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2024年5月24日 (金)

日沿連など

 石破 茂 です。
 さる21日夕刻、自民党ラーメン文化振興議員連盟のメンバーで、渋谷区千駄ヶ谷にあるラーメンの名店「玉(ぎょく・店主の玉川氏が全日本ラーメン協会長)」で総会を開いた後、国産小麦、輸入小麦、国産米粉による麺の食べ比べを致して参りました。「国産小麦や米粉で作ったにしては美味しい」ではなく「国産小麦や米粉で作った麺は美味しい」というレベルに達しており、ここまで進歩を遂げたのかと深く感銘を受けたことでした。開発に当たってこられた方々の長きにわたる並々ならぬご努力に深く敬意を表します。まだまだ価格が高いという問題はありますが、「安全・安心な国産小麦を使用」「小麦アレルギー疾患を持つ人にも安心して食べて頂けるグルテンフリーの米粉麺」を積極的にアピールすれば、相当の需要が見込めるように思います。
 物価高騰の影響で、ラーメン店の経営にも影響が出ており、お店を閉めるところも出るようになりました。ラーメンには以前から「千円の壁」があり、「ラーメンなのに千円以上もするのはけしからん」との声もあるようですが、スパゲティなどのパスタ類では千円越えが多く見られるのに、これは一種の偏見であるようにも思います。「良いものにはそれに相応しい適正な価格を」との意識が無ければ、経済は発展しません。

 

 今朝開かれた自民党整備新幹線等鉄道調査会において「幹線鉄道の在り方プロジェクトチーム」の提言案が示されたのですが、議論が多く出て提言案を再考することとなりました。今までこの会議には出席してこなかったので、発言することも憚られたのですが、人口急減と地域間格差の拡大、財政の悪化、Co2削減の緊要性の中にあって、国家としての鉄道の在り方を示すためと思い、いくつかの指摘をさせて頂きました。
 そもそも、中曽根内閣において断行された国鉄の分割民営化が、今の日本にとってどうなのか、顧みる必要があります。JR北海道、四国、九州の三島会社の厳しい経営について、東、東海、西の本州三社は一切関与しない、なぜならそれぞれが独立した民間企業だから、という姿勢が今も妥当するのか私は甚だ疑問ですし、世界の鉄道では当然とされる上下分離方式がなぜ日本では広く取り入れられないのかについても釈然としません。
 「民間企業」と言いますが、リニアに対する国の支援は無担保で30年据え置き、3兆円に上る破格の財政投融資で、ただの民間企業には到底考えられないものであり、仮にその返済が滞った場合には、それは最終的に国民の負担になるものです。都合のいいところだけ民間の論理を持ち出すな、と言われても仕方ないのではないでしょうか。
 もっと本質論でいえば、航空会社やバス事業者は空港建設や道路建設の負担を求められることはあり得ないのに、何故鉄道だけが建設負担も運行負担も共に求められた上、赤字であれば廃止せよと迫られるのか。同じ公共交通機関としてこれは著しく不公平なのではないでしょうか。今後の鉄道の在り方は、このような根本的な議論の上で示されるべきだと思ったことでした。

 

 リニア推進について少しでも疑問を呈すれば、「反日のサヨク」「中国の回し者」「不勉強」といった感情的かつ非論理的な匿名の反論がネット上に殺到しますが、この言論空間は一体何なのでしょう。保守の本質は、自分の意見と異なる意見にこそ耳を傾ける寛容性にあるところ、ただただ異論を否定する勢力が自らを「真の保守」と称することには強烈な違和感を覚えます。これは憲法第9条第2項削除論を否定し、ひたすら自衛隊明記論を賛美する議論とも通底するのではないでしょうか。もはや立ち位置すら「右」でないのに「真の保守」とは恐れ入ります。集団的自衛権の全面行使を否定し、アメリカだけを唯一の同盟国と誇るような言論に、日本国の独立や愛国心が語れるとは思えません。
 このような様子を見ていると、「国民の底意地の悪さが経済低迷の元凶」という加谷珪一氏の所論にも妥当するところがあるのではないかと思ってしまう昨今です。
 匿名の投書(ネット上の匿名投稿などなかった時代の話です)については、井上靖の小説「欅の木」(昭和50年)に面白い記述があります。新聞に随想の連載を持っていた実業家に対して、辛辣な匿名の批判の投書が数回寄せられ、立腹した実業家がその批判の主を探し出したところ、病院に入院している真面目な青年であったというお話ですが、当時に比べて批判の質も随分と落ちてしまったのかもしれません。

 

 このたび、細田博之前衆議院議長のご逝去に伴い空席となっていた「日本海沿岸地帯振興促進議員連盟」の会長に就くこととなり、昨日の総会において承認されました。昭和39年の創設以来、福田一先生、桜内義雄先生、綿貫民輔先生等、錚々たる衆議院議長経験者が務めてこられた役職であり、私には大変な重責ですが、偏に議歴の長さ故のことだと思っております。
 日本海側のことを「裏日本」という、聞き方によっては侮蔑的とも思える言い方をするようになったのは明治28年、それまで日本一であった新潟の人口を東京が抜いた時からで、同年発表された「中学日本地誌」に登場したのが始まりだそうです(それまでは日本海側を「内日本」、太平洋側を「外日本」と呼称していたとか)。私が中学生の頃まで、NHKでも「明日の裏日本の天気は…」などと言っていて、言いようのない屈辱を感じたことを覚えています。日本海側に限らず、明治維新以来の日本の経済的発展は、人為的に作られた首都一極集中政策によるところが大なのであり、首都一極集中に起因する人口急減と大災害に対する脆弱性を抱えた今、人為的に作られたものは人為的に変えていかなければなりません。

 

 国会会期末が近づき、今週は何かと慌ただしい一週間でした。
 皆様、ご健勝にてお過ごしくださいませ。

 

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コメント

石破閣下

ポンコツモデラーのポンコツコメントです。

 鉄道は国家である以上(満鉄とか)特別なのでしょう。リニア新幹線は単に鉄道と言う以上な存在だと思います。人を輸送するのにこんな大掛かりなカラクリが必要なのでしょうか。たぶんもっと別の仕込みがあるのだと思います。超電導に詳しければ上手く説明できたのですが生憎そうではない為これしか言えませんが、電気抵抗などが無くなりその一方で大重量物を高速で移動させることが出来ます。それが目的では無いでしょうか。人を運ぶのはついで。
 リニアが完成すると何が起きるのかは想像の範疇を超えます。この様な地磁気に反する巨大な建造物を人類が持ったことが無いからです。強化されて異常気象とかが緩和されるかもしれないし、それとも火山が(富士山とか)噴火して手が付けられなくなるかもしれない。あまり話題になることがないけれど地磁気の質的異常が進行することを防ぐ切り札になると信じてはいます。
 いま世間で国防を語る人は戦争の記憶が無いのです。かつて日本が中国に勝ち、ロシアにも勝ち、極東で唯一の強国になったとたん米英の敵になりとうとう原子爆弾2発を喰らいました。そのような事を繰り返さない為にロシア、中国にはある程度の強国でなければならないのです。こんなこと説明の必要があるのでしょうか。分かりませんが知らないのか知らない振りをしているのかでしょう。構われなくて良いと思います。乱文・乱筆お許しください。

投稿: 野村嘉則 | 2024年5月24日 (金) 20時39分

日本人の食生活を考えると、輸入小麦粉ではなく、国産の農産物を国民に提供かるかだと思います、米が日本人には絶対必要です。今後も米粉でのラーメンに期待してます。
日本は未だにアメリカの植民地です、我が日本の真の独立を絶対実現しましょう、自立するには防衛力は不可欠です。
歴史から日本人は世界を平和に出来る唯一の国民だと信じています。頑張ってください。
長野県の喬木村から

投稿: 羽生 茂信 | 2024年5月25日 (土) 05時07分

石破さん、ブログのご更新、有り難うございます。
罔く殆い昼行燈政権がますます立ち行かなくなる惨状が続く中、石破さんが新たな役目を任じられている由、興味深いことです。
他方で、年始にご紹介を戴いた“待望の党員証”が先日到着しました。これで総裁選に向けて凡人の準備は万端。有り難うございました。後は予定通り選挙が行われるのを待つだけ(微笑)。

扨て、文中、石破さんにはお立場上の必要から“ふんわりとした表現”にされるのでしょうが、市井の凡人はもっとストレートな言い回しでキッパリ!と断言できるw。
Ⅹ 都合のいいところだけ民間の論理を持ち出すな、と言われても仕方ないのではないでしょうか。
〇 都合のいいところだけ民間の論理を持ち出すな!!ならぬことはならぬのだ!見苦しくグダグダと屁理屈を捏ねるなっ!
⇒GovernanceとComplianceの軽重や建て付けの違いが理解できぬ ≪好い歳の餓鬼議員≫ に国民は信を置くことはできぬ。
⇒また、官僚らも巨大組織に染みついた霞が関文学や黴症候群や無謬主義で凝り固まっており、過而不改是謂過矣の遺訓に蓋をして過った国政に加担してきた。女王の教室で「好い加減、目覚めなさい!」と強く諭して欲しい。

投稿: 黒山椒無躇 | 2024年5月25日 (土) 11時37分

   ≪憂さ晴らし、気休め≫
前回に引き続き…、極右らに対しても、石破さんは礼儀正しく穏当な表現…、市井の民は茶化すことができる幸せ(微笑)。
≫もはや立ち位置すら「右」でないのに…
① 石破さん:…「真の保守」とは恐れ入ります。
② 市井の民:…「真の保守」とは恐れ入谷の鬼子母神。

投稿: 黒山椒無躇 | 2024年5月25日 (土) 17時20分

石破さんはラーメンを通じて国産農産物による製品開発にも勤しんでいらっしゃるんですね。素晴らしい事だと思います。ラーメン激戦区とも言われる地元鹿児島でも毎年県内1旨いラーメンを決める「ラーメン王選手権」という催しを2月に行っています。そこで石破さんが取り組む国産米粉麺を使うなど、レギュレーションとして取り入れると更なる活性化に繋がるのでは、とふと考えます。
リニアの件は図らずも先日退任した静岡県知事が危惧してた事態が発生してしまいました。施政方針にも時々の言動にも様々な問題はあったものの、この点においては正に予言通りというべきでしょうか。事ここに至ると推進派を名乗る方々が突如マスコミの前から行方をくらますのも、残念ながらおなじみの光景となってしまいました。時として耳の痛いことを言う人こそ、未来を真剣に考える覚悟がある人と自分は解釈しています。是非今後も石破さんは臆することなくご自身の考えを発進し続けていただければと思います。石破さんのご指摘通り、地元鹿児島も「採算が合わない」という理由で子供たちが通勤に使う電車を問答無用で減らされたり消されたりしています。豪華列車「ななつ星」は数年先まで予約が埋まるほど大盛況だそうですが、その輝きの陰に学校への通学手段が絶たれ途方に暮れる若い人たちの姿が見えるたび、強い違和感を感じてしまいます。
違和感と言えばパーティ裏金事件を踏まえての自民党案、残念の一言に尽きます。
話が飛躍しすぎかもしれませんが、あの案で数に物を言わせて法案を成立させ「もうこれで禊は終わり、後は次の選挙まで大人しくしておこうっと」と考えるぬるま湯につかりきった方々の姿しか思い浮かびません。飛躍ついでですが、やはり石破さんが自民党総裁にならない限り、自民党の今後に期待は持てそうにありません。恐らく最も現状に危機感を感じ自民党の未来を憂えているのは石破さんだと信じて疑いませんが、他の方々はまだ「永田町の常識という名の世間の非常識」というぬるま湯につかりきっているのではないか。気になります。いつか「その日」が来るまで、ぜひお元気で頑張って下さい。

投稿: すっとこどっこいしょ | 2024年5月25日 (土) 21時58分

>ウクライナの敗色が濃くなり、それを認めようとしないNATOとロシアの対立が激化し、ズルズルと世界大戦に引き込まれる瀬戸際という時代背景があると考えます。

と言う話が出始めています。
以下に私の見立てを書いてみました。

ウクライナが負けてもNATOがそれに対抗して軍事行動をとることはないでしょう。」皆夫々に我が身が可愛いから、仁義のために戦って正義を貫くなどと言う気概も気力もないからです。
ロシア、中国インドを中軸とするグローバルサウスと、消極的に対立するG7との新東西対立の時代を迎えることになるでしょう。
其の仕上げとなるのが、中国の台湾侵攻であり、米軍を抑えるために、日本に侵攻して、それでも米軍が動かないことを見せつけて中国は自らの地保を固めようとする懸念があります。
それが一番大きな具体的脅威です。
中国にとって、中国が日本に侵攻しても、アメリカが中国と全面戦争をする意図がないことを世界に示す最強の手段になるからです。
日本が其の最前線に置かれることになります。
残炎ながら、日本を其の攻撃に対して反撃する手段を全く持ちません。
NATOTもアメリカも日本を守るという覚悟がないからです。
日米同盟も機能しないでしょう。

折しも中国大使が、台湾有事になれば日本が火の海になるとの発言は、つまりそういうことです。
大使が思いつきで日本を火の海にするなどと発言するはずがないのです。
明確な中国の戦略のリークと理解すべきです。
それでもアメリカが何らかの応接をするかを見ているのです。
バイデンにはそれに応えて等という発信はないのです。
トランプも又、自国の血を流しても日本を守るなどと言う覚悟はないのです。
それを中国が見極めているから、今回の発言になったのです。
ウクライナの次は、日本だという見立ては、或いは荒唐無稽と捨て去られるかも知れません。
日米同盟の信憑性を、中国がどう見積もるかです。
或いは中国とロシアの核ミサイルの威嚇をアメリカがどう受け止めるからです。
日本をどうやって守るか。それが今こそ考えるべき問題です。
残念ながら.憲法を変えている余裕はありません。或いは核抑止も、中ロに対して意味のあるものにはならないでしょう。
空母があっても、トマホークが1000発有っても意味がありません。
台湾有事は奇襲攻撃だからです。明日中国が決意すれば其の瞬間に始まります。
シナリオ通りに動いていくでしょう。
北もロシアも既定路線を淡々と歩むことになるでしょう。
交渉の余地もなく、事前折衝の余地もなく、奇襲攻撃は始まります。
それが奇襲攻撃だからです。
或いは、国連もジュネーブ条約も意味を持ちません。
日本を守るためには改憲も核抑止も、軍備増強も諦めるしか有りません。時間が足りないからです。
でも方法はあります。
一つは自衛権の行使を明確に宣言することです。
自衛権の行使の為に自衛隊が存在する。
自衛軍も国防も軍隊も憲法に書かず、軍備を持たないことを9条2項で宣言し交戦権も否定したのは、日本人が、憲法に軍隊も国防も防衛も書かないという戦略をとったからです。
それでも、自衛権は独立国にとって憲法に書かなくても不磨の大権として断固存在するのです。
日本国憲法が禁じているのは、外交交渉の手段としての軍隊の保持であり交戦権であり軍備の保持です。
自衛権は、憲法に書かれないことによって消滅する権利ではないのです。
そして、自衛権とは、国家の独立を毀損する全ての攻撃に対して、戦って勝ち残ることを担保する権利です。
自衛権を自制する如何なる制約も国家機能として存在しないのです。
具体的に今直ちに国を守ることが出来る武力は、ドローンです。
陸海空全ての領域で、ドローンによる防備は直ちに着手可能であり、完全にあらゆる攻撃に対処出来る方法です。
海域に、ドローンを機雷として沈めておくことが出来ます。
ジャベリンの例を見るまでもなく、陸上において、索敵攻撃監視あらゆる機能においてドローンは完璧です。
空域において、大量のドローンの弾幕を張っておけば、超音速ミサイルに対しても、攻撃を探知してから直ちに、天空に弾幕を張り巡らすことが出来ます。
世界中の海域において、クラゲのようなドローンを浮遊させておけば、有事に.原子力航空母艦の冷却水取り入れ口を塞ぐことで原潜は機能喪失に陥ります。
其のクラゲを使って世界中に通信ネットワークを構築することも出来ます。
海域でもクラゲネットワークで通信が出来るからです。
人工衛星に依らない全球規模のネットワークです。
成層圏の、太陽光発電を動力とするグライダー型ドローンを常時巡行させておけば、監視衛星と同じ効果を発揮出来ます。
何より、工業製品として、全てのドローンを平時に大量生産出来ます。

投稿: かも | 2024年5月25日 (土) 22時45分

石破様こんばんは。過去の日本の歴史を振り返ると太平洋では敗北が日本海川では勝利があったような気がします。これからの日本も日本海側で勝利していくのではないかと思われます。石破様期待しています。

投稿: hitomugi | 2024年5月26日 (日) 22時35分

 【 留学生の大量受け入れは、岸田総理の政策では無くて自民党の政策! 】

(1)第91代 福田 康夫 総理
(2)第92代 麻生 太郎 総理
(3)第96代~第98代 安倍 晋三 総理
(4)第99代 菅 義偉 総理
(5)第100代~第101代 岸田 文雄 総理(注1)

 【 留学生30万人計画
https://kotobank.jp/word/%E7%95%99%E5%AD%A6%E7%94%9F30%E4%B8%87%E4%BA%BA%E8%A8%88%E7%94%BB-2876272#goog_rewarded
 2008年に福田首相が公表した,2020年を目処に外国人留学生を30万人に増加させる政府計画(中略)。少子化が進む日本にとっては優れた人的資源としての留学生の確保にもある(後略)。 】

 2008(平成20)年に福田首相(1)が公表した「留学生30万人計画」の目的の一つである少子化が進む日本にとっては優れた人的資源としての留学生の確保からすれば、岸田首相(5)の発言「留学生は日本の宝」も決して的外れではない。

麻生太郎 総理(2)は、歴代理事長が麻生家出身者で多く占められる学校法人麻生塾の第6代理事長だ(注2)。
 麻生塾が運営する麻生専門学校グループは、留学生に教育を施し、日本企業に就職させ、正に「留学生は日本の宝」にするべく実践しているのだ(注3)。
 「留学生は日本の宝」と言った岸田総理より、留学生で稼いでいる麻生太郎元総理の方が罪は重いだろう。


 【 安倍政権がアベノミクス「成長戦略」に掲げた「留学生30万人計画」は、不足する底辺労働者の受け入れ増加をもたらした。

 留学ビザは本来、日本でアルバイトなしに留学生活を送れる経済力のある外国人にしか発給されない。
 そこで留学希望者は、留学斡旋業者経由で行政機関や銀行の担当者に賄賂を渡し、親の年収や預金残高の記された証明書を捏造する。

 偽装留学生の恩恵を最も受けたのが日本語学校業界である。「30万人計画」のもと日本語学校の数は急増し、大学をも上回る800校近くにも膨らんでいる。

 多くの留学生たちは、私たちが気づかない場所で働いている。コンビニ等で売られる弁当や惣菜の製造工場、宅配便の仕分け、ホテルの掃除などである。いずれも重労働で、日本語ができなくてもこなせる仕事ばかりだ。

 偽装留学生の存在は、日本にとっては極めて都合がよい。底辺労働者として人手不足を補い、しかも稼いだ金を学費として日本語学校や専門学校などに還元してくれる。

 新聞など大手メディアは「留学生30万人計画」の醜悪な実態についてはが全く報道しようとしない。

 東京など都市部の新聞配達は、留学生頼みが最も著しい職種の1つなっている。
 こうした新聞配達現場の状況があるため、大手紙は偽装留学生問題に知らんぷりを決め込んでいる。

 安倍政権誕生以降に急増した偽装留学生は、日本語学校から専門学校などを経て、やがて就職時期へと差し掛かる。すると同政権は2016年、その時期に合わせるようにある政策を打ち出した。今度は「留学生の就職促進」を成長戦略に掲げたのだ。そして偽装留学生たちは、続々と日本で「移民」となり始めていく(注4)。 】

 → アベノミクスを礼賛しながら、岸田総理の「留学生は日本の宝」発言を批判する馬鹿は多い!
 抑々、「留学生30万人計画」がアベノミクス「成長戦略」の根幹政策なのである。


 菅義偉総理(4)は第203回国会における所信表明演説で、

 「 海外の金融人材を受け入れ、アジア、さらには世界の国際金融センターを目指します。そのための税制、行政サービスの英語対応、在留資格の緩和について早急に検討を進めます。
 コーポレートガバナンス改革は、我が国企業の価値を高める鍵となるものです。更なる成長のため、女性、外国人、中途採用者の登用を促進し、多様性のある職場、しがらみにとらわれない経営の実現に向けて、改革を進めます(注5)。 」

 と述べ、留学生の移民化に拍車を掛けようとした。

 岸田総理(5)は(2022(令和4)年3月)3日、新型コロナウイルスの水際対策について、1日当たりの入国者数の上限を緩和するに際し、留学生は「我が国の宝」と指摘し、留学生は「円滑入国スキーム」を設け、別枠で1日1000人程度受け入れると表明した(注6)。

 日本の移民が全員シリア移民でiPhoneを作ったスティーブ・ジョブズの様だったら、確かに「日本の宝」だが、実際は日本に出稼ぎに来る底辺労働者候補ばかりで、到底、「日本の宝」には成り得ない(注7)。
 低賃金労働者無しではやって行けない生産性の低い企業や、配達員不足に悩む新聞社や少子化で潰れそうな大学や、外国人が来なければ潰れてしまう日本語学校の為だけの宝なのだ!

 先ず、「留学生30万人計画」が根幹政策であるアベノミクス「成長戦略」を批判し、その上で「留学生は日本の宝」発言を批判するのが筋である。

 日本の右翼にも左翼にも正義の観念はない!

 如何に好きな政治家を応援して、嫌いな政治家を排除するかが行動の中心になっている。

 政治は芸能やスポーツとは違う。
 不倫をした芸能人もスポーツ選手でも好きなら応援して置けばいいのだろう?
 しかし、好きな政治家でも日本の為に成らないことをした政治家は糾弾すべきだし、嫌いな政治家でも、日本の為に成ることをした政治家には声援を送るべきである。

 日本の不幸な処は、国民が好き嫌いを政治に持ち込み、好きな政治家の為した悪事を見逃す処である!


 (注1)【 歴代内閣
https://www.kantei.go.jp/jp/rekidainaikaku/index.html 】

 (注2)【 麻生塾
 https://asojuku.ac.jp/about/history/ 】

 (注3)【 麻生専門学校グループ
 https://asojuku.ac.jp/international/ 】

 (注4)【 留学生30万人計画と成長戦略
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/20889 】

 (注5)【 菅内閣総理大臣所信表明
https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/statement/2020/1026shoshinhyomei.html 】

 (注6)【 「我が国の宝」留学生
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20220304-OYT1T50003/ 】

 (注7)【 スティーブ・ジョブズは、シリア移民の子供
https://www.huffingtonpost.jp/2015/09/10/refugee-crisis-steve-jobs_n_8120084.html 】

投稿: 三角四角 | 2024年5月26日 (日) 22時41分

生きづらい日本に向かっているとひしひしと感じる。
普通に暮らすことすら大変だと感じる。
「専業主婦」である理由が人それぞれある。病体調・家族介護等。私は障害育児の為。
それを国レベルで悪かのように不公平の標的にされるのが怖いし辛い。

また高齢年齢の引き上げは年金受け取る人が減るよう先延ばしされている気がして仕方がない。
国民への冷たさを感じ愛国心が削がれていきそうだ。
日本では死ぬまで働かなくては食べていけない国になっていくように思え、税金を何の為に払っているのか…悲しくなる。
老後が怖い。

人口が減っているのだから国会議員の人数も減らしても良いのでは?
あらゆる税金は正しく慎ましく使われているのだろうか?
それでもどうしても足りないのだろうか?
そんなに年金受給者数を減らしたいなら尊厳死制度も認めて欲しい。

石破さんなら国民の生活を上からでは無く目線を合わせてくださる方と未来に期待したいのです。

投稿: 愛知主婦。 | 2024年5月27日 (月) 12時16分

石破先生

今晩は!!。
日本列島は気候のみならず、政局まで不穏な動きとなって来ました!!。
岸田総理は自信があるのかないのか、自身の政権の危うさを知ってか知らずか?外国へ出掛けては、韓国大統領及び中国の外相と面会を重ねて居ります。
小生は先生と同郷、鳥取県出身の「国の将来を憂う」者であります。
本日も先生の記述に沿って拙論を述べて見たいと存じます。

さて、先生の冒頭記述にもあります「自民党整備新幹線等鉄道調査会において「幹線鉄道の在り方プロジェクトチーム」の提言案が示されたのですが、議論、異論が続出し提言案を再提出する事になりました」
とあります。
リニア新幹線の工事に静岡県の前知事である川勝氏のみが反対し、静岡にて延伸工事が止まり、川勝元知事は他の発言も問題となり知事を辞任してしまいました。リニア新幹線に於いては静岡県民の意思は賛否両論あったと云います。又この事に関して、石破先生の「そもそもリニア新幹線に於いては議論が足りなかったのではないか?」との主張に対して、世間より「今更何を言っているのか?半日の左翼」だの「中国の回し者」などと、心もとない暴言が沢山見られた事は驚きそのものでありました。これらは石破先生の深い想いを知らない、心もとない輩であります。

小生は、石破先生は地方発展の為の京都より下関までの「山陰新幹線建設推進会議」の委員もされており、又この度「日本海沿岸地帯振興促進議員連盟」会長へも就任され、俗に裏日本と云われる過疎化地域の振興と発展対策をも深く考えて居られるこを存じて居ります。
更に云えば東京を起点とする幹線鉄道のみの振興は、東京への一極集中を一層高めるものであり、それに伴う地方都市部の人口減少の原因にもなるからであります。大都市間の交通の時間短縮は良いとしても、世界に冠たる東海道新幹線がありながら、更に並行して高速新幹線まで必要であろうか?更に国への大きな借金までしての必要もあるのでしょうか?国からの借金とは即ち国民からの税金からではありませんか?
更に速度も最高時速500キロともなれば、大地震発生時の制御はどうなるのでありましょう?考えれば考える程、恐ろしくなるばかりであります。
そもそもこのような「主要幹線鉄道」については、全国的な観点からのプロジェクトにより、計画されるべきものではありませんか?

次にその静岡県の川勝知事辞任に伴う選挙が実施され、無所属の立憲民主党、国民民主推薦の鈴木康友氏が、無所属自民党推薦の前副地知事「大村慎一氏」を7万5千票の大差でやぶり、先の島根県の衆議員補欠選挙に続き自民党推薦候補は破れてしまいました。
ここまで来れば、さすがに与党自民党内より岸田総理の責任論が出るものと存じます。更に今回も自民党選対委員長は小渕優子氏であり、政治的手腕もないまま何時まで任命し続けるのでしょうか?どうも現自民党政権は疑問が先に来るばかりであります。

又、岸田総理後の総理候補は国民の中より、石破先生が一位であり、政治ジャーナリストやマスコミの、口さがない噂は「岸田総理は内閣改造を行い、石破議員を閣内に取り込むであろう。そうすれば時期総裁選には出馬出来ず、岸田総理の想う侭である」などと云われて居ります。
小生の想いますのは、そもそも石破先生程のキャリアといつでも「民意本意」のリベラルで保守本流であり、国民的人気がありながら、総理へなれない事自体が今の自民党政権の深い病根ではないか?と思うばかりであります。
昔の自民党政権と比べれば、今の自民党議員は一度当選を果たしてしまえば、全ての発想の根幹が「国民本位であるか否か」ではなく、「自己保身と出世(大臣の椅子欲しさ)からであるのは大変残念であります。
現自民党の支持率の低下は、この「民意本意」からの乖離が原因ではありませんでしょうか?

投稿: 桑本栄太郎 | 2024年5月27日 (月) 21時24分

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