を行うものの、正規の軍事教練も受けて居ない者も多く、戦争そのものは余り強くないと云われております。ただロシヤの正規軍が出来ない事を従来世界の各地にて行って来て居り、所謂ロシヤの「裏兵力」であります。
その為ベラルーシのルカシェンコ大統領にとってはロシヤの弱みを握った形になっているようであります。
更にプーチン大統領はベラルーシに戦術核の配備を行うとし、「使用権はロシアに在る(所謂核シェアリング)としていますが、ルカシェンコは「使用権はベラルーシにある」と云って居り、齟齬をきたしているようであります。何れにしましても、ロシヤのプーチン大統領は政権の内部統制にほころびが出始めており、この様な時こそ核使用の懸念が増大するようであります。
又反対に昨日、アメリカのバイデン大統領はウクライナへこれ迄控えていた「クラスター爆弾の供与」も決定しました。ロシアはウクライナ侵攻当初より使用しているようながら、ウクライナ側も通常爆弾が不足し反転攻勢が鈍って来て居り、アメリカ国内でも通常爆弾の不足をきたしているためであると云われて居ります。
クラスター爆弾使用禁止条約にはロシアもアメリカも当のウクライナも加盟して居らず、このウクライナ戦争に使われれば、ウクライナ及びロシア双方にとっても人道上更なる悲惨な犠牲者が増える事になりそうであります。
戦術核使用の不安に加え、クラスター爆弾の使用へと益々泥沼化となり、人類は滅亡への危険を停止する事が出来るのであろうか?と
不安が募るばかりであります。この21世紀に於いて、破壊と殺戮ばかりの戦争の愚かさを、どうして気付かないのでしょう!!?。
他国の出来事ではありません!!。世界中に影響が出て来て居り、私たちには祈ることしか出来ないのでしょうか?
次に過日7月8日は安倍元総理が奈良に於いて山上容疑者に襲撃されて亡くなった日であり、一周忌の法要が営まれました。石破先生はもとより沢山の政治家の人が参列され、今では整理された奈良の現場でも献花式が営まれたようです。
一年経った今でも山上容疑者の行為は「民主主義の否定であり、絶対許されるものではない」との世評であります。然しながら、暴力や殺人行為は絶対あってはならないものの、何故その事が「民主主義の否定」と云う事に繋がるのでしょう?岸田政権となってからも岸田総理を襲う不祥事もありましたが、政治家であればその裏にある背景へも思いを致し、原因を探るべきでありあましょう!。特に若者世代の政治への不信感や、現在の世の中への「逼塞」感は如何ほどであろうか?などを想ってしまいます。
安倍総理は約8年間も民意より乖離したままの政権運営を行い、世界各地にばらまき外交を行い強権的な政治を続けて来ました。その間アベノミクスによる経済政策は失敗に終わり、給与所得者の賃金上昇とはならず、消費は停滞を続け、貧富の格差は益々広がってしまいました。
政権閣僚による不祥事もつづき安倍元総理自身さえ、疑惑につつまれましたが所謂「忖度」によって逃れてしまいました。長年の政権運営は所謂腐敗と化し、国民の政治への期待は大きく裏切られたと云うべき8年間でありました。
最近の論評では、「世界を俯瞰した外交」、「世界各国首脳との緊密な関係を築く事が出来た」など安倍元総理の手腕として再評価を行う向きがあるものの、この人ほど国民を置き去りにした首脳は知りません。表だって批判を出来ないように巧みに国民を欺き、民主主義政治を壊した張本人であると強く思っていたものでした。
あのような形で亡くなられた事は「大変気の毒である」と思うものの、その半面、「天知る地知る吾知る」との道理は、やはり存在するものであるとの思いも強くしたものでした。
投稿: 桑本栄太郎 | 2023年7月10日 (月) 21時32分
【岸田が唐突に外遊を言い出すのはこれで2回目だ】
首相の外国訪問は慣例によれば、だいたい最短であっても、約1か月前に発表することになっているらしいが、岸田に限っては約1週間前が恒例になるようだ。あわただしいのは計画性がないからで、思い付き優先、出たとこ勝負の成り行き任せなのである。前回の突然外遊は広島サミット前のウクライナ電撃訪問であった。電撃訪問と云いながら多くの人々にバレバレのかっこ悪い訪問劇であったのは岸田の無計画さの表れである。今回の外遊の発表もまた無計画であると最初に白状している。ただし今回の場合、反日目的が隠されているのかもわからない。それは岸田にとって最重要要件だ。その根拠はメデアの記事を読めば明らかだ。
時事の記事だ。
『松野博一官房長官は7日の記者会見で、岸田文雄首相が11~13日にリトアニアとベルギーを訪問すると発表した。
14日に帰国する。
リトアニアでは、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に出席。ウクライナ情勢を含む安全保障分野の協力強化を確認する。これに合わせ、韓国の尹錫悦大統領との首脳会談を調整。東京電力福島第1原発で生じた処理水の海洋放出に理解を得たい考えだ。ベルギーでは、日本と欧州連合(EU)の定期首脳協議に臨む。
松野氏は「NATO、EUのインド太平洋地域への関与強化を確認し、国際秩序の維持、強化に向けた連携を一層強固なものとする」と強調した。 』
わざわざ強調するのである。1週間前の発表だからであるのは、「強調」をしておかねばならないと判断したからだ。そして、それは何かを隠す意図があるからだ。
なんで強調するのか? と怪しむのは、その答えが10日の外信記事にあった。
『【ソウル時事】韓国の尹錫悦大統領は10日、ソウル郊外の空港からリトアニアに向け大統領専用機で出発した。
ビリニュスで11、12両日に開かれる北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に出席するほか、岸田文雄首相と個別に会談する。』
韓国大統領がNATO首脳会談に呼ばれる根拠は不明だ。韓国はNATO加盟国ではない。なので、オブザーバー資格ではないかと思う。本当の狙いは岸田に会って話をすることだろう。100億ドルのスワップでは足りないと言いたいのだろうと思う。岸田も急遽外遊すると言ったのは韓国の大統領と会うことが狙いになっているのだと思う。密約をするために欧州と云う場所を利用したのではないか? 表向きの理由は、福島の処理水を巡って、韓国の国内だけが世界と異なる判断をして大騒ぎになっている。それを鎮めるために日韓首脳会談をする必要があると言いたいのだろう。世界で韓国だけが科学的根拠を持たない理由を叫ぶアホな民族なのである。
岸田文雄は反日の総理大臣と云う根拠にできそうだ。何を企んでいるのだ?
日本と日本人を裏切ることしか考えていない財務省の岸田である。
投稿: 旗 | 2023年7月11日 (火) 03時26分
【NATO首脳会談に岸田と韓国の尹大統領が呼ばれている件について】
岸田がNATO首脳会談に呼ばれているのは時事にその理由が書かれていた。
『・・・リトアニアでは、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に出席。ウクライナ情勢を含む安全保障分野の協力強化を確認する。』のが、目的だ。これに韓国の大統領も呼ばれているらしい。その参加資格は不明である。
欧州はウクライナ戦争を停戦にもっていきたいという希望がある。いつまでも軍用兵器の供与ばかりが続くので目途をつけて解決の方法を探りたいという希望があるのだろう。
そこに韓国を呼ぶ意図が出てきたように見える。韓国と金氏朝鮮の間にあるのは停戦ではなく休戦だ。戦争状態は続いていると云うのであるが休戦をしているという不思議な状況である。この休戦条約、或いは休戦協定と呼んでいるのかどうかわからないが当事者の一方であるはずの韓国の最高責任者の署名はないという事実は世界中に知られている。しかし、それでも休戦なのだ。それは1953年に成立して、今年で70年を迎えるのであるが、その状況が崩れることがない。
NATOはそれを参考例として詳細を知りたいのではないのだろうか?
ロシアのプー氏の署名が必要なのかどうか? と云う辺りをこだわれば永遠に休戦することが不可能だと思っている人々がいるのかもわからない。最高責任者の署名がいらない休戦と云う形態も考えてみようということになるのだろう。
まあ、そういう目的以外韓国が呼ばれる理由がないような気がしている。
投稿: 旗 | 2023年7月11日 (火) 03時52分
石破先生
今晩は!!。
本日は朝より晴れ上がり、愈々本格的な夏の暑さの到来であります。当地も34℃~35℃もあり、今日は夕立もなく蝉の鳴き声にもイラ立つ暑さでありました。
小生は先生と同郷、鳥取県出身の「国の将来を憂う」者であります。
昨日に引き続き、本日も気づいた事に拙論を述べて見たいと存じます。
早速ながら、今日の夕方のヤフーニュースにより、所謂トランスジェンダー(性同一性障害者)のトイレ使用制限は違法との訴えに、地裁は違法と認め、その後高裁は適法であると判断したものの、最高裁では又違法であるとの判断がなされた事を知りました。
yahooニュースによれば・・・
『性同一性障害と診断され女性として働く経済産業省の職員が、職場の女性用トイレの使用を制限されていたのは違法だとして国を訴えた裁判で、最高裁は先ほど使用制限は不当との判断を示した。 この裁判は、生まれもった身体と心の性が一致しない性同一性障害と診断され女性として働く経産省の職員が、女性用トイレの使用を制限されているとして違法などと主張して、国を訴えているもの。
一審の東京地裁は違法と認めましたが、二審の東京高裁は違法ではないと判断し、結論が分かれていた。 最高裁はきょうの判決で、この職員に対する女性用トイレの使用制限について不当性を認める判断を示した。性的少数者の職場環境を巡って、最高裁が判断を示したのは初めて。 経産省は今回の判決を受け、使用制限の見直しを迫られることになる。』・・・と云うものであります。
過日のLGBT理解増進法案の成立には岸田総理自ら指示したとも云われ、自民党内の部会でも余り論議される事無く、「賛成10人、反対18人と」云う中、中には退席する議員も多くいた中で決定されそのまま審議に掛けられ成立してしまいました。
小生も過日の当ブログに於いて、世の中には色々な性認識の人は居り従来表立って反対や賛成などではなく、暗黙の了解のもとに社会生活を送って来ました。トランスジェンダーと「性同一性障害」は 認識のことではなく一種の病気であり、世の中のマイノリティー層の人によって権利として求め、マジョリティー層の人々が社会的混乱を来たすようなことがあってはならない」とも記述しました。
早速問題が表面化してしまったようなものであります。
今後「両性用のトイレ、更衣室」など広く社会生活の中に拡充出来るのでしょうか?又、公共の浴場などはどうするのか?識者の中には男女差別の問題にまで発展しかねなく、皇位継承問題にまで影響を及ぼすのでは?と云う人も居ります。「理解増進法案」などと、中途半端であり具体的な場面も何ら想定される事無く、「法律として制定されてしまった事は立法府の問題であり、その中でも総理を主とした、政権の責任は重いと言わざるを得ません。
比較的このトランスジェンダ―問題に大らかに理解を示している西欧諸国であっても、我が国日本のように「法律を制定」してしまった事に驚いていると云います。
巷では、広島でのG7サミットに間に合わせ議長国としての手柄となるよう、岸田総理が稲田朋美議員に指示し、中心となって制定するように計ったものと云われて居ります。
どうも現岸田総理の人柄は柔らかいものの、深い思慮に欠けるところがあり、決定すべきことの先送りや国民へ説明する事に欠け総理としての資質に欠けるのでは?と思う事ばかりであります。
この様な事で次期衆議院選挙や次の参議院選挙に於いて、自民党は与党として生き残れるのでしょうか?是非石破先生による党内リベラル派の糾合により、「自民党を!国会を!日本を!」立て直して頂きたく、「今少し政治の前面に」と、切に懇願するものであります。
大変僭越なる事をご容赦下さいませ!!。
投稿: 桑本栄太郎 | 2023年7月11日 (火) 20時50分
【議員バッチがニュース素材になるとは・・・】
背景にあるのは金の高騰なのは誰にでも理解できる。問題は、今までその経費をどういう会計項目で落としていたのか知りたかったことと、当選した新人議員に何の根拠があってタダで支給していたのかと云うことだ。そういう疑問に答える記事になっていないので不親切な記事となっている。記事は読売だ。
『議会の出席時に身分証明として身につける「議員バッジ」を取り巻く環境が変化している。金製が多い中、金価格の高騰を受けて、安価な素材に切り替えたり、改選時の当選者全員への支給を見直したりする動きが出てきた。(大森篤志)
滋賀県議会は、18金製を金張り加工した銀製に仕様を変更し、4月の県議選当選者44人に交付した。
従来のバッジは1個約2万5000円だったが、県議選前の見積もりで、1個5万~6万円に上昇することが判明。素材を変更した結果、1個約6400円に収まった。県議会事務局の担当者は「見た目は変わらない」と語り、前回に比べ、約200万円の削減につながった。
背景には金価格の高騰がある。金販売・買い取り大手「田中貴金属工業」によると、金の小売価格(税抜き)は、前回統一選があった19年は1グラム4000~5000円台。コロナ禍などで安定資産とされる金への投資が増え、最近は8000円台で推移する。1000円台だった01年に比べ、約8倍の高水準だ。
大阪府議会は4月、府議選の当選者79人に真ちゅう製(1個約3700円)と府産ヒノキをPRするための木製(1個約3200円)の2種類のバッジを交付した。どちらかを身につけ、議会に臨む。
2019年の改選時(当時の定数88)は、14金などのバッジ(1個約2万800円)を全員に配布しており、約130万円の節減につながった。次回府議選からは、初当選者のみに配ることも決まっている。
一方、金製のバッジを維持する議会もある。
京都、奈良、和歌山の3府県議会は4年前と比べ、京都は1・3倍の約1万9600円、奈良は1・4倍の約3万5700円、和歌山は1・9倍の約4万100円に値上がりした。京都府議会事務局は「今回は見直しの議論がなかった。次回どうするかは、検討中だ」としている。
14金製バッジが1・8倍の4万4000円となった広島県議会の中本隆志議長は4日の記者会見で「高いか、安いかはわからない。バッジは誇らしい議員活動をしてくださいという意味合いだと思う」と説明した。』
基本にあるのはその費用を負担するのは議会事務局であり議員にはこれまでのところタダで支給するというスタイルだ。その根拠と云うか会計処理項目を記したところがない。原資となるのは税金だ。これが何の根拠があって議会運営上の経費扱いなのだろうか?
金の高騰があるまでその負担に気が付かないと云うのも不思議な話だ。金である必要があるのかどうかについて見直すと云うのも、金が高騰したからだ。
金バッチであることの意味から考えた方がいいし、誰がそれを負担するのかについても市民府民国民は考えた方がいい。例えば、カラフルな色彩のプラスチック製のバッチでもいいのではないかと思う人が議員の中から現れれば、市民府民国民は反対しないような気がする。議論もなしに慣習として続けていたことがよかったのかどうかと云うことだろう。その費用もまただれが負担するのがいいのかについて考えた方がいいのかもわかりません。
金は間もなく1g=10000円と云う事態になるような気がする。急いで議論した方がいいのではないか?
投稿: 旗 | 2023年7月14日 (金) 05時26分