本人コメント

2018年11月16日 (金)

園田先生ご逝去など

 石破 茂 です。
 
 さる11月11日、第一次世界大戦終結100周年の催しがパリで開催され、マクロン・フランス大統領とトランプ米国大統領のやり取りが大きく報道されました。
 日本ではあまり議論にはなりませんでしたが、第一次大戦と日本との関わりやその後の展開は今後の論考に値するテーマであると思います。欧州における大戦に日本は直接的な利害を有さなかったにもかかわらず、日英同盟を根拠として参戦し、中国や南洋のドイツの権益を手中に収め、産業も軽工業から重工業へと転換、好景気が到来し、「成金」と言われる富裕層が多く生まれたことは中学や高校の教科書でひととおり習ったことですが、日英同盟や国際連盟については集団的自衛権との関連でもう一度きちんと検証する必要性があります。

 一部報道に、日ロ平和条約締結に関して、二島返還先行論が検討されており、歯舞・色丹に米軍基地を置かない旨を首相がプーチン大統領に伝えたとありました。
 真偽のほどは全く不明であり、軽々に論評すべきではありませんが、通常平和条約とは領土問題が一切解決したことを内容の根幹とするのであり、「先行論」「棚上げ論」自体が概念的に矛盾しているように思います。
 我が国の領土に米軍基地を配備しないとロシアに約束することは、その軍事的有用性とは別に、日米安保条約に正面から抵触することになりかねない部分もあるようにも思われます。日米安保体制の非対称的双務性とは何か、という根源的な問題がこの根底にはあるのであり、「落としどころはどこか」というような次元ではないように私には思われてなりません。

 先週ご紹介した小林美希氏の著書「中年フリーター」は、日本の雇用の在り方、女性の働き方について新たな視点から問題を提起する一冊と思います。最近は国政選挙から足が遠のいている中年フリーターの「どうせ自民党が勝つに決まっている出来レース。選挙に行くより仕事を入れて稼いだ方がいい。何の期待もしていない」という言葉は胸に刺さりました。
 我々が推進した小選挙区制は意思決定の明確化と迅速性で優れた点を持ちますが、少数意見の反映が妨げられている点は否めません。仮に、投票率が50パーセント、得票率が50パーセントで議席を得た場合、それは有権者総数の25パーセントの意思しか体現出来ていないということであり、この点は強く留意しなくてはなりません。
 投票は主権者の権利であると同時に義務でもあると思うのですが、皆様はどのようにお考えでしょうか。
 「入れたい人がいない」のならば白票を入れて頂ければよいのではないか、と私は考えるのです。民主主義が有効に機能する条件は、多くの人が参画することと、正確なジョア法が提供されることの二つなのであり、それらを欠くと民主主義を使った独裁制になる危険性が高まります。
 その実効性をどのように確保するか、オーストラリア、ベルギー、スイス、ブラジルなど投票義務制を採用している多くの国の事例につき一度調べてみたことがあるのですが、詳しくご存じの方はご教示くださいませ。

 私の地元・鳥取市では現在、市議会議員選挙が行われていますが、立候補者は定数の三名オーバーにしかすぎず、投票率も五割を割ることが懸念されています。
 政治に参画しようとする者が少なく、有権者も関心が薄いことに民主主義の危機を感じます。

 昭和61年同期当選の園田博之議員が逝去されました。
 享年76歳、残念でなりません。自民党だけで47人いた同期当選組は参議院に転出された方も併せて7名となってしまいました。
 園田議員は自民党離党後、新党さきがけで細川内閣や村山内閣の誕生に尽力、一度自民党に復党、その後たちあがれ日本、日本維新の会、次世代の党などで要職を歴任され、最後は自民党に復党されました。
 谷垣総裁時代、自民党の再生にあたって園田議員の卓越した構想力や調整力に大きな期待を寄せていたのですが、与謝野代議士と行動を共にされて離党されたのはとても残念なことでした。
 閣僚になれる機会が何度もあったにもかかわらず、何故かそれに就かれることもなく、しかし独特の存在感を持ったとても魅力的な方でした。若いころ、何度か酒場で飲んでおられる場面に遭遇する機会があったのですが、女性にも、スタッフにも圧倒的な人気があったのは飾らない、分け隔てのないお人柄によるものであったと思います。
 できればもっと色々なお話をしたかったのですが、それも叶わぬこととなってしまいました。御霊の安らかならんことを切に祈ります。

 週末は、昨年に引き続いてソウルにおける国際フォーラムに参加し、講演やパネルディスカッションを行います。テーマは「地方創生と日韓協力」であり、当面の北朝鮮問題や徴用工問題に触れる予定はありませんが、日韓関係についての知見を深める機会になることを願っております。
 皆様ご健勝にてお過ごしくださいませ。

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2018年11月 9日 (金)

米中間選挙など

 石破 茂 です。
 アメリカ中間選挙は事前の予想通り、上院では共和党勝利、下院では民主党が多数を奪還という結果となりました。今後次の大統領選挙までの2年間は、予算案や多くの法案の審議や成立が停滞することになるのでしょうし、再選を狙うトランプ大統領は「悪いのは民主党だ!」とばかりに強硬姿勢をさらに鮮明にして、大統領令を頻繁に発することになるのかもしれません。
 今までの歴代大統領とは異なり、同盟国に対して強い姿勢で臨み、現状の如何ではなく今後の損得を重視し、アメリカ全体の帳尻を合わせることをそのスタイルとするトランプ氏は、今後「日本の自動車業界が現在どれだけアメリカ人の雇用を作り出しているかではなく、これからどれだけ増やすかが問題だ」「農産品や自動車で貿易赤字が改善しないならば、日本はもっと米国製の防衛装備を買うべきだ」「北朝鮮の核が維持されても、ICBMの脅威がなくなることでアメリカの安全性は向上する」などという主張をすることが予想されます。
 問われているのは憲法、防衛や経済・エネルギー、財政、社会保障など、日本自身の自主独立性と持続可能性なのであり、トランプ政権への対応はそれらすべてを見直す、厳しくもよい機会としなくてはなりません。

 外国人人材の受け入れについて、法案の成立に万全を期すということは当然のことながら、「移民」という言葉の持つネガティブなイメージを回避するあまり、我が国が直面する未曽有の急激な人口減にどう対応するのかという本質論が今一つ見えてこないような気がしてなりません。
 この構図は「軍」「戦力」「交戦権」という言葉を回避するあまり、「自衛隊を明記するだけで、実態は一ミリも変わらない憲法改正」というものと近似しているように思えます。
 日本の人口急減も、安全保障環境の激変も、国家的危機とも言うべき事態なのに、危機感や本質的な議論が決定的に足りないことに焦燥感を覚えるとともに、自身の発信力の不足、更なる努力の必要性を痛感するばかりです。

 今週水月会の勉強会でこの問題のスペシャリストである毛受敏浩氏の講演を聞き、教えられることが多々ありました。「このまま日本の国力が衰退すればやがて日本に見切りをつけ、海外への移民を目指す日本人が続出する事態も予想される」との指摘は胸に刺さるものがあり、同氏の著書「限界国家 人口減少で日本が迫られる最終選択」(朝日新書)を週末に読んでみたいと思っております。

 補正予算案の参議院における審議もさしたる混乱もなく淡々と進み、参議院本会議において成立を見ました。予算委員会において一部閣僚の言動や答弁能力を追及することに意味がないとは言いませんが、国民はそればかりを見させられてうんざりしているように思われます。予算委員会においてはもっと国家の重大事を質してほしいと願わずにはいられません。

 雇用政策について小林美希氏の新著「ルポ 中年フリーター 『働けない働き盛り』の貧困」(NHK出版新書)は示唆に富むものでした。高齢者の貧困と並んで、この層をどうするかは今後大きな社会的課題となるに違いありません。現場の視点に立脚した同氏の著書や論説にはいつも教えられることばかりです。

 11日日曜日は、四万十市・高知市における山本有二元農水相の国政報告会に参加の予定です。
 皆様ご健勝にてお過ごしくださいませ。

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2018年11月 2日 (金)

消費税率と社会保障など

 石破 茂 です。
 今夕の衆議院本会議において補正予算案が全会派賛成で可決、参議院に送付されました。
 これに先立つ予算委員会の審議も緊張感に乏しいまま淡々と進み、政府・与党にとっては幸いなことながら、いささか拍子抜けの感は否めません。
 政府側にしてみれば、野党がバラバラで、各党から質問者が多く立って一人当たりの質問時間が短くなり、論点が拡散するほど楽なことはありません。参議院とは異なり衆議院は「往復方式(質疑時間は質問と答弁を合わせた時間)」であるため、長い答弁を行えば、ただでさえ短い質疑時間が終わってしまいます。これは一にかかって野党の責任なのですが、国民の間にフラストレーションや政治全体に対する不信感が高まるのではないかと怖れます。

 あまりにも基本的なことを今更申し上げて恐縮なのですが、日本国憲法は憲法改正の原案を内閣が提出することを否定していません。国民に対して発議するのは国会であっても、発議の対象となる憲法改正の原案の提出権は、国会法に定められた衆議院では20人、参議院では10人の賛成議員だけではなく、内閣にも認められているとするのが通説的見解で、憲法第72条の定める内閣が国会に提出する「議案」には憲法改正案も含まれると解されています(清宮四郎「憲法Ⅰ 法律学全集 有斐閣」、佐藤功「憲法(下) ポケット注釈全書 有斐閣」)。

 安倍総理は衆議院本会議での稲田議員に対する答弁において「内閣総理大臣として答えるのは差し控えたい」としながらも、「自民党総裁として敢えて申し上げれば」と持論を展開されましたが、内容については語られませんでした。
 自民党の憲法改正推進本部の会議においても、様々な質問に答弁する人がおらず(したがって「意見の開陳」ではあって「議論」とはなりえませんでした)、国会においてもその立場に立つ人が居ないままに、何が何だかよくわからないという状態が国民の間でこのまま続くとすれば、決して好ましくはありません。
 憲法改正原案を内閣提出とすべきだと主張するつもりはありませんが、憲法改正原案はあくまで国会が提出する、ということを所与のものとしてきたことの妥当性を自らに問い直してみたいと思います。

 消費税率の引き上げの議論において、これを可能とする個人所得の増加などの経済環境整備と併せて、社会保障、特に医療と介護の改革をセットで論じなくては意味がありません。軽減税率やポイント制導入の是非よりもこちらの方が事の本質です。
 高齢者数がピークとなる2040年前後にはその費用が今の1・7倍にもなると予想される日本の医療を他の先進国と比較してみると、その特徴として人口当たりの病床数が格段に多いことが挙げられます。
 人口1000人当たりの日本の病床数は13・4床(2012年)ですが、これはアメリカの4倍以上、スウェーデンの5倍以上と言われています。これに対して病床100床あたりの医師数はスウェーデンの148・7人に対し日本は9分の1の17・1人、ドイツやフランスに比べても3分の1程度、看護職員もスウェーデンの5分の1、ドイツやフランスの約2分の1、平均的な在院日数は3倍から4倍とも言われています。
 他方、65歳以上の寝たきり高齢者の比率は、日本を100として、イギリスが30、アメリカとデンマークが20、スウェーデンが10とされています。

 人口当たりの病床数が多いこと自体は国民にとって良いことには違いないのですが、そもそも入院を前提とすべき医療のみに限定されるべきではないのか、ということは近年問題とされ、政府の方向性としても急性期とそうでないものとの峻別をすすめようとしてきていますが、適切な医療とはいかにあるべきか、いわゆる「寝たきり」にならなくてもすむ人が寝たきりになってしまってはいないか、結果として医療費や介護費の増加が止まらないという状況になってはいないか。漸進的に改革は行われていますが、国民的議論となっているとは言えません。
 私が衆議院の社会労働委員会(今の厚生労働委員会)や自民党の関係部会において社会保障問題に取り組んでいたのは随分と昔のことなので、いささかピントがずれていたり、数字が古かったりするのかもしれませんが、もう一度体系的に学んでみたいと思っております。

 韓国最高裁が日本企業に対して元徴用工への賠償を命令する判決を下したことに対し、我が国としては日本の、国際法的に当然の主張を貫いて外交交渉を続けるとともに、これが不調に終わった場合、日韓基本条約と同時に締結された日韓請求権協定(請求権の解釈などを巡って対立した際の規定。外交交渉で解決できなかった場合、一方の政府から要請があった場合に日韓と第三国の委員計三名の仲裁委員会を設置し、両国はその決定に従う)に基づいて解決の道を探るか、国際司法裁判所に提訴するか(韓国側の同意が必要なため困難)、どちらかの道を選択することになります。
 韓国最高裁の判決は理解不可能なものですが、朴槿恵政権時代に封印されていた問題が前政権を全面否定する今の文在寅政権になって表面化したということなのでしょう。国内のナショナリズムを制御するのはどの国にとっても難しいことを改めて痛感させられます。

 本日は衆議院本会議における補正予算の採決後、札幌まで参ります。
 3日土曜日は札幌での講演とパネルディスカッション、帰京後、慶応大学在学中によく通った港区三田の大衆割烹「つるのや」の開店50周年祝賀会に発起人代表として参加します。
 在学中、土曜日に法律サークルの自主ゼミが終わった後は必ずここで終電近くまで飲んでいたものです。あの頃は本当に楽しかったな・・・・
 4日日曜日は知人の結婚披露宴に出席の予定です。

 カレンダーももうあと二枚となってしまいました。皆様ご健勝にてお過ごしくださいませ。

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2018年10月26日 (金)

憲法議論など

 石破 茂 です。

 前回の本欄で江藤淳氏の「1946年憲法 その拘束」をご紹介致しましたが、読んでくださった方がおられてとても嬉しく思いました。文春文庫版は容易に入手できますので、皆様是非お読みください。

 一般論として、ある意見に反対の場合でも、見解を述べる際にはその拠って立つ論理を明らかにするべきだと思いますし、そうでなければ議論にはなりません。答えに至るまでの論理をほとんど明らかにしないまま、結論のみを述べて賛成か反対かを迫る手法には、恐ろしさと忌避感を覚えます。先人たちが営々と築いてきたプロセス重視の民主主義は、意外と脆く崩れる危うさを持っているようにも感じます。

 「憲法第9条第1項・第2項を残したまま、自衛隊の存在を第3項として書き込む」案について、論理的な正当性や安全保障政策における妥当性を述べた論考を私は寡聞にして知りません。恐らく論理的な正しさはなく、安全保障政策としても(「何も変わらない」と言われているわけですから)特段の妥当性はないのではないでしょうか。そうであるにもかかわらず、「どうせ国民にはわかりはしない」とばかりに民主主義的なプロセスを省略し、論理的整合性を無視して「政治は結果こそすべてだ」と主張するのだとすれば、その危険性をもっと論じなくてはならないと思っております。

 安倍総理は水曜日の所信表明で「国の理想を語るものは憲法」であり「憲法審査会において、政党が具体的な改正案を示すことで、国民の理解を深めていく努力を重ねていく中からできるだけ幅広い合意が得られると確信する」と述べられました。
 現行憲法の前文に語られている「理想」は、「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」というような抽象的でユートピア的なものですが、このあまりに非現実的な「理想」からどのように脱却し、どのような新たな「理想」を掲げるのか、が問われることになりましょう。

 「政党が具体的な案を示す」ということですから、当然自民党が率先して示すべきものだと思います。
 その際には、自民党で党議決定した平成24年憲法改正草案を覆す案、すなわち第9条第1項と第2項を残したままで、自衛隊の存在を第3項に明記する案について、出来る限り総裁ご自身がその意図をご説明いただくべきものですし、総裁選中における私との討論の際にも安倍総裁はそのように仰いました。
 何らかの理由で総裁ご自身がこれをなさることができない場合には、誰か総裁の意図を正確に体現した人が責任をもって行わなくてはなりません。内閣法制局も、衆議院や参議院の法制局も答える立場にはありません。普通の法案ですら踏む当たり前のプロセスを、最上位法である憲法で省略していいはずがないからです。

 政策的な立場は全く違いますが、立憲民主党の山尾志桜里衆院議員の対談集「立憲的改憲」(ちくま新書)は極めて示唆に富むものでした。これは法律家でもある山尾議員と、阪田雅裕・元内閣法制局長官、伊勢崎賢治・東京外語大教授、井上達夫・東大教授、駒村圭吾・慶大教授など、比較的新しい世代で、かつ教条主義的ではない専門家たちとの対談集なのですが、相当程度、頭の整理になり、展開されている論理も精緻なものだと感じました。
 このような議論が野党内で活発に行われ、それが国会で論じられるようになればよいのですが、立憲民主党がかつての社会党的体質を引き継ぐようであれば難しいのかもしれません。そのような政党には広範な国民的支持も集まらず、政治を変える力も決して持ち得ません。
 
 消費税率引き上げ、外国人人材受け入れなど、今国会で議論されるべき課題は多くあります。どの問題もその根底にあるのは日本の急激な人口減少と高齢化であり、弥縫策的な対応の積み重ねには限界があります。
 消費税率の引き上げと社会保障の改革はあくまで一体のものでなければならないのですが、これらの課題についてはいずれまた論じたいと思います。

 週末は先週に引き続き、自民党鳥取県連会長として党の会合を主催する他、いくつかのイベントに参加する予定です。
 皆様ご健勝にてお過ごしくださいませ。

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2018年10月12日 (金)

江藤淳など

 石破 茂 です。

 故・江藤淳氏の著作「1946年憲法 その拘束」(初出・「諸君!」1980年8月号、文藝春秋・学芸ライブラリー 2015年)を久しぶりに読み返してみて、まさしく然りと思ったことでした。
 1980年、昭和55年は私が三井銀行に入って2年目、高校生の時から極めて真っ当な保守の論客である江藤淳氏のファンではあったものの、日々の業務に忙殺されてきちんと読んで理解する機会もないままに今日に至ってしまいました。
 「独立国家日本の主権回復」ということを真剣に、まともに考えればこうなる、ということですが、江藤氏もその思いを遂げることのないまま99年に自らその命を絶たれました。今改めて抱く感慨には極めて複雑なものがあります。

 週末は13日土曜日が自民党金沢支部政経セミナーにて講演。
 14日日曜日は言論NPO主催「第14回 東京-北京フォーラム」にてパネルディスカッションの予定です。

 皆様、ご健勝にてお過ごしくださいませ。

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2018年10月 5日 (金)

自民党総裁選挙 お礼など

 石破 茂 です。 

 自民党総裁選挙では、皆様に大変お世話様になりました。厚くお礼申し上げます。反省点・改善点は多々あり、詳細に分析し、今後に備えて研鑽努力を致してまいります。
 総裁選挙中も申し上げたことですが、国民の意識と自民党、就中国会議員との意識に乖離があるのは決して良いことではありません。選挙で示された結果をどのように受け止め、改めるべき点は改めるかが、極めて大切だと思います。
 この選挙で印象的であったのは、「政治家に初めて手紙を書くのだが、自民党にも我々の立場を考えてくれる人がいることを知ってとても嬉しかった」といった趣旨の自筆のお手紙を多く頂いたこと、「私は自民党員ではありませんが、応援しています」と言って駆け寄ってくださる方が多くおられたことでした。
 自民党はこのような方々にも目を向けて、施策を講じていかねばなりません。
 
 沖縄県知事選挙は残念な結果となりました。私も最終盤に応援に入りましたが、「弔い合戦」の色彩と知名度不足だけが敗因であったとは片づけられないものを強く感じた次第です。
 
 総裁選後もあれこれと日程が入っており、今回は十分に記すことが出来ません。来週なんとか時間を作って書ければと思っておりますが、何卒ご容赦くださいませ。

 週末はまた台風の接近が予想されております。三連休の方も、カレンダーと関係なくお仕事の方も、どうかご健勝にてお過ごしくださいませ。

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2018年8月31日 (金)

47動画をご覧ください

 石破 茂 です。
 
 総裁選挙に関する様々なインタビュー、打ち合わせ、地方へのお伺いなどで、当欄に記す間がなく、申し訳なく思っております。
 本日、会見もさせて頂きましたが、合間を見て撮りためました47都道府県の皆様へのメッセージ動画がアップされましたので、ご縁のある地域のものでもご覧いただければ幸いです。
(石破茂オフィシャルホームページから総裁選特設サイトにお進みください。
http://www.ishiba.com/sousaisen/)

 また新たな台風が近づいているようです。皆様、ご健勝にてお過ごしくださいませ。

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2018年8月24日 (金)

地方を訪れる意味など

 石破 茂 です。
 22日、23日と北海道十勝地域、札幌市で講演をしてまいりました。
 北海道には年に10回ほど訪れているのですが、行くたびに新たな気付きが多くあり、本当に有り難く思っております。

 日本全国1718市町村、すべてを踏破できるとはとても思えませんが、日本とは、などと抽象的かつ漠然とした的な捉え方をしたままで多くを語ってきたことに、今更ながら反省の思いが強くなります。政策の提示をしたときに、あの町の、あの村の人はどのように思うのか、いつもそのように心掛けていきたいと切に願っています。

 政治は魔法でも手品でもありません。過去の遺産に縋り、次代に負担を先送りすることは避けなくてはなりません。
 15世紀に欧州で疫病が大流行した時を除き、日本国はいまだかつて経験したことのない速さと規模で人口急減と超高齢化社会を迎えます。安全保障環境も、今までとは全く異なる様相を呈します。我が国の未来は過去の延長線上にはないのであり、抜本的に国の在り方を変えていく必要があります。
 国民各位の納得と共感を得るためには、国政の側が可能な限り各地の実情を知悉し、信頼を得る他に道はありません。
 
 週末はテレビ出演と地方での講演に充てる予定です。暑さが戻ってきたようですが、つくつく法師の鳴き声と朝夕の涼しさにかすかな秋の訪れを感じます。皆様ご健勝にてお過ごしくださいませ。

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2018年8月17日 (金)

終戦記念日など

 石破 茂 です。
 一昨日は終戦記念日、天皇皇后両陛下ご臨席の下、日本武道館で開催された全国戦没者追悼式に出席して参りました。今上陛下の御臨席はこれで最後となります。誠に感慨深いものがありました。
 終戦の日、とはいつなのか。8月15日は陛下の玉音放送により「戦闘が終結した日」なのであって、戦争が終わったのは東京湾上の米戦艦ミズーリ号艦上で降伏文書に調印がなされた9月2日であるとする色摩力夫氏の指摘は実に示唆に富んだものです(「日本人はなぜ終戦の日付を間違えたのか 8月15日と9月2日の間の計り知れない断層」黙出版)。

 昭和30年、亡父石破二朗が建設事務次官当時、文書課長が挨拶文の決裁を求めた際、「終戦後ここに○○年」とあったのを見た時のことを当時文書課長であった前田光嘉氏(元建設事務次官・故人)は次のように書いておられます。
 「文書課長、終戦とはどういうことだね」。私は次官の真意を測りかねて、「戦争が終わったから終戦と言うのではないでしょうか」次官の顔色がさっと変わった。「だから君たちは駄目だと云うんだ。我が国は戦争に敗けたのではなかったのか。ポツダム宣言を受諾して日本は無条件降伏をしたのだ。これを敗戦と云わないで終戦などと分かったような、分からないようなことを云うから、事の本質を見失うんだ」(回想録石破二朗追想篇)

 「撤退」を「転進」と言い、「占領軍」を「進駐軍」と言うなど、日本語を微妙に使い分けることによって物事の本質を曖昧にしてきたことは否めません。「第二次世界大戦の戦勝国連合」であるUnited Nationsを「国際連合」と、「交戦国・交戦団体に認められる権利であり、交戦の際のルール」であるBelligerent Rightsを「交戦権」と訳したことによって、どれほど本質が見失われ、日本人の思考を曖昧にしてしまったことか。
 本日、総裁選に向けた憲法についての記者会見を行いながら、つくづくとそう思ったことでした。

 少し涼しさも感じられた週末の都心でした。皆様ご健勝にてお過ごしくださいませ。

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2018年8月10日 (金)

自民党総裁選への決意など

 石破 茂 です。
 本日、来月行われる予定の自由民主党総裁選挙に立候補する決意を表明させて頂きました。一人でも多くの皆様のご支持を賜るべく、投票日まで全身全霊で臨みます。何卒よろしくお願い申し上げます。
 人口急減、少子化、超高齢化、激変する我が国を取り巻く安全保障・経済環境。内外共に極めて困難な時代にあって、政治は過去の成功体験や遺産に縋ったり、次代に負担を先送りすることがあってはなりません。国民と正面から向き合い、公正で正直、そして丁寧な、信頼される政治が必要なのだと信じます。

 今こそ政治に対する国民の信頼、納得、共感が必要な時はありません。この歴史の転換点にあって、日本国の設計図を書き換えなければならない時が来ています。未来は過去の延長線上にあるのではありません。政治は全ての人が、全ての地域が幸せを実感できるものでなくてはなりません。

 私が考える日本が直面する危機とは、
一、 このまま推移すれば西暦2100年には高齢者の比率が現在のほぼ二倍の41%となり、人口も5000万人ほどに減少し、財政や社会保障の持続可能性が失われかねないこと。
二、 国民の中で世代間・世代内の格差が拡大し、固定化しつつあること。幸せを実感できず、経済の根幹をなす個人消費が伸びず、婚姻率低下と少子化に歯止めがかからないこと。
三、 地方の衰退と首都一極集中傾向が止まらないこと。食料を生産し、エネルギーを作り、出生率が高い地方が衰退し、そうでない東京だけが残る国家はありえない。経済・金融、文化の中心として日本を牽引すべき首都東京も、災害と超高齢化に直面する。現状を打開するには、一部の地域・企業・人々が豊かになれば地方も豊かになる、との発想をとることなく、全ての地域がその魅力を最大限に伸ばして発展していかねばならない。
四、 我が国を取り巻く外交・安全保障環境が激変しつつあること。
この四点です。

 日本の基本的な構造は、人口が増加し、経済が成長し、冷戦構造が存在していた時代に設計されたものです。前提が全く異なった今、自立性と持続可能性を基本に設計図を書き換えなくてはなりません。
 だからこそ、政治が誠心誠意、国民に語り掛ける姿勢と、それに対して国民が信頼と共感を寄せることが必須であり、我々自民党は、野党の時に作った綱領に立ち返らねばならないと考えます。
「勇気をもって自由闊達に真実を語り、決断する」
「あらゆる組織と対話し、調整する」
「国会を公正に運営する」
「政府を謙虚に機能させる」
「すべての人に公正な政策や条件づくりを行う」
 これが綱領に示された自民党の姿です。

 具体策の一つとして、「政治・行政の信頼回復100日プラン」を年内の完成を念頭に早急に策定したいと思っております。
 官邸の信頼回復(公平性と客観性を重視し、国民の立場に立った内閣人事局の改革、官邸スタッフの面談の透明化など)、国会の信頼回復(党内の中堅・若手の提言を踏まえ、国会運営の改革、行政監視機能の強化など)、行政の信頼回復(地方と中央の信頼関係に立った役割分担の見直し、最大のサービス業であるとの認識に立った国民本位の行政の確立、災害多発や人口急減・超高齢化・少子化に対応する組織の改編と働き方の改革など)をその内容として考えております。

 なお、総裁選において多くの論点が予想される中で、憲法について一言申し上げます。
 今、急ぐべき憲法改正の項目とは、合区解消のための衆参両議院及び選挙のあり方の規定、人権を決して不当に侵害しないことを前提とした緊急事態の規定、国民の権利に対応した政府の説明責任についての規定、であると考えます。
 これらの喫緊の課題に比し、9条は国民の理解が前提であり、丁寧に時間をかけて合意形成に努めるとともに、憲法改正以前になすべき法整備等を先んじて進めるべきものと考えます。

 一気に様々なことが押し寄せて、落ち着いて当欄を書く時間がとれませんでしたこと、どうかご容赦くださいませ。週末は土曜日は地元、日曜日は東京近辺での用務が入っております。
 台風が相次いで接近しつつあります。皆様お気を付けて、ご健勝にてお過ごしくださいませ。

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