本人コメント

2018年2月16日 (金)

米国核態勢見直しなど

 石破 茂 です。
 米国核態勢見直しについて、あまり国会でも議論がありませんが、実は我が国にとっても根本的かつ重要な政策変更だと思っております。
 「戦略核」は、いったん使用して互いが撃ち合いになれば世界が終わってしまう「使えない兵器」としての位置づけが固定化されてしまい、抑止力の低下が懸念されるため、「戦術核」という位置づけの存在を復活させることで抑止力を高める、というのが基本的な考え方のようです。
 現状を「過去のいかなる時よりも多様で高度な核の脅威に直面している」と認識しており、核に対して基本的に「米国には核廃絶に向けた同義的な責任がある」としたオバマ政権とは相当に異なっています。
 核の使用を「米国や同盟国の利益を守るための極限的な状況に限って使用する」としている点ではオバマ前大統領と同じであるものの、根底には今や戦術核をアメリカの四倍も持つに至ったロシアへの危機感があるようです。

 今回の見直しには、①爆発力の小さい小型核の導入、②艦船搭載型の再開発への着手、③核運搬手段の三本柱の強化、④核使用は核以外の戦略的目標に対するものを排除しない、という四つのポイントがあります。
 長期的には艦船搭載型巡航核ミサイルを新たに開発するということと、米国の核の傘(拡大抑止)の信頼性向上との関係も、日本国自身の問題としてよく考えておかなくてはなりません。

 個人としてのトランプ氏は、核について過去様々な発言をしています。
 「私はソ連との核軍縮交渉の担当者になりたい。ミサイルのことをすべて学ぶのに一時間半あればよい」(38歳の時)
 「核戦争のことをいつも考えている。私の思考プロセスにおいて極めて重要な要素だ。人々は核戦争が起きないと思っているが、それは最も愚かなことだ」(90年の雑誌インタビュー)
 大統領就任後も「私が持つ核のボタンの方が金正恩のものより遥かに大きい。私は賢いというより精神的に安定した天才なのだ」と述べ、「いずれ世界の国々が一緒に核を廃絶する魔法のような瞬間が訪れるかもしれない」との発言にはシニカルな姿勢が窺われるように思います。
 これに対してハイテン米戦略軍司令官は「トランプが核攻撃を命じても違法ならば従わない」と述べ、核戦略に携わった17人の元将官は「核使用にあたっては議会や国防長官の承認があるべき」とする意見書を提出しており、米国内の専門家の意見も多岐に分かれているようです。
 日本においても感情論とは別の、もっと深い議論が必要です。

 小型核には、偶発的な核戦争の危険を高める恐れがある、との指摘があります。
 オバマ政権が艦船配備型の巡航核ミサイルを撤廃したのは、通常の巡航ミサイルによる攻撃を核攻撃と誤認または曲解して核反撃を受けることを避けるためだったのであり、核と通常兵器の区別がつきにくくなれば、偶発的な核戦争の恐れも高まると考えたことによるものでした。

 冷戦期、戦略核の「使えない」ことそれ自体が抑止力となって、「恐怖の均衡」のもとに大きな紛争がなかったことは厳然たる事実です。
 トランプ氏の言う「魔法の瞬間」の到来が当面期待できない以上、核廃絶を心から希求しつつ、パリティ(均衡)を常に保つことと、ミサイル防衛や国民保護をはじめとする「核を用いたとしても効果はない」という拒否的抑止力を向上させることが肝要であり、それを忘れてはなりません。

 今週の週刊新潮と週刊文春のグラビアには、さる10日土曜日に私が御殿場で旧日本陸海軍の軍用乗用車「くろがね四起」に乗った際の写真が、極めてよく似たアングルから撮られて掲載されています。
 ライバル誌同士にしてはとても珍しいことのように思われますが、文春の「石破が四起(ヨンキ)でやってくる」というタイトルには思わず笑ってしまいました。山田洋二監督、ハナ肇主演の往年の名作映画「馬鹿が戦車(タンク)でやってくる」(1964年・松竹)に引っ掛けたものですが、まあ本当によく考えるものですね。この映画は題名のイメージとは異なり、山田監督らしい深い味わいのあるもので、お勧めの一本です。

 週末は、17日土曜日が公明党鳥取県本部新春の集い(11時鳥取市白兎会館・18時倉吉シティホテル)、鳥取城北高校相撲部後援会総会・諸大会好成績祝賀会(19時・ホテルニューオータニ鳥取)。
 18日日曜日は自民党鳥取県国会議員新春懇談会(10時・ホテルニューオータニ鳥取、13時半・倉吉シティホテル、16時半米子ワシントンホテル)という日程です。

 多くの皆様に誕生日ならびに2月14日のお気遣いを賜りましたことに厚くお礼申し上げます。
 皆様ご健勝にてお過ごしくださいませ。

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2018年2月 9日 (金)

真に必要な国民的議論など

 石破 茂 です。
 陸上自衛隊目達原駐屯地所属のアパッチ・ロングボウ対戦車ヘリコプターの事故には言葉がありません。被害に遭われた神埼市の皆様に元防衛大臣・自民党安全保障調査会顧問としてお詫びとお見舞いを申し上げますとともに、殉職された、技量高く人望の厚かった機長・斎藤謙一2等陸佐と、結婚されたばかりであった副操縦士・高山啓希1等陸曹の御霊の安らかならんことを心よりお祈り致します。

 AH-1S対戦車ヘリの後継機として導入したAH-64Dは、当初62機の調達を予定していたのですが、価格があまりに高いことなどを理由に13機で調達が打ち切られました。同時に10個以上の目標を探知し、攻撃の優先順位を識別できるという高性能機なのですが、基本的に対戦車ヘリである以上、敵がどれほどの数で我が国に侵略を加え、それを排除するには何機が必要なのか、我が方の戦車の数と対戦車ヘリの機数の比率はいかにあるべきか等が綿密に計算されて必要な調達数が決定されていたはずです。
 事故原因はこれからの調査の結果を待つ他はありませんが、機数が少ない分、稼働率が高くなり現場に過度の負担がかかっていたのではないか、との指摘もあり、この構想に中途まで関わっていた者として、大きな責任を感じています。
 装備の調達、人員の確保、運用体制の整備などの予算や、権限を付与する法律の制定など「軍政」の分野は一にかかって政治の責任です(作戦など「軍令」の分野は制服に権限が属しますが、日本ではこれがやや不明確です)。

 予算委員会の質疑を聞いていても、スタンドオフミサイルは敵地攻撃能力を有するのか、いずも型護衛艦に固定翼機を乗せれば専守防衛に反するのではないか、等々の質問ばかりで(それも大切な議論ではありますが)、どのような脅威に対してどのような態勢で抑止力を保持すべきなのか、という本質的な議論はあまり聞かれません。
 軍事についてささやかな知識を持ち、自らの思いを述べれば、「軍事マニア・軍事オタク・好戦家」のレッテルを張られて異端視される雰囲気はどう見ても異様ですし、危険極まりないことだと思います。「それはお前の不徳の致すところだ」と言われてしまえばそれまでですが、このような雰囲気で本当に必要な安全保障体制が構築できるのでしょうか。

 自民党内における憲法の議論で、私が「陸海空軍その他の戦力は保持しない」「国の交戦権はこれを認めない」という第9条2項の削除を主張しているのは、「自衛隊は国際的には軍隊だが国内的にはそうではない」「必要最小限度の実力しか保持しないのだから戦力ではなく陸海空軍でもない」「日本国は交戦権を行使できるが、憲法で禁じられているから、これを『自衛行動権』と称するのだ」などという、摩訶不思議な、一般の方にはまず理解不能な論理が罷り通り、国会の議論が法律細部論に終始している限りは、この国に真に必要な国民的議論が行われないと信じるからであり、国会でなんとか辻褄を合わせた答弁をしてきた者だからこそ、痛切にそう思うのです。
 国民の命と暮らしや権利を保障する国家の独立に関わる問題であるからこそ、政治は真剣に、誠心誠意国民に語る真摯さを持つべきです。
 マスコミは相も変わらず「安倍総裁の意向に沿った憲法改正推進本部幹部VS石破」的な報道しかしませんが、そのようなつまらないことで議論しているのではありません。担当記者諸兄姉は多少なりとも議論の内容を理解しているのでしょうが、上層部の判断であのような報道になるのでしょうか。とても情けなく、悲しい気持ちにさせられます。

 昨日ダイヤモンド社の企画で、レーガン政権からオバマ政権まで国防長官顧問を務められたハーバード大学ケネディ行政大学院初代学長のグレアム・アリソン博士と対談をしたのですが、とてもスリリングかつ有意義な2時間でした。
 博士の最新の所論は、以前もご紹介した「米中戦争前夜」(ダイヤモンド社)に述べられており、深い歴史的考察に基づいたとても興味深い一冊です。
 「あなたはアベノミクスで幸せになれるか」(市川眞一著・日本経済新聞出版社)も、客観的な視点から今後の日本経済の在り方を論じたもので、多くの示唆を受けました。

 10日土曜日が旧陸海軍95式小型乗用車見学会(午前10時半・御殿場観光ホテル)、防衛技術博物館を創る会活動報告会にて講演、その後の懇親会(午前11時・同)。
 11日建国記念日は「時事放談」出演(午前6時・TBS系列・収録)、八頭町西御門地区初総会(午前8時・西御門集会所)、郡家殿地区初総会(午前8時半・郡家殿公民館)、建国・紀元祭(聖神社・鳥取市行徳)、山陰新幹線の早期実現を求める松江大会(午後1時・ホテル白鳥・松江市千鳥町)、ビッグツール(株)工場見学並びに懇談会(午後3時・鳥取県日吉津村)、という日程となっています。

 地元の聖神社で行われる建国記念の日のお祭りに参加するのは久しぶりです。典雅で清々しい「紀元節の歌」を歌えることを楽しみにしています。

 豪雪の被害に遭われた皆様にお見舞い申し上げます。
 三連休の方も、休まずお仕事の方も、ご健勝にてお過ごしくださいませ。


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2018年2月 2日 (金)

憲法9条、野中先生ご逝去など

 石破 茂 です。
 憲法改正についての党内議論が進んでいます。

日本国憲法 第9条 第1項
 「日本国民は正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と武力による威嚇または武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては永久にこれを放棄する」
同 第2項
 「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力はこれを保持しない。国の交戦権はこれを認めない」

 一読して、これが何を意味しているのか理解できる人はそうは多くないはずですが、制定当初に日本国政府がどのように考えていたかは「あたらしい憲法のはなし」(1947年文部省中学1年生用教科書)を見るのが一番わかりやすいと思います。そもそも中学生が読んでわからないようなものは憲法として失格です。以下該当部分を引用します。

 「こんどの憲法では、日本が二度と戦争をしないように、二つのことを決めました。その一つは、兵隊も軍艦も飛行機も、およそ戦争をするためのものは、いっさいもたないということです。これからさき日本には、陸軍も海軍も空軍もないのです。これを戦力の放棄といいます。「放棄」とは「すててしまう」ということです。しかしみなさんは、けっしてこころぼそく思うことはありません。日本は正しいことを、ほかの国によりさきに行ったのです。世の中に、正しいことぐらい強いものはありません。
 もう一つは、よその国と争いごとがおこったとき、けっして戦争によって相手をまかしてじぶんのいいぶんをとおそうとしないということを決めたのです。おだやかにそうだんをして、きまりをつけようというのです。なぜならば、いくさをしかけることは、けっきょくじぶんの国をほろぼすようなはめになるからです。また、戦争とまでゆかずとも、国の力で、相手をおどすようなことは、いっさいしないことにきめたのです。これを戦争の放棄というのです。そうしてよその国となかよくして、世界中の国が、良い友だちになってくれるようにすれば、日本の国は、さかえてゆけるのです」 (原文ママ)

 戦車も軍艦も戦闘機も一切持たず、すべては話し合いによって解決する。制定当初の意図は間違いなくこのようなものだったのですし、素直に読めばこれ以外の解釈はありえないでしょう。
 ここにおいては「芦田修正」的な考え方、つまり「前項の目的」を「侵略戦争はしないが自衛戦争はできる」ものとし、自衛のための陸海空軍は保持でき、交戦権も認められる、とする考え方は一切見られません。

 その後、警察予備隊を創設し、保安隊、自衛隊へと移っていく中にあっても、芦田修正が取り上げられることはなく、自衛権は固有の権利として国家に認められており、その根拠を憲法前文の「平和的生存権」「幸福追求権」に求め、外部からの武力攻撃によって国民のこれらの権利が侵害され、生命や身体が危険に陥った時にのみ、必要最小限の武力を行使してこれを排除できる、という論法を用いています。
 しかし、前文において明文で定められているように、平和的生存権は「全世界の国民」が有するものであり、世界中に適用されるべきもののはずです。そこから「必要最小限度」という考えが論理的に導き出されることはありません。

 ちなみに「芦田修正」はなかなか魅力的ですが、これにも難点はあります。
①もし第1項を「自衛のための武力の行使はできる」と解するならば、そのための戦力を保持できることは自明のことであり、第二項をわざわざ置く意味は全くなく、むしろ「前項の目的を達するため陸海空軍その他の戦力を保持する」と書く方が自然なのではないか
②同時に憲法に自衛のための組織に関する統制の規定や、自衛権行使にあたっての規定を置くのが当然ではないか
③「前項の目的を達するため」は「国の交戦権はこれを認めない」という部分にはかかっておらず、この部分は芦田修正にかかわらず生きているのではないか
という3点です。

 いずれにせよ、あれこれ無理やりに解釈を加え、委曲を尽くして現状に合わせようとすることには明らかに限界があります。
 「必要最小限度内の実力しか保持しないのだから自衛隊は戦力ではない」
 「戦力ではないから自衛隊は陸海空軍ではない」
 「交戦権は認められないが、普通の交戦国がやることと大体似たようなことを国内でやる自衛行動権は認められる」
 「自衛行動権とは、自衛権からくる制約のある交戦権である」
などという論理は、その道のプロである内閣法制局長官や外務省国際法局長には理解できても、普通の人、一般の国民に理解していただけるとはとても思えません。
 国の安全保障政策の根幹である日本国憲法第9条がそのような状態で、国民に真に理解される安全保障政策が構築できるのでしょうか。我が国における安全保障についての議論が深まらない大きな一因はここにあると私は思っています。

 私自身、政府の立場にあるときは、四苦八苦しながらなんとか辻褄の合う答弁をするように努めてきましたが、国会における安全保障審議の大半は憲法論議と法律論議に費やされ、本来なされるべき「日本にとっての脅威とは何か」「保持すべき抑止力とは何か」などについての議論が極めて少ないことにずっと危機感を抱いてきました。
 もし、巷間言われる「第三項加憲」が「第三項に自衛隊を明記するだけであり、あとは何も変わらない」とする立場だとすれば、このような問題は引き続きそのまま残ることになります。

 先日の予算委員会審議において、安倍総理が「フルスペックの集団的自衛権は認められない」と発言され、その際に、「石破委員がこちらを見ているが、第2項を削除すべきだという議論もある」と述べられました。
 平成24年の自民党憲法改正草案は、集団的自衛権の行使は憲法上全面的に認められるとしつつも、その行使の態様は新しく定める安全保障基本法によって厳しく制約を受けるという考えです。
 集団的自衛権を憲法上全面容認するという考えは、「日本国を真の独立国とすることを目指す」という点に一番のポイントがあるのですが、これをほとんどの大手メディアが全く論じないことが不思議でなりません。沖縄に限らず、基地問題の本質はここにこそあるのです。

 憲法改正にあたっては、「新しい憲法のはなし」の現代版が書けることを第一に心掛けなくてはなりません。真実から目を背け続けることは、いつか必ずその報いを受けます。国民の理解がない防衛政策がいかに危険なものであるのかを改めて痛感しています。

 野中広務先生が逝去されました。
 先生との最初の出会いは、昭和58年夏、衆議院京都第二区の補欠選挙に立候補された際、東京との連絡要員としてお手伝いに出向いた時のことでした。
 当時私は26歳の田中派事務局職員でしたが、「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」で始まる先生の演説に魅了されたことを昨日のことのように思い出します。
あれからはや34年、先生とは立場を異にすることもありましたが、いつでもあの夏のことを覚えてくださっていたことはとても有り難いことでした。御霊の安らかならんことをひたすらお祈り申し上げます。

週末は、2月3日土曜日が資料整理と原稿書き、4日日曜日は滋賀県へ参ります。
皆様ご健勝にてお過ごしくださいませ。

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2018年1月26日 (金)

南城市長選挙など

 石破 茂 です。
 通常国会が始まり、総理の施政方針演説を受けた本会議での代表質問が行われました。今後の予算委員会質疑においても、論点を拡散させることなく、的を絞った的確な質問と、すれ違いとならない真摯な答弁を期待しています。
 私も久しぶりに質問に立ってみたいと思うこともありますが、期数の少ない議員質問の機会を増やすべき等々、質疑者の人選には様々な配慮が必要となりますので、自分の希望ばかりを述べるわけにもいきません。委員席においても、自分ならどう質問するか、どう答弁するかを常に考えていたいと思っております。

 沖縄県南城市の市長選挙は、我々の推した現職が65票の僅差で敗れるという残念な結果となりました。
 多選批判など敗因はいくつもあるのでしょうし、私がお手伝いに行ったから票が大きく増えるわけでもないことは十分承知していますが、もう数箇所でも街頭でのお願いが出来ていたらと思うととても無念です。
 今年の沖縄は選挙イヤーで、11月の県知事選挙の他、南城市に続いて名護、石垣、沖縄、豊見城、那覇の各市でも市長選挙が行われます。本土においてもそうですが、沖縄は保守対革新という単純な構図ではない面が特に顕著であり、それだけに沖縄の自民党は厳しい立場に置かれています。幹事長在任中に沖縄県連に多くのご負担をおかけしたことを肝に銘じ、沖縄の歴史や県民の心情をできる限り理解した上で、今後もお手伝いをしたいと思っております。

 23日火曜日にも普天間基地所属の米軍ヘリが不時着し、あまりにも相次ぐトラブルには不信の念を抱かざるを得ません。
 現在在沖米軍は準有事の体制をとっているものと思われ、それだけ現場の負担が過大となっていることは事実なのでしょうが、準有事であればこそ整備点検は徹底して行われるべきでしょう。本当の有事の際に、整備の行き届いていない機体に兵士を乗せるなど、本来の米軍においてはありえないことだと思われます。
 日本政府として米軍の機体の整備状況を質し、必要であれば日本が整備することも考えなくてはならないように思います。日本の負担は重くなりますし、それに相応しい手当もしなくてはなりませんが、人命にかかわるような重大事故が起これば、日米安保体制そのものが危機に瀕することを強く認識しなくてはなりません。

 総理の平昌五輪に合わせた訪韓について、否定的なご意見が多いことはよく承知しておりますが、一旦決めたからには変更すべきではないと思っております。招待を受けたからには礼儀として訪問し、いわゆる慰安婦問題についての先方の誤りを糺し、北朝鮮に対する日本・米国・韓国の連携強化の重要性を正確に認識させるための会談を行うことが国益に適うものと考えております。韓国にも北朝鮮にも利用されることのない、真摯で誠実な日本国の姿勢を国際社会に示す訪韓となることを、心から期待しています。

 保守の論客であった西部元東大教授が逝去されました。やはり保守の思想家であった江藤淳氏も自殺の道を選ばれたのですが、己の思想と現実との乖離に絶望されたのかもしれません。三島由紀夫をもう一度よく学ぶ機会を持ちたいなと思ったりもしております。

 週末は、27日土曜日が第4回日本ジビエサミットin鹿児島にて一連の関連行事に出席(午前11時・鹿児島市・出水市)。
 28日日曜日は中私都(なかきさいち、と読みます)地区親交会時局講演会(午前11時・八頭町中私都改善センター)、「ビートたけしのTVタックル・北朝鮮に立ち向かうには憲法改正が必要?迫りくる有事に備えは万全かSP」出演(正午・テレビ朝日系列・収録)、自民党鳥取市遷喬支部総会・懇親会、「日曜スクープ」出演(午後6時54分・BS朝日)、という日程です。
 
 週初めは雪に見舞われた都心でした。週末も各地において荒れ模様となりそうです。皆様お気を付けて、ご健勝にてお過ごしくださいませ。

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2018年1月19日 (金)

周辺国の歴史など

 石破 茂 です。
 年始以来、朝鮮半島情勢がより不透明な状況です。平昌オリンピックを間近に控えて、北朝鮮がこれに乗じて南北融和を演出し、日米韓間の離反・デカップリングを企図していることは明白で、この状態は日本や地域の安全保障にとって決して好ましいことではありません。
 韓国の思考には日本人の理解を超えたところがあり、しばらくは静観する他はないようにも思われます。

 国会閉会中のわずかな時間を利用して書籍の整理をしていたら、読みたいと思いながらそのままになっていたいくつかの本を発見して改めて読み直してみたのですが、その中の一冊「なぜ朝鮮民族は日本が嫌いなのか」(杉山徹宗・光人社・2007年)はなかなか興味深いものでした。
 著者は客観的な立場から朝鮮民族を批判的に論じているのですが、同時に「歴史は繰り返さないが、もし日本が日韓協約を結ぶことなく、軍事同盟者として大韓帝国を取り扱っていたならば、朝鮮民族の『恨』をこれほど受けなかったであろうこともまた事実である」「帝国主義時代における日本の植民地支配は、完全に被植民地の主権を奪うものであったから、漢民族王朝への従属以上の屈辱感を朝鮮民族に与えた」「日本人は21世紀の現在においても朝鮮民族の『恨』の感情を理解していないが、一つには日本の歴史教科書では中国の歴史ほどには隣国・朝鮮の歴史を教えていないことが原因となっている」とも述べています。
 「韓国は日本を理解していない」のは確かですが、「日本も韓国を理解していない」のもまた事実であって、日本外交のクオリティを高め、より国際社会での発言力を強化するためにも、朝鮮半島の歴史を学ぶ必要性を改めて感じさせられたことでした。北朝鮮については「中朝関係の実像」(村井友秀・日本戦略研究フォーラム季報・2018年75号)から多くの示唆を得ました。

 防衛庁長官在任中、出張先のシンガポールでリー・クアン・ユー上級相(元首相)と会談した際、一通りの話が終わった後「ところで貴兄は日本のシンガポール占領時代を知っているか」と問われて返答に窮したことをよく覚えています。過去の歴史を真摯に(そしてあくまでも公正・客観的に)学ぶことは、未来のために必要不可欠なことだと思っています。日本のシンガポール占領時代については「日本のシンガポール占領 証言『昭南島』の三年半」(シンガポールヘリテージソサエティ 2007年)がいまのところ手に入る資料のようです。

 今週は、各種の新年会が多くあったことに加えて、昨日急遽沖縄県南城市の市長選挙応援日程が飛び込んできたため、落ち着いて当欄を記す時間がありませんでした。ご容赦くださいませ。
 週末は1月20日土曜日が滋賀県議会・奥村芳正議長の新春感謝の集いにて挨拶(午前11時・草津エストピアホテル)、日本青年会議所2018年度京都会議にて講演(午後3時45分・京都国際会館)の予定です。
 
 皆様ご健勝にてお過ごしください。

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2018年1月12日 (金)

年末年始など

 石破 茂 です。
 あけましておめでとうございます。本年も何卒よろしくお願い申し上げます。本年が皆様にとって良き年となりますことをお祈り申し上げます。
 
 大晦日から新年にかけては、大晦日午前7時からのフジテレビ「景気満開テレビ!」3時間の生出演から始まり、夕刻に選挙区に帰って、東京から一足先に鳥取入りしていた番記者諸兄姉との忘年会、元旦午前零時より事務所前での新年挨拶、年明けて午前5時よりこれも今年で30回目となる実践倫理宏正会鳥取会場の元朝式、午前8時から因幡国一の宮である宇部神社参拝、同神社が所在する鳥取市国府町の自民党支部新年会、と恒例の行事が続きました。
 ここ数年、30日夜は「景気満開テレビ!」の資料読み込みで半徹夜、大晦日もほとんど徹夜状態で、この齢ともなるとさすがに少しきつい感じがしております。

 その年「景気が良かった」会社を紹介する「景気満開テレビ!」は今回が10周年で、過去取り上げた会社のその後を見るという趣向でした。富山県の「能作」さんや、長野県の「サンクゼール」さんなど、地方創生の観点から学ばされたことが多く、私にとってはとても有り難い機会となっています。
 今回紹介されたものづくり企業経営者の多くが、「下請けに甘んじる限り発展はない」「日本一ではなく世界一を目指す」「直営店で自社の社員が直接お客に売らなければなければ、製品の良さも、作った職人の心も伝わらない」と語っていたことはとても印象的でしたし、TBSラジオが主催した「スーパー総選挙」で1位となり、「引っ越すならこのスーパーのある所に」とまで言わしめる「OKストア」の徹底した販売管理費節減の手法には目を見張らされました。
 民間の創意工夫、と一口に言いますが、まさしくそれを実践している企業が日本には多くあることに感動すら覚えたことでした。

 お休みを頂いた2日、3日は、あまり読書らしい読書もせずに漫然と過ごしてしまったのですが、「国民国家のリアリズム」(猪瀬直樹氏と三浦瑠麗女史との対談・角川新書・2017年)、やや古くなってしまいましたが「医療にたかるな」(村上智彦・新潮新書・2013年)を改めて読み返してみて、新たな気付きを多く得ました。
 国会開会までの間に「中国はなぜ軍拡を続けるのか」(阿南友亮・新潮選書・2017)を精読したいと思っています。阿南氏は終戦時の阿南陸相の孫にあたられる方のようです。

 韓国・文政権は何を目指そうとしているのか、「国際常識を大きく逸脱しており、相手にしても仕方がない」と割り切ってしまえばそれまでなのですが、朝鮮戦争がいまだに休戦状態でしかないことを考えるとそうも言っておられません。
 韓国の現政権が日米よりも北朝鮮に対してシンパシーを感じていることは明らかであり、北朝鮮による朝鮮半島の統一を決してあきらめていない金正恩委員長が今の状況を最も歓迎しているであろうことも想像に難くありません。
 朴前政権時代をすべて否定し、敵を外国に求めることによって求心力を高めようとしている現政権の行為を批判する勢力が、韓国内で存在感を持たないことが懸念されます。関係各国が共同して韓国政府に強い姿勢で臨む他に事態が改善する見込みはないように思われます。

 「ハレノヒ」事件は色々なことを考えさせられます。人の心を弄び、己の利益しか考えていない経営者に対しては厳正な捜査の上で厳しい処断がなされるべきは当然です。楽しみを台無しにされてしまった娘さんやご家族の悲しく悔しい思いも想像に余りあるものがあります。
 同時に、成人の日の本来の意義が忘れられて「晴れ着披露の日」になってしまっている面が多少なりともあるとすれば、これにも一考の余地があるのかもしれません。成人式では華やかさと共に、これからは社会を支える側となる責任を自覚してもらうことにも我々の世代はもっと配意をすべきだったと思っています。

 週末は地元でいくつかの新年の行事に参加します。寒波の襲来で各地でご苦労なさっておられる方々を思い、皆様のご健勝をお祈りいたします。

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2017年12月28日 (木)

バラエティ出演など

 石破 茂 です。
 先週末、少し時間があったので本当に久しぶりに書店を覗いてきたのですが、近刊の中に読んでみたいタイトルの本が多くあったことに驚きました。当事務所に送られてくる本だけで、雑誌の類を除いても一週間に5冊はあり、事務所の執務机は片づけても片づけてもいつも雪崩寸前状態、とても書店を覗く気にならなかったのですが、これではいけないと改めて思ったことでした。
 いかにネットが普及しても、実際に書店に行って本を購入して読んでみなければわからない知識がいかに多いことか。自分に心地よい知識や言説にばかり接していると、どうしても視野狭窄的・独善的になってしまいがちで、よく気を付けなくてはならないと自戒しております。

 ネットメディアが発達し、必要な知識や情報が簡単に手に入るようになりましたが、やはり活字媒体や地上波の力は大きいのだなと思わされます。
 活字媒体は何度も読み返せるところに大きな意義があり、理解できるまで何度も読み返すことにより思考力が養われるように思います。
 地上波の衰退が言われていますし、広告収入の推移などからその傾向は明らかなのですが、時折バラエティ番組に出演してみるとやはりその反応の大きさには驚かされます。バラエティ番組に出ることには自分自身いささか抵抗感もあるのですが、視聴率10パーセント以上というのはそれなりに大きなことで、とにかく視て、聞いてもらわなくては何も始まりません。毎日忙しい一般の方々が日ごろ接する機会の少ない分野について、10人のうち2人でも3人でもご理解いただければそれでよいのだと割り切っています。憲法然り、安全保障然り、地方創生然りです。
 その意味で、爆笑問題の太田光さんとのやりとりは私にとっても大変勉強になります。私の知っている限り、ビートたけしさんと太田光さんは本物の天才のように思われます。

 沖縄県宜野湾市普天間第二小学校への米軍ヘリ部品落下事故とそれに次ぐ飛行再開は、本土ではその後大きな話題にもならずに推移しているように感じられ、大きな危惧を覚えます。
 この根幹にあるのは日米安保条約と一体である地位協定なのであり、これを正面から論じ、より良い形に変えていくことなくして日本国の真の独立はあり得ません。憲法論議の核心もまたここにあるはずなのですが、その意識は乏しいのが実態です。
 大切なものはその価値を正確に認識し、維持するため常に努力していなくてはいつかはそれを失うのであり、気付いた時にはもう遅いのです。国家の最大の目的は独立の堅持であって、目的と手段を取り違えるのは本末転倒の議論です。

 普天間第二小学校が米軍基地に隣接していることを捉えて、同校に対して、「自作自演ではないか、何故移転しないのか」などとの批判が寄せられているそうですが、昭和30年代、多くの米軍基地を本土に置いておけば反米感情が高まる恐れがあり、当時まだ返還されていなかった沖縄が本土からの移転先として決定されたという経緯があって今の状況になっているのは、立場の相違を超えて明らかな歴史的事実です。
 勿論それだけが理由ではなく、軍事的合理性も当然配慮されていたにせよ、結果的に本土の負担が軽減され、沖縄の負担が増したというべきなのでしょう。
 批判を封じることがあってはなりませんが、同校に対する批判の多くが匿名であることには、何とも言えないやるせなさを感じます。無責任かつ思い遣りに欠ける日本人が増えて欲しくはありません。

 今年もあと3日となりました。
 大晦日は例年通り「大晦日列島縦断live!景気満開テレビ」に生出演します(午前7時・フジテレビ系列)。この番組も今年で10周年なのだそうですが、2011年以来7年連続の出演となります。各地の業績好調な企業の取り組みはどれも独創的・画期的なもので、毎回とても参考になるのですが、これをどのようにして全国に拡げていくのか、なかなか良い思案が浮かびません。
 その後選挙区に帰り元旦午前零時より、恒例の東部事務所前の元旦挨拶を行います。これを始めた32年前は「若桜街道商店街元旦初売り」という行事に参加する形で、事務所がある商店街も賑やかで活気があったのですが、今は人通りも減ってしまい寂しい限りです。でも「元旦に鳥取事務所に行けば石破に会える」と毎年のように来て下さる方もありますし、「どんどろけの会」のメンバーも多数ご参加いただいており、とても有り難いことです。

 本年一年、誠に有り難うございました。来年も何卒よろしくお願い申し上げます。
 皆様良き年をお迎えくださいませ。

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2017年12月22日 (金)

自民党憲法改正推進本部の議論など

 石破 茂 です。
 一昨日、自民党憲法改正推進本部の総会において、自民党としての改憲4項目についての論点整理が了承されました。憲法改正の項目を絞り込むにあたって、二次にわたる改正草案を党所属議員・党員に対して説明し、どれを改正項目として優先的に取り上げるかというプロセスを経なかったことは誠に残念です。今の時点においても我が党の党議決定である24年草案について、説明する機会を一度も持たなかった理由は一体何であったのでしょうか。
 12月16日、自民党宮城県連政治塾において憲法改正について述べる機会があったのですが、こんな話は初めて聞いた、という反応が多かったように思われました。
 24年草案の起草委員は当時の中谷元委員長をはじめとして、私を含む22人が今も現職議員であり、21年から二年にわたり本部長であった保利耕輔先生もご健在です。現在の党所属議員に説明したり、手分けをして全国の党組織を廻る人員も時間も十分にあったはずと思うと、残念です。

 改正項目を絞り込むに当たっては、なぜ今それらが必要なのかを説明しなくてはなりません。それが時代や環境の変化によるものなのだとするならば、どのように時代や環境が変わり、なぜ今の憲法では対応できないのかを明確にしなければ、国民の理解は得られません。改正した場合、現在と何がどのように変わるのかまで具体的に示す必要はないでしょうが、最低限の方向性だけは示さねばならないと考えます。

 その点、参議院の合区解消は、再来年に選挙を控えており、緊要性・時限性のあるものなのですが、焦点となる第9条については、安全保障環境の急激な変化に対応するものなのか、それとも「自衛隊は憲法違反」とする意見を払拭することに眼目があるのかを明らかにせねばなりません。
 国際法上の概念としての交戦権と自衛権は一体のものであり、本来分けて考えることは出来ません。なのに交戦権を否認されたままで本当に自衛権行使が出来るのか。臨検・拿捕は出来るのか。それなくして経済封鎖の一翼を担うことは出来ません。
 中期防や防衛大綱の見直しが具体的なスケジュールに上る中にあって、立法府によるコントロールの実効性も担保されなくてはなりません。防衛出動の下令は国会の権能として憲法に明記することにより、立法府によるコントロールがより実効性を持つものとなります。
 
 我が国最強無比の実力集団である自衛隊と国家との関係も、自衛官の使命感や正義感にのみ委ねることは、国家組織論としては本来、妥当性を欠くものです。
 もちろん今の自衛官が政府に対して反旗を翻すことは全く考えられませんが、近代市民国家の最大の課題の一つは政治と軍事の関係にあったのであり、我が国だけが例外ということはありえません。
 自衛隊を軍と認めて初めて、政軍関係が憲法上明確に位置づけられるのであり、自衛隊は警察のように行政そのものなのでない以上、政軍関係を明確化する必要があるはずなのです。

 「『自衛隊は憲法違反である』という言説が存在すること自体が自衛官に対して失礼だ」という思いは十分に理解出来ますが、自衛隊が防衛出動時に発生した事件を一般の軍事知識に乏しい裁判所で裁くこともまた、自衛官の権利を損なうことになるのではないでしょうか。
 戦前の軍法会議に多くの問題があったことは事実ですし、この言葉に暗くてネガティブなイメージがあることも確かです。だからといってこの問題を忌避してよいはずがありません。

 再来年には今上陛下が退位され、新天皇陛下が即位されます。
 24年草案においては、現行憲法第四条で「天皇はこの憲法の定める国事に関する行為のみを行い」としているのを、現行の国事行為に加えて「(その他)国または地方自治体その他の公共団体が主催する式典への出席その他の公的な行為を行う」としています。現行憲法の国事行為の限定列挙は「日本国民統合の象徴」であらせられる陛下のお立場と整合しておらず、この規定を改めることが必要なのではないかとの問題意識によるものであり、畏れ多いことであってもこれも避けて通るべきではありません。

 憲法改正、特に第9条は「ハードルが高い」と言われます。しかしハードルを乗り越える努力も行わずに最初から「どうせわからない」と決めつける姿勢が仮にあるとすれば、賛同しえません。むしろ「ハードルが高い」からこそ、国民に向けた地道な説明努力が何よりも大切なのだと思います。
 
 今度改正を行えば「日本国民が自主的に選んだ憲法」という位置づけが確定します。私はその立場には立ちませんが、根強くある「押し付け論」「無効論」は今後一切意味を持たなくなることにも注意が必要です。

 あらゆる法体系の頂点にある憲法について論じることは、我が国の在り方そのものを論じるということです。
 であればこそ、本来党所属の全議員が参加して徹底した学習を行い、侃々諤々の議論を闘わせ、地方組織においても丁寧に説明して理解を得るというのが、本来あるべき姿だと思っています。
 報道によれば「石破さんがそう(筋論を)唱えるのなら、まず他党を説得してから言ってほしい」と某ベテラン議員が語ったとのことですが、まず問われるべきは我が党の姿勢なのではないでしょうか。我が党が決然たる姿勢を示すことによってこそ、その本気度が国民にも(他党にも)伝わるのだと私は信じています。

 ほとんど私自身が見る機会はないのですが、民放のワイドショーは日馬富士の事件でもちきりのようです。貴乃花親方についても「まるでガキのようだ」などと決めつけて揶揄する論調まで見られますが、力士として、横綱として、どのような相撲を取ってきたのか、それがそもそも天覧試合を発祥とする国技である相撲道に対する姿勢に直結するのではないでしょうか。
 平成13年夏場所、貴乃花関が最後に優勝賜杯を手にした一番で、当時の小泉総理は「感動した!」との名台詞を発せられましたが、貴乃花関の相撲には「とにかく勝ちさえすればよい」などという価値観は微塵も感じられませんでした。牢固とした因習に敢然と立ち向かう姿には、貴乃花の相撲観が強く反映されているように思われてなりません。

 週末は、24日(日)午後・元鳥取県森林組合連合会 代表理事会長 森下洋一氏 叙勲受章祝賀会(ブランナールみささ)、午後6時・テレビ朝日系列「TVタックル年末スペシャル」放映(収録)、という日程です。
 今年もあと10日となってしまいました。
 皆様ご健勝にてお過ごしくださいませ。

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2017年12月15日 (金)

米軍ヘリ部品落下事故など

 石破 茂 です。

 沖縄県宜野湾市普天間第二小学校での米軍ヘリコプターからの部品落下事故は、一歩間違えば重大な犠牲が生じかねなかったもので、極めて深刻に受け止めなくてはなりません。今回は沖縄県警が異例の普天間基地への立ち入り調査を行うなど、それなりの対応がなされていますが、地位協定の見直しに正面から立ち向かう必要性があるものと考えています。  
 日米安保条約とセットである地位協定の見直しの困難性は十分に承知しており、さればこそ日本政府としても可能な限りの運用の改善に極力努めてきてはいるのですが、日米安保体制の根幹を揺るがすような取り返しのつかない事態が生じてからでは遅いと思われます。
 「対等な地位協定とは何か」について、政府内に居た時に何度か国会答弁でも言及したのですが、事柄の性質と防衛大臣という立場上(本件は外務省所管)婉曲に言わざるを得なかったため、議論を進展させられなかったことを残念に思っています。
 今回の事故について、だからこそ辺野古への移設を急がねばならない、というのはその通りですが、報道を見る限りにおいて、沖縄と本土の温度差を強く感じます。これは沖縄に限ったことではなく、基地所在地域のみならず日本全体の問題なのであり、我々には世論喚起に更に努めていく責任があります。

 今週はいくつかのBS番組で宮家邦彦氏、西岡力氏、武貞秀士氏らと久し振りに議論する機会があり、いくつもの有益な示唆を得ることが出来ました。勿論見解を全く一にするものではありませんが、「懲罰的抑止力」「拒否的抑止力」「拡大抑止」などという基本的な概念を共有していると、議論が噛みあってとても有意義です。

 各地で講演をする際に、予めその地域に伝わる神話や民話も調べていくように心掛けているのですが、全国あちらこちらに本当に興味深い話があることに気付かされます。今週も必要があって「国母」と言われる木花咲耶姫(このはなさくやひめ)伝説について調べたのですが、これが実に深くて、悲しくて、美しい。その他最近では市川市の手児奈(てこな)伝説、郡山市の春姫伝説(筋立てがシェークスピアのロミオとジュリエットによく似ています)、佐久市の駒姫伝説などに魅かれました。古事記や日本書紀を改めてきちんと読み直してみるとさぞ楽しいのだろうと思うのですが、時間的に無理なのでしょう、残念。
 
 歴史教科書から坂本龍馬や吉田松陰などの偉人を削除することの是非について議論があるようです。単なる暗記力だけを問う歴史教育は改めなくてはなりませんし、今回の「高大連携歴史教育研究会」(政府に設けられた公的なものではありません)の提案もその趣旨のようですが、歴史を学ぶことの意義や楽しさについて、さらに深い議論を期待しています。
 
 週末は、16日土曜日に自民党宮城県第1区支部懇談会、地方政治学校「宮城未来塾」で憲法改正の実現について講演(午前11時20分・TKPガーデンシティ仙台)、鳥取市建築連合会懇談会(午後6時半・ホテルウェルネス因幡路)、どんどろけの会クリスマスパーティ(午後7時・ホテルニューオータニ鳥取)。
 17日日曜日は鳥取県自治体代表者会議・地方分権推進連盟30年度予算に関する意見交換会(午前9時・ホテルニューオータニ鳥取)、中部大志会例会・忘年会(午前11時半・倉吉市内)、という日程です。

 今年もあと二週間となりました。年末年始ご多忙の折、皆様ご健勝にてお過ごしくださいませ。

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2017年12月 9日 (土)

ライブエンタメ議連など

 石破 茂 です。 
 7日木曜日、私が会長を務める自民党ライブ・エンタテイメント議員連盟総会において、チケットの高額転売を規制する「特定興行入場券の転売に関する法律案(仮称)」の概要が承認され、次期通常国会において議員立法として成立させるべく、今後の作業を加速させることとなりました。いわゆる「ダフ屋」的な行為は近年のインターネット社会の進展に伴いその手口が巧妙となっていますが、対応する適当な法律がないため、今回の動きとなったものです。
 当初私は、たとえ高額であってもどうしても入手したい人が購入する場合、刑法総論にいう「被害者の承諾」との関係はどうなるのだろうかなどと漠然と考えていたのですが、買い占めにより行きたい人が行けなくなる、アーティストや興行主に入るべき収入が入らず、反社会的団体などの資金源となる、実際の興行において大量の空席が生ずる、などの社会的害悪に着目して、規制の目的を「特定興行入場券の不正転売を禁止するとともに、その防止等に関する施策を講ずることにより、興行に係る入場券の適正な流通を確保し、もって興行の振興に資する」こととしたところです。
 当日は、武田鉄矢さん、サカナクションの山口一郎さん、東京オリパラ競技大会組織委員会スポーツ局長の室伏広治さんにもお越しいただき、いつもの自民党の議連とはまた違った雰囲気でした。「三年B組金八先生」で生徒役だった三原じゅん子参院議員と金八先生役の武田さんとの再会など、芸能誌・スポーツ紙的な話題にもなったようです。
 実際の作業を取り仕切ってくれている山下貴司衆院議員の尽力に心から感謝しています。

 同じく木曜日に日本テレビ系で放映された「出川哲郎のアイアムスタディ」で、出川さんとミサイル防衛や日本の安全保障について語ったのですが、予想外に多くの反響を頂きました。
 バラエティ番組に出演することには少しく躊躇いがあるのですが、出川さんの独特の素敵なキャラクターもあって、一般の方のご理解を多少なりとも頂けたようにも思います。政治報道はどうしても政策よりも政局に偏りがちで、事の本質がなかなか伝わらない中、バラエティ番組出演は政策を分かりやすくお伝えするための一手段と割り切る他はないようです。

 週末は、9日土曜日が鳥取県トラック協会の陳情・意見交換の会(午前11時半・鳥取県西部トラック事業協同組合・米子市流通町)、平成29年度日本看護連盟中四国ブロック看護管理者・看護教育者看護政策セミナーにて講演(午後1時半・米子ワシントンホテル)という日程です。
 今年も余すところあと三週間余りとなりました。
 皆様ご多忙の年末、ご自愛の上ご健勝にてお過ごしくださいませ。

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