細田博之先生ご逝去など
石破 茂 です。
油断は禁物ですが、コロナ禍も収束に向かいつつあり、鳥取県内でも4年振りに各種の会合やお祭りが開催され、どこも相当な賑わいです。久しぶりに対面で多くの方々と懇談する機会が出来てとても有り難いことなのですが、現政権に対する批判的な見方が多いことに驚かされます。年内の解散・総選挙は見送りとなるとの報道ですが、先延ばしをしている間に国民の不満が更に鬱積して、いつかは必ず到来する総選挙の機会に決定的な審判が下されないとも限りません。自民党議員は、とにかく選挙区を丁寧に歩き、街頭演説や小規模集会を繰り返して自分の支持を拡大する他はないのであって、選挙の厳しさを政権の所為にするのは責任転嫁というものです。政権が順風の時は誉めそやし、逆風になると一転して批判に転じるのはあまり感心致しません。いかなる逆風下であっても選挙はあくまで自分でやるものだと私はかねてより思っております。
本日の総務会において新たな経済対策の柱となる補正予算案が承認されましたが、席上で幹事長も言及していたように、国民の皆様の理解は未だに不十分です。毎回指摘して恐縮ですが、物価高による消費税、名目賃金の上昇や株高による所得税、一部輸出関連製造業の好業績による法人税の増収によるところが大きい税収増を「経済成長の成果」とすることに対する疑念や、物価高の影響は行政サービスを提供する政府にも当然及ぶことを無視して「還元」とすることの疑問、物価高の主たる要因である円安に対してどのように対処するのか等々、人々が抱く素朴な疑問に正面から答える姿勢を持たねばなりません。不人気な政策を実行するときこそ、政府・与党は国民に正面から向き合い、わかりやすい説明に努めなくてはなりません。かつて福田康夫内閣で、インド洋の海上自衛隊による各国艦船への補給活動を継続するためのテロ特措法を延長する際、町村官房長官、高村外務大臣と共に防衛大臣として渋谷や新宿の街頭に立ったことを思い出します。動員したわけでもないのに多くの人が足を止め、聞いてくださった光景が忘れられません。決して逃げることなく国民に正面から向き合い、雄弁饒舌でなくとも誠心誠意説明すれば、多くの人にわかっていただけるはずです。
国民はむしろ、負担の不公平さに違和感を持っているように感じます。純金融資産が1億円以上の「富裕層」はここ10年でほぼ倍増の148万世帯、全世帯の2.5%となっていますが、一方において資産がゼロの世帯は2人以上世帯の22%、単身世帯では33%を占めるに至っており、格差の拡大が近年鮮明になりつつあります。税を納める力のある人がそれに相応しい納税を果たすという、日本国憲法の定める「法の下の平等」に基づく「応能負担の原則」が我が国においてどれほど実施されているのか、きちんとした検証が行われなくてはなりません。「増税」と批判されてただ怯えることなく、あるべき公平な税制の姿を訴えることが肝要です。
必要があって日本における医療麻薬の適正な使用について調べているのですが、国際麻薬統制委員会の統計によれば、日本の1日当たりのモルヒネの使用料はイギリス、アメリカ、カナダの約30分の1、フランス、ドイツの約20分の1から10分の1、イタリアの半分以下なのだそうです。医療用麻薬は医師の厳正な管理のもとに使用されるので、常習性による中毒などが起こるはずもないのですが、何故このようになっているのか、どうにも判然と致しません。40年以上前に亡くなった私の父は膵臓癌でしたが、亡くなる前の痛みは相当のものでした。日本の医療界では「1分でも1秒でも長く生かすことが医学の勝利」なのだそうですが、Quality Of Life という考え方をもっと生かすべきなのではないか、ととても疑問に思っております。
高校生の頃に読んだ渡辺淳一氏の初期の作品である「無影灯」(1971年)の中に、主人公である癌に侵された医師が「医者は本来殺し屋なのだ。日本の大学医学部に死なせ方の講座はないが、もしあったら俺が教授になるのだった」と語る場面があるのですが、それ以来これがずっと気になっています。武谷牧子氏の日経小説大賞受賞作「テムズのあぶく」(2006年)にも、余命いくばくもない癌患者である機械メーカーのロンドン駐在員である主人公が、薬局でモルヒネの錠剤を購入して使用し、穏やかな最期を迎えるという場面が描かれますが、これを読んだ際にも同じ思いを抱きました。齢を重ねてくると、自分の周りにも亡くなっていく人がだんだんと見られるようになってきて、人生の終わり方についても、日本には突き詰めた議論がなお足りないことを痛感しています。
前衆議院議長の細田博之衆議院議員が急逝されました。享年79。当選は私が一期上でしたが、隣県の島根選出でもあり、内閣や党の執行部で一緒に仕事をしたことも多々ありましたので、極めて残念に思っています。明晰な頭脳を持ち、常に冷静であった在りし日のお姿を偲び、御霊の安らかならんことを祈ります。
島田三郎参院議員、竹下亘元総務会長、青木幹雄元参議院議員会長、そして今度の細田先生と、島根の政治家のご逝去が続き、とても寂しい思いが致します。山陰の田舎の想いを、我々残った者たちが受け継いでいかなくてはなりません。
宝島社より「没後30年 田中角栄100の言葉」の新版が発刊されました。巻頭企画に私のインタビューも載っていますが、改めて田中角栄先生の一言一言の重さと温かさを感じさせられます。私は実際にご活躍されていた田中角栄先生を知る最後の議員として、魔神、鬼神、天才としか表しようのない先生の教えを現代に述べ伝える責任の一端でも果たしたいと思います。
11月も半ばとなり、今週後半の都心はようやく寒さが感じられるようになった日々でした。
皆様、ご健勝にてお過ごしくださいませ。
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コメント
最近の国会議員の特に責任ある立場のある人のなんと情けない言動。岸田総理も任命前には、身体検査をしていると思いますが、余りにもお粗末です。その点石破先生は私にとっては、昭和61年に初当選をされて以来のフアンであり、H28年の自民党大会の後の懇親会で先生と話せる機会があり、さらにその思いを強くしたものです。来年の総裁選には再度立って欲しいと切に願って居ります。乱文で失礼しましたが、思うところをお汲み取り下さい。
投稿: 高橋元則 | 2023年11月10日 (金) 18時12分
石破閣下
ポンコツモデラーのポンコツコメントです。
いろんな意味で世界から取り残されている現状で、現政権が国民から理解されないのは仕方がないことかも知れません。頑張っているとも言えますし、疑問が残るとも言えます。頑張っていると言えるのは支持率が落ちても涼しい顔が出来るからです。疑問が残るとはそこまで達観して良いのかという事です。誰も担いたくない現状なのですから本気で政権に立ち向かってくるもの好きなどいないでしょうとの余裕すら感じます。
がん患者などに投与する医療合成麻薬はフェンタニルが主流だと聞きます。この麻薬はアメリカを地獄に叩きこみました。メキシコ国境から不法入国者の手により大量に米国に流入し7万人を超える中毒死者を引き起こしています。出元は中国と言われていますが白人を中心に死者が出ています。治療用と医師から処方された結果です。処方してもらえなくなった後、違法に入手して中毒に成っているのです。よもや日本でこのような惨事が起きる事とは無いと思いますが・・・どうかな。このようなことが起きている米中は戦争をしていますね。
中国が台湾どころか日本とも戦争を意図しているとメディアが騒ぐにはこのようなことからどうかなと思うのです。日米安保条約があるから日本も攻撃対象に成っているとは限らないのです。建前はともかく本気度はそうはないでしょう。中国にとって日本は必須な存在です。まさか本気でことを構えるとは考えられないのですが、ロシアのウクライナの件も有りますので何があるのか分かりません。アメリカに脅迫でもされなければ攻めては来ないでしょう。最近関係改善が囁かれています。こんなものでしょうね。やりすぎです。
脱炭素社会を目指すそうですが、だから戦争は起こしては成らないはずなのですが・・・。乱文・乱筆お許しください。
投稿: 野村嘉則 | 2023年11月10日 (金) 21時45分
茂さん
田中角栄のやったことはどうかと思う。
投稿: 安村直起 | 2023年11月11日 (土) 11時58分
茂さん
田中角栄は、小学生だった進次郎を殺そうとしてみたり、良い政治家とは思えません。
投稿: 安村直起 | 2023年11月11日 (土) 13時48分
茂さん
田中角栄がまともな政治家と思ってるんですか?。うまいもんも女も金で買える。ましては人の心まで。田中角栄の最後の弟子が安倍晋三ですよ!。よく考えて下さい。
投稿: 安村直起 | 2023年11月12日 (日) 12時20分
石破先生へ
お疲れ様です。
先週の私のコメントで「来夏の参院選」と記してしまいましたが、正しくは「再来年夏の参院選」でした。最初にお詫びと訂正を致します。
岸田総理の支持率や評判が悪いのは致し方ない所かと思います。
決して開き直りで云うわけではありませんが、世界的にも欧米先進国ともに、現政権へのバッシングや不評が多い状況で、やはり古い体質を引き継いでいる政権は支持率が高くない現状を現わしている、そのひとつに日本も同じ状況にあると考えています。
ですので、岸田総理はここが一番の正念場であって、乗り切れるように支援していくのが自民党支持者の務めと思います。
また、岸田総理が内閣を総辞職することがないように、石破先生が立ちふさがってでもそれを取りやめるように重ねてお願い致します。
医療用麻薬の件ですが、将来的に日本でも大麻の使用解禁、マリファナ・ハシシを全面解禁して、覚せい剤やLSDをもっと重罰化(所持だけで一発懲役)する方向も検討すべきと私は考えます。
諸論あるかと思いますが、日本の大麻取締りは限界があり、むしろ解禁によって品質が優れた良質な大麻が使用される方が健全かと思います。
私のイチ意見ですので、そうならなくても全く問題ありません。因みに私は大麻が解禁されても購入も使用もしませんのであしからず。
イスラエルとハマスの内戦が深刻化されています。世界中で一時停戦を含めたイスラエルに対する非難批判が多くありますが、私はイスラエルのガザ北部空爆やハマスへの地上攻撃を支持しています。
イスラエルの軍事作戦が国際法に違反している、という見方がありますが、テロ組織であるハマスを壊滅させるには、国際的な条約や法律の逸脱もやむを得ないと思います。
全ての法律や常識に即した軍事作戦がもしあれば見本を示して頂きたい。
私はここぞとばかりにイスラエルを批判しつつ、欧米側をその手先として誹謗中傷するやり方には非常に不見識と不公平を感じていまして、国際社会及び自由と民主主義を標榜する国家や市民はイスラエルを断然支持していくべきと考えますが、皆さんはいかがでしょうか?
投稿: 正木公二 | 2023年11月12日 (日) 22時13分
【その時々の発言が話題をさらう衆議院議長であったという印象が強すぎて・・・】
もっと長生きするような気がしていた人が急逝されたような印象が強い。これまでの衆議院議長とは異なったタイプの人だった。
中でも、
『2022年5月10日、東京都内で開かれた自民党参院議員の政治資金パーティーで「議長になっても、毎月もらう歳費は100万円しかない」「上場会社の社長は1億円は必ずもらう。2億も3億も10億ももらっている人がいる」「月給で手取り100万未満であるような議員を多少増やしたって罰は当たらない」という発言をした』
これは正直な感想なのだろうが、その職にある本人が言えば、誤解を受け、煽る人も出て来るような気がしていた。まあ、上品な話ではない。他の人に言わせて、本人がそれを利用するような形にすれば誤解されることもなかっただろうと思うが、やはり性格なのかもしれない。金に細かい議長だから細田なのだと思われたのだろう。彼を支持する人から見れば汚点のような発言になったと思われる。
年齢からくる病気なのかよく解らないが、10月20日に議長職を辞任して、その約3週間後に逝去されたということである。慌ただしい人だったような気がする。時間がなかったせいか勲記も位階も不明だ。普通、議長職にあった人はだいたい、従二位、或いは正三位、そして勲一等、或いは、今ではほぼ桐花大綬章という相場があるので、薨去されたと読んでもおかしくない立場だ。物議を醸す例では、まだ生きてる河野洋平などもいる為、議長職と云うのは、これから大変な気もする。
これからはゆっくりされるようだ。謹んでご冥福をお祈りいたします。
投稿: 旗 | 2023年11月13日 (月) 03時00分
【ハマスがテロ攻撃をした動機とは?】
先月の16日にロイター他が記事にしていたのが、サウジアラビアとイスラエルの国交正常化の延期記事だ。これが気になって、今も、ハマスの行動のきっかけなのかと思う処である。
ロイターの記事を上げる。
『[リヤド 13日 ロイター] - サウジアラビアがイスラエルとの関係正常化計画を凍結していることが分かった。サウジ政府の考えに詳しい関係者2人が明らかにした。米国が支援する正常化交渉を先送りするという。
関係者の1人は、当面協議は継続できないとし、再開時にはパレスチナ問題でのイスラエルの譲歩をより優先させる必要があると述べた。
サウジはイスラエルとの関係正常化の見返りに米との防衛条約の締結を求めている。関係筋が以前に明らかにしたところによると、サウジはイスラム組織ハマスとイスラエルによる今回の衝突が起こるまで、国家樹立を目指すパレスチナに対しイスラエルが大幅に譲歩しなくても、合意を受け入れる構えを示唆していた。
サウジ政府にコメントを求めたが、回答は得られていない。』
この両国の国交正常化計画は誰が糸を引いていたのかと云えばバイデンだ。彼は、来年の大統領選挙の目玉政策と云うか手柄話の一つとして目論んでいたのである。イスラエルと中東の盟主であるサウジアラビアが国交を結べば反対する国は大量にある。バイデンは選挙を有利にする材料の一つぐらいにしか思っていなかったようだが、ハマスなどはサウジと親しくないのに邪魔をすることでここを注目させる効果があると思ったのだろう。
バイデンは同時にイランを黙らすために、何をしていたのかと云えば、
『米国では、バイデン政権が9月にイランとの囚人交換の際に、60億ドル(8900億円)の資産凍結を解除。野党共和党はこの措置がハマスの攻撃を助長したとして批判する。これに対し、政権側は「解除された資産は、まだ1ドルも使われていない」(ブリンケン氏)と否定した。』
実行する寸前だったのかどうかはともかく、これは仲の悪いサウジアラビアを動揺させる効果もある行為だ。バイデンは自分のことしか考えていない。このような前例はある。米民主党の大統領はクリントンが昔、ウクライナに核兵器を捨てさせるために、ブタペスト覚え書を結ばせたように、それを自分の手柄話のように手に入れ、それを自分の選挙活動に利用するためには、その政治的行為がどのような効果を、その地域で作用するのか考えない処がある。ウクライナは、今、大変だ。核兵器を握っていたままであれば、侵略はなかったかもわからない。米民主党の罪である。だから支援に必死になるのだろう。
ハマスが焦ったのかどうかは不明であるがイスラエルの立場に変化が起きるのは避けられない。パレスチナ人々の見方に影響があるだろう。
バイデンが見誤ったのかどうか?
気になるところだし、この凍結がいつごろ解凍されるのか不明だ。バイデンが今回の事態を招いたのだろうか?
まあ、断定するつもりはないが浅はかな行動ではないのだろうか。
投稿: 旗 | 2023年11月13日 (月) 03時41分
使用料→使用量ではないでしょうか?
投稿: isi | 2023年11月13日 (月) 06時56分
石破さん
ブログのご更新、有り難うございます。
始まりとともに終わりを感じさせる「儚い秋」に想う(微笑)。
①≫人生の終わり方‥
これを考えるには、この映画(下記)が秀逸だと考え何度も繰り返しネットで視聴しております。残る家族が世俗的な常識に縛られているが、肝腎の主人公と一部家族が進歩的な考えを持ち心の豊かさと智性に富みつつ、自らの想いを実行に移す‥お話。
(蛇の足)愚見では、予定する最期の日時を ≪予め家族に伝えておく≫ ことは家族思いであるようで実は残酷な行いだとw。
―――――記―――――
『92歳のパリジェンヌLa Dernière Leçon』がお勧めです。
https://shorturl.at/gqBX0 ‥ウィキの解説:元フランス首相リオネル・ジョスパンの母ミレイユの尊厳死を、娘で作家のノエル・シャトレが描いた小説『最期の教え』を原案としている。
②≫‥突き詰めた議論がなお足りないことを痛感しています
⇒御意!ではありますが、愚見では、例えば戦後数十年の極東の島国の激動の軌跡を俯瞰しても、それは期待するだけ無駄だと。
⇒日本の国情は、「人間にとって唯一の絶対(!)である死」に関する議論は幼稚なまま(if any)、幼い小学生の無惨な自殺と智的な高齢者の尊厳死(自逝)を混同しても平然としている。
また、冗談なのかも知れませんが、 彼の「尊厳死協会」が謳っていることは、日本では全く承認の議論さえない ≪安楽死≫ に過ぎない‥などなど。民主主義に関する民度の低さも含めて、「この知識人(と云われる連中)にして、この国情」を痛感する。
投稿: 黒山椒無躇 | 2023年11月13日 (月) 14時08分
付録:
「没後30年 田中角栄100の言葉」の周辺をネットサーフィンしておりましたらこんなの(↓)を見つけちゃいました。
去年の正月のものですが石破さんに惚れ直しました。時節柄w、「政治家石破茂さん」へのエールとしてコピペします。
🌸田中角栄からの檄で国会議員に‥石破茂が35年を振り返る
https://r25.jp/article/1024893266758418287?u=tp
投稿: 黒山椒無躇 | 2023年11月13日 (月) 14時41分
石破先生
今晩は!!。
昨日、日曜日の朝より風雨が強くなり、急激に冷え込んで参りました。
そして本日13日(月)は今年一番の寒波のようであります。北海道や東北では平野部でも初雪との天気予報でありました。
当地京都も朝より寒く、気温の予報は最高でも13℃と一気に冷え込みであります。一週間前の23℃以上もあった気温が嘘のようであり、遅かった行楽地の紅葉も一度に進みそうであります。
そのような中、先生に於かれましては国会に、講演やメディア出演にと多忙な事と拝察いたします。お疲れさまであります!!。
小生は先生と同郷、鳥取県出身の「国の将来を憂う」ものであります。
今回もこの一週間に於いて気付きました事への感想やら、拙論を述べさせて頂きます。
さて、岸田政権の物価高騰への対策の骨子が決まり、生活困窮世帯(非課税世帯)への7万円支給と全国一律減税4万円との事ながら、JNNの世論調査によれば岸田政権の支持率は29%であり、不支持率も68,4%と過去最低を記録して居ります。更に国民の64%がこの政策を評価しないとの事であります。
政権内でも財務省の見解では「一年間の緊急措置であると云い」、宮沢税制調査会長の見解でも「本来は減税政策などとんでもない事であり、短期的措置を」と述べるなど、政権内でも意見不一致の動きが見られ、総理による国民への説明とリーダーシップ発揮が少しもなされておりません。
更にこの措置が終われば、来年以降43兆円の防衛予算の財源確保や異次元の少子化対策として、大幅な増税と医療や介護保険料等の社会保険料の値上げなどもありそうであると、「国民は見透かしている」からであります。又野党からばかりではなく、与党内議員からも一時的な物価高騰政策ではなく、国民の生活への不安を取り除くためにも一律現金支給を行い、消費税も期間を定めても減税を行うべきであるとの声が、益々大きくなっているようであります。
過日の参議院予算員会でも与党自民党の太田房江議員より、「生活困窮者への現金支給のみならず、そこへ至らない狭間にある低所得世帯へも手を差し伸べるべきではないか?」と述べて居りました。
そこで2022年の厚労省発表の世帯当たり収入別分布を見れば、年収300万までの世帯は実に34,2%もあり、300万以上~1000万までの所帯は54%であり、合計すれば88,2%が1000万までの世帯となります。又以前調べた記憶によれば公的年金収入のみの世帯では、300万未満が圧倒的でありました。これらの内容から見ても、生活困窮者(非課税世帯)のみならず今少し幅を広げるべきであり、出来れば1000万円までの世帯へは一律現金支給も必要ではないかと思う者であります。
これらの財源としては、以前より提言しております一部大企業が殆どである「540兆円以上にもなる内部留保金への課税」、「外為特別会計準備金の取り崩し」更に、GPIF(厚生年金基金運用事業団)による運用益などが218兆円もあり、これらを原資とすれば可能であると思います。自民党内議員の誰からも、この様な声が聞こえないのは不思議な事と思うばかりであります。
以上の様な内容からしても、国民の生活は本当に疲弊困窮して居り、岸田政権は少しも国民の意思をくみ取って居ないんこでは?との国民の思いからの理由により、不支持のようであります。
次に、パレスチナ情勢についてであります。
過日、アメリカのブリケン国務長官のイスラエル訪問があり、「イスラエルの自衛権は尊重するものの、人道的見地より時間を決めてでも休戦を」と説得しました。我が国日本の上川外務大臣も、その直前にイスラエルを訪れ、同じように支持と、停戦を伝えています。
然しイスラエルは何事も「人質解放が先決である」と述べ、時間を決めての休戦のみでありその後即爆撃も始まり、難民キャンプや病院へも激しい攻撃の連続であります。イスラエルの言い分によれば、病院の地下施設へハマスの司令部があると云い、病院への攻撃も止めません。又病院側は太陽光発電パネルも破壊され、電気も、水も食料もなく幼い子供も含めた傷病者の生命も風前の灯であり、事実数名が死亡したと伝えられて居ります。
これらの映像ニュースに見る度に、イスラエルの戦争ではなく殺戮のみの残虐行為に、身震いする程の憎悪を覚えます。イスラエルの民族は嘗てドイツ帝国による「ホロコースト」の悲劇を忘れてしまったのでしょうか?
国際社会も特に、イスラム教のシーア派のテロ組織シリアのヒズボラ、スンニ派のヨルダンのテロ組織なども戦いの炎の手を上げました。更にイスラム教徒は東南アジアを始め世界中にキリスト教徒同様多く、ユダヤ教キリスト教対、イスラム教の宗教対立の世界戦争にまで発展しそうであります。
過日第一次世界大戦の経過の動画を見る機会がありましたが、その犠牲者をみれば、ドイツ、オーストリア、ハンガリー、トルコ、ブルガリアの同盟国で計338万人、それに対してロシア、イギリス、フランス、イタリア、アメリカ、ルーマニア、セルビア、ベルギー、ギリシャなどの連合国は計514万人の合計852万人もの犠牲者を出してしまいました。
人類はあの愚かな世界大戦を記憶の彼方に追いやってしまったと云うのでしょうか?更にその後の第二次世界大戦についても同様であり、犠牲者は数千万人にも上ると云います。
以前に述べましたが、我が国日本はアメリカ、イスラエル側とも、その他のイラン、サウジアラビヤ、などの中東の産油国とも良好な外交関係にあり、何故日本外交は仲介により殺戮の停止への提言を行わないのでありましょう?
投稿: 桑本栄太郎 | 2023年11月13日 (月) 21時50分
【 日本人を大切にしない政党は不要! 】
『 2013年1月アルジェリアの天然ガス精製プラントをアルカーイダ系武装集団が襲撃,アルジェリア軍との銃撃戦の間に日本人10人を含む8ヵ国37人が死亡した(注1)。 』
『 (2013年1月)27日のNHK「日曜討論」でアルジェリア人質事件が議論となり、自民党の石破茂幹事長は、「邦人救出」の為に自衛隊法改正を主張しました。日本共産党の市田忠義書記局長は「今回の事件を奇貨として何かあれば自衛隊を出すというやり方はやるべきではない」と批判しました(注2)。 』
『 日本共産党の志位和夫委員長は(2023年11月)6日、国会内で記者会見し、声明「ガザ攻撃中止と即時停戦に向けての各国政府への要請」を発表しました(注3)。 』
日本共産党はパレスチナ人を助けよと主張しても、日本人は助けるなと主張しているのです。
日本にこの様な政党は不要です!
(注1)【 コトバンク アルジェリア日本人人質事件
百科事典マイペディア の解説
https://kotobank.jp/word/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%AA%E3%82%A2%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BA%BA%E4%BA%BA%E8%B3%AA%E4%BA%8B%E4%BB%B6-1734997 】
(注2)【 しんぶん赤旗 2013年1月28日(月)
市田氏「人質事件を利用した自衛隊派遣に反対」
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2013-01-28/2013012802_02_1.html 】
(注3)【 しんぶん赤旗 2023年11月7日(火)
ガザでのジェノサイドを許すな 日本共産党委員長 志位和夫
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik23/2023-11-07/2023110701_01_0.html 】
投稿: 三角四角 | 2023年11月13日 (月) 22時54分
【影武者が噂される国家指導者】
まあ、これにはロシアのプー氏と金氏朝鮮の金氏が常連のように登場するのであるが、今回はプー氏限定での話題だ。
ニューズウイークの記事があった。11月11日の記事だそうだ。
『ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の「顔の異変」が、話題になっている。最近撮影されたと見られる動画のなかのプーチンは頬が明らかに膨らんでおり、まるで美容整形のフィラー(充填剤)の注入を受けたかのよう、というのだ。プーチンをめぐっては、今月のカザフスタン大統領との会談での「奇妙な様子」を捉えた動画も拡散されており、変わらぬ注目度の高さを見せている。
動画を投稿したウクライナ内務省顧問のアントン・ゲラシチェンコは、「プーチンの頬はどうしたんだ?」と、座って話をするプーチンの様子について述べている。4秒間のこの動画は、右上に「クレムリン」という透かし文字が入っているが、撮影時期は不明だ。
11月9日、プーチンはカザフスタンを訪問し、同国のカシムジョマルト・トカエフ大統領と会談している。ウクライナのゲラシチェンコは、カザフスタン訪問中のプーチンを捉えた別の動画も投稿しており、こちらの動画にはプーチンが「(カザフスタン)大統領の名前をうまく発音できずにいる」とコメントしている。
「彼が他国の指導者の名前を言い間違えたのは、今回が初めてではない」とゲラシチェンは指摘する。「敬意が欠けているのか、それとも彼の『新しい頬』が発音に影響を与えているのか?」
プーチンの頬の動画に対し、あるユーザーは「頬の上に小さなあざがあるから、これは新しいフィラーだ。整形していない彼は、本当はどんな顔なのだろう」とコメントした。
別のユーザーは、これは「リフトアップのための注射」であり、「役者」に対して行われたものだと書いた。これは、プーチンの「影武者説」に言及したもので、あるユーザーは、今回の動画の顔と別のプーチンの画像を比較し、「頭の形、耳の形、鼻のカーブ」が違うと主張した。
クレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官は、影武者説を強く否定しているが、ウクライナ軍事情報総局のアンドリー・ユーソフ報道官は11月5日、プーチンが影武者を使っているという「信頼できる情報」を持っているとNVラジオに語った。
「クレムリンの報道官がプーチンの影武者の存在を繰り返し否定するほど、逆の結論のほうが信憑性が高くなる」とユーソフは述べた。
ロシアによるウクライナ侵攻が始まって以来、プーチンの健康状態に対する疑念が渦巻いている。プーチンの「死亡説」がソーシャルメディア上で伝えられた際には、ペスコフは「彼は何も問題なかった」と説明した。』
こういう問題は、ロシアが、仮に停戦交渉の場にプー氏が登場したとして、この停戦交渉に法的正統性を主張できるのかと云うような、とんでもない主張が、ロシア国内他、関係する諸国から問題視される可能性のことである。正式な間違いのない正真正銘の国家指導者が停戦合意したと主張する根拠にできないのではないかと、後になって何度も繰り返される恐れのような事態のことだ。誰が責任を持つのだということであり、常にDNA鑑定を要求される事態にもつながる話である。国際社会はこういう問題を、これまで当然のように扱うことがなかったが、これから先に於いても、このままでいいということにはならない事態が発生するような気がしている。
プー氏が本当に影武者であった場合。ロシアはその行為と行動に責任を負わなくなるだろう。ロシアはそういうことを平気でする国だという根拠のない認識は各国が持っているのではないだろうか?
信頼されていない国は影武者を利用すると思われているようだ。だから何度もこういう話が登場する。我が国政府はどう思っているのか、非公式でもいいから政府見解のようなものを公表しておいた方がいいかもわかりませんね。
プー氏は国際司法から正式な逮捕状が出ているお尋ね者なのだ。だから本人の登場、或いは露出を避けているのではないか?
影武者が逮捕されても、「それは影武者だ。大統領ではないので、ロシアは安泰だ。」というつもりだろう。
ロシアと云う国は、無責任な行為を平気でしでかすような気がしている。
投稿: 旗 | 2023年11月14日 (火) 05時56分
石破先生
今晩は!!。
昨日13日に引き続き、内容に記述漏れがあり本日14日再度投稿させて頂きます。小生は先生と同郷、鳥取県出身の「国の将来を憂う」者であります。
さて、現岸田内閣では立て続けに政務官、副大臣の辞任が続き、更に支持率の低下を招いて居ります。
先ず、山田太郎議員の不倫発覚をすっぱ抜かれ文部政務官の辞任、柿沢三途議員の区議選挙への選挙違反指導による法務副大臣辞任、神田憲次議員の税金滞納の為財務副大臣の辞任などがこれもすっぱ抜かれ問題になった後、岸田総理は「その後納税を済ませたので、法的には問題ない」として、その後の世評の様子を見るなどの不適切処理の為神田議員は辞任に追い込まれました。
神田議員などは、秘書が良く止めるなどと兎角前評判も悪かったとも云われ、財務副大臣へ登用への官邸の「身体検査」が甘かったと云わざるを得ません。岸田総理も「任命責任は私にあります」とお詫びを言いながら、嘗ての安倍総理同様少しも責任をとる様子はありません。
国民の視線から見れば、政策の国民への説明も出来ず「一体岸田政権は何事か?」とあきれるばかりであります。
神田憲次議員に代わって、我が地元鳥取二区選出の「赤沢亮正議員」が財務副大臣に就任した事は、石破先生の元水月会会員でもあり喜ばしい限りであります!!。「まさに禍福は糾える縄の如し」であります。更に、参議院議員の高校の後輩「舞立昇治議員」もその前に農林水産政務官に就任して居り、お二人には日本国の為地元鳥取県の為に大いに働いて貰いたいものであります。
投稿: 桑本栄太郎 | 2023年11月14日 (火) 18時09分
しばらくおいとましておりました。
お元気そうで何よりでございます。
医療と患者の苦痛について。
右足のケガが20年以上治らないので。それを無理やり直そうと医者たちがいろんな実験をしたのですが。
千鳥橋クリニックのある皮膚科医は、生えてきている不要な組織を麻酔なしでハサミで切り取って治療としておりました。やられると3時間ほど動けない。痛いというより動けない。彼が言うには、痛みでは死なない。
しかし、痛みが症状の悪化につながるというのが確定しております。
今後の参考になれば幸いでございます。
時代の変わり目というか。
リバイアサンの事と共産党宣言とか資本論の事を思い出しておりました。
どちらも怪物で例示するという共通性があるのです。
ホッブスの方は資本主義での国家の事。
マルクスの方は資本主義が限界にきたあとにくる社会主義の、その後の共産主義の事です。
この両者は戦間期。それらの間は戦争でリセットが歴史の定番。とすると。
人間はこの中間地帯に入りつつあるのではないか。
そうであるなら、さらにその前の過去にもどるのではなく。ぼくはまったく新しい世界を考えたいとおもいます。
虐待の被害者のぼくが。加害者の両親の都合で住む家を売られて、強制執行を待ってやってると圧力かけられて、治ってないのに引っ越さねばならないのか。いまだにどうにも納得がいきませんので、考えてみていただきたいです。
親に強姦され続けたという女性を最近はネットでときどき見ます。時効で親は無罪の善良な人扱いで、苦しんでいます。
また日本ではPTSDの治療が現場で出来ていません。精神科医は薬を出す人です。
それではまた。精神の戦間期によせてもらいます。
急激に寒くなったり緩んだりの日々、無理なさらずお過ごしください。
投稿: 遠藤宏一 | 2023年11月15日 (水) 18時40分
【内閣支持21.3%、最低更新 自民も下落19% 時事世論調査】
まあ、これが時事の記事のタイトルだ。本人が米国にいるので気にならないのだろう。思いのままに書くのはストレスを感じさせない。その記事は、
『時事通信が10~13日に実施した11月の世論調査によると、岸田内閣の支持率は前月比5.0ポイント減の21.3%だった。岸田政権で過去最低だった前月をさらに下回り、2012年12月の自民党政権復帰後に実施した調査でも最低となった。不支持率は同7.0ポイント増の53.3%で岸田政権として最も高くなった。
内閣支持率が政権維持の「危険水域」とされる2割台となるのは4カ月連続。自民党の政党支持率は19.1%で、政権復帰以来最低だった前月からさらに1.9ポイント減らした。総合経済対策に盛り込まれた定額減税への厳しい評価や、自民所属の政務三役の相次ぐ辞任が影響した可能性がある。
岸田文雄首相が打ち出した所得税・住民税の計4万円減税に対しては「評価しない」が51.0%と半数を超え、「評価する」は23.5%。住民税が課税されない低所得世帯への7万円給付は「評価しない」44.4%で、「評価する」は33.4%だった。
10月26日に山田太郎氏が文部科学政務官を、同31日に柿沢未途氏が法務副大臣を辞任した。首相の任命責任について「重い」と答えた人は57.5%に上り、「重くない」は14.7%にとどまった。調査最終日の今月13日には神田憲次氏も財務副大臣を辞任した。
内閣を支持する理由(複数回答)は、多い順に「他に適当な人がいない」9.8%、「首相を信頼する」3.8%、「印象が良い」3.5%など。支持しない理由(同)は、「期待が持てない」(31.8%)、「政策がだめ」(27.3%)、「首相を信頼できない」(20.0%)の順だった。』
軽やかな流れである。この先に待っているのは総辞職のはずだ。増税メガネが帰国後に取り掛かる仕事は、総辞職か、或いは、解散の宣言だ。慌ただしい年末になるのは変わりがない。こういう仕事はのんびりできるものではない。
財務省に梯子を外されたという話があるらしい。まあ、減税を口にすればそうなる。彼等が忌み嫌う単語だ。
まあ、その先はわからん。産経系の記事には
『産経・FNN合同世論調査 次期首相候補トップの石破茂氏、自民支持層でも1位』
とあるが、こういうものは信じてはいけませんね。その気にさせるのだけが狙いだと思って、しっかり地に足を付けた行動を期待します。
岸田は役に立たない人だった。そういうことである。
投稿: 旗 | 2023年11月17日 (金) 01時11分
【独裁者を指して、彼は独裁者なのだと言えば、反発されるそうだ】
表現の自由が脅かされているという問題なのか迷う処である。ロイターが真面目に記事にしたらしい。
『[ウッドサイド(米カリフォルニア州) 15日 ロイター] - バイデン米大統領は15日、中国の習近平国家主席との会談後の記者会見で、習氏が事実上の「独裁者」という見方は変わっていないと述べた。
バイデン氏はこの日、サンフランシスコ郊外で習氏と約4時間にわたり会談した。その後に単独で行った記者会見で、習氏が独裁者だという見方を現在も抱いているか問われ、「われわれとはまったく異なる政治形態に基づく共産主義国を率いる人物という意味で彼は独裁者だ」と述べた。
バイデン氏は6月にも習氏を「独裁者」と表現し、中国の反発を招いた経緯がある。
米高官によると、習氏は今回の会談で、中国共産党に否定的な米国内の見方は不公平だとバイデン氏に伝えた。
中国外務省の毛寧報道官は定例会見で、バイデン氏を名指しすることは避けた上で、発言に「強く反対する」と述べた。
「この発言はひどく間違っており、無責任な政治的操作だ」とし、米中関係を扇動しダメージを与えようとたくらむ人々が常に存在するが、失敗に終わると指摘。具体的にどのような人々を指しているかは答えなかった。』
今なら李克強の死因で騒いでいる人がシナ帝国内にあふれているようなので、そういう人々に尋ねたら賛同者を得ることができるだろう。習近平は紛れもなく独裁政治家だ。逆らう人を物言わぬ石に変えてしまう人である。
李克強は逆らったのかどうか不明なのだが石にされた。バイデンは国籍も異なる人であり、しかもバイデンの国なので平気に発言できただけだ。
ネットには無責任なコメントは多い。習氏の政権と増税メガネ氏の政権は、どっちが先に倒れるか?
まあ、無責任な話である。そのどちらについても時を争う話にまで、まだなっていないような気がするが、岸田氏がリードしているという人がいた。
しかし、それが何時なのかを言わなかった。無責任極まる話だ。
投稿: 旗 | 2023年11月17日 (金) 01時36分