本人コメント

2017年2月24日 (金)

予算委員会質疑など


 石破 茂 です。
 衆議院での予算審議は、地方公聴会・中央公聴会も終えて来週月曜日には委員会での採決後本会議で可決されて予算案は参議院に送付される見通しです。
 噛み合わない議論や、小学校の学級会の如き野党と政府側の感情的な応酬にうんざりする中で、中央公聴会における公述人の意見陳述はなかなか聞きごたえのあるものでした。中でもBNPパリバ証券投資調査本部長の中空真奈女史の陳述は、実務に通暁した人ならではのもので、高橋洋一陳述人との対称もとても印象的でした。ネットでご覧になれますので一見の価値ありと思いますが、議員と政府側のやり取りもこのように中身の濃いものであればどんなに良いことかと思いました。

 最近、閣僚答弁に原稿棒読みのものが目立つようになったことはとても残念です。確かに失敗も無く安全ではありますが、官僚たちが書く霞が関文学的な答弁案は、正確を期すあまりに面白くもなんともなく、そのまま聞いただけでは何が言いたいのかよくわからないように作成されています。
 これを事前に丹念に読み込んで咀嚼し、自分の言葉に置き換えて原稿を見ないで答弁してこそ初めて相手側に伝わるのであり、その技術向上に政府・与党全体として更に努めるべきものと思います。
 もっともこれはこれで答弁する側にとっては大変な負担です。質問が出揃うのは往々にして前日夜遅く、官僚たちが徹夜で答弁資料を作成してそれが出来上がるのが午前4時過ぎ、これが議員宿舎などに居る大臣の手元に届くのが午前5時、午前7時からの答弁打ち合わせで直すべきところを指示して、原稿が最終的に完成するのは午前9時の委員会開会直前というのが通例ですから、国会開会中は大臣たちは全く時間的・心理的余裕がありません。せめて質問通告がもう少し早ければもっときちんとした答弁が出来、充実した審議になるのに、と思うのですが、なかなかうまくいかないものです。

 先日の北朝鮮のミサイル発射の折、訪米中でトランプ氏の別荘に滞在していた総理大臣の緊急会見の横にトランプ大統領が立ち、日本政府を断固支持する旨の発言をしたのですが、「日本を支持する」という部分は原文では「stand behind Japan」であって、日本語訳とは微妙にニュアンスが異なります。「日本がまず第一義的に対応し、米国はこれを背後で支える」。behindという言葉使いはそのような含意ではないでしょうか。
 日米安保条約もその書き方はNATO条約などとは微妙に異なっています(NATO条約では米国の対応につき「will assist」となっているが日米安保条約では「would act」など。この点はかつて外務委員会で当時の田中真紀子外相に質問したのですが、当然ながら全くまともな答弁は返ってきませんでした)。
 安全保障についてもっとまともで真剣な議論をしなくてはならないことを、今日の毎日新聞佐藤千矢子論説委員のコラムを読んで痛感したことでした。

 本日の自民党憲法調査会は、上田健介近畿大学法科大学院教授の「参政権の保障を巡る諸問題 投票価値の平等から両院制まで」と題する講演と引き続いての質疑でした。
 参議院の一票の価値を論ずるには参議院の在り方そのものに踏み込んだ議論が必要であるという同教授の所論は全くその通りで、これをスルーして結論を得ることは出来ないと思っています。
 二院制の妙味はその持つ役割が異なることにこそあるのであって、二院が酷似した選挙制度と役割を有していては、妙味どころか弊害の方が目立ちます。議院内閣制を採る以上、権力を持つ政府とこれをチェックするべき議会の関係は曖昧となり、政府のポスト目当てに権力に隷属する議員が出ることを完全に否定できません。
 首班指名に優越性を持つ衆議院はともかく、参議院は権力とは一線を画したインディペンデントな院として見識の高い議論をすべきですし、地方代表の持つ意味を強調するなら地方に関することについては主に参議院で議論をするような工夫も出来るはずです。合区解消のみならず、衆・参でのねじれが生じ、政権が不安定になることを避けるためにも、この議論に結論を出すことが必要です。

 今日は「プレミアム・フライデー」とやらで、15時には仕事を終えるようにとのお達しです。
 趣旨はわからないでもありませんが、果たしてうまくいくのでしょうか。かつて銀行に勤めていた時も「早帰り日」や「定時退行日」なるものがあったのですが、一部行員はその恩恵に浴しても、管理職などはかえって帰りが遅くなるという事態が発生したことをよく覚えています。世の中はとかく不公平に出来ていて、仕事が集中する人にはさらに集中するという負の側面を無視してはなりません…などと言うのは能率的に仕事がこなせず、「断る勇気」を持たない私の僻みなのかも知れませんが。

 週末は、25日土曜日が金沢市自民党国政報告会で講演(午前9時半・内山公民館、午前11時・医王山農村環境改善センター)。
 26日日曜日がKAB熊本朝日放送フォーラム2017 「地方創生と熊本 熊本県復興・再生に向けての活路を探せ」でパネルディスカッション(12時半・熊本テルサ・テルサホール、テクノ仮設団地見学(午後3時45分)、阿蘇大橋崩落現場視察(午後4時45分)、熊本県知事など行政関係者・自民党熊本県連との夕食懇談会(午後7時・熊本市内)。
 27日月曜日は被災地の視察や御船町議会での講演後に帰京の予定です。

 風邪が完全に治りきらないままに無理を重ねたためか、昨日あたりから体調が再び極めて悪くなりました。治癒力も確かに落ちているのでしょうね。
 不安定な天候が続きます。皆様お元気でお過ごしくださいませ。

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2017年2月17日 (金)

日米首脳会談など

 石破 茂 です。
 日米首脳会談は互いに信頼関係を構築したという意味で、スタートとして有意義なものであったと思います。イラク・イランなど7か国からの入国拒否について何か言うべきであった、とのご意見もありますが、そもそも難民や移民の受け入れについて欧州とは異なる姿勢を採る我が国がそのようなことを言う立場にもありません。
 尖閣が日米安保条約第5条の対象となることが文書に明記されたことは一定の前進と評価すべきですが、かねてから申し上げている通り、某国からの武力攻撃に対しても、ましてや海上民兵による武力によらない占拠に対しても、いきなり米軍が出てくることなどあり得ません。海保、警察、海自、陸自等がいかなる権限でどのように対処するのか、法制・装備・運用の側面から精密に詰めて、平素から政治サイドも含めた訓練をしておくのは日本政府の責任であって、「尖閣が日米安保第5条の適用となることが明記された。よかった、よかった」などといって思考停止になってしまうことが断じてあってはなりません。
 本来これは一昨年の安全保障法制論議において「グレーゾーン事態」として議論し、結論を得るべきことであったにも拘らず、「警察と軍の(権限争いの)百年戦争にこれ以上突っ込んだら大変なことになる」(検証 危機の25年 勝俣秀通著 並木書房刊)とのよくわからない理由で先送りになってしまったものです。
 このような思考停止、先送りのツケは必ず我が国の独立と平和を脅かす形で廻ってきます。警察権の行使から自衛権の行使への移行は信号が赤から青に変わるような単純な話ではありません。領域警備の法制整備について自民党で党議決定していたのですから、議員でいる限り、決して諦めることなく実現に向けて最大限の努力をすることが私の責務と心得ます。

 衆議院予算委員会は、今週も防衛大臣・法務大臣に対する質疑が続きました。
 「法的に『戦闘行為』とは国家若しくは国家に準ずる組織の間において、国際紛争の一環として行われる武力を用いた争いのことであり、そうではない主体の間において行われるものは『武器を用いた衝突』であって『戦闘行為』ではない」という、イラク特別措置法において行われた議論と全く同じものなのですが、どうしてまた蒸し返されるのか、理解が出来ません。
 これは言葉の定義の問題であって、その認識に齟齬があるとどこまで行っても議論は噛み合いません。
 それぞれの用語の定義は以下の通りです。
【戦闘行為】 国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し、または物を破壊する行為。
【国際的な武力紛争】 国または国に準ずる組織の間において生ずる一国の国内問題に止まらない武力を用いた争い。
【一環として】 人を殺傷しまたは物を破壊する行為がこのような「国際的な武力紛争」の一部を構成していること。

 仮に暴力団同士が繁華街において機関銃で撃ちあい、新聞やテレビが「武力闘争」「市街戦」と報じたとしても、それが「国際紛争」とは評価されないのと同じことですし、機関銃が更に破壊力の大きな武器に代わっても本質は何も変わりません。
 要は衝突の「主体」が誰であるかに着目した概念なのであって、それが日本国憲法第9条によって禁ぜられている「国際紛争」(国または国に準ずる組織の間で行われる領土などを巡る武力を用いた争い)の主体、すなわち国または国に準ずる組織(「国」とは一定の排他性を有する領域、帰属意識を共有する人々、確立した統治形態の3要素を有するものをいう)でない限り、互いの衝突は法的に「戦闘行為」とは評価されないのです。
 なお、これは「危険か否か」とは何の関係もありません。「戦闘」が行われていなくても「危険である」状況は当然にあり得るのであって、任務遂行や隊員の安全確保に支障が生ずるような事態となれば、活動の休止や撤収も行うこととなります。
 …と書いてみても、何が何だか、さっぱりわからないという方も多いことと思います。これが日本の防衛法制が「ガラス細工」のように精密だが「増築を重ねた温泉旅館」のようにわけがわからず理解困難と言われる所以でもあることも十分に承知しています。そうであるからこそ、説明には誠心誠意、あらゆる工夫を尽くさなくてはなりません。
 2004年の党首討論において小泉総理が「自衛隊の行く地域は非戦闘地域である」と発言され、防衛庁長官としてフォローに追われた日々のことを思い出しました。

 マレーシアにおける金正男氏の殺害は、北朝鮮(というより金正恩独裁体制)の持つ恐ろしさをまざまざと見せつけるものでした。
 「ロイヤルファミリー」の一員である金正男氏が韓国にでも亡命されて大打撃となる前に殺害した、保護していた中国が警護をつけなかったのは同氏の利用価値を見限ったからだ、という説もありますが、体制維持の邪魔になるものは悉く抹消するという方針は確固たるものであり、その対象はすべてに及ぶということなのです。
 国際社会、とりわけ関係各国が「緩衝地帯としての北朝鮮」という位置づけをしている間に着々と力をつけつつある北朝鮮に対する認識を改める必要性を感じます。

 週末は18日土曜日が協同組合鳥取卸センター創立50周年記念式典・記念講演で講演・祝賀会(午前10時・鳥取卸センター組合会館)、因幡地区郵便局長会懇親会(午後1時・鳥取市内)、自民党鳥取県連街頭演説会(午後1時~ 鳥取駅前)、平成29年度日本自動車販売連合会鳥取県支部通常総会(午後4時・鳥取市内)、自民党倉吉市社支部講演会にて講演(午後6時・JA鳥取中央)。
 19日日曜日は自民党鳥取県連国会議員合同新春懇談会(午前10時・米子ワシントンホテルプラザ、午後1時半・倉吉シティホテル、午後4時半・ホテルニューオータニ鳥取)、国会議員と鳥取佳友俱楽部理事との懇談会(午後6時半・鳥取市内)という日程です。

 先週4日土曜日の誕生日や、14日の恒例行事には、多くのお心遣いを頂き、誠に有り難うございました。厚く御礼申し上げます。
 今月もはや半ばとなりました。地元鳥取市は34年ぶりの大雪となりました。私が子供の頃はあのような雪はそう珍しくもなく、スキーに行ったり、かまくらを作ったりと雪国らしい冬の日を楽しんだものでしたが、今の立場では様々な被害対策を講じなくてはなりません。
 2月もはや後半、春も間近です。皆様お元気でお過ごしくださいませ。

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2017年2月10日 (金)

百地章教授のご見解など

 石破 茂 です。
 
 8日水曜日の水月会勉強会は、元日本大学教授の百地章氏をお招きして、天皇陛下のご生前ご譲位についてのお考えをお聞きしました。天皇陛下や皇室に対する篤い尊崇の念や深い考察に基づく同教授の見解に賛同するところが多く、とても勉強になりました。
 同教授は、昨年のNHKの天皇陛下がご譲位の意思を示されたとしたスクープ報道の際には、よもや皇室典範を改正しなくてはならないような譲位などを望まれるはずもなく、ご公務が出来ないのであれば摂政を置くべきだと考えて「敢えて譲位に反対する」との論を発表されたのですが、8月8日の陛下の「おことば」を聞いてその考えが変わったと率直に述べられました。
 その上で、新たに「退位制」を採用するためには皇室典範第4条を改正し、第2項に「前項に拘らず、天皇は退位することができる」旨の条文を書き加える必要があるし、それが筋かもしれない、と述べながらも、たとえ「超高齢化社会の到来」を前に例外的な「退位」を認めるとしても、果たして遠い将来にまで拘束力を持たせてしまってよいのか躊躇せざるを得ず、皇室典範の改正となればもう少し時間をかけて慎重に対処すべきであり、今回は特別措置法で対処すべきとの考えを示されました。
 この「皇室典範に関する特別措置法」の書き方次第ですが、ここに「今上陛下一代限り」にするか否かについてはさらに議論の余地があるものと考えます。突き詰めれば論点はこの一点に絞られるのであり、これはどちらが正しいとか間違っているという問題ではなく、「国民統合の象徴」としての天皇陛下の在り方をそれぞれがどう考えるかに帰着するものと思います。

 コメント欄にも多くのご意見をお寄せいただきましたし、いくつかのご考察、ご意見からは、私の意図が上手く伝えられていない部分があることにも気付かされました。自分の考えを述べ、それに対する批判に謙虚に耳を傾け、過ちを正しながらより精緻なものに昇華させていく。議論とはすべからくそういうものだと思います。いつも深い示唆を与えて下さる方々にも心より感謝致しております。

 今週は予算委員会にずっと座っていたのですが、法相、防衛相に対する厳しい質疑が続きました。
 両大臣とも高い資質を持った方ですので(別にお世辞ではなく、今までのお付き合いを通じてそのように思っています)、サポート体制を更に高めていかなくてはなりません。大臣を守るという意味ではなく、国民に伝えるべきことが正確に伝わるような努力を政府・与党全体としてもっとしなくてはならないと思っています。

 今週は朝から夕方まで、ほとんどの時間予算委員会で審議を聴いておりましたため、雑駁な記述になってしまいましたことをお詫びいたします。

 週末は、本日10日金曜日は、予算委員会が開かれておりませんため長崎県に出張し、長崎県西海市や長崎市内での研修会で講演しております。
 11日土曜日(建国記念の日)は聖神社建国紀元祭(午前10時・聖神社)、盤山会(親族の集まり)総会(午前11時半・鳥取市内)、「時事放談」収録(午後10時・TBS)。
 12日日曜日は「時事放談」出演(午前6時・TBS系列・収録)、自民党大阪府連青年局との昼食懇談会(正午・天王寺都ホテル・大阪市阿倍野区)、自民党大阪府連青年局講演会(午後1時・同)、という日程です。
 以前からお読みいただいている方はご存知のことと思いますが、紀元祭で斉唱する「紀元節の歌」はとても清々しく、温かい気持ちにさせられる佳曲です。

 先週からずっと風邪が治らず相当辛い一週間でしたが、ようやく回復しつつあるようです。
 解熱剤や咳止めなど薬による対症療法にばかり頼ることなく、休みが一日でも取れればもっと早く治るのでしょうが、なかなかそうもいきません。皆様、ご自愛の上ご健勝にてお過ごしくださいませ。

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2017年2月 3日 (金)

明日で還暦など

 石破 茂 です。
 1月31日に、天皇陛下のご譲位についての私の考えを掲載させて頂きました。ご覧いただいた皆様、ご意見をお寄せいただきました皆様、誠に有り難うございました。
 自民党内における議論は役員会の限定されたメンバーで粛々淡々と進んでいくのかも知れませんが、昨年8月8日の天皇陛下の「おことば」を熟読するほど、また旧皇室典範や現行皇室典範、様々な立場からの多くの論説を読めば読むほど、この問題の持つ重要性と緊要性に気付かされます。
 陛下の「おことば」があったときは大きく報道がなされましたが、その後の国民的な議論が静かな状態で推移しているのは、「全国民の代表者」である私たちの理解や国民への語りかけが足りないせいかと思っています。今週東京の何か所かで行った講演の中でこの問題に触れた時、それぞれの方のご意見はともかくとして、確かな反応がありました。
 畏れ多いことであり、国民的な議論にもなじみにくいのは承知していますが、「大切なものの価値」を再認識することが今極めて重要なことと考えております。平和がそうであるように、その有り難みや大切さを認識しなくなった時、消えてなくなってしまうように思うのです。

 衆議院予算委員会も大きな混乱も無く進んでいますが、テロ等準備罪については法案提出に向けて政府・与党としてさらに周到な準備が必要なことを痛感しています。
 本日の山下貴司議員の質疑も充実したものでしたが、「重大犯罪を目的とする集団が、これを謀り合意する」ことの違法性につき、私としてもう少し深く学びたいと思いますし、これだけで十分足りるのかについても議論が必要です。検察官出身の若狭議員や山下議員はじめ、皆さんの見識に学びたいと思います。

 トランプ新政権が始動し、本日マティス国防長官が来日します。
 尖閣に日米安保が適用されることが確認されるのではないかなどと楽観的な予想が多いのですが、日米安保はあくまで「日本の施政下にある地域」に適用されるのであって、「主権下にある地域」ではありませんし、某国が軍事的(非軍事を装う場合も含む)に侵攻してきた際に、いきなり米国が対処するはずもなく、どのような権限と能力で対応するのか、よく詰めておかなくてはならないのは当然のことです。どこかの時点で自衛権の行使に切り替わるとするなら、防衛出動はどのように下令されるのか等々、論点は多いのです。
 米国の雇用は今後どうなるのか。米国内の雇用の喪失は、新興国に奪われたというよりも、AIやロボットをはじめとする新技術によるものだとする議論がダボス会議では多く出たようですが、これらの状況もよく見ておかなくてはなりません。

 今週の水月会定例勉強会は、前法務政務官で茨城1区選出の田所嘉徳(よしのり)衆議院議員による法務行政全般についての講演で、とても興味深く聞きました。期数の若い議員でも、皆さん内容が濃く、引き込まれるお話を聞かせて下さるので毎回とても楽しみです。冒頭に初代法務卿の江藤新平の話があり、不覚にもまだ読んでいない、彼の波乱激動の人生を描いた司馬遼太郎の「歳月」を読んでみたいと思ったことでした。

 明日で還暦を迎えます。お祝いのメッセージをお送りくださった皆様に心より厚く御礼申し上げます。
 一種複雑な感慨がありますが、多くの皆様のおかげさまでここまで生かされてきたことに素直に感謝したいと思っています。有り難うございました。

 週末は4日が公明党鳥取県本部新春の集い(午前11時・鳥取市内)、智頭町智頭宿第18回雪まつり(午後1時・智頭町内)、4日と5日の他の時間は弔問やお別れの会などの日程が入っております。
 長く議員を務めさせて頂いている間、本当にお世話になった方とのお別れが多くなってしまいました。しんとした気持ちにさせられているこの週末です。
 皆様、お元気でお過ごしくださいませ。

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2017年1月31日 (火)

天皇陛下のご生前ご譲位について

 石破 茂 です。
 自由民主党本部においては、天皇陛下のご生前ご譲位につき、高村正彦副総裁を座長、茂木敏充政務調査会長を座長代理として、役員会のメンバーで議論し、そのほかの議員で意見のある者は、自分の発言に責任を持つという意味で本日(1月31日)までに書面を以て提出し、その内容を公表することは提出議員の判断に任せる、との指示がありました。
 この問題は日本国の国体そのものに関わる重大問題であり、天皇陛下のご地位が「国民の総意に基づく」ものである以上、政局や党利党略を一切排した上で国会議員が広く国民に対し意見を述べ、またその考えを聞き、静かな環境の下で深い議論を集中して行い、各党の考えをまとめて最終的に衆参両院において全会一致をもって議決することが望ましいものと考えます。
 わが党の中にも多くの意見があり、私と全く違う意見を持つ議員もおられます。それを聞いて自分の考えの誤りに気付くことも、その反対の場合もあることは当然であり、議論とはそのようなものであると考えます。
 そのような考えのもと、本日、私の考えを提出いたしました。内容についての全責任は私にあります。
 どうか皆様のお考えを賜り、考え得る限り最善の方途が講ぜられ、日本国ならびに天皇陛下とご皇室が子々孫々まで引き継がれることを切に願っております。

「天皇陛下のご生前ご譲位について」をダウンロード

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2017年1月27日 (金)

鳥取の大雪など

 石破 茂 です。
 
 天皇陛下ならびに皇族の方々は、我々一般国民が享受する基本的人権が大きく制約されています。表現の自由も、思想信条の自由も、結婚すら思い通りにはできませんし、もちろん選挙権も被選挙権もお持ちになりません。これは一体何によって正当化されるのか。学説は主に3つに分かれます。即ち、
A説:明治憲法下のような「皇族と臣民」との区別は存在せず、天皇・皇族も「国民」であるが、天皇の職務・行為の世襲制からくる最小限の特別扱いであるとする。
B説:天皇はあらゆる政治的対立を超越した存在であるから、享有主体(人権を持てる対象)である「国民」には含まれない、皇族は国民に含まれるが、天皇との距離に応じた特別扱いが認められるとする。
C説:皇位の世襲制を重くみて、天皇および皇族ともに「門地」によって国民から区別された特別の存在であり基本的人権の享有主体ではないとする。

 この中ではC説が有力説と言われており、「世襲制なのだから、人間ではあるが基本的人権は持たない」「日本人ではあるが『国民』ではない」ということになるようです。当ブログにお寄せいただいたご意見のように、このような議論自体ナンセンスなのですが、これは物凄く残酷なことといわねばなりません。ましてや「戦争や大災害などいかなる事態になっても最優先に保護される特権を有するのだから、このような制限は当然あるべきだ」などという意見に私は全く与しません。
 しかし、有り難く、畏れ多いことに天皇陛下は8月のおことばの中で「国民を思い、国民のために祈るという務めを、人々への深い信頼と敬愛を持ってなし得たことは、幸せなことでした」と仰せになっておられます。この大御心に私は少しでもお応えしたいと思っています。

 自民党として、この議論は役員会メンバーに最長議歴をお持ちの野田毅衆院議員を加えたメンバーで行い、その他の議員で意見のある者は書面をもって1月末までに提出せよ、という方針で臨むことが決まりました。
 「静かな議論」とは「閉ざされた場で少数の限定メンバーで行う」ことのみを意味するとは思いませんし、多くの議員には、多忙な1月末の僅か数日で書面に自分の考えを纏める時間的余裕も無いように思いますが、決まったことには従うのが党所属国会議員というものでしょう。
 この議論が国民の間であまり行われないのは、畏れ多いという気持ちもさることながら、天皇陛下や皇室の方々の、我々の想像をはるかに超えたご活動をいつのまにか当たり前のように思ってきた、一種の甘えがあるのではないだろうかと危惧します。平和や安全もそうであるように、大切なものはその価値を認識し、常に努力しなければ維持できませんし、失ってから気付いてももう遅いのです。
 仮に国民がそうであるならば、「全国民の代表者」として議席をお預かりしている国会議員がそれぞれの地域で語らなくてはなりません。
 私の力が足りないせいか、不徳の致すところか、恐らくその両方なのでしょうが、このような議論は党内で広い支持を得ているわけではありません。しかし少なくとも私は、自らの考えを訴えて参る決意です。
 
 本日夕刻の衆議院本会議において、平成28年度補正予算が可決し、参議院に送付されました。
 昨日、今日と予算委員会での質疑を一委員として聴いていたのですが、野党の質問の水準は以前と比べてかなり上がりつつあるように思えました(勿論すべてがそうではありませんが)。
 与党が絶対多数であり、衆参の「捻じれ」もないため、紛糾したり、審議が中断したりする場面はありませんでしたが、これで彼らのディベートの技術が上がってくると相当に手ごわくなるような気がしたのは事実です。政府・与党として緩みや驕りの無いよう、本予算審議も心して臨まねばなりません。

 今週読んだ本の中では、三浦瑠麗氏の「トランプ時代の新世界秩序」(潮出版社刊)から多くの示唆を受けました。三浦女史の所論は、保守の立場にありながらも現場をよく把握した上での、斬新で洞察力に富んだもので、いつも大いに啓発されます。「トランプ大統領はニクソンにも似たゲームチェンジャーであると思う」との指摘はその通りなのかも知れません。1971(昭和46)年の米中国交回復、変動相場制への移行といった「ニクソン・ショック」の際の驚きを改めて思い出しました。御一読をお勧めいたします。

 週末は、28日土曜日が「石破代議士と語る会」(午後4時半・倉吉市内)、中部大志会新年総会(午後6時・三朝町内)。
 29日日曜日が「ビートたけしのTVタックル」出演(午前11時55分・テレビ朝日系列・収録)、中私都親交会での講演・懇親会(午前10時・八頭町内)、という日程です。
 TVタックルのたけしさんの発言には、いつも諧謔を装った中にさりげなく真理が含まれており、やはりこの人は天才だなとつくづく思わされます。

 今週の鳥取は久しぶりの大雪でした。私が子供の頃は7~80センチの積雪は当たり前だったように思うのですが、最近では珍しくなりました。大雪で小学校が休校になり、バスが学校に来て、鳥取砂丘へのスキー遠足に切り替わったこともありました。
 しかし、今般の大雪はとてもそんなのんびりとしたものではなく、地震の後遺症とも併せていろいろな被害が各地に出てしまいました。地元選出の国会議員として、一日も早く正常な生活を送れるよう、できる限りのことをしていきたいと思っております。
 皆様、お元気でお過ごしくださいませ。

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2017年1月20日 (金)

陛下のお気持ちなど

 石破 茂 です。
 日本国憲法第1条(「天皇は日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく」)により、天皇陛下のご地位は国民の意思によるものです。
 憲法第41条(「両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する」)によって、形式論的には国会議員が国民の意思を代表するのであり、いかなる法形式を採るかは別として、ご譲位に関する法律が定足数を充たす衆参両院出席議員(総議員ではない)の過半数によって可決され、成立すればよい、ということになるのでしょうが、そもそも本当にこれを「国民の総意」としてよいのか、全会一致でなければ「総意」とはいえないという考え方も、憲法改正の発議と同じく3分の2で足るとの考え方もありましょう。

 昨年8月8日、天皇陛下がそのお気持ちを全国民に対してビデオメッセージという形でご表明になったのは、主権者である国民一人一人に考えて欲しいとの大御心だと畏れながら拝察します。
 自分の不勉強を棚に上げて言うのですが、小学校から大学に至るまで、憲法の天皇陛下に関する条文も、新旧皇室典範も私はほとんど学ぶことが無く、議員になってからも陛下のお気持ちのご表明までは通り一遍の上辺だけの知識しか持っていませんでした。お気持ちを承って以来、不充分ながら自分なりに勉強してきましたが、ことの重大性と緊要性に恐れおののくばかりです。
 今日までこの課題に正面から向き合おうとしてこなかったことを、長く国会議員を務めてきた者として陛下と国民に心から深くお詫びしなければなりません。本当に申し訳のないことでした。

 新年の多くの会に出席し、挨拶を聴いてきましたが、この課題に触れる人は私の知る限り皆無でした(馴染まない雰囲気を感じながらも私自身はなるべく触れるようにしてきました)。
 少なくとも、与野党を問わず国会に議席を持つ者は、この課題の持つ意味をそれぞれの選挙区において広く語り、理解を得、意見を聞く責任を有していると思います。それは日本国の在り方そのものを国民それぞれが考えることであり、戦前から戦後を通じて多くの先人たちが生命を賭して護ろうとしてきたものを次代に引き継ぐことでもあります。
 「手続きが膨大」「時間が足りない」「政局にすべきではない」などに藉口することなく、間違いなくこの課題に誰よりも真剣に向き合ってこられ、最高の権威であらせられる陛下の大御心に沿うべく、真摯に、誠実にお応えしなくてはなりません。
 陛下はお言葉の中で「天皇が(日本国の)象徴であると共に、国民統合の象徴としての役割を果たすためには、天皇が国民に、天皇という象徴の立場への理解を求めるとともに、天皇もまた、自らのありように深く心し、国民に対する理解を深め、常に国民と共にある自覚を自らの内に育てる必要を感じてきました」と仰せになっておられます。これを今上陛下ご一代限りのものとして捉えてよいとは、私には思われません。
 「静かに議論する」ということは「議論を行わない」ことではありません。本日の国会開会式に臨まれた天皇陛下のお姿に接し、そのように深く思ったことでした。

 日本時間明日未明、ドナルド・トランプ氏がアメリカ合衆国大統領に就任致します。日高義樹氏の著書「核の戦国時代が始まる 日本が真の独立国になる好機」(PHP刊)によれば、同氏は「日本は第7艦隊の艦船の建造費の一部は分担すべき」と述べているそうです。
 最新鋭航空母艦「ジョージ・ブッシュ」は建造費だけで約7300億円、これに搭載機の価格を足せば一兆円は優に超えるものと思われ、分担率や艦艇の寿命にもよりますが、第七艦隊全体の一部負担とすれば相当の額になります。
 日米同盟の長い経緯を踏まえた者からは発想もしえないディール的な思考をする可能性も否定は出来ません。このような考え方が第7艦隊のみならず海兵隊を含む四軍すべてに及べばどうなるのか、荒唐無稽ですが可能性がないと言い切る自信はありません。ことほど左様に、我々は今まで考えても来なかった課題に直面せねばならないように思われます。
 日高氏の所論には賛同できない部分もありますが、政界に限らずアメリカの内情に通暁する卓越したジャーナリストの一人であり、いつも大いに啓発されます。昨年5月に私が訪米する途上、偶然機内でお目にかかった際に、トランプ氏当選の可能性について言及しておられたのが極めて印象的でした。

 週末は、21日土曜日がクニエダ(株)生産技術高度化施設竣工式・昼食会・内覧(正午・滋賀県守山市)、JAおうみ富士職員との意見交換会(午後2時・ファーマーズマーケットおうみんち)、川西いちご園見学、立田地区・地区計画について自治会役員会との意見交換会、野洲川歴史公園視察(午後3時以降・守山市内)、「地方創生で守山を元気にする会」で講演(午後5時・ラフォーレ琵琶湖)。
 22日日曜日は「守山を元気にする会」関係者との朝食意見交換会(午前7時半・同)、という日程です。

 都心は小雪が舞う天気となりました。皆様、ご健勝にてお過ごしくださいませ。

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2017年1月13日 (金)

トランプ政権と地方創生など

 石破 茂 です。
 最近、テレビ番組や講演などのテーマに「トランプ政権と今後の日米関係」を依頼されることが多いのですが、「実際に就任してみなければわからないし、してからもわからない」というのが正直なところです。
 昨日のトランプ氏の会見を見ていると、当選直後にテレビのインタビューで答えていた「メキシコとの間に壁は作らず、既に設置されたフェンスを活用する。オバマケアは修正する」などをあっさりと覆し、「メキシコ国境での壁建設計画を早期に実現する。フェンスではなく壁であり、費用はメキシコに負担させる。オバマケアは大失敗であり撤廃する」と発言したことにはいささか驚きました。公約の原点に戻ったと言えばそれまでですが、この人の真意は一体那辺にあるのか。真意、などというものはなく、その都度レトリックを使い分けているのだとすれば、これは相当に由々しきことです。
 彼のことを「ディールとサスペンスの大統領になる」と予測した人がありましたが、まさしく「相手に不安や緊張を抱かせて不安定な心理状態に置き、取引を仕掛ける」という手法を駆使するように思われます。対アジア政策も、対中・対露政策も、就中対中東政策もそうなるでしょうし、当面世界情勢は不安定にならざるを得ないものと覚悟しなければなりません。

 従来の民主主義・自由・人権・法の支配などという「普遍的な(とアメリカが思っていた)」価値を重視した外交から、アメリカの利益を重視する外交へと転換する可能性が高く、それに振り回されないようにするためには、我が国が地道に経済力と防衛力を回復・強化させていく他はありません。
 昨年10月に公表されたIMFの経済成長率見通しでは、我が国の成長率は0・6%で先進国の中で最も低く(アメリカ2・2%、ユーロ圏1・5%、英国1・1%)、その要因の一つである人口増加率はG7で唯一マイナスに転じ、労働生産性も24年連続でG7中最下位、という状況を直視すべきなのであり、その打開のための方策が地方創生であったことを忘れてはなりません。
 防衛力も、米国に対して集団的自衛権の全面的な行使が出来ない代償的義務としての基地提供義務と、米軍駐留経費の75%を負担していることが、防衛費対GDP比1%の正当性たりうるか、もう一度精緻に検証したいと思います。英国はEUからの離脱を決定しましたが、防衛費はNATO目標に従い2%を負担しています(絶対額も日本より多額)。日本周辺の安全保障環境が英国よりも良好であるとはとても考えられず、平和と繁栄にはそれに見合う負担を負わねばならないでしょう。
 まだ斜め読みしかしていないのですが、英国のEU離脱やトランプ勝利については、「問題は英国なのではない、EUなのだ 21世紀の新国家論」(エマニュエル・トッド著 文春新書)はとても面白そうです。

 天皇陛下のご譲位について、新聞各紙が「今上陛下は平成30年末で皇太子殿下にご譲位され、平成は30年で幕を閉じる」「今上陛下にのみ適用される特例法で対応する」とあたかも既定事実のごとくに一斉に報道していることには、まるで既成事実化が試みられているような印象を受けます。
 日本国憲法には「天皇は日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」と「日本国」と「日本国民統合」を分けて書いてあります。前者が憲法に限定列挙してある国事行為を指すとすれば、後者は今上陛下が営々と多年にわたって築いてこられた、国民と寄り添うお姿に国民が心からの敬慕の念を抱く「公的なご活動」を核とするものなのではないでしょうか。そう考えると「ロボット論」とか「今上陛下一代限り」という考えとは異なる結論も導き出せそうにも思われます。皇室の安定的な継続についても、今回何らかの解を見出すことが現在の日本国民に課せられた、日本国に対する責任のように私には思われます。
 「天皇『生前退位』の真実」(高森明勅著・幻冬舎新書)は、頭を整理する意味で有益なものでした。

 週末は1月14日(土)「激論!クロスファイア」(BS朝日系列・午前10時・収録)に出演の予定です。
 皆様、お元気でお過ごしくださいませ。

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2017年1月 6日 (金)

年男など

 石破 茂 です。
 明けましておめでとうございます。本年も何卒よろしくお願い申し上げます。新年早々本欄に多くのご意見をお寄せ頂いたことにも心より感謝申し上げます。

 元旦以来、いくつもの新年会に出席する機会がありました。当然のことながら「今年は酉年」で始まる挨拶が多いのですが、年男である私は、「そうか、アイツも今年は還暦なのか」と思われたくなくて、なるべくこの話題を避けて挨拶をしています。
 もっとも、以前は年が新しくなったことの何が目出度いのかよくわかりませんでしたが、齢を重ねて還暦近くともなると、ああこの一年、無事に過ごせてよかったなとしみじみ思います。いつのまにか今の衆院議員の平均年齢55歳も既に大きく超えてしまい、もはや決して若くはないのだ、日々を大切に生きなくてはと思わされた年明けでした。

 お正月は新聞や雑誌に比較的丹念に目が通せる有り難い時期なのですが、四日付の朝日新聞朝刊の「『経済成長』永遠なのか」と題する記事はとても興味深い視点から書かれたものでした。曰く、「今や数万円で買えるスマホの機能は、25年前であれば遥かに性能の劣るパソコン30万円、テレビ20万円、固定電話10万円、カメラ3万円、全35巻の百科事典20万円、計80万円を超えるものだったが、この便益の飛躍的な向上は国内総生産・GDPというモノサシで測ると、統計上はスマホの8万円に減ることさえある」とした上で、経済成長の持つ意味を問うています。雑誌「正論」2月号に収録された林景一前駐英大使の「トランプ孤立主義を目覚めさせる日英同盟構想」も、トランプ政権の今後と我が国のとるべき対応を英国の視点から論じたという意味で、とても示唆に富むものでした。同氏の近著「イギリスは明日もしたたか」(悟空出版刊)も是非読んでみたいと思っています。

 今朝は地元岩美町網代港での沖合底引き網漁船の新年初出航行事で、底引き網漁船の状況を見る機会がありました。昨年12月14日に、同じ岩美町の田後漁港所属「大福丸」が松江沖で転覆・沈没し、乗組員9名が遭難するという痛ましい事故があったのですが、同船は船齢30年の老朽船でした。
 沖底船許認可隻数329隻のうち200隻が船齢20年を超えているという現状は決して放置できないものですが、1隻あたり5億円はするという高価な船をいかにして建造可能とするのか、効果的・計画的な支援策を早急に講ずる必要があることを、自民党水産基本政策委員長として再認識させられました。

 週末は、7日土曜日が岩美町新年挨拶交歓会(午前10時・岩美町中央公民館)、藤井一博鳥取県議新年互礼会(午前11時・水明荘・湯梨浜町)、鳥取県東部歯科医師会新年祝賀会(午後5時半・ホテルモナーク鳥取)、同中部新年祝賀会(午後6時・倉吉シティホテル)。
 8日日曜日は「時事放談」出演(午前6時・TBS系列・収録)、自民党鳥取県連選挙対策委員会(午前11時半・米子ワシントンホテル)、あいサポートとっとりフォーラム17で講演(午後1時・米子コンベンションセンター)、という日程です。
 あいサポートフォーラムはここ10年近く続けて参加していますが、障碍を持った方々に対する政策について考えることのできる、私にとってはとても貴重な機会です。当選2回の頃、社会福祉政策や医療政策について、自民党の社会部会や、衆議院の社会労働委員会で随分と真剣に学んだのですが、最近は縁遠い分野となってしまいました。このような機会をとても有り難く思っています。

 比較的穏やかな年の初めとなりました。皆様、ご健勝にて良い一年をお過ごしくださいませ。

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2016年12月28日 (水)

日露など

 石破 茂 です。
 今年も余すところあと三日となりました。今年は予算編成や税制改正などの作業が早く終わったため、永田町は例年にもまして静かな年末となっています。以前は御用納めの直前まで、復活折衝だなんだとお祭り的に賑やかであったものですが、隔世の感があります。
 
 先日の日露首脳会談についてはその後あまりフォローされていないようですが、何故一時期あれほど期待値が上がってしまったのでしょうか。朝日新聞がプーチン大統領の「引き分け」「はじめ」発言を報じたことが端緒でもないでしょうし(同大統領の会見録を全部読むと、領土について甘いことは一言も言っていないようです)、一時期低迷していた大統領支持率が急回復したのはクリミアを併合し「強いロシア」を国民に見せつけたからであって、2018年に大統領選を控えた同大統領が領土で譲歩するなどとは普通は考えられないことです。
 会談が近くなった時点で報道も期待値を下げるものが多くなったようにも感じられましたが、見ていて違和感を覚えたのは私だけではなかったと思います。
 もう一点、1945年8月9日、旧ソビエト連邦が日ソ中立条約に反して対日参戦して多くの日本国民を殺害し、領土を不法占拠したという事実が少なくとも報道で知る限りあまり取り上げられていないように感じられるのはどういうことなのでしょう。報道されていないだけで、我が国の立場は微動だにしていないはずですが、今後の未来を語る場で取り上げるべきではないとの配慮もあったのでしょうか。
 「一平方マイルの領土を奪われて膺懲(ようちょう。征伐してこらすこと。広辞苑第6版)しない国民は、明日はその倍の土地を奪われ、やがて国家を失うことになる。こんな国民はそのような運命にしか値しない」とはイエリングの「権利のための闘争」の中にある言葉ですが、「膺懲」という言葉はともかくとして、我々はこの精神を胸に刻んで領土問題に当たってきたはずです。
 
 日露間で防衛・外務担当閣僚が話し合う2プラス2も、同盟国であるアメリカや、アンザス条約により間接的に協力関係にあるオーストラリアとは全く異なるロシアと、どのようなテーマで何を目指すのかが重要です。
 ロシアの軍事的意図については「正論」2月号に潮匡人氏が論じている通りと思われます。かつて防衛庁長官在任時の2003年、2月に私が訪露し、直後の5月にロシアのセルゲイ・イワノフ国防相が訪日するという大変異例の往来がありました(出身や経歴がプーチン大統領とそっくりで「プーチンよりプーチンらしい」と呼ばれ、その後長く大統領府長官を務めたイワノフ氏は、大統領候補にもその名がしばしば挙がっていましたが、この夏、職を解かれたことが様々な憶測を呼んでいます)。会談自体は内容の濃い有意義なものでしたが、ロシアの底知れぬ恐ろしさを痛感したことをよく覚えています。
 
 安倍総理のハワイ・アリゾナ記念館でのスピーチは、戦後に区切りをつけるとともに、日米の同盟関係を更に強化する狙いがあったものと思われ、英訳されることを念頭においてよく推敲された文章であったと思います。
 区切りをつけることは素晴らしいことですが、それとともに現代を生きる我々は、日本にとっての真珠湾攻撃とは何であったのか、山本五十六連合艦隊司令長官は何故投機的とも思われる真珠湾攻撃を計画・実行したのかをよく学び、今後の戒めや糧とすることが極めて重要です。
 武官として米国にも在勤し、圧倒的な日米の国力の差を誰よりも認識していた山本長官は、早期講和に持ち込むためにはこれ以外に手段はないと考えたのであり、米空母を撃ち漏らしたことに強い危機感を抱いて再びリスクの高いミッドウェー作戦を決行し、これに惨敗した日本はその後敗戦への道を辿ることになります。
 国民が真珠湾攻撃の勝利に酔い熱狂していた時、山本長官は広島湾桂島泊地に帰ってきた南雲忠一第一航空艦隊司令長官をはじめとする艦隊幹部を前に「諸士は凱旋したのではない。次の戦に備えるため一時帰投したのである。一層の戒心を望む」と訓示し、後日親しい桑原虎雄少将に「今が戦争のやめどきだ。それには今まで手に入れたものを捨てねばならない」「しかし中央にはとてもそれだけのハラはない。我々は結局斬り死にするほかはなかろう」と語ったと伝えられます(「大和と武蔵」吉田敏雄著 PHP刊)。
 政治が軍事をよく理解することによってのみ機能する文民統制が全く働かなかったことと、統帥権独立の名の下に軍政と軍令が峻別されていなかったことが、日本敗北の決定的な原因であったと私は考えています。来年は我が国を取り巻く環境が激変することも予想されるなか、過去に学ぶことの重要性を改めて痛感しています。

 年末年始は、宿舎の片付けやテレビ出演・講演の準備に充てたいと思っております。
 30日金曜日は「たけしの誰も知らない伝説」出演(午後9時・テレビ東京系列・収録)。
 31日大晦日は、「大みそか列島縦断LIVE 景気満開テレビ2016」出演(午前6時 フジテレビ系列)、担当記者との懇談会(午後9時・鳥取市内)。
 元旦はどんどろけの会 年始お茶配り(午前零時・後援会鳥取事務所前)、実践倫理宏正会元朝式(午前5時・鳥取卸センター)、宇倍神社新年参拝(午前8時・鳥取市国府町)、自民党国府支部新年祝賀会(午前8時半・宇倍神社)、という日程となっています。

 今年はこれで最後の更新となります。1年間、誠に有り難うございました。
 皆様、どうかよい年をお迎えくださいませ。

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