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2023年10月27日 (金)

津島雄二先生ご逝去など

 石破 茂 です。
 最近、仕事関係の書籍や資料を読んでいると、ただでさえ回らない頭が痺れてきて、思考停止状態になってしまうことが多いのですが、そのような時は昔読んだ本を読み返すのが効果的なように思います。
 立原正秋や五木寛之、渡辺淳一の比較的初期の作品が好きなのですが、高校生や大学生の時に読んだ三島由紀夫の一連の作品を改めて読んでいると、あの豪奢で華麗な文章に魅了されてしまい、資料の精読に戻ることなくついつい時間が過ぎてしまいます。遺作となった「豊饒の海」四部作は相当に重いのですが、「美徳のよろめき」「女神」などは比較的気楽に読めますし、「午後の曳航」の強烈な恐ろしさは何度読んでも変わることがありません。
 三島が陸上自衛隊東部方面総監部で壮烈な自決を遂げたのは昭和45年11月25日のことで、当時中学2年生だった私にはその意味が全く理解出来なかったのですが、今週「自衛隊『影の部隊』三島由紀夫を殺した真実の告白」(山本舜勝著・講談社刊・平成13年)を改めて読み返してみて、深く考えさせられるものがありました。著者の山本陸将補(故人)は三島が傾倒していた陸上自衛官だったそうですが、没後50余年を経て、三島の国家観、歴史観、皇室観が主観を排して客観的に語られるようになったのだと思います。混迷混濁の今の時代に改めてその思いを突き詰めて考えてみたいと思っています。

 

 今週は衆参両院本会議で総理の所信表明演説に対する質疑が行われました。総理が「経済、経済、経済」と連呼したのに対し、野党党首が「給付、給付、給付」「改革、改革、改革」「賃上げ、賃上げ、賃上げ」と連呼する様(さま)は、まさしくイメージ先行のワンフレーズ・ポリティクスを象徴しているようで、ストーリー性に欠けたあまり噛み合わない議論が展開されたのは残念なことでした。

 

 減税や給付の規模や対象ばかりが議論されていますが、この議論のそもそもの発端は総理が「経済成長の成果である税収増などを国民に適切に還元すべく対策を実施したい」と発言されたことにあります。基幹三税の税収増は物価高(消費税)、名目賃金の上昇(所得税)、円安による輸出企業の利益(法人税)によるものですが、物価高の影響は当然、税の対価としてのサービスを実施する政府にも及ぶのであって、サービスの水準を維持するとすれば、そこに「還元」する原資は存在しないのではないでしょうか。行政サービスの水準以上に税をとりすぎてしまったのなら当然「還元」すべきですが、今の状態はそれとは逆であり、加えて「異次元の少子化対策」「防衛費の大幅増」などの行政サービスに要する費用は増大するのですから、「還元」などしている余裕はないはずです。
 再三の指摘となって恐縮ですが、日本国憲法は税負担について応能主義をとっており、税負担能力の上がった個人(この10年で1億円以上の純金融資産を持つ世帯は81万世帯から149万世帯へとほぼ倍増しています)や、円安で空前の利益を上げている大企業などは担税能力があると考えるべきではないでしょうか。「富裕層や大企業が海外に逃避してしまう」とよく言われますが、本当にそうなのかはきちんとした検証が必要です。
 今までは需給ギャップの存在が経済対策を必要とする理由であったと思うのですが、直近で需給ギャップはプラスに転じているはずで、それでもなお経済対策を必要とする理由についても、わかりやすい説明が求められます。昨今の物価高は、大規模な金融緩和による円安、加えてウクライナや中東情勢の緊迫化によるエネルギー価格の高騰と、原発停止による輸入化石燃料の増大によるもので、短期的な減税や給付金で一時的な効果があったとしても、根本的な解決にはなりません。
 日本経済だけが成長しなかったのは、低金利、通貨安と低賃金によるコストカット経営を続けてきたからであり、かなりの期間、多くの人々がこれを是認してきたわけですから、払拭しようとすればそれなりの時間と負担がかかります。それでも我が国の将来を考えれば、日本は高付加価値型のモノづくりを真剣に追求すべきであり、そのための体制整備こそが必要なのではないでしょうか。

 

 かつて橋本内閣の時代、参院選において減税についての政府の説明が揺らぎ、国民の不信を招いて大敗を喫したことがありました。国民に対して、ストーリー性のあるわかりやすい説明が必要です。国民はその場しのぎの解決などは求めていないのであり、我々は国民に正面から向き合い、説得する姿勢を持たねばなりません。

 

 パレスチナ情勢が全く予断を許さない状況となっています。ラビン首相を暗殺して1993年のオスロ合意を無意味にしてしまったのは主にイスラエルの過激な勢力でしたが、今もその危険性がなくなったわけではありません。現ネタニヤフ政権には極右勢力も含まれており、司法に対する立法府の優先を認めるなど、かなりの危うさを感じます。イスラエル国内の政権基盤も弱体化しており、今回のハマスのイスラエルに対する攻撃は、この状況を見てのことなのかと思わされます。ネタニヤフ政権としては、ガザ地区に対する全面攻撃によってハマスを殲滅しない限り政権の維持が困難になるとの判断がありえますが、イスラエルの非を世界に知らしめることこそがハマスの本当の狙いだったのかもしれません。
 イスラエルのガザ地区に対する空爆は、自衛的な行為であるとされていますが、もしこれを国連憲章第51条に定められた個別的自衛権の行使とするなら国連安保理に対する報告が必要で、今回いまだに報告はなされていません。ハマスの行為はイスラエルにとっての9.11だ、というのもかなり皮相的であるように思われます。「天井なき牢獄」とも言われるガザ地区の封鎖も国際法的にかなり問題ですし、1948年の国連決議第194号で認められたパレスチナ人の「帰還権」についても、きちんとした整理が必要です。
 ユダヤのシオニズムとパレスチナの論理には「落としどころ」を見つけるのは困難ですが、イスラエルが1947年に国連によって建国された国である以上、この解決は国連の場でなされなくてはなりません。安保理の非常任理事国である日本国の果たすべき役割にも、大きなものがあるはずです。

 

 中国の李克強前首相が、突然の心臓の病で68歳で死去したことには、かなり異様な感じがしてなりません。7月には外相、先日は国防相が解任されていますが、中国共産党の内部で権力闘争が激化し、構造的な変化が起こりつつあるのではないでしょうか。ウクライナ、中東、北東アジアで起こっていることを俯瞰して、我が国が採るべき道について政府・与党内で徹底した議論が必要です。

 

 厚生大臣や自民党税調会長などを歴任された津島雄二先生が老衰のため逝去されました。極めて明晰な頭脳を持たれ、闊達で洒脱なお人柄がとても好きでした。出来れば自民党の政務調査会長や衆議院議長を務めて頂きたかったと思っております。御霊の安らかならんことを切に祈ります。

 

 今日から29日まで、豊洲のパークセンターにおいて東京味わいフェスタが開催されています。駒場学園高校のキッチンカーで東京の食材も使ったジビエバーガーが販売されており、ジビエ議連会長として試食に行ってまいりました。なかなかの美味で、お時間のあられる方はぜひお出かけください。
 皆様、よい週末をお過ごしくださいませ。

 

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コメント

石破閣下

ポンコツモデラーのポンコツコメントです。

 日本経済は省資源や代用技術で安価で高品質かつ信頼性もある万能を目指した結果、見た目は経済が停滞したように見えるのだけれども、実際は替わりがない唯一を実現してきました。あと10年も経てば世界経済の牽引車と成るでしょう。
 政治が遅れて対応しているように見えるのは仕方が有りません。AIが話題になりますがこれは少し古いです。拡張ランダウの方が新しいです。これらの違いはAIは答えは教えてくれますが理由は答えてくれません。これを説明してくれるのが拡張ランダウです。このようなところが有りますのでどうか政治家には最新の科学の知見を希望します。
 戦争にも科学があります。政治にも科学が有っても良いのではないでしょうか。多分それは言語の科学がまず筆頭に上がると思います。それは詭弁とういうのではなく言葉の力という意味でです。言葉は決定の科学です。乱文・乱筆お許しください。

投稿: 野村嘉則 | 2023年10月27日 (金) 21時24分

 【 ベニスの商人 】

 『 [ ベニスの商人 ]
 イギリスの劇作家シェークスピアの喜劇。
 ベニスの商人バサーニオはベルモントの佳人ポーシアに求婚するため友人アントニオに借金を申込む。アントニオはユダヤ人の金貸しシャイロックから胸の肉1ポンドをかたに金を借りる。
 アントニオは期日がきても金を返せず殺されかけるが,ポーシアが法学者に変装して肉は切取っても血を流してはならぬという裁きを下し,シャイロックは財産を没収される(注1)。 』

 ユダヤ人の金貸しシャイロックは、返済不能となったアントニオから証文通り、胸の肉1ポンドを要求するが、裁判で胸の肉1ポンドは認めるが、血は一滴も流してはならぬとの判決を受けた。

 先進7カ国(G7)から日本を除く6カ国首脳は(2023年10月)22日、イスラム原理主義組織ハマスのテロに対し、イスラエルの自衛権を支持する共同声明を発表した(注2)。

 確かに、イスラエルがイスラム原理主義組織ハマスのテロに対し、自衛権を有するのは疑いが無い。
 しかし、イスラエルはハマス以外のパレスチナ人に対しては如何なる意味でも自衛権を有しない。

 ハマス以外のパレスチナ人に対するイスラエルの軍事攻撃は如何解釈すべきか?

 テロリストとはテロリズムを信奉する人であり、テロリズムとは、特定の政治的目的を達成するため,・・・企図した組織的な暴力の行使。
 ・・・軍隊や情報機関,警察などの国家組織によっても行なわれる(注3・4)。

 テロは国家組織によっても行なわれるので、イスラエルのハマス以外のパレスチナ人に対する軍事攻撃はテロ行為だ。
 即ち、イスラエルのハマスに対する自衛権の行使に、パレスチナ人に対するテロ行為が含まれて仕舞っている。

 イスラエルは、ユダヤ人の金貸しシャイロックの様に、きっかりハマスを攻撃して、それ以外のパレスチナ人を攻撃してはいけないのである。

 日本以外のG6はおかしいのだ。


 (注1)【 コトバンク ベニスの商人(英語表記)The Merchant of Venice
https://kotobank.jp/word/%E3%83%99%E3%83%8B%E3%82%B9%E3%81%AE%E5%95%86%E4%BA%BA-129867
 ブリタニカ国際大百科事典 「ベニスの商人」の解説
 Copyright © DIGITALIO, Inc. 】

 (注2)【 産経ニュース 2023/10/24 10:04
 G7、日本除く6カ国がイスラエルの自衛支持で声明
https://www.sankei.com/article/20231024-MDDGMY7BIFJEDOPOJ2TTC6VBD4/
 ©2020-2023 The Sankei Shimbun. 】

 (注3)【 コトバンク テロリスト(英語表記)(terrorist)
https://kotobank.jp/word/%E3%83%86%E3%83%AD%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88-577357
 デジタル大辞泉 「テロリスト」の意味
 Copyright © DIGITALIO, Inc. 】

 (注4)【 コトバンク テロリズム(英語表記)terrorism
https://kotobank.jp/word/%E3%83%86%E3%83%AD%E3%83%AA%E3%82%BA%E3%83%A0-102010#E3.83.87.E3.82.B8.E3.82.BF.E3.83.AB.E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.B3.89
 ブリタニカ国際大百科事典 「テロリズム」の解説
 Copyright © DIGITALIO, Inc. 】

投稿: 三角四角 | 2023年10月28日 (土) 15時32分

石破先生へ
お疲れ様です。

私は10月29日日曜日に会社帰りの車中でNHKラジオ第二の「宗教のはなし」という番組を聴いていました。故大江健三郎氏を長年に渡り取材された、尾崎 真理子氏(現在読売新聞調査研究本部客員研究員)の講話(対談形式)は大変興味深いものでした。
それは「信仰心の無い祈りとは」から「無神は必ずしも宗教を否定するものではない。」という繋がりの濃さと、私たち人間は存在する自由と存在しない自由の両面を引き継いでいる、という大江健三郎氏が追い求め探求した造詣と知慮に改めて感嘆する内容でありました。
私は大江健三郎氏の文学は全く読んでいませんし、むしろ殆ど興味はなく、晩年は政治思想的にも私と考えが全く違うので、今後も大江健三郎氏の書籍を読むつもりはありませんが、ただ死生観とか宗教観という、未だに解明されていない、人間の奥なる境地に対する見方については大江氏の考えと求める目標像は私と完全一致しており、共有共和していきたいと考えています。
何故、大江健三郎氏の話を持ち出したかといいますと、ここ最近、かなり多くの著名人が亡くなられています。
それに対して、私たち生きている者が、ただ安っぽく、「ご冥福を祈る」とか「謹んでお悔やみを申し上げる」という言葉を連発していいものだろうか?と考えるからです。
生き行く者と死にゆく者との間には、何があるのか、そして今を生きている者は亡くなられた方々に対して、儀礼的な言葉でお悔やむ申し上げるだけでいいのか、それとも信仰心に即した習わしを捧げるべきか、迷う点でもあります。
ただ日本は欧米やイスラム圏のように、国教というものが基本無い国ですので、それほど大上段に構える必要もなく、特に私のような高卒のそれほど頭の値打ちが低い者は、もっと考え思う指数・視点はないことも重々承知の上です。
 ただ石破先生が、三島由紀夫氏を出されたことで、私も三島の自害はそれはそれで正しくまたやむを得ない境地であったことも理解できる反面、大江健三郎氏が目指してきたであろう、生きる者が果たすべき役割を三島は中途放棄したとも受け取れてしまい、両者が一片でも交わりがあれば、と思った次第です。
若干、内容が右転左転(←造語)したことはお詫びします。

中国の李克強前首相が急死されたニュースをお聞きして、私もびっくりしました。
私は一介の小市民ですので、知る情報は少ないものですが、2014~15年頃に中国とやや縁があった時代に、いささか記憶があり、中国東北部のチャムス―やイーチョンなど中国の最北部で災害に見舞われ、その最前線に李克強首相が出向いて、現地の党支部や住民を激励した記事や写真を見たことがあります。
 非常に卓越した、リーダーシップと実務手腕の高さはそれだけでも充分すぎるほどに理解できる内容でした。
 李克強前首相の果たしてきた政治信条に敬礼するとともに、李克強氏のご家族ご親族が今後も安寧でおられんことを強く望む次第です。

長文駄文失礼しました。

投稿: 正木公二 | 2023年10月29日 (日) 22時03分

【ただひたすら下がり続ける支持率】

  テレ東の記事だ。

『テレビ東京と日本経済新聞社が実施した10月の世論調査で岸田内閣の支持率は33%で政権発足以降で最低となりました。

 岸田内閣を支持するかどうか聞いたところ「支持する」は前回9月の調査から9ポイント減少し33%で、2021年10月の政権発足以降で最低となりました。
「支持しない」は8ポイント増えて59%でした。・・・・・・中略・・・・調査は10月27~29日に18歳以上の852人から固定・携帯電話による聞き取りで回答を得ました。』


  まあ、サンプリングの数の少なさはさておき、およその傾向はあると思うし、どこかのメデアのように固定電話オンリーではないという点は、少し評価されるような気がする。ただ、どの程度の割合がそうなのかについて疑念が残る。
 それはともかくテレ東なりに前回より支持率が落ちているということを記事にしたわけだ。後は他のメデアがどのように続くのか明日以降の楽しみである。

 増税メガネ政権がなぜ支持されないのかと云えば同じ自民党のヒトからもすでに指摘はある。モタモタしていることにこだわる人もいるようだが、基本は、方針を立てながら、その方針通りに動かないからだ。その日に吹いた風に逆らうことがない。『減税』と云う言葉も、減税メガネと呼んでもらうことが目的であるかのように飛び出た言葉である。

 そしてその中身が1年限定と云うようなその場限りの中身の薄い公約の様なのだ。増税メガネは揺るがない。

 一部メデアは、今解散するとヤバいと言い出した。それではどうするのかと解説しても始まらない。信頼を失った内閣は、森喜朗政権のようになるかも解からない。支持率が5%と云う信じられない数字だった。消費税の数値より少ない数字があったのだ。あの数字まで逝くのだろうか? 仮にそこまで逝けば青木の法則なんて心配するまでもない。周囲が気にするなと言ってくれるだろう。是非見たいものだ。


   興味が湧いてきた。

 

投稿: 旗 | 2023年10月30日 (月) 05時43分

こんにちは。

キッチンカーいいですね。
以前ほどではないですがキャンプ熱を活用してジビエ料理の普及につながればよいですね。

投稿: おにく | 2023年10月30日 (月) 09時28分

石破先生

今晩は!!。
日中の気温は22~23℃もありそれ程でもないものの、朝晩は日毎に冷えるようになりました。
過日、臨時国会が開催されてより先生に於かれましては、その後の連日の予算員会へも出席され、大変お疲れ様であります!!。
小生は先生と同郷、鳥取県出身の「国の将来を憂う」者であります。この臨時国会が開催されてより、最近はパソコンのライブ動画により、ほとんど見て居ります。その事に付き感想を述べて見たいと存じます。

さて、本会議に於いて与党議員を始め、各野党による代表質問が行われましたが、参議院の代表質問に於いては与党自民党の参議院幹事長であります世耕広茂議員の質問内容には、度肝を抜かれた思いでありました。即ち「岸田総理は一体何をやろうとしているのか?まったく分かりません。今少しリーダーシップを発揮され、国民に分かりやすく説明すべきではないでしょうか?」と明治維新の立役者である久坂玄瑞の言葉や、松下村塾の吉田松陰の言を持ち出し、非難とも取れる激しい論調の質問内容でありました。

小生は予ねてより、与党議員による代表質問は時の政権首脳に対するよいしょ!(持ち上げ)内容が殆どであり、何故必要なのか?政権の政策内容は与党議員へは事前に何故知らされていないのか?と大変疑問に思って居りました。
然し、その思いは間違いであり政権首脳の政策は幹部のみであり一般与党議員は殆ど知らないのが現状だと理解出来ました。
その意味で世耕議員の代表質問は、政権与党内でも岸田総理の政策に対しては一枚岩ではなく、岸田総理は与党の総意をくみ上げて居ないのだと感じました。やはり、国会に臨む政権首脳の政策の基本的な内容は、与党の各議員へは報せる事が必要ではないかと感じました。

後日の野党からの質問にもありましたが、与党の中枢的な議員でも理解出来ない政策の内容を、何故国民に理解できると云うのか?と。
岸田総理の異次元の少子化対策や物価高騰対策は、その内容を自身の言葉で語る事もなく、「指示を行いました」と全く他人事のようであるとの指摘は、確かに正鵠を得ているものと想います。
その辺りが、直近の支持率の26%と云う内容であり、国民へ還元するとした減税策も給付金支給の政策も国民の60%は「期待していない」との数字に出るのではないでしょうか?
その他、衆参の各野党の代表質問も見ておりましたが、共産党の志位委員長、小池書記長の内容は国民の心情(本音)を述べたものであったのはどうした事でしょう??現与党政権は衆参とも多数派であり、その奢りにより、国民の負託からかけ離れているのではないのでしょうか?

次にパレスチナ情勢について、拙論を述べて見たいと存じます。
パレスチナ・ガザ地区のハマスによる、イスラエル国民への襲撃と人質事件はイスラエルを激怒させ、この際「せん滅する」と公言しておりました。そしてガザ地区への連日激しい砲撃とミサイル攻撃、そして空爆が続いておりましたが、愈々地上よりの侵攻となり戦車を連ねての連日の戦闘が始まりました。そしてイスラエルのパレスチナへの侵攻は第2段階との発表であります。イスラエルは特にガザ地区北部の住民に対して避難退去勧告を行っているものの、一般住民は水も食料も無く南部へも受け入れの当てもなく、イスラエルにより猛攻撃の為、大混乱の中の地獄絵図であると云います。

この間、さすがにアメリカを始め欧米諸国はイスラエルに対して人道的見地により、停戦を画策しカナダによる修正案により国連安保理開催を開きましたが、今度はロシアや中国によりハマスのみを非難しているとして、否決されてしまいました。先の安保理に於けるアメリカの「イスラエルの自衛権への言及がなされていない」との理由により停戦案の否決と云い、国連安保理は全く機能していない様であります。

本日30日の衆議院予算委員会では「有志の会」の吉良州司議員が質問に立ち、先の国連安保理の停戦決議案に対し「日本は何故棄権したのか?」と質問しましたが、岸田総理の答弁はアメリカと同じ主張であり、「イスラエルの自衛権への言及が無くバランスの問題であった」と答弁しました。
その後吉良議員は自身の昨年の2月16日時点の予算委員会でのウクライナ情勢についての質問のパネルを再度持参し、他国へ侵攻を行い人命の殺戮は絶対あってはならないものの、「いわゆる強権国家と云われる国々の言い分は無視してもよいもであろうか?」と視点を変えてみる事の必要性を説きました。そして、再三これはロシアのウクライナ侵攻前の内容ですよ!と確認しながら持論を展開しました。

何故あの時、世界各国は双方の言い分を聞き戦争を「何が何でも回避」しなかったであろうか?我が国も太平洋戦争の折り、もう6ヶ月早く降参をしていれば、米軍の沖縄侵攻、東京を始め各都市への空爆、広島・長崎への原爆投下もなかったはずであると述べ、ウクライナも戦争が長引けば有利に戦うかもしれないものの、ロシアによる核爆弾の使用が懸念されるとのべました。
パレスチナ問題も戦闘状態へ入る前に、国際社会により戦争回避への道を探るべきであった。その切羽詰まった状況をよく知っている我が国日本はアメリカへの追随ではなく、アメリカ・イスラエル側とも、アラブ諸国とも両方に良好な関係にある日本が停戦への労をとってもと述べました。さすがに、長年の商社勤務の経験のある吉良議員ならではの情勢の把握であると感心しました。

この内容は以前、小生も当欄にて拙論を述べましたが、ソ連邦解体とワルシャワ条約機構の解散、NPT(核兵器不拡散条約)の時、当時ウクライナにあった核兵器のロシアへの移転と、国連五大国によるウクライナの保護、更にロシアへのNATO条約の東進を行わない事の確約していた事も記述しておりました。
今回のパレスチナ情勢はウクライナ戦争と共に、米欧とロシア・中国・アラブ諸国との大戦になる事も予想され、先ずは両方とも人道的見地からの停戦を模索する事が、国際社会の喫緊の課題であります。
いつもながら、僭越なる論調をご容赦下さいませ。

投稿: 桑本栄太郎 | 2023年10月30日 (月) 21時18分

【ユーチューブでは、増税メガネの辞任が近いとする内容の予告動画が何本かある。ネットで流行るこういう内容は柿沢氏の言う効果とは別物だ】

  これまでの内容を簡単にまとめる記事が産経にあった。

『東京都江東区の木村弥生区長が公職選挙法違反容疑で東京地検特捜部の強制捜査を受けた事件を巡り、自民党の柿沢未途衆院議員が31日、法務副大臣を辞任した。先週には女性との不適切な交際が報じられた同党の山田太郎参院議員が文部科学政務官を辞任したばかり。内閣支持率の低迷に苦しむ岸田文雄首相にとって手痛い不祥事が続いている。

 「2人の辞任が続いた責任を重く受け止めなければならない。信頼回復に向けて先頭に立って努力したい」。首相は31日の参院予算委員会で、神妙な表情でそう語り、自身の任命責任を認めた。「内閣として(説明)責任を果たしていかなければならない。本人も必要に応じて説明責任を果たしていくのは当然のことだ」とも強調した。

 今回の辞任劇は異例の経過をたどった。柿沢氏は自身の関与を31日付の朝日新聞で認め、同日午前に辞表を提出。ちょうど審議中だった参院予算委で野党は柿沢氏の出席と説明を求めたが、政府は予算委が昼休みのうちに慌ただしく辞表受理を決め、幕引きを急いだ。

 政権には「辞任ドミノ」の苦い記憶がある。昨年の臨時国会でも「政治とカネ」や世界平和統一家庭連合(旧統一教会)などの問題で閣僚4人が次々と職を辞し、並行して内閣支持率も下落した。そして現在の支持率は当時も下回る過去最低水準に沈んでいる。

9月の内閣改造など一連の人事は巻き返しの契機となるはずだったが、副大臣・政務官人事は当初、54人全員が男性で「女性ゼロ」と批判を浴びた。今回の公選法違反疑惑も8月時点で報道されており、「それで任命したのは、さすがに首相の落ち度・責任」(日本維新の会の音喜多駿政調会長)との指摘がある。

 政権の目配り不足を懸念する声は与党内にも強い中で、野党は加藤鮎子こども政策担当相ら閣僚の「政治とカネ」問題にも追及の気配を見せる。(千葉倫之)』


  まあ、公職選挙法違反とただの好色が目的の不倫が政権を揺らしているのであるが、臨時国会は不祥事が暴きやすいのかどうかよくわからないが、過去のことがあるので、2件も上がれば、3件目はいつなのかと云う話になるだろう。そして今回は支持率の低下もある。総辞職が近いと予想する政治系ユーチューバーは増税メガネ政権の沈没をテーマにしたようだ。

 ほぼ断定的な扱いなのは誤解を招きそうだ。まあ、そのようになるだろう。問題は、それが起きる日付けを争うまで追い込まれているのだろうか?


  それはともかく、G7 これしか残らない総理なのだ。

 人事を扱う事の怖さが、この内閣にはある。内閣改造で失敗したと言われても仕方がない。男尊女卑なのは間違いないのだから・・・・。

 総辞職ではなく解散をすれば時期的に難しいと言われているようだが、助けてくれるはずの同僚議員がなかったのだから、解散すればいい。そして、俺は財務省の岸田だ! と言えばいい。だから増税するは我にありなのだろう。財務省がないと何もできない愚かな政治家だ。

投稿: 旗 | 2023年10月31日 (火) 23時52分

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