伊仙町クラウドファンディングなど
石破 茂 です。
福島原発からの処理水排出開始から一週間、中国の政治的意図による過激な反応には閉口するしかありませんが、あれほどまでに非科学的な主張をヒステリックに繰り返すところを見ると、共産党の統治体制に何らかの不安があるのかもしれません。
人口の急減と急速かつ大規模な高齢化、地域間や階層間の格差拡大、脆弱な医療福祉体制、不動産バブルの崩壊などの経済不安等々、中国が抱える課題は山積しています。あくまで共産党の軍隊である人民解放軍による国民の抑圧と、メディア統制を駆使した共産党一党支配体制は絶大な効果を発揮してきましたが、それも「経済は成長し、国民は豊かになる」という実感があってのことであり、これが怪しくなってくるといかに強権的な支配を行なっても、鬱積した人民の不満が爆発して共産党が最も怖れる「易姓革命」が起こりかねません。
日本としては、中国の姿勢にいちいち過敏に反応することなく、国際社会に向けて「やはり中国の主張はおかしい」と思うよう、着々かつ淡々とあらゆる効果的な手法を用いるべきです。
昨年11月、IAEAの福島視察が発表された際には、中国は「日本はIAEAの厳格な基準に従うべき」と言っていたはずなのですが、日本の主張を認める判断が下ったら、それについて一切言及しないのはどういうわけなのか。IAEAに対して異議を申し立てるなり、第2位である資金拠出を停止するなりしてもよさそうなものですが、そうはせずに一方的に日本の批判ばかりしているのはどういうことなのか。2016年、南シナ海仲裁裁判所において、フィリピンとの間で南シナ海の島嶼部の領有権をめぐり、自国に不利益な裁定が出た際、「あのような裁定は単なる紙屑」と言い放った国ですから、隣国である我が日本は、今後一層心して対応していかねばなりません。
処理水の安全性について、自民党水産総合調査会としてもこれ以上ないほどに丁寧な周知に努めてまいります。また、一切の責任が無い漁業者が受ける損害に対しては、迅速に補償がなされるようよく注意してまいります。
故意によるものかどうかはともかくとして、一部報道で、まるで海に処理水をそのまま流しているかのような映像が使われているのは是非とも改めていただきたいものです。日本のメディアでありながら、中国の主張を利するようなことにならないか、いささか気がかりです。処理水は海底トンネルを通して1キロ先の海中に放出されており、陸から水が流れるような映像の方法は採っておりません。諫早干拓の水門開門の是非が争われた裁判についての報道でも、水門閉鎖の映像が事ある毎に放映され、その印象によって干拓事業に対するネガティブなイメージが広まる結果となりました。
今日から9月、この時期になって、赤坂議員宿舎周辺の樹々からつくつく法師の鳴き声が聞こえないのは、赤坂宿舎に住んで20年近くになりますが初めてです。子供の頃、8月も終わり近くになると、それまでのミンミンゼミやアブラゼミに代わってつくつく法師が一斉に鳴き始め、夏の終わりの寂寥感を感じるとともに、まだほとんど手付かずの夏休みの宿題(特に読書感想文と自由研究)を仕上げねばならない焦燥感に駆られたものでしたが、この齢になっても同じような思いが致します。当時は、焦燥効果絶大なあの鳴き声を聞く度に「うるさい!鳴くな!」とばかりに蝉捕りの網を持ち出して,一匹残らず捕ってしまおうかとの凶暴な思いに取り憑かれたものでした。
先週に引き続き、今週も台風7号による鳥取県内の被災地を廻ってまいりました。政府にも誠心誠意対応して頂いておりますが、現場に行くほどに被災の大きさに愕然とする思いです。早急な復旧のために更に微力を尽くします。
台風で樹園地への土砂流入や落果等の影響を受けたものの、今年の20世紀梨はかなり良い仕上がりとなっています。見た目も青々と美しく、味も爽やかな鳥取の20世紀梨を御賞味頂けれは大変幸いですし、新品種の「新甘泉(しんかんせん)」も人気です。何卒よろしくお願い申し上げます。
関東大震災から百年の節目となりました。災害の激甚化と多発化の昨今、防災省の設置につき更に思いを強くしております。
また、朝鮮人虐殺についても、これを風化させることなく、真摯な検証が必要です。安全保障や処理水問題について、韓国の現政権が厳しい国内批判を浴びながらも日本に理解のある姿勢を維持している中、日本もこれに誠実に応えなければならないと思っております。吉村昭の「関東大震災」(文春文庫)をもう一度読み返してみたいと思っておりますし、今週読んだ「関東大震災がつくった東京」(武村雅之著・中公選書)からも幾多の示唆を受けました。
鹿児島県徳之島に所在する伊仙町犬田布(いぬたぶ)岬にある戦艦大和の慰霊塔が老朽化し、伊仙町役場が中心となって修復に向けたガバメントクラウドファンディングを行なっています。日本一の出生率を誇り、世界自然遺産の島でもある徳之島伊仙町は、平和祈念の町でもあります。多くの方々のご賛同を心よりお願い申し上げます。
https://www.furusato-tax.jp/gcf/2234
残暑厳しい折、皆様どうかご健勝にてお過ごしくださいませ。
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コメント
石破閣下
ポンコツモデラーのポンコツコメントです。
これは少数意見ですが、中国が米国に対して行っている戦争行為ともいえる数々の行為に比べ日本に対する行為は洒落にもならない。フェンタニルと不動産会社の連邦裁判所への破産申請の件を考えれば、これは周到な戦法では無いでしょうか。
中国が米国へ密輸していると言われるフェンタニルにより年間7万人を超える中毒死者数を数えている。トランプがこれに対して強く中国を非難したためある時期下火になったがバイデン政権になるともっと酷くなってしまった。メキシコ国境から止めどもなく流れ込んでくるという。何のために難民流入を防いでいたのか知らないとでも言うのだろうか。
米国の経済は完全に中国に依存しているので、両国ともよく似たアキレス腱を持っている。それで共倒れになるのは致し方が無いかもしれない。エネルギーの問題を抱えている。中国の旺盛なエネルギー消費欲求を賄える手段を中国共産党は持ちえない。また米国も安価で持続的な供給手段を持たない。石油は掘ればそれでいいというものではないからなのである。メキシコ湾が海底油田採掘により死の海に成る危険が有ったことを忘れたのだろうか。
本当に中国が日本と対決する気が有るのであればもっと巧妙な手段を取るでしょう。政治、経済、治安にあの手この手を繰り出して来ます。中国では陛下への尊崇というか憧れ(始皇帝を重ねるような)が何処かにあり、失われた大中華を垣間見るようなところが有るようです。聞いた話ではあるのですが陛下がおわします以上は手は出さないとのことです。乱文・乱筆お許しください。
投稿: 野村嘉則 | 2023年9月 1日 (金) 20時55分
石破さん、中国は憲法の上に中国共産党があって、国を好きにできるシステムになってます。経済開放区が出島で、国家の収益は国民収入分配比重によって共産的にばらまかれます。こんな変な国とまともに付き合っていけるのか疑問です。今回の処理水の件においても、嫌がらせ電話がありますが、あれは全部、中国共産党の命令でやってるのが事実です。次の総理には是非とも石破茂さんになってもらいたいと思ってます。地方はみんな石破さん支持なのに、中央だけ派閥の力で石破さんが総理に届かないこの現状を、どうにか打破して下さい。頑張って下さい。
投稿: 安村直起 | 2023年9月 2日 (土) 14時42分
石破先生へ
お疲れ様です。
中華人民共和国の福島原発処理水の反日キャンペーンはいわゆる「男のやきもち」みたいなもので、中国自らの原発処理水が日本と比べて高濃度であるのと、経済不安に対する体制への批判反らしが大勢かと思います。
ここでひとつ川柳を作りました。
「男のやきもち」とかけて
「妬み嫉みやっかみ」と解く
その心は
「中国四千年の人情味」
いかがでしょうか。
是非とも、皆で快く味わっていきたいものです(旨味が少ないかもしれません)…
投稿: 正木公二 | 2023年9月 2日 (土) 21時40分
こんにちは。
母校の甲子園優勝おめでとうございます。
文武両道でかっこいいです。
石破さんも慶応ボーイw
東海道新幹線のワゴン販売がなくなるそうです。今はホームや駅構内の売店で仕入れることは可能ですが、新幹線が好きなものとしてはさみしいです。コーヒーおいしかったのに。
今週もお仕事頑張ってください。
投稿: くま | 2023年9月 3日 (日) 17時58分
【経済予測記事は妄想で成り立っているようだ。正しいのはどれかを知る努力が常に必要とされているのだろう】
東洋経済と云う雑誌の記事である。9月2日の記事だ。思えばここもシナ帝国の未来は明るいとする見方をしていたのはつい最近までである。ところが今では・・・・・。
『中国経済は本当のところどこまで深刻なのか
・・・・■今年のアメリカの成長率は景気後退どころか上方修正へ
他方、7月末時点と8月末時点を比べると、世界経済を見る目がずいぶん変わったような気がしている。
端的に言えば、1カ月前まではこんなにアメリカ経済がスゴいとは思っていなかったし、こんなに中国経済がヤバいとも思ってはいなかった。
論より証拠、7月25日に公表されたIMF(国際通貨基金)の世界経済見通しを振り返ってみよう。
ほんの1カ月前、IMFのエコノミストたちは日米中の経済を以下のように見ていたことになる。
(成長率) 2022年 2023年 2024年
アメリカ 2.1% 1.8% 1.0%
中国 3.0% 5.2% 4.5%
日本 1.0% 1.4% 1.0%
何しろアメリカ経済は、昨年3月以降で5%以上もの利上げを行っているのだから、年後半には景気後退局面に陥るだろう。とまあ、それは市場のコンセンサスであった。大統領選挙の日程を考えると、むしろ早めにマイナス成長に陥って、年末くらいから回復するくらいの方がいいんじゃないか、なんて見方もあったくらいだ。
ところが2023年の同国経済は、第1四半期は2.0%成長、第2四半期が2.1%成長(8月30日発表の改定値)であった。
そして第3四半期(7~9月期)はまだ期中であるけれども、アトランタ連銀が提供している「GDP Now」を参照すると 、なんと5.6%の高成長と試算されている(8月31日公表分)。これらを足し合わせると、どう考えても2023年の同国経済が2%以下の成長で収まるとは思われない。10月にIMFの新たな予測が登場するときには、おそらくは上方修正されることになるだろう。
・・・・・・・■中国経済はリベンジ消費どころか物価が下落中
これとはまったく対照的なのが中国経済だ。去年は「ゼロコロナ政策」の結果、低成長に甘んじていたわけだから、今年は当然、良くなるはずである。政府目標の5%成長くらいは軽いだろう、と思っていたら、どうも調子が違うのである。
公式発表では、今年の中国経済は第1四半期4.5%、第2四半期6.3%成長である。ただし中国政府発表の場合、これは前年同期比であるから、去年のロックダウンの時期に比べて高く出るのは当たり前。普通の先進国の統計のように「前期比」に置き換えてみると、第1四半期は2.2%、第2四半期は0.8%と減速していることになる。さらに驚くのは、7月のCPI(消費者物価指数)が前年比▲0.3%とマイナスに転じていることだ。おいおい、世界中で物価が上がって皆がヒイヒイ言っているときに、中国では物価が下落しているぞ。どうなってるんだ、これは。』
シナ帝国は7月以降経済指標の数字を公表しないと言い出した。失業率などについて嘘がバレたこともあるが、これからはその嘘の数字さえ公表しないことに決めたそうだ。だから、実態を知るのが遅れるのではあるが、確実に深刻な方向に向かっているようだ。シナ帝国経済をプラスに導く材料はないので、困っている人々を増やすことになる。米国経済についても実態は明るいものだと言えるのかどうか? と云う人もまだいる。しかし、米国は、独裁で経済を操ることがないので、まだ大きな信頼があるということだろう。シナ帝国は独裁政治を続けるために、失うものが大きい。
我が国もまた騙されるところであったと云うべきだ。何が正しいのかを知ることは意外と難しい作業なのかもわかりませんね。
投稿: 旗 | 2023年9月 4日 (月) 05時43分
【独裁政治家の隣国は生き残るために努力をしている。】
ロイターの記事だ。以前にも出たことがあるかもわからないので、追加した内容を書いているとのこと。
『[ヘルシンキ 29日 ロイター] - フィンランド内務省は、ロシアのウクライナ侵攻を契機に国内の既存シェルター(防空壕)を調査したところ、約5万0500基あることが分かったと発表した。
フィンランドは4月、安全保障政策を転換して北大西洋条約機構(NATO)に加盟したが、第2次世界大戦でソ連の侵略に抵抗し、その後もロシアとの紛争の可能性に備え続けてきた。
同国は1950年代には団地やオフィスビルにシェルター設置を義務付け、これにより現在も多くのシェルターが存在している。
政府調査によると、約5万0500基のシェルターには480万人を収容できるという。同国の人口は550万人で約87%をカバーすることになる。
また、シェルターの91%は通常兵器攻撃に耐えられる強度を持ち、83%はガスや核攻撃に対応する機能を備えていることが分かった。
地下シェルターの中には、平時にプールやスポーツセンターのほか、サンタクロースのテーマパークになっているものもある。』
基本的な数字の内容は広く知られているが、改めてフィンランド政府の覚悟が伝わってくる思いがする。500万人の人口の国が生き残るために必死なのだ。ロシアの隣国にいるということは引っ越しが容易ではない。戦うための努力をしないといけない。
我が国も覚醒しないと領土は返ってこないのだ。その上、似たような独裁者の別の国に領土を奪われる危機が持ち上がりつつある。憲法を改正するために進まないといけない。
投稿: 旗 | 2023年9月 4日 (月) 06時00分
石破先生
今晩は!!。
日中の残暑は相変わらず厳しいものながら、今朝と昨日の朝は驚くほど涼しくなりました。寝て居ても肌寒いほどでありました。
そのような中、地方選挙の応援に講演に又テレビ出演など多忙を極められ、大変お疲れさまであります。
小生は先生と同郷、鳥取県出身の「国の将来を憂う」者であります。
本日も何時ものように、最近気づいた事柄などより拙論を述べて見たいと存じます。
その前に、約8カ月前に収録されました朝日新聞LIVEによる「鉄道オタクの石破茂先生、国民民主党の前原誠司議員と鉄ちゃん女子との対談をYouTube動画にて拝見しました。昔の二等車の座席のような作りのカレー屋さんであり、ミニSLに乗せて料理を出すと云う鉄ちゃんファン専門ならではのような場所でありました。
鳥取県出身の「乗り鉄」の石破先生、京都出身の「撮り鉄」の前原議員、北海道出身の「乗り鉄女子」との対談は飲みながら食べながらの、とてもユニークで気楽な雰囲気が素晴らしいものでした。
過去に走っていた列車名とその特徴、車輌の専門用語がバンバン出て来る中で、両先生もとても楽しそうでありました。
小生も嘗て昭和39年高校卒業と同時に、就職と夜間の大学受験の為、3月中旬に米子駅発夜の7時頃の「急行出雲号」に乗っての上京でありました。その当時は鉄道小荷物扱いの「チッキ・・乗車券を提示すれば大きな身の回り品を預かり到着地で受け取るシステムのもの」が有り、利用した記憶があります。そして「深夜の12時過ぎには京都駅へ着き、朝の7時過ぎに東京駅」へ着いた記憶があります。それ以来の60年の人生であります。
又入社して翌年の正月は寮の食事も無く、正月の二日目より食べ物が無くて大変困り、寮母さんに一緒に出前を取って貰い凌ぎました。そしてその年の年末には正月の記憶が蘇り、急に帰省したくなりました。「飛行機で取り敢えず大阪まで行けば何とかなるだろう」と想い、31日の仕事終了後羽田より大阪へ飛びました。
そして大阪発深夜の「急行大山号」に乗り、米子へ向かいました。当時はスキーも大変人気があり、車中はスキー客で大変ごった返して居りました。
朝早く米子駅に着き、窓の外に雪景色と氷柱が見え「嗚呼!ようやく3年目にして帰った!」との感動に、涙が溢れました。
お二人の対談の中で、「早い、便利のみの鉄道では旅情もなく、地方の廃線もあればその事が地方の衰退へも繋がり、ひいては人口減少へも繋がる」と述べられ、石破先生の「ブルトレ復活連盟の会長」も行っているとの事も初めて知りました。
次に先生も頭書に語られて居ります、中国による我が国の「放射能処理水の海洋投棄批判」について述べて見たいと存じます。
昨日9月3日のフジテレビ「FNNプライムオンライン」の放映も拝聴しておりましたが、石破先生と橋下徹氏も出演され、石破先生が述べられました「IAEAの基準も満たして居て検査も受けた後の海洋投棄であり、恣意的な虐めのような我が国日本への批判であり、WTO(世界貿易機構)へ提訴の上国際的に説明を行う事は至極尤もな事である」との発言にはとても勇気づけられました。
岸田政権はその政策の国民への説明と発信がとても下手であり、ロビー活動も殆どないのであれば、「WTOへ提訴その事」が世界へ向けて我が国の立場を理解してもらう事になるのであります。
そして丁寧に発信を続ければ、中国の批判が自国中国の事を差し置いて、如何に身勝手であり恣意的なものであるかが、理解されると云うものであります。
次に、コロナ禍の第9波が押し寄せている最中、5月にコロナを2類より5類へ下げ、通常の季節性インフルエンザエンザと同じ扱いになって以来、国による方策が全く示されません。新しく発生したコロナの変異株が出現し、アメリカなどは猛威を振るって言われて居り、WHOより「今年は新型コロナとインフルエンザのW流行となるであろう」と予想されております。ワクチン接種の6回も済んでいても2回目の感染となる人も居るようであります。
マスク着用も緩くなり、家族感染などがあっても家族の自主的自宅待機などもなくなり、感染しても症状が軽くて気づかず、診察を受けない人なども居るようであります。又治療費や入院費も自己負担となり、その事が感染の拡大を招いているようであります。更に感染して休んでも公休扱いともならず、普通の風邪同様敢えて無理に出勤していることもあるようです。
今一度感染症の分類も含めて、国としての指針を示す事が喫緊の課題ではないでしょうか?
投稿: 桑本栄太郎 | 2023年9月 4日 (月) 20時08分
【後になって見ないと、どの時点が重要なポイントなのかわからないものだ】
過去の戦争でもそうなのだが、闘っている最中は気が付かないようになっている。
ロイターの記事だけを見ても展望は明らかではないようにも見える。
9月1日の記事だ。
『ウクライナ戦争「ロシア国内に移行段階」、攻撃増加へ=大統領府顧問
[キーウ 1日 ロイター] - ウクライナのポドリャク大統領府顧問は1日、ロシア国内でのドローン(無人機)攻撃は増加していくとの見方を示し、こうした攻撃が頻発していることはウクライナの戦争が徐々にロシア国内に移行していることを示していると述べた。
ポドリャク氏は首都キーウ(キエフ)でロイターのインタビューに応じ、ウクライナはロシア軍に占領された地域への攻撃を強化しているとし、ロシア国内でも「工作員」や「パルチザン」による攻撃が増加すると指摘した上で「敵対行為が徐々にロシアの領土に移行する段階に入っている」と語った。』
この記者会見の内容を裏付けるような成果も別の記事になっているが、ウクライナ軍の現状は、唐突に、腐敗した事実が暴かれた国防大臣の更迭が起きるような事態になっていることもあるので 、物事がうまく進んでいるのかどうかは何とも言えない。
9月3日のAFPの記事だ。
『ウクライナのゼレンスキー大統領は3日夜(日本時間4日未明)、国民向けの動画メッセージで、レズニコフ国防相の解任を決めたと明らかにした。
後任には、ロシアに併合された南部クリミア半島の先住民族タタール系の政治家ルステム・ウメロフ氏(41)を充て、最高会議(議会)の承認を求める。
ゼレンスキー氏は理由について「国防省は新しいアプローチや、違った形の軍・社会全体との協力が必要だ」と説明した。ロシアによる侵攻が長期化し、ウクライナ軍の反転攻勢に遅れが指摘される中、人事により国民の士気維持を期待しているとみられる。ウメロフ氏は、西側諸国との関係構築や、汚職が発覚した徴兵センターの信頼回復が課題となる。
ウメロフ氏は、ソ連時代にクリミア半島からタタール系が強制移住させられた中央アジア・ウズベキスタン生まれ。著名なタタール人指導者ムスタファ・ジェミレフ氏の側近などを経て、2019年に最高会議議員。22年から国有財産基金トップも務めた。
昨年2月の侵攻開始後間もなく、ロシアとの間で行われた停戦交渉のウクライナ代表団メンバー。ゼレンスキー氏やオレナ夫人の外遊に同行するなど、重要な役割を担ってきたとされる。』
また、ウクライナ軍の反転攻勢についても陰りがみられているという指摘があるらしい。それをゼレンスキー大統領の様子で表そうとする記事もある。
『遅れが指摘されているウクライナ軍の反転攻勢について、ゼレンスキー大統領は「誰が何と言おうとウクライナ軍は前進している」などと強く反論しました。
ゼレンスキー大統領は2日、自身のテレグラムで「ウクライナ軍は前進している。何があろうと、誰が何と言おうと我々は前進している」などと記し、ウクライナ軍は後退していないと強調しました。
また、マリャル国防次官は1日、現地メディアに対し、南部ザポリージャ州の数カ所で「ロシアの第一防衛線を突破した」と戦闘に進展があったと述べています。
ウクライナ軍をめぐっては反転攻勢が遅々として進んでいないともいわれていて、ゼレンスキー氏の投稿はこれに真っ向から反論したかたちです。
一方、ロシア国防省は2日、ザポリージャ州の集落でウクライナ軍の攻撃を4回撃退したと発表しています。(ANNニュース)』
つまり、これらの状況について言えるのは、まだ誰の目にも正しい姿が見えていないだけなのかもわからないということだ。
せめぎあいの最中にいるのだろうと思うが、作戦が思うようには進んでいないことを表しているのかもわからない。そういう最中に国防大臣の解任である。これが吉と出るのか凶と出るのか大統領、及び、ウクライナ軍にも判らないことである。
後になって見ればこの間の数日間が重要なポイントなのかもわからない。国防大臣は作戦上の指揮系統においては重要な立場とは言えないが、軍の士気につながる重要な人物である。
そういう立場の人物を突然解任するのであるから、影響は起きないと思うのは難しい気がする。吉と出るか凶と出るのかわからないのは、一例として、日露戦争の時の我が国における突然の人事異動を思い出してしまうからだ。東郷平八郎は新設の舞鶴艦隊司令官に在任しており、とても連合艦隊司令官に抜擢されるような立場になかった。それを山本海軍大臣が連合艦隊司令長官に内定していた日高 壮之丞を代えて東郷平八郎に任命したという話がある。この場合は内定の取り消しなのだからウクライナ軍の国防大臣の更迭とは話の中身は明らかに異なる。しかし、海軍の慣例に異なる人事異動であったのは確かである。しかも不祥事があったわけではない。山本海軍大臣は明治天皇から司令長官を変えたのはどういうことかと説明を求められたという話も漏れ伝わっているらしい。嘘か本当かはよく解らない話であるが「東郷平八郎は運のいい男だ」と云う説明をしたらしい。まあ、現実の海戦の内容を見れば運のいい男がなした出来過ぎた勝利であるのは間違いない。
そういう話は、新任の国防大臣には求められる必須の条件になるのかもわからない。或いは、そういうこととは無関係の、何か別のことが起きたのかもわからない。不安要素である。気になりますね。
投稿: 旗 | 2023年9月 4日 (月) 23時47分
石破先生
今晩は!!。
昨日に引き続き、本日9月5日も追加の投稿をさせて頂きます!!。
小生は先生と同郷、鳥取県出身の「国の将来を憂う」者であります。
さて、過日8月26日の「鳥取県ファンの集い」では、先生の多忙なご様子にご挨拶のみしか出来ませんでしたが、少しお話が出来ればお伝えしたいと思って居た事がありました。
今朝の新聞に、岸田総理がASEAN首脳会議に出席後の来週9月11日~13日頃、内閣改造人事を発表するのでは?との記事が載って居りました。かなり以前より「この秋9月頃に岸田政権の内閣改造人事があるのでは?と取りざたされて居りましたが、やはりその通りのようであります。
過日8月4日の岸田総理との会食で、「スワ!岸田総理の石破先生への入閣要請では?」とのニュースが流れました。
その時も当欄にて「岸田総理より入閣要請があれば、お受けされますように!!」と述べました。
矢張り政権内部に居られ「云うべき意見」を述べられる事をと、先生のシンパとして想うものであります。閣僚になられれば、担当の案件のみならず閣議に於いて石破先生の幅広い経験と知見が生かされるものとの、確信からであります。
石破先生の入閣により、危なっかしい政権に一本筋が通り安定するものと思う所以からであります。
勿論、石破先生のシンパとしましては閣僚のみならず「総理を目指される事を願う者」ながら、やはり閣僚として入閣されれば益々先生の存在の重みが増えるものと思う所以であります。
大変僭越なる事ながら、私信なく心より願います事ゆえご容赦くださいませ!!。
投稿: 桑本栄太郎 | 2023年9月 5日 (火) 19時08分
【シナ帝国は何を考えているのかについて、見解を公表した人が出ていた記事があった。】
謎の新国境地図の披歴について、彼等は昔から頭のおかしい人々であったと片付けるつもりはない人がいたようだ。
ニッポン放送の内容を文字起こしした記事にあった。
習近平の行動が根底にあるのかもわからないという妄想によるものだそうだ。記事は
『経済アナリストのジョセフ・クラフトが9月5日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。習近平氏が欠席することになったG20サミットについて解説した。
中国外務省は9月4日の記者会見で、9月9日からインドで開催される20ヵ国・地域(G20)首脳会議に李強首相が出席すると発表した。これまでG20サミットに出席してきた習近平国家主席は欠席することになった。』
・・・・しかし、これは米国では予測されていたという発言が出てきた。
『6月の時点で習近平氏がG20に出席しないことを把握していたアメリカ ~米中首脳会談はAPECで行われる予定
クラフト)6月に米国務省の幹部と話したのですが、その時点で既に習近平氏が出席しない可能性は高かったと思います。
クラフト)米中は6月の時点で、11月にサンフランシスコで開かれるアジア太平洋経済協力(APEC)の首脳会議で、バイデン大統領と習近平国家主席の首脳会談を行う交渉を進めていました。そのときに、おそらく中国側から参加しない可能性を示唆されていたのだと思います。
クラフト)バイデン大統領は、表向きは「失望している」と言っているものの、アメリカ側としては想定内だったと思います。アメリカにとっても、アメリカで首脳会談を行う方が都合がいいのです。』
この理由はシナ帝国の人気のなさにあると、クラフト氏は云う。そして、例の新国境図が出て来るようだ。
『中国が一方的に新たな領土・領海を表記した新しい地図を発表 ~この行為にアジア諸国から猛反発を受けていることも考慮しての欠席か
クラフト)もう1つあるとしたら、因果関係はわかりませんが、8月28日に中国が一方的に新たな領土・領海を表記した新しい地図を発表しました。これによりインドやフィリピン、マレーシアなどのアジア諸国から猛反発を受けています。
クラフト)地図を出したことと、G20に出席しないことが関係するかはわかりませんが、東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議やG20を前にしたタイミングで、このような行為をするのは理解しがたいですね。「オウンゴール」的なマズイ対応だったのではないかと思います。』
まあ、誰もが考えることではあるがシナ帝国の個性があると説明するようだ。
『企業誘致をしようとする一方で反スパイ法を改正するなど矛盾した動きが多い中国 ~統括して判断する部分がない
クラフト)中国、ロシア、インド、ブラジル、南アフリカの新興5ヵ国(BRICS)首脳会議が先日開かれました。そこではBRICS会合を広げる、あるいはグローバルサウスを取り込もうという中国の戦略がありましたが、それと相反するマイナスな動きなので、どうしてこのようなことをするのか……。企業誘致をしようとする一方で、反スパイ法を改正するなど、最近の中国はバラバラな動きを見せています。』
それが何かを知りたいのであるが、理由の一つを提示している。
『クラフト)中国は縦割り行政で、それぞれが習近平氏に忖度し、よかれと思って動いているのですが、全体で見るとかなり矛盾しています。経済と安全保障がバラバラに動いているような印象を受けます。
飯田)全体を統括するようなものがないのかも知れませんね。』
全体を統括するのが完全独裁政治家の習近平の仕事ではないのかと思っているのだが、そこに踏み込むこともなく記事は他に進むようだ。
この記事には見られないが、他の記事では暗殺を極度に恐れる習近平と云うような記事もあったが、国際会議を欠席するとなれば確度の高い情報でもあるのだろうかと思ってしまいますね。
習近平の移動には1個大隊ほどの警護官部隊が常に先頭に立っているという話は広く知られている。それは国際会議が開催されるところだけでなく、自国内を移動するところから始まっていたらしい。彼は2007年以降、10回以上の回数で暗殺未遂事件に遭遇しているのだそうだ。用心深くなるほど情報の獲得に真剣になっているように見える。最近では、雄安新区を守るために周囲の街に洪水を発生させたことがバレて、10万人以上の国民が溺死したという話が広がっているのだそうだ。習近平の命令があったとする話のせいで、彼の命を狙う人の数が増えたと言われているらしい。周囲は敵だらけの世界で権力者として君臨している。そのような環境の中で生活していること自体、発狂しているのは間違いがないような気がしている。勿論、あの新国境地図の公表で国外にも敵を増やしたと思っていることも充分に考えられる。
それは、覚悟していたことかもわからないが、何もかもが失敗、失政、何の関係もないと思われる自然災害の発生他となって政権の行方に大きな不安が続くシナ帝国にあっては自分が悪いという反省はどこにもないようにも見える。暗殺を恐れる精神は健全な精神ではないだろう。警護官部隊の人員は増える一方なのかもわからない。
習近平に意見をする人はシナ帝国国内には一人もいないのだろう。それが大きな問題だ。
習近平を守れば世界から孤立する。彼の周囲の人々は気が付いてほしいものだ。 シナ帝国にとって、習近平は史上最悪の疫病神だ。
投稿: 旗 | 2023年9月 6日 (水) 00時21分
石破さん
台風が過ぎ去るにつれ空気が徐々に酷暑から爽やかな秋に入れ替わる‥そんな期待を悦しむ時季に入りつつあるような‥。
季節は移っても、内外共になにかと定めのない世相ですが、皆様にはご健勝でご活躍されますよう念じております。
引用≫隣国である我が日本は、今後一層心して対応していかねばなりません
⇒安倍愚猿の治世以来、習近平中国が経済的に元気で大中華復活や軍事HardPower増強などに威勢を張っている時機には、我が日本は東アジアの安定と平和を鳴らし、「宗主国米国の陰に隠れて‥張子の虎」然とその自主性や主体性のなさを曝してきた。
⇒ところが、最近に至りForeignAffairsが、我が日本の隣国である中国の先行きに関して、破滅は尚早が過ぎるとしても、現実的な範囲で≪停滞などネガティブなシナリオ≫を論じている。
①China’s Road to Ruin-- The Real Toll of Beijing’s Belt and Road https://shorturl.at/jJN56
②ForeignAffairs:Xi’s Age of Stagnation -- The Great Walling-Off of China https://shorturl.at/fhOWY
Given the multiplying pressures, even though recently having won an unprecedented third term as party general secretary and president and seemed set to rule for life, public mistrust was higher than at any previous point in his decade in power.
⇒予て威勢を張ってきた中国が我が国に無断で俄に中庸を得て穏当に復しても、≪一度決めたら変えない癖(無謬の罠)≫ に倣い、振り下ろす無茶に及ぶ可能性なしとせず。
要すれば、南洲翁が ≪小人に重職を授くれば必ず邦家を覆す≫と鳴らされた警鐘を無視して、張子虎の小人が振り上げた拳をそのままに「昭和16年夏の敗戦」に挑み兼ねない。一刻も速くその重職を解く‥のみならず元総理の職も剥ぐに若くはない。
投稿: 黒山椒無躇 | 2023年9月 6日 (水) 11時27分
ブログの話とは全く関係ないんですが。
今、youtubeで安芸高田市議会の動画が多数上がっている。そこで話題になっているのが(それだけではないけど)居眠り。低レベルだとは思うけど、これ国会でも時々目撃されているよね。確かに自分にとって興味がない(議員としてそれで良いのかってのはあるけど)話題が続いていれば眠気を催すのは判るけど、立場上それは恥ずかしい事だと思うんですがね。
まぁ国会議員にはそんな恥じらいを持っている奴なんぞ居ないんだろうなとは思いますが、石破さん、どう思います?
投稿: nh | 2023年9月 6日 (水) 11時57分
【シナ帝国の長老が習近平に諫言をしたという噂を日経新聞の論説委員が記事にしたらしい】
9月5日にその記事はあったが、読むのにお金がいる記事なので韓国メデアに転載された記事があった。韓国中央日報の記事である。Yahoo!にあった。
『中国の習近平国家主席が最近共産党指導部出身の長老グループから厳しい諫言を受けた後、側近に怒りを表出したという主張が提起された。
5日、日本経済新聞の中沢克二編集委員兼論説委員は「習政権ウォッチ」という記名オンライン連載物を通じてこのように主張した。中沢委員は「謎に包まれていた今夏の『北戴河会議』の雰囲気が明らかになりつつある」としながら「習近平が、中国共産党総書記に就いてから昨年までの過去10年(2012~2022年)とは全く違っていた」と書いた。
中沢委員は複数の消息筋を引用し、今夏の北戴河に共産党指導部出身の超大物長老は一人もこなかったと伝えた。本来、中国の前・現職指導部は2週間の夏休みを兼ねた秘密会議の北戴河会議を開いて国家政策を議論する。
江沢民元国家主席は昨年11月に96歳で亡くなった。胡錦濤前主席(80)は昨年10月共産党党大会閉会式席で強制的に退場させられてから動静が不明だという。
・・・・・中沢委員は「『総意』を携えた代表者数人だけが今回、実際に北戴河入りした」として「『これ以上、混乱させてはいけない』。長老の代表者は、習を前にして、従来にない強い口調の諫言を口にした」と主張した。この時、先頭に立った長老は、元国家副主席であり江沢民の最側近だった曽慶紅氏(84)と伝えられた。
中沢委員は習主席が「別の場で怒りを爆発させた」と伝えた。習主席は「(鄧小平、江沢民、胡錦濤という)過去三代が残した問題が、全て(自分に)のしかかってくる」とし「(その処理のため、就任してから)10年も頑張ってきた。だが問題は片付かない。これは、私のせいだというのか?」と言って側近に不満を表出したという。』
まあ、自覚がないのが解ったという処だろう。誰が責任者なのかと云う問題なのだ。習近平は国家主席と呼べないただの無責任野郎なのだ。その後に続く文言は意味不明だ。
『この他にも中沢委員は、権威あるトップを(9~10日)インドで開かれる主要20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)に行かせるのは危険だというのが習主席側近の判断だったとしながら、「中国経済の実務責任者である李強が、習の身代わりとしてインドに行くのが妥当、という結論になった」と紹介した。』
この長老が習近平の国際会議への出席をやめさせたという意味にもとれるような内容になるが、それが出来るなら暴走は止められていたはずだ。この部分は捏造かもわかりませんね。と云うか内容の全部が嘘くさい。
独裁者を止めることができるのかと云うことである。江沢民派の番頭の曽慶紅を担ぎ出すあたりに無理がある。
この記事は妄想の産物ではないか?
日経新聞には妄想に染まった中2病患者がまだいるのかもわからない。
残念なメデアである。
投稿: 旗 | 2023年9月 7日 (木) 23時17分
石場さん
敢えて書けば、福島の排水は,汚染水を処理した排水です。
一方、原発から出るトリチウム水は、処理せずにそのまま放流してもトリチウムしか含まれていない排水です。
これ、決定的な違いです。
岸田総理は,汚染水を処理した排水だから汚染水ではなくて処理水だと主張しています。
その処理が,国際機関下承認されて安全だから、汚染水ではないと突っぱねています。
科学的に合理的だと言って,問答無用と断言して一切の反論も異論も許しません。
正確に言えば,処理した汚染水なのであって、その処理が,どこまで、どれだけの信頼度と安定性を持って未来永劫いかなる状況においても完全に安全だと担保できるか、科学的に考えるなら,そんな断定も証明もできないと考えるのが正しいあり方です。
その理由は,処理した汚染水だからです。
処理が機械的に行われるのであれば,そのシステムで,誤動作やミスや、過失や,あるいは故意が絶対に起きないとどう担保するのか。
定常的に監視し安全を確認するといっています。それでも,その確認のための計測は、検出限界という限界があります。
つまり検出限界以下に希釈すれば、有害ではないとしても、元の量の放射性物質は間違いなく環境中に放出されるという限界があるのです。
国際機関の承認や日本の技術力をいくら述べ立てても否定しきれない限界がそこにあるのです。
日本が環境に放出すると決めたら、そのいちいちについて説明しなければ、信頼は得られないのです。
以前にも書きましたが、地下水対策を,凍土壁で失敗して、其の儘垂れ流される冷却水をため込んできたところからこの問題は始まりました。
いずれ海洋に放出しなければいけなくなることを承知でやってきたことです。
地下水を止める方法はなかったのか。
チェルノブイリでまずやったことは、地下にトンネルを掘って地下水を止めることをまずやって、廃炉ではなく,石棺を選んだのです。
廃炉にする技術がないからです。
日本でも状況は変わりません。廃炉にかかる時間と費用は、天文学的です。
僅かばかりのエネルギーを手に入れた代償がこれです。
残念ながら,10年たっても1gのデブリも取り出すことができず,1000トンにも及ぶデブリと,さらなる量の放射性廃棄物は処理法も,処分法も全く手つかずです。
次世代その莫大なコストをその莫大なコストをを押しつけるだけのことしかできていないのです。
其れが原子力という魔物の正体です。
福島原発の地下にコンクリートの擁壁を築いて地下水を完全に遮断し、そのプールの中で冷却水を循環させて冷却すれば、回収した排水の備蓄も止まり,海域への取水も不要になります。
日本の土木技術からすれば,全く簡単なことです。チェルノブイリでロシアの専門家が旬日で止めてしまった地下水の処理ができないはずがないのです。
これは,中国が横やりを入れるからという問題ではなくて、日本が世界に対してする信頼性の構築の問題です。
残念ながら,処理水の海洋放出は、未来永劫に渡る完全無欠の安全を担保することができないのです。
汚染水を処理するという原理が常に存在し続けるからです。その原理を変えない限り、胸を張って安全だとはは主張できないのです。
これは日本人の自制の問題です。
投稿: かも | 2023年9月 8日 (金) 07時00分